古代人

古代人






  • 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
  • パッチ6.0まで進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。










Table of Contents

概要

  • 古代に生きていた人々。
    エメトセルク : なんだ、アシエンや古代人には、血も涙もないと思ったか?
    古代人
  • 第七星暦から見て「古代」というと幅が広くなるが、ここでは主に1万2千年前に起きた世界分断前に生きていた古代人を対象とする。※第三星暦第五星暦頃の比較的近い古代については「古代」の項を参照のこと
  • また第一星暦以降現在までに確認されている各人間種族がいつから発生していたのかは不明だが、とりあえず現在の第七星暦に生きる人間種族(小さな命たち)を、説明の便宜上ここでは仮に「現生人類」と呼ぶことにする。なお古代人の再現体である月の監視者は、現生人類のことを「現生生命」と呼んでいる。
  • エメトセルクの言葉は、終末後1万2千年を生き様々な出来事を乗り越えた経験の積み重ねや、逆に古代人を語る際にはやや理想論に陥り誇張しているきらいがある。つまり第七星暦においてエメトセルクが語る古代人の考え方などについては正確性を欠いている可能性が高い。しかしここではそれを区別することなく列挙するものとする。
  • なお古代人自身は、自らのことを「真なる人」と呼んでおり、現在のハイデリン世界に生きる現生人類と比較して自分たちを「旧き人」とも言う。
    エメトセルク : 私は、世界を……人を……真なる形に戻したいのさ。
    エメトセルク : 我は真なる人にして、エメトセルクの座に就きし者……
    エリディブス : 私は、アシエン・エリディブス。
    エメトセルクの再現した街を歩んだであろう君たちには、
    こうも名乗れよう……
    エリディブス : 真なる人を導きし、十四人委員会の調停者である……と。
    月の監視者 : この状態では、アシエンたちが望むように、
    古き人々を蘇らせることはできないだろう……。
  • 1万2千年前、ハイデリンにより世界は分かたれており、古代人の多くはその時に分断され現在はほとんど生き残っていない。
  • 古代においては人が神であったという。
    遠い遠い昔。
    まだ祈りを捧げられる神はなく、人が神であったころ。
    エーテル界と呼ばれるその領域は、時代によって様々な異名をとる。
    彼らの時代においても、また同様に――
    見えざる領域、死せる者の還る場所とされたことから、「冥界」とも呼ばれていた。
    冥界は、神たる人々にとって、ごく身近な存在だった。
    水が地から海に注ぎ、海から雲が生じて、それが雨として再び地に還るように、命の循環を担うひとところとして大切にされていた。

    漆黒秘話 4話

アシエンとの関係

  • 古代人のうち、現在の第七星暦まで生き残っているもの、及びオリジナルにより座に着けられた転生組が「アシエン」と呼ばれている。
    これがオリジナルのアシエン、
    すなわち、古代人というわけね……。
  • ※ただしアシエンのうち古代人のままの個体を「オリジナル」と呼び、これはわずかに3名となっていた。また現生人類(分裂後の人)からアシエンの座についた個体は「転生組」と呼ばれ、オリジナルとは区別されている。つまりオリジナルとは「現在まで生き残っている古代人」ということになる。
    エメトセルク : エリディブス、ラハブレア、イゲオルム、ナプリアレス……
    それらアシエンの名は、いわゆる「本名」ではない。
    とある職責を司る「座」の名前だ。
    エメトセルク : とすれば、当然、別人が継承することもできる。
    これだけ長く活動していれば、当然脱落した奴もいるが、
    そのときは、誰かをその「座」に就ければいいという話だ。
    エメトセルク : それが顕著なのが転生組だな。
    彼らは……彼らのもととなった人物は、ハイデリンの一撃で、
    魂ごと14に分断されてしまった……。
    エメトセルク : 努めてポジティブに言えば、14人の候補が誕生したわけだ。
    それの中からいずれかを、私たちオリジナルが引き上げ、
    使命と力を取り戻させて「座」に就ける。
    エメトセルク : まあ、縁も由来もない奴を就任させることもできなくはないが、
    ゾディアークの召喚者たる我々は、魂すら奴に浸食されている。
    ……最初から染まった魂の方が、失敗しないというわけだ。
    • オリジナル三人のアシエンといえども「座」は何代かに渡って受け継がれており、初代の古代人とは別人の古代人が「十四人委員会」のメンバーとなってきた。要するにハイデリンによる世界の分断が起こった際に(まだ明らかにされていない何らかの要因により)分断されずそのまま残った古代人がオリジナルということになる。アシエン・エメトセルクだからオリジナルなのではなく、真なる人ハーデスだった人物が分断を免れ現在まで生き残っているのである。
    • 古代人は魂のみの存在になってもまだ死んでいない(エーテル界には戻っていない)ため、厳密にはハイデリンとなったヴェーネスもまたオリジナルの古代人である。そのためオリジナル三人組の最後のひとりであるエリディブスは、魂が消滅する時にヴェーネスに対して、「真なる者 旧き人も 残すは君だけだろう」と言葉を送っている。ただしヴェーネスハイデリン)自身は最期に「私は、きっともう、魂も残らないけれど……」と語っており、星海に戻れたのかどうかはわからない。
  • この転生組については、オリジナルとは明らかに能力の違いがある。しかし、それでもアシエンの座に着く(=「超える力」を受け入れる)ことでブーストされるのか、通常の人とは異なる能力を持つ(不滅なるもの)。
    アシエン・ナプリアレス : 光の加護を受けた者がいることで、お前たちは守られてたんだよ。
    この拠点だって、例外じゃない……。
    アシエン・ナプリアレス : 白法衣やラハブレアのような「オリジナル」はともかく、
    俺たち「転生組」にしてみれば、
    光の加護の突破は容易じゃなかったのさ。

古代人の能力

生命

  • 永遠に近い生命を持っている。
    エメトセルク : 真なる人は頑強な魂を持ち、ほとんど永遠の時を生きられた。
    エメトセルク : 矮小にして狭窄、限定的で刹那的。
    ひ弱で短命な生物では、やはりそこが限界か?
    アルフィノ : 確かに、不滅なる者である君からすれば、
    あらゆる命が短命にも思えるだろう。
    だが……!
    エメトセルク : 違う、特別なのは私の方じゃない!
    エメトセルク : ……昔は誰だって、永遠に近い時を生きていた。
    お前たちが、それを捨てたまま歩んできただけだ。
  • 「デュナミス」や「エンテレケイア」について聞かれたティマイオスは次のように語っている。言葉を聞いた事自体が数百年ぶりだとすると、その数倍以上は生きているのかも知れない。
    ティマイオス : デュナミス……エンテレケイア……?
    ティマイオス : うーん、どこかで聞いた気もする言葉だな……
    エルピスで創られた花に、
    そんな特性があるんじゃなかったか……?
    ティマイオス : だとしたら、聞いたの自体が数百年ぶりだ。
  • ※ちなみにハイデリンが創り出したレポリット族も次のように語る場面があり、同様に現生人類に比べれば”永遠”と言えるほど長寿の可能性がある。
    グローウィングウェイ : とはいえ環境開発は気長な戦いですから、
    機構を創るだけ創って、成果が出るまで数百年眠っている……
    なーんてこともしばしばでしたが!
    グローウィングウェイ : そうしてハイデリン様に「協力者」を求め、
    定期点検のとき以外は眠りながら待つこと数百年……!
  • エルピスでは亡くなった生命(ただし創造生物)には時魔法をかけて大地へと循環させるという。
    カルミオン : ここエルピスでは、魂が離れた亡骸は循環を早めるために、
    時魔法をかけるのが決まりなの。
    カルミオン : 亡骸の時を魔法で進めて……
    このエルピスの大地になってもらうんだ。
  • なお亡くなった人に花を手向けるという発想はなく、光の戦士の提案によりそれが行われる場面がある。
    カルミオン : ニメーヤリリー?
    美しい響きの花だけど、聞いたことがない花だなぁ。
    最近登録された品種かな?
    マイラ : 私たちは想いを込めて、人に花を贈るけれど……
    亡骸に手向けるという発想はなかったわねぇ。
    ソクレス : 私たちは戻って、今回のことを記録に残さないとね。
    これはアナグノリシス天測園の、
    歴史的な記録になりそうだ。

創造魔法

  • イデアすなわち概念を設計図とし、万物を生み出す創世の術。
    ヤ・シュトラ : ところで、ウリエンジェ……。
    あなた、創造魔法というのものを、どう考えていて?
    ウリエンジェ : イデア……すなわち概念を設計図とし、
    万物を生み出す、創世の術……といったもののようですね。
    ウリエンジェ : それは、アシエンが世に伝えてきた、
    架空の神を顕現させる儀式……「神降ろし」にも似ているかと。
  • 創造物管理局長であるヒュトロダエウスによる説明。各自が考案したイデアは、「創造物管理局」に提出されて審査、分別、管理される。
    ヒュトロダエウス : ワタシたちの扱う創造魔法は、
    エーテルを素とし、イデアを設計図として、
    無機物から生物まで森羅万象を綾なす技だ。
    ヒュトロダエウス : 各自が考案したイデアは、
    ワタシの勤め先でもある「創造物管理局」に提出されて、
    審査、分別、管理される。
  • ヒュトロダエウスが局長を務めている創造物管理局に提出されたイデアのうち、生物については「エルピス」へと送られ観察・研究される。
    ヒュトロダエウス : ここエルピスには、そのうち「生物」に類するものと、
    一部の「魔法生物」に類するものが送られてくる。
    そして、さらに詳しく観察、研究されるのさ。
  • ただし、必ずしも「創造物管理局」→「エルピス」という流れではないようで、「エルピス」にはイデア未登録の生物が確認できる。
    ヒュトロダエウス : ワタシも、キミには興味があるんだ。
    飛行生物創造の第一人者、天を識る者ヘルメス……
    その申請前の創造生物を視る機会なんて、そうそうないからね。
    ヒュトロダエウス : 創造物管理局にも、届け出てないでしょ?
    イデアを見た覚えがないや。
    ヘルメス : 彼女は、自分の個人的な研究のために創造した。
    けれどまだ、成果を得ていない段階だ……。
    ヘルメス : だから申請できていないが、いずれは伺うつもりでいる。
  • ※現代においては、この創造魔法は現生人類の持つエーテル量の少なさから実質的に使えない”破滅の術”となってしまっている。しかし様々なものに派生している。
    ヤ・シュトラ : 世界が分かたれる前の存在である古代人は、
    とてつもなく膨大な魔力を有している……。
    ヤ・シュトラ : 創造魔法に多くの魔力が要るとしても、
    己の内に流れるものだけで、まかなえたのでしょうね。
    ヤ・シュトラ : しかし、私たちがそれを使おうとした場合は、そうもいかない。
    自身の魔力では到底たりず、外から……
    環境エーテルや、クリスタルから吸い取ってしまう。
    ヤ・シュトラ : 結果、使うだけで周囲のエーテルを枯渇させる、
    破滅の術になってしまった……ということではないかしら。
  • ハイデリンが創造したレポリット族は、創造魔法を使うことができる。ただし自身では魔力が足りないため、結晶化マシンを使ってエーテルをクリスタルにした上で服や道具の「もと」として使っているという。
    リヴィングウェイ : わたくしたちはハイデリン様が創った、
    「創造魔法を使える創造生物」ということになりますわね。
    えー、話を戻すと、創造魔法で服を創ろうとしたとき、
    わたくしたちでは魔力が足りません。
    リヴィングウェイ : そこで、この結晶化マシンを使ってエーテルをクリスタルにし、
    服や道具の「もと」として使っているのです。
    ウリエンジェ : ベストウェイ・バローで片鱗を見た方もいるかと思いますが……
    レポリットたちは、いにしえの創造魔法を用いて、
    月の環境を創り上げてきたのです。
    ウリエンジェ : 自身やクリスタルなどのエーテルを、万物に換える魔法……
    それを正しく発動させるには、
    創るものを明確に思い描く必要があります。
    アルフィノ : だから古代においては、イデアと呼ばれる設計図が作られ、
    保管されていたんだったね。
    ウリエンジェ : そしてこの創造魔法から派生した術が、
    アシエンの広めた「神降ろし」です。
    ウリエンジェ : 神降ろしに際して、設計図の役割を果たしたのは、
    日常的に神を想起するという行為……信仰でした。
    ヤ・シュトラ : ああ、なるほど……
    つまり、レポリットの知る本来の創造魔法と、
    彼らの信仰によって、マザークリスタルを変換する……。
    ヤ・シュトラ : 正しい形で、神降ろしをしようというのね?
  • ※なおアシエンが広めた神降ろしの術式(つまり蛮神降ろしの術)は少し特殊で、「自己の増幅」という概念が組み込まれている。そのため、呼び出された蛮神は周囲の者を「テンパード」にしようとするのだという。
    アリゼー : それって、テンパードになったりしないの……?
    リヴィングウェイ : シャーレアンが蓄積してきた資料を見るに、
    アシエンが広めた神降ろしの術式には、
    「自己の増幅」という概念が組み込まれているようでした。
    リヴィングウェイ : だから喚び出された神々は、
    召喚者も含め、周囲の者を信徒にしようとした……。
    リヴィングウェイ : けれど本来の創造魔法に、その概念はありません。
    さすがにゾディアーク級を創れば引っ張られるでしょうが、
    今回の規模であれば、ご心配には及ばないかと。
  • 生物と魔法生物との違い
    ヘルメス : 君は「生物」と「魔法生物」をわけるのは何か、知っているか?
    ヘルメス : 正解は、魂の有無だ。
    そして魂というものは、宿すか否かを決められるものじゃない。
    ヘルメス : 自身のみで生存が可能な形に創られたとき、
    うちに魂が生じて、「生物」となる。
    ヘルメス : 一方で、単独では生存が不可能な形で創られたとき……
    たとえば術によって構築されたり、
    自然現象に伴って発生するものには、魂が生じない。
    ヘルメス : 外見が動植物に似ていたとしても、
    それら魂なきものは「魔法生物」になるんだ。
    ヘルメス : ……そう、魂を持つこと、生命になるということは、
    人が手出しできない領域の現象……。
    自分たちが管理すべきだなんて、おこがましい妄想だ。

イデアの共有(独創性の排除)

  • 私有や独占という醜い行為は争いの種になると考えており、創造魔法で生みだしたものを独占して、誇示するのは恥ずかしい行為だとされる。なので各自が考案したイデアは、「創造物管理局」に提出されて審査、分別、管理されるべきだと考えている。
    世話好きのアーモロート市民 : ねえ、ちょっとそこの君。
    その恰好、おそらく自分の創造魔法で生みだしたものだろう?
    ずいぶんと、その、独創的だね……。
    世話好きのアーモロート市民 : 子どもなら、そんな服を着るのも若気の至りかもしれないが、
    あまり褒められたものじゃないな。
    世話好きのアーモロート市民 : いいかい、優良なアーモロート市民たるもの、
    創造魔法で生みだしたものを独占して、誇示するのは、
    すごく恥ずかしいことなんだよ。
    世話好きのアーモロート市民 : 調和によって成り立つこの世界では、
    素晴らしい創造物は、みんなで共有すべきだし、
    私有や独占という醜い行為は、無用な争いの火種になる。
    世話好きのアーモロート市民 : だから君も、そんな風変わりな服は脱ぎ捨て、
    大人と同じように、このローブを着用したほうがいい。
    もちろん、君の名誉のためを思って、言っているんだよ。
    世話好きのアーモロート市民 : そうだ、人民弁論館前にいる「柔和なアーモロート市民」は、
    小さなローブを持っていた覚えがあるな。
    君、そこへ行ってもらってくるといいよ。
    世話好きのアーモロート市民 : どうか君も、小さなアーモロート市民として恥ずかしくない、
    装いになってくれたまえ。

自然交配

  • 自然交配で植物を創っている人物もいる。
    風雅な創造者 : 私は、ここからすこし離れた異土の庭で研究をしていてな。
    そこでは、創造魔法を使わず「自然交配」で、
    新たな生物を創っている。
    風雅な創造者 : ようやく新種の果樹に実りができたゆえ、
    天測園の職員たちに試食を頼みたいのだが……。
    私はその、少々変わり者だと敬遠されていてな。
    神経質そうな観察者 : そうか、異土の庭の創造者がつくったものか……。
    自然交配による創造は、揺らぎの幅が大きすぎる。
    成功するまでの効率があまりにも悪いのではと思うぞ。

エーテルを視る力

  • エーテルを視るか物質を見るかというのは、眼の焦点を変えるようなものだと言う。しかし始終覗き見するような行為は品性に欠けるという。
    ヒュトロダエウス : ああ、ワタシとエメトセルクはね、
    少し変わった力を持っているんだ。
    ヒュトロダエウス : エーテルを、普通よりも深く広く視ることができる眼……
    キミの魂の色がわかったのも、そのおかげさ。
    エメトセルク : 先に断っておくが、必要に迫られないかぎり、
    エーテルを視る眼でヘルメスを追うことはないぞ。
    他人の動向を、始終覗き見るなど品性に欠ける……。
    エメトセルク : そもそも、エーテルを視るか、物質を見るかというのは、
    眼の焦点を変えるようなものだ。
    私たちとて、普段は当然、物質の方に目を向けている。
  • 漆黒秘話でも語られている。
    仮面の陰に隠されたその両の眼は、ただぼんやりと虚空に向けられていた。
    一見すると星でも眺めているようだったが、彼の眼に映っている風景は、常人の見ているものと少々異なる。
    万物の有するエーテルが、色とりどりに輝いていた。
    それは地にも空にも奔り、星をすみずみまで活かしていた。
    どこかで役目を終えた命が、風に乗って漂っていた。
    それがふと、向こう側――冥界へと潜っていった。
    意識を向けさえすれば、どこまでも深く、どこまでも遠く、巡る命を捉えられる。
    物質の有するエーテルを視ることができる者は少なくないが、彼ほど鮮明に、遠くまで見通せる者となればわずかだろう。
    その力を以てすれば、生命の核たる魂も、それぞれに異なる色をしていることまで見て取れる。まさしく、冥界の住民であるかの如き所業だった。

    漆黒秘話 4話
  • ヒュトロダエウスもエーテルを視る眼を持っている。
    ヒュトロダエウス : 実は、最初に十四人委員会への誘いを受けたのは、
    彼じゃなくワタシだったんだ。
    エーテルを視る眼を買われてね。
    ヒュトロダエウス : ……でも、ワタシは断った。
    確かに視ることにかけては人並み以上だけれど、
    あくまでも視るだけだ。
    ヒュトロダエウス : エーテルを操作する方は、どちらかというと下手な部類なのさ。
    実際、転身もできないしねぇ……。
    しかし、稀有なことに彼もまた、冥界を見渡す眼を持つエメトセルクの同類だった。あるいは、視るだけならば彼の方が一枚上手かもしれない。
    その双眸は常に、本質と真実を見抜いている。故にこそ、多種多様な「イデア」を扱う創造物管理局の仕事は実に彼向きだと、誰もが認めるところなのだが……それにしたってこの緩みっぷりはどうか、と度々思ってしまう。
  • エメトセルク
    ヒュトロダエウス : その点、エメトセルクは完璧だ。
    エーテルが視えるだけじゃなく、それを自在に引き寄せて、
    強大な魔法を使うことができる。
    ヒュトロダエウス : あれほど偉大な魔道士を、ワタシはほかに知らないよ。
  • ヤ・シュトラのケース
    • ちなみに、エンシェントテレポで視力を失ったヤ・シュトラもエーテルで視ている。
      マトーヤ:……シュトラ、お待ち。
      お前、目が見えてないね。……いつからだい?
      ヤ・シュトラ:あら、気づいてたのね……。
      きっと「エンシェントテレポ」の後遺症だわ。
      マトーヤ:……馬鹿な子だよ。
      どんな理由があったかはしらないが、禁術に手を出すなんて。
      ヤ・シュトラ:ミンフィリアとの約束だから。
      悪しき者から、あの人を……光の芽を守るため……。私にできることをやっただけ。
      それに、地脈を彷徨うなんて、貴重な体験をすることができたんだもの。
      むしろ、ありがたいくらいよ。
      マトーヤ:エーテルの流れだけで辺りを視ることは、
      魔力を消耗させ、体に大きな負担となる……。重々、気をつけなさい……。
      ヤ・シュトラ:……ありがとう、マトーヤ。
      ウリエンジェ : ……ご存知かもしれませんが、
      ヤ・シュトラは、以前の事故で視力を失っています。
      ウリエンジェ : 代わりに、万物の有するエーテルを視ることで、
      かつてとそん色ない視界を得ているはずですが……。
      ウリエンジェ : 魔女マトーヤ、おわかりになるでしょう。
      私です……ウリエンジェです。
      ヤ・シュトラ : ……確かにあなたに視えるわね。
      それから、サンクレッドと……
      話に聞いた、こちらのミンフィリアかしら?
      ウリエンジェ : ご明察です。
  • しかしこの時光に侵されていた光の戦士を敵だとみなして警戒を解かない。
    ウリエンジェ : ご明察です。
    ですので、どうか武器をおろしてはいただけませんか?
    ヤ・シュトラ : そうね……。
    あなたが本当にウリエンジェだというのなら、
    隣に連れているのは何だというの?
    ヤ・シュトラ : その……罪喰いとしか思えない、光に侵されたモノは。
    ウリエンジェ : ……まさか、お忘れではないでしょう。
    我らが「暁の血盟」の英雄を。
    ウリエンジェ : (光の戦士)はついにこちらへ至り、
    すでに、2体もの大罪喰いを屠ったのです。
    ヤ・シュトラ : そんな……あなた、なの……?
    導師らしき青年 : 姐さん……?
    オイラたちは、どうすれば……。
    ヤ・シュトラ : 悪かったわ、私の勘違いよ。
    みんな、武器をおろして頂戴。

過去視

  • 過去視について。
    ヴェーネス : 仕方がありません。
    過去が視られるか試してみましょう。
    ……やったことはありますか?
    ヴェーネス : 過去を視るには、おおまかにふたつの手段があります。
    ヴェーネス : ひとつは、当人がその記憶を想起しているときに、
    心の壁を超えて窺い見る方法……。
    ヴェーネス : もうひとつが、場のエーテルに刻まれた記憶を、
    読み解くという方法です。
    ヴェーネス : 魂に記憶が刻まれていくように、
    世界に満ちるエーテルにだって、歴史は刻まれていくのです。
    ヴェーネス : もっとも、そういったものは消えやすいので、
    必ず読み取れるとは限りませんが……。
  • 現生人類の過去視
    • 光の戦士こと冒険者は偶発的に過去視を行うことがある。しかしこの能力は自らの意思で発動させることは出来ない。
    • 同様に過去を視ることができるのは、ミンフィリアアレンヴァルドイゼル闇の戦士などがいる。※反対に「未来視」をできる人物としてミコト・ジンバがいる。→ 「超える力」の項を参照のこと。
    • 過去視などいわゆる「超える力」と呼んでいるものは真なる人が有していた力の片鱗であるという。
      エリディブス : やっと気づいたか?
      自分たち「なりそこない」の滑稽さに……。
      エリディブス : そう、君たちが「超える力」と呼ぶものは、
      真なる人が有していた力の片鱗だよ。

転身

  • 転身とは、己の身体の外にもうひとつの身体を創ること。それを他者の前で行うことは力の誇示に等しく、ローブを脱いで走り回るのと同等の恥ずべき行為とされる。
    エメトセルク : なんだ、「転身」を知らないのか?
    知識が中途半端だな……。
    エメトセルク : 「転身」は大量のエーテルを使って、
    己の身体の外に、もうひとつの身体を創ることだ。
    エメトセルク : 肉体という枷をなくし、望む力に適した形を得ることで、
    能力は飛躍的に向上するわけだが……
    エメトセルク : それを他者の前で行うことは、力の誇示に等しい。
    ローブを脱いで走り回るのと同等の、恥ずべき行為だ。
  • いっぽうエルピスで出会うヘルメスは、この転身を恥ずかしいとは考えておらず比較的カジュアルに「ヒョイッ」と転身するという。ただしそれはあくまで管理される生物を思ってのことであり、その目的のためには手段を選ばないということである。
    ヘルメス : 自分が「転身」してともに飛び、
    その子がコツを掴むまで、魔法で風の制御を手伝おう。
    悩ましげな観察者 : えええっ!?
    い、いや……そこまでしなくとも……。
    エメトセルク : お前……普段からそんな簡単に、
    転身するなどと言っているのか……?
    ヘルメス : ち、違う……!
    自分の転身は、風を操り、空を飛ぶのに都合がいいんだ!
    ヘルメス : 観察ひとつに大袈裟だと思うかもしれないが、
    カリュブディスたちにとっては、命が懸かっている事態だ。
    ヘルメス : こちらも最善を尽くして補佐をするべきであって、
    それを恥ずべき行為だとは思わない……!
    ヘルメス : それは、そうかもしれないが……
    さすがに申し訳なさすぎるのでは……?
    ヒュトロダエウス : 大丈夫、大丈夫!
    さっきも言ったけど、キミがヒョイッと転身してたって、
    当代のファダニエルに報告するよりは、いくらも気が楽さ!
    ヘルメス : 偉大なるエメトセルクよ、どうか頼む。
    その子に飛び方を教えてやってくれ……!
    メーティオン : じゃないと、ヘルメス、
    今からここで、だいたんに、転身する!
  • 同じようなもので、公的な場でフードを被らないのもマナー違反なのだという。しかしエルピスにおいてはフードを脱ぐことを求められ、エメトセルクはしぶしぶ従っている。
    エメトセルク : 言っておくが、公的な場でフードを被らずにいるのは、
    エルピスだからこそ認められている特例だ。
    危険な生物もいる以上、視野は広くしておくべきだからな。
    エメトセルク : お前にどんな常識が刻まれているかは知らんが、
    ほかの場所で、こんな個を主張するような真似はするなよ。
    マナー違反だぞ。

飛行能力

  • なおエメトセルクは転身せずとも空を飛べる。
    ヒュトロダエウス : 彼なら、転身しなくても空を飛べるし、
    風脈だって視えている。

分裂後

  • ハイデリンの一撃により分断されるとどうなったのか
    エメトセルク : ああ……。
    問題はその、ハイデリンの一撃だ。
    エメトセルク : 枷として創られたあいつは、
    力を削ぎ落すことに関して、破格の能力を持つ。
    エメトセルク : その渾身の一撃ともなれば、身を裂くなんて単純な話じゃない。
    ……存在そのものを切り刻むという、離れ業だった。
    エメトセルク : 例えば、お前がその技を受けたとする。
    すると、お前が2人に分かたれる。
    エメトセルク : 見た目はそっくりお前のまま。
    しかし、ひとつひとつを構成する要素は薄くなっている……
    力も、知能も、魂も、なにもかも半分ずつだ。
    エメトセルク : それと同じことが、
    ゾディアークを含め、この星全体に起きた。
    エメトセルク : あの一撃を逃れたのは、たったの3人……
    オリジナルのアシエンたる、私たちだけだ。
    エメトセルク : 14に分かたれた世界を見たときは、絶句したよ。
    エメトセルク : 生命はどれも、弱く、脆く、愚かになっていた。
    しかも、その不完全な状態のまま、
    それぞれに固有の歴史を歩みはじめたじゃないか。

古代人の生活

食事

  • 普通に食事を摂るようだ。
    晶蔵院の職員 : 彼女が、夜な夜なたくさんのメーティオンを空に飛ばす、
    ヘルメスを見かけたそうでね……。
    晶蔵院の職員 : それがとても綺麗な光景だったと、
    数日間、食事の度に話を聞かされたものだよ。
  • ただし、小型の創造生物たちほど頻繁に食物からエーテルを摂取する必要はないのだという。
    エウアンテ : そもそも、ヘルメス自身も偏食が過ぎると思うのよ。
    確かに私たちは、小型の創造生物たちほど頻繁に、
    食物からエーテルを摂取する必要はないわ……。
    エウアンテ : けれど、絶食が続けば弱りはするし、
    偏ったものを食べていたら、その結果は体に表れる。
    なのに彼ときたら……主食が果実の砂糖漬けよ?
  • 生物にとって食事はエーテル不足を補うための行為だが、エーテル吸収効率と美味しさを両立するのも褒められる。
    カルミオン : 君が無事にエーテルを補給できてよかったよ!
    ソクレス園長は料理がとっても上手なの。
    カルミオン : でも、食事は生物にとって、エーテル不足を補うための行為。
    それ以上の価値を追求することは、自然に反する、
    っていうのが私の考え。
    カルミオン : たとえば快楽のために味や量を過剰に求め、
    必要以上に生物を殺すのは、星にとって善くないはずだもの。
    カルミオン : その点、ソクレス園長はすごいよ。
    絶妙な素材選びと調理法で、
    最高のエーテル吸収効率と美味しさを両立できるんだ。
  • ヴェーネスは話を聞く際にお茶を入れており、お菓子もあればよかったと話している。
    ヴェーネス : 仮宿ではありますが、ようこそ。
    すぐにお茶を淹れてきますので、
    お好きな席に座っていてくださいね。
    ヒュトロダエウス : いい香りですね……ほっとする。
    ヴェーネス : お菓子もあればよかったのですが……
    旅暮らしの癖が抜けなくて、どうも身軽さを優先してしまうの。
    ヴェーネス : お茶のおかわりなら、いくらでも。
    お湯は温かいまま保っていますから、焦る必要もありません。
  • ヘルメスの好物はリンゴの砂糖漬けだという。
    メーティオン : こんにちは、エウアンテ!
    あのね、リンゴを、創ってほしい。
    メーティオン : 瓶に入れて、砂糖、どばどばする!
    それ、ヘルメスの好きなもの。
    エウアンテ : リンゴの砂糖漬けね……?
    確かにそれは、ヘルメスの好物だけど、
    あなたは食べ物を摂るように創られていないのよ。

アーモロート

  • 古代人の都
    エメトセルク : いい世界だったんだ、穏やかで朗らかで……。
    真なる人は頑強な魂を持ち、ほとんど永遠の時を生きられた。
    エメトセルク : だから、余裕のなさから生じる、さもしい争いをしなかった。
    ときに異なる意見を持ったとしても、同じ分だけ認め合えた。
    エメトセルク : アーモロートの街並みは壮麗で美しく、
    高い塔のさらに上、遥かな空から日差しと風が注いでいた。
    ヤ・シュトラ : あの人は……エメトセルクは、
    遺構をそのまま利用したわけじゃない……。
    その上に、「在りし日の街」を、魔法で再現したんだわ。
    ヤ・シュトラ : まったく、呆れるほどの魔力だこと……!
    これがオリジナルのアシエン、
    すなわち、古代人というわけね……。

再現都市アーモロート

  • アシエン・エメトセルク第一世界の海底に再現したかつてのアーモロート。災厄前の時代のまま止まっている。
    アルフィノ : そうか……彼らにとって、災厄は「未来の出来事」なんだ……!
    ウリエンジェ : ……左様かと。
    アーモロートの街並みも、そこに生きる人々も……
    ここにあるのは、まだ終末を迎える前の一幕……。
    ウリエンジェ : エメトセルクが再現したのは、
    古代人たちの生きていた「ある日」なのでしょう。
    ヒュトロダエウス : 名を、ヒュトロダエウスという……そう認識している。
    ここが、ある時間を写し取っただけの幻影都市だともね。
    ヒュトロダエウス : ……ここまで来ているキミなら、知っているかな。
    ワタシたちは、「今日」のあと、大きな災厄に見舞われるんだ。
    ヒュトロダエウス : 最初、局地的にはじまったその災厄は、
    やがて星全体におよび、正真正銘の終末と化した。

古代人の考え方

  • 古代人は永遠に近い生命を持っている。そのため死生観なども大きく異なっている。

アーテリス(Etheirys)

  • 現生人類が「ハイデリン」と呼ぶこの惑星を、古代人は「アーテリス(Etheirys)」と呼んでいる。
    月の監視者 : 遥か昔、我々が生きた時代。
    あの青き星は、ただ「輝く空」と……
    「アーテリス」と呼ばれていた。
  • これはエーテルが特別に濃いことに由来するのだという。
    ヘルメス : ……アーテリスは、エーテルが特別に濃い星だ。
    それこそ、名の由来になるほどに。
    ヘルメス : 君は、天に輝く星の正体を知っているか?
    ヘルメス : ここからじゃ、ちっともそうは見えないが……
    あのひとつひとつが、アーテリスと同じ、
    あるいはさらに大きな大地でできている。
    ヘルメス : ……これだけの数だ。
    自分たちは星のために生きているが、
    別の価値観を持つ生命もいるだろう。
    ヘルメス : 自分は、彼らに問いかけたい。
    彼らがなぜ生きるのかを……命の意味を。
    • なお「暁月のフィナーレ」までプレイした人は惑星ハイデリン=アーテリスだということがわかっている。しかしだからといって今後のシナリオでアーテリスと呼ぶわけではないということを第68回PLLで語っている。

    逆に世界中にいるそれらの真相を知らない大多数のエオルゼア人はこれまでと変わらず惑星「ハイデリン」と呼ぶと思います。ただそもそも東方の人たちとか、それから新大陸に居るひとなどは、元々ハイデリンと呼んでない地域もあるので、統一されてないんですよ世界で。なので呼び方は、その地域に行けば別の名前で呼んでいるというのはあると思います。

死生観

  • 「死ぬ」とは言わずに「星に還る」と言う。
    メーティオン : 星に還るは、死ぬ、のこと……?
    ヒュトロダエウス : おや、珍しいね。
    エルピスではそう呼ぶ方が主流なのかい?
    その言葉を使う人は、滅多にいないと思っていたけれど。
    ヒュトロダエウス : 我らは星の意志であり、細胞である……。
    この命こそが星に流るる血の一滴、
    己が身のごとく星を育め……。
    ヒュトロダエウス : それが、ワタシたち「人」の役割だよ。
    星を善くすることで、そこに生きるすべてのものが、
    幸せでいられるようにするわけだね。
    ヒュトロダエウス : みんな、そのために識り、考え、創り出してきた。
    おかげで原初のころは荒々しかったという星は、
    これほどまでに穏やかに、優しいものになった。
    ヒュトロダエウス : 星に還るというのは、
    そうして星を育んだ者にこそ与えられる選択肢だ。
    ヒュトロダエウス : 大いに生き、己のやるべきことを果たしたと思ったときに、
    人々はそれを選ぶ……。
    ヒュトロダエウス : 最期の瞬間はいつだって、それは美しいものさ。
    エメトセルク : 十四人委員会に加わった者とて、その流れからは逸脱しない。
    ここで存分に役目を果たせたら、
    まさしく還るにふさわしいと、多くの者は考える。
    エメトセルク : 私たちの座は、就いた者にとって命数と同義だ。
    ……ごく一部の例外を除いてな。
  • またヘルメスもかなり変わった死生観を持っている。彼は主に自分が管理している生物の淘汰についてもわだかまりを持っている上に、先代ファダニエルが座を退くこと=星に還ることを肯定することになると考え、それが正しいのかどうかわからないと悩んでいる。
    ヘルメス : 自分がここを離れたって、誰かが選別を続ければ同じことだ!
    ヘルメス : 教えてくれ……!
    星を善くするという名分は、今消えた吐息よりも重いのか!?
    ヘルメス : やり遂げた者が死ぬというなら……
    いつか星が最善に至ったときに、どうする。
    よくやったと満足して、死に絶えるのか!?
    ヘルメス : …………わからないんだ。
    ヘルメス : ファダニエルの座を継げば、
    今その座にいる彼が星に還るのを、肯定することになる。
    ヘルメス : それが正しいことなのか、わからない……。
  • 光の戦士も「エルピスの花」の色が変わることを知ったヘルメスの独白。※ヘルメスは、古代人の星のために生きると言うこと(同時に星のために死ぬこと)自体は悪いとは思っていない。しかしその星を善くするという目的のために自在に操られている創られた生物が消されることには強い違和感を感じている。
    ヘルメス : 自分は……人に定められた生き方を……
    星のために生きるということを、悪いとは思っていない……。
    ヘルメス : だが、ここで働いていると、
    どうしようもない違和感に襲われることがある……。
    ヘルメス : ファダニエルの座についての話を受けたとき、
    ヒュトロダエウスが言っていたことを覚えているか……?
    ヘルメス : 死とは、やりとげた者が選ぶ選択であり、
    最期の瞬間はいつも、美しいものだと……。
    ヘルメス : だが、それはあくまで人の話だ。
    ヘルメス : 創られた生物が星の益にならないと判断された場合、
    彼らは問答無用で消される……死を与えられる……。
    ヘルメス : 生まれたばかりで、何も成し遂げていなかったとしてもだ。
    ヘルメス : 処分の際は苦しませないようにしているが、
    死を与えられることを察した生物たちは、怯え、憤る。
    その終わりは美しいものなんかじゃない……。
    ヘルメス : ……だが、そんな事実を、誰も気にしていないんだ。
    ヘルメス : 星を善くするという目的は当然すぎるほどに当然で、
    誰しも疑うことなくそれを信じ、行っている。
    ヘルメス : 自分の前には……死にゆく生物たちの瞳には……
    哀しみも、絶望も、理不尽への怒りも確かにあるのに……。
    ヘルメス : この世界は、素知らぬ顔で幸せそうに笑い続けるんだ。
    エルピスの花はいつだって、
    無垢な白と、明るい歓びの色に輝いている……。
    ヘルメス : そのことへの違和感が……何か、暗いものが……
    日に日に胸の内で膨れ上がっているんだ……。
    ヘルメス : 周りにおかしいと叫んでやりたくなる一方で、
    おかしいのは、こんなことを思う自分じゃないかと……
    怖ろしくなってくる……。
    ヘルメス : だが、この世界で哀しみを知るのは……
    エルピスの花をこんな色に染めるのは、自分だけじゃなかった。
    ヘルメス : 花の傍らで何を思ったのかは聞かない。
    もしかしたら、メーティオンにせがまれて、
    仕方なくやってくれたことかもしれない。
    ヘルメス : それでも……ありがとう……。
    ヘルメス : こうして確かに哀しみがあり、怒りがあり、苦しみがある。
    その事実を知っていてくれることが……こんなにも優しい。
    エルピスの花
  • なおごく一部の例外であるヴェーネスも「死に損なった」と考えている。
    ヴェーネス : ……彼の苦悩は、わからないでもありません。
    私も世界の流れに反して「死に損なった」者ですから。
    ヴェーネス : それでも……少なくとも私にとっては……
    たとえ完璧でなくとも、この世界は美しく愛しい。
    だから私は、星の滅びを防ぎたいのです。
  • 魂が消滅する直前のエリディブス。
    ──ハイデリンよ 私は先に逝く
    真なる者 旧き人も 残すは君だけだろう
    最後のひとりは いちばん寂しい
    その役回りを譲ることが ゾディアークからの意趣返しだ
    残された者の意地で 君と新たな英雄のやり方で
    この星を どうか──
  • 月で出会った幻影
    寂しげに囁く幻影 : あのころの私たちは、星と調和していた……。
    寂しげに囁く幻影 : 自然を紐解いては、新たな種を創り出し……
    在るべきものを丹念に選んで……大いに栄えさせた……。
    物憂げに囁く幻影 : ああ……そうだ……。
    あのころ、我々はまさに星の意志であり、細胞だった……。
    物憂げに囁く幻影 : この命こそが星に流るる血の一滴……
    己が身のごとく……星を育め……。
    物憂げに囁く幻影 : そのために、我々は望むだけ生きた……。
    学び、創り、星を善くしていった。
    物憂げに囁く幻影 : 欠けることなく満たされていたのだ……。
    星も、我々も……。
    儚げに囁く幻影 : あの災厄によって、
    私たちは、はじめて死を「押し付けられた」。
    儚げに囁く幻影 : 同胞が、望みも役目も果たせずに終わっていく……。
    予定にない別離が、突如としてやってくる……。
    儚げに囁く幻影 : 闇のように素早く……灰のように冷たく……。
    儚げに囁く幻影 : あぁ……なんてこと……!
    これほど恐ろしく、悲しいことが、存在し得るというの……!?
    想いを囁く幻影 : 終末が振りまいた「絶望」というものは、
    あまりに理不尽だった。
    唐突だった……乱暴だった……。
    想いを囁く幻影 : あんなものが在ってはならない。
    だから私たちは、命を捧げてゾディアークを創ったのだ。
    祈りを囁く幻影 : ゾディアークが……私たちが世界を救う……。
    願いを囁く幻影 : 取り戻すのだ、楽園を……。
    憂いを囁く幻影 : 星と愛しあっていた、あのころを……。
    誓いを囁く幻影 : そして人は再び、星の意志となる……。
    想いを囁く幻影 : 命を紡ぎ、天地を満たし、
    一切の絶望なき世を創るだろう……。

暗い気持ち

  • 人の感情を反映して色を変えるエルピスの花。古代人の世界では、地上でもエルピスにおいても花の色が変わることがないが、ヘルメス一人だけは花の色が変わってしまうことにヘルメス自身は悩んでいた。※古代人はほとんどネガティブな感情を持ち合わせないということになる。アゼム関連の話をする時のエメトセルクが持てばどうなるのかは不明。「厭」なだけなら変わらないのか?
    ヘルメス : この世界は、素知らぬ顔で幸せそうに笑い続けるんだ。
    エルピスの花はいつだって、
    無垢な白と、明るい歓びの色に輝いている……。
    メーティオン : ……ヘルメスはね、この花のこと、
    好きだけど、好きじゃないみたい。
    メーティオン : わたしと同じ、エンテレケイア。
    だから、ヘルメスの苦しい気持ちを感じ取って、
    暗い色になっちゃう……。
    メーティオン : ほかの人が近づいても、いつも、きれいな白のまま……。
    ヘルメスは、それが哀しくて、寂しいみたい……。
    メーティオン : 本当……!?
    あなたのいた場所では、不安の暗い色、してたの!?
    メーティオン : じゃあ、あなたにも、何か……
    この花を暗く染めるような想い、ある……?
    メーティオン : ああ……そうなのね……!
    メーティオン : 焼けつくような憤り、悔しいこと、ヘルメスにもある……
    だけど、誰にも、理解されないみたいなの……。
    メーティオン : ヘルメスは、わたしを創ったときからずっと、
    ひとりで思い悩んでるから……
    暗い色、わかちあうの、必要だと思う……。
    ヘルメス : エルピスの花……?
    メーティオン : お願い……!
    メーティオン : 暗い気持ち、寂しい色、ヘルメスだけじゃない……。
    だから……ダメ、ちがう……。
    ヘルメス : そうか、君は、メーティオンの頼みを聞いてくれたのか……。
    ヘルメス : よければ、少し……
    話をさせてもらえないだろうか……。

大人と子供

  • エメトセルクの創り出したアーモロートを訪れた光の戦士たちは子ども扱いされる。
    ローブ姿の巨人 : おや、こんにちは。
    これはまた、可愛い子どもたちだね……官庁街の見学かな?
    ローブ姿の巨人 : ご家族に心配をかける前に、家へ帰った方がいい。
    見送りは必要かな?
  • しかしエルピスを訪れた際には、エメトセルクの魔法の影響なのか、子どもではなく使い魔扱いされる。ローブを着るようにアドバイスされるがそれでもバレるため、使い魔だと言えと教えられる。
    ヒュトロダエウス : 種類の違う蝶を集めてもらったのは、
    それぞれが有するエーテルに属性バランスの違いがあるからさ。
    混ぜることによって、より均整のとれた服ができる……。
    エメトセルク : 熱心に教え込むのはいいが……
    そいつが人らしい服を着たところで、
    多少なり視る眼がある奴には、すぐに異質だとバレるぞ。
    ヒュトロダエウス : まあねぇ……。
    でもほら、遠目だけでも誤魔化せれば、
    キミの「抜き打ち」の体裁を保つのに役立つじゃない。
    ヒュトロダエウス : 彼の言うとおり、キミが異質な存在であることは、
    そのローブを着ていようが見抜かれてしまうだろう。
    ヒュトロダエウス : そういうときは、下手に言い訳せずに、
    自分は使い魔だと名乗ってしまった方がいい。
    実際のキミが何なのかは置いておくとして……ね?
  • ※どうも前者はエメトセルクの創り出した「影」でしかないため、エーテルを見抜く力がなく大きさだけで判断しているのに対して、後者では実際に過去に飛んでいるため光の戦士自身(とはいいながらエリディブスによって幻影として送り込まれた存在)が持つエーテル量だけで判断されているようだ。
    懐かしい雰囲気の青年 : キミ、少し存在を補強してあげなよ。
    どうせ魔力余ってるでしょう?
    ヒュトロダエウス : それで、キミはどこからきたの?
    あれだけ不安定だったんだ、
    ここで創造されたものではなさそうだけど……。
    ヒュトロダエウス : ねえ、やっぱりアゼムの使い魔なんじゃない?
    本当は一緒に来たかったとか。
    エメトセルク : 熱心に教え込むのはいいが……
    そいつが人らしい服を着たところで、
    多少なり視る眼がある奴には、すぐに異質だとバレるぞ。
    ヒュトロダエウス : そういうときは、下手に言い訳せずに、
    自分は使い魔だと名乗ってしまった方がいい。
    実際のキミが何なのかは置いておくとして……ね?
    ヒュトロダエウス : うん、アゼムにしてしまおう。
    それなら多少変なことをしようが、あれこれ聞いて回ろうが、
    「そんなものかな」って説得力がある。
    エメトセルク : まあ、そうだな……
    アゼムの使い魔というのは、適当な言い訳だ。
    あいつも、不満があるなら日頃の行いを正せという話だ。
    エメトセルク : もとの大きさなら、人の子どもに思えないか……だと?
    そんなわけがないだろう……
    少なくとも、生物としての強度が完全に別物だ!
  • ※なおヤ・シュトラは、このことについて次のように解説している。「幻影を創造した者」とはもちろん、現生人類を「なりそこない」と連呼していたエメトセルクのことである。
    ヤ・シュトラ : あなた、エルピスでは、当時の人と違っているという理由で、
    使い魔として見られていたのでしょう?
    ヤ・シュトラ : でも、思い出して……
    第一世界の、幻影のアーモロートで出会った影たちは、
    私たちを「人の子ども」だと認識していたわ。
    ヤ・シュトラ : そう……かろうじて、人という枠に入れられていたのよ。
    未熟で未完成、つたなくて弱い、子どもだとしてもね。
    ヤ・シュトラ : その差は、幻影を創造した者の、認識の差にほかならない。
    エメトセルクは、長い時間を新生した人と過ごし、
    やっとそれだけ……不本意だとしても……認めたのではなくて?

感情

  • 感情を持っており、家族や友人、恋人が居たと語る。
    エメトセルク : 心外だ、お前たちが持ち得る感情を、
    私たちが有していないわけがないだろう!
    エメトセルク : ……普通にいたさ。
    太古の昔、真なる世界に……家族も、友も、恋人だって。
  • ミトロンがアログリフに花を贈ろうとしている話。※ミトロンとアログリフについては「ガイア」の項を参照のこと。
    アカデミアの院生 : 私たちは、アナイダ・アカデミアのミトロン院で学んでいるの。
    十四人委員会に名を連ねる当代のミトロン様から、
    直々に、水棲生物の創造に関する指導を受けているのよ。
    青髪の異邦人 : でも、師匠、なんでこんな物の調達を頼んできたんだろう。
    エルピスで試験中の、美しい花を持ち帰ってほしいなんて。
    水棲生物の研究には関係なさそうだけど。
    アカデミアの院生 : そういう鈍感なあなただから頼まれたんだろうけど……
    そんなの、プレゼント用に決まってるでしょう!
    ミトロン様は、アログリフ様にお熱なんだから!
    青髪の異邦人 : ええっ!? 全然気づかなかった!
    あのふたりって、そういう関係だったんだ……!
    青髪の異邦人 : これは急いで戻って、ふたりの恋模様を観察しなくちゃ。
    のんびり道に迷っている暇なんてなかったわね。
    ここまで連れてきてくれてありがとう!

「終末」の捉え方

  • ハイデリンヴェーネス)の述懐
    天の果てに巣くうのは
    もはや使い魔などではないのだろう
    終わりの理 そのものだ
    人はその日 同胞の半数を贄として
    ゾディアークを創り出した
    厚いエーテルでアーテリスを覆い
    終末を遠ざけたのだ
    拭い去ることのできない悲嘆
    もはや誰もが忘れていた 望まぬ死が
    人を深く傷つけた
    初めて知った痛みは 耐えがたく
    それを知らなかったころ 輝かしき過日に
    人々の心を縛りつけてしまった
  • 終末が訪れた時の古代人たち。現実と認められず、ゾディアークに頼ることで元の「善き世界」に戻そうとした。ヴェーネスは苦しみを知り、悲しみを知り、絶望を知った今こそ、それを胸に刻み前へ進もうと呼びかける。
    奮い立つ古代人 : 見るに堪えない……。
    なぜ苦しまなければなかないのか。
    乞い願う古代人 : もとに戻すのだ、何もかも。
    曇りなき世界に……楽園に帰ろう
    ヴェーネス : いいえ、いけません。
    私たちは今、苦しみを知り、悲しみを知り、絶望を知った。
    ヴェーネス : それらは、いかなる文明も消し去れなかったもの。
    生きていくことを望めば、添っていかなければならない相手。
    ヴェーネス : この惨劇をなかったことにするのではなく、
    胸に刻んで進みましょう。
    それこそが、生きる強さを得るということ……!
    奮い立つ古代人 : ありえない……これが現実であっていいはずがない……!
    私たちは創れていたはずだ、何の憂いもない、善き世界を!
    ヴェーネス : いいえ、いいえ!
    この世界にも憂いはあった、苦難はあった。
    それがたまたま人に向いていなかっただけなのです!
    ヴェーネス : お願い、どうか目を開いて……!
    命を捧げて命を生み、それを繰り返してもとに戻ろうだなんて、
    到底、進歩とは言えません。
    ヴェーネス : 楽園でしか生きられない、そんなものにならないで……!
    影なき国を創り得ない以上、
    いつかは決定的に破綻してしまいます!
  • ヴェーネスの説得にも耳を貸さず、古代人たちはゾディアークへの祈りを強める。
    乞い願う古代人 : ああ、ゾディアーク……我らの創りし神よ……!
    どうか祈りを聞き届けたまえ。
    乞い願う古代人 : 命を喰らい、命を紡げ……
    そして私たちを帰しておくれ……。
    乞い願う古代人 : 星と愛しあっていた、ただ幸せたっだ、あの日々に……!
  • ヴェーネスの手に武器が出現する。
    奮い立つ古代人 : 壊そうというのか、この美しき世界を。
    ヴェーネス : ……眼前に広がる地平、吸い込まれるような空。
    静かだけど力強い、自然の息遣い。
    ヴェーネス : それらの合間に、人の営みが明かりを灯し、言の葉を響かせる。
    そんな光景に胸があたたかくなった……。
    何より、出会う人そのものが、たまらなく好きだった……。
    それでも、だからこそ、私は信じているのです。
    人の可能性を……
    どんなふうにだって、生きられるということを。
    ヴェーネス : 私は、あななたちを分かつ。
    よすがの神ごと、二度と戻れぬ形に変えよう。
    楽園へ至る翼、仮初の全能は失われた。
    人はここから歩き出すのだ。
  • ただしエメトセルクもこれに似たことを話している。そのために「今ひとときの痛みに耐えてでも、より悲劇の少ない道を選べる、そんな強さを持つ相手」を探しているのだという。ただしこれはあくまでアシエンの目的である「世界の再統合」に対しての話であって、アーダーが大前提となっている。いわばヴァリス帝エオルゼアの盟主たちに語ってみせた”真なる人”の理想に近い(なおヴァリス自身はこれをアシエンの力も利用しながら"ひとつの完璧な生命となった"現生人類たちの主導により実現しようとしていた)。
  • ヴェーネスが終末を乗り越えるために強くならなければいけないとしている(だから無理やり分断して試練を与えた)のに対して、エメトセルクはあくまで世界の再統合により"分断前の古代人の世界"を取り戻すことが目的でしか無い。つまりヴェーネスが終末を迎えて説得しようとして失敗した(分割前の)古代人たちの考えと何ら変わりはない。
    ヤ・シュトラ : ……なるほどね。
    あなたの視点で見れば、アシエンがしようとしていることは、
    当然の行動のようにも思えるわ……。
    ヤ・シュトラ : でも実際は、統合のたびに多くの犠牲が出ている。
    それを無視して賛同なんて、できなくてよ。
    エメトセルク : よく言う……不完全なまま生きるがゆえに、
    霊災よりも酷な悲劇を生み続けてるだろうに。
    エメトセルク : しかし、それこそ視点の違いだな。
    犠牲も何も、統合されていない不完全な命を、
    私は到底「生きている」とは思えない。
    エメトセルク : そんな顔するな。
    だからこそ、私はお前に期待してるんだ。
    エメトセルク : 7回は統合された、原初世界の命。
    中でもとくに優れた英雄なら、少しはマシかもしれない。
    エメトセルク : ……私はそろそろ見つけたいんだ。
    今ひとときの痛みに耐えてでも、より悲劇の少ない道を選べる、
    そんな強さを持つ相手を。
    エメトセルク : そのためにも、罪喰い討伐くらいやり遂げて見せろ。
    お前たちは弱くない……そう証を立てることが、
    この話を続ける最低条件だ。

ハイデリン」について

  • 現生人類は自分たちの住んでいる惑星を「ハイデリン」であると認識しているが、古代人は「アーテリス」だと呼んでおり、「ハイデリン」には聞き覚えがないようだ。
    ヒュトロダエウス : まあ、そうか……。
    (光の戦士)はそのハイデリンってものから、
    向かうべき時を指定されたわけじゃない。
    ヴェーネス : 私は、「不可能」を信じていない。
    ヴェーネス : ハイデリンが私なのであれば、
    それだけは、揺るぎない事実だと思います。

終末関連

ヴェーネスは何故古代人を分かったのか?
  • 古代人の持つ豊富なエーテル量では、デュナミスをエネルギーとするメーティオンたちが変貌した終焉を謳うものに対抗できないから。
    ヘルメス : 顕著なのは、効果の表れ方だ。
    一度目の終末では創造魔法を暴発させ、
    再来した終末では、人そのものを変異させている……。
    ヘルメス : この違いは、両時代の人が有するエーテル量の差によって、
    生じているのではないだろうか……。
    ヘルメス : 前にも話したとおり、エーテルが少ない方が、
    デュナミスと繋がりやすい。
    ヘルメス : 旧来の人、つまり自分たちは、
    大量のエーテルを有しているためデュナミスと繋がりにくい。
    そのため身体ではなく、行使する術の方に影響が出た。
    本当に世界が分割されるのであればだが……
    分かたれたぶんだけエーテルが薄い。
    ヘルメス : よってデュナミスの干渉を受けやすく、
    自身の変化を引き起こされたと考えられるだろう……。
  • 古代人はネガティブな感情をぶつけられると創造魔法が暴走してしまう。
    月の監視者 : ある日、大地が悲鳴を上げたかのような音が響き、
    生き物たちが異形へと転じはじめた。
    月の監視者 : 影響は、人にも現れた。
    創造魔法が暴発し、不安や恐れ、絶望を、
    次々と現実のものに変えていったのだ。
    月の監視者 : その災厄は限られた地域から始まり、
    徐々に範囲を広め、やがて星中を混乱に陥れた……。
古代人の取った災厄への対応
  • 断片的に語られている。
    ヒュトロダエウス : 最初、局地的にはじまったその災厄は、
    やがて星全体におよび、正真正銘の終末と化した。
    ヒュトロダエウス : 十四人委員会……まあそのときには十三人になってたんだけど、
    ともかく彼らは、「星の意志」を創ることで綻びた理を直し、
    災厄を鎮めようとしたんだ。
    ヒュトロダエウス : けれど、それほどの創造には、とても大きな力がいる……。
    ヒュトロダエウス : だから、生き残った人類のうち、
    約半数が自分の命を力として差し出した。
    ヒュトロダエウス : そうして生み出されたゾディアークによって、
    望みどおり、災厄は退けられたよ。
    ヒュトロダエウス : ……でも、この星からはすでに多くの種が失われ、
    大地は死に、水は濁り、風さえも淀んでいた。
    ヒュトロダエウス : そこで、さらにまた半数がゾディアークに命を捧げ……
    星を清め、木々や小さな命たちを芽吹かせたのさ。
    ヒュトロダエウス : そうして、再び命が巡りだしたとき……
    人類は、いかにしてこの星を護り続けるかを再考した。
    ヒュトロダエウス : 十四人委員会の出した結論は、こうだ。
    世界を育み、それが再び十分に満ち足りたときに、
    いくらかの生命をゾディアークに捧げる……。
    ヒュトロダエウス : それによって、
    ゾディアークの中に力として取り込まれた同胞たちを、
    地上に復活させ……皆でまた、世界を管理する。
    ヒュトロダエウス : ……だが、それを良しとしない人々がいた。
    彼らは、ゾディアークに命を捧げるのをやめ、
    新しい世界を、生まれ来る命たちに任せるべきだと言うんだ。
    ヒュトロダエウス : そして自分たちの命から、対のもの、ハイデリンを創り出した。
    人類ははじめて2つに分かれて戦い……結果は知っているかな?
  • 流れをまとめると次のようになる
    • 1.災厄で終末が訪れた
    • 2.生き残りの半数の命を捧げて「星の意志」を創り災厄を鎮めようとした
    • 3.さらにまた半数が命を捧げて星を清めて木々や小さな命たちを芽吹かせた
    • 4.世界を育みいくらかの命をゾディアークに捧げ同胞たちを復活させる計画を建てる
    • 5.ゾディアークに命を捧げるのをやめて生まれくる命たちに任せるべきと主張する人々が現れた(ヴェーネスたち)
    • 6.世界が分かたれた
ゾディアーク創造で行おうとしたこと
  • 終末の現象が天脈の薄い地域から発生していることに気付いた十四人委員会は、活性(闇)の力を持つゾディアークを創造し、星全体のエーテルの流れを増強し制御することで理を敷き直そうとした。
    月の監視者 : 地脈や風脈と同じく、
    天脈も細かい網目状に広がっていて、
    ところによって濃淡がある。
    月の監視者 : 十四人委員会は、終末の現象が、
    天脈の薄い地域から発生していることに気がついた。
    月の監視者 : 彼らは、根本的な原因はわからないとしつつも、
    天脈が循環不全を起こしている場所から、
    星が腐り始めたのだと見たようだ。
    ウリエンジェ : だから、闇の力を……
    活性の力を持つゾディアークを創造したのですね?
    ウリエンジェ : 星全体のエーテルの流れを増強し、制御する。
    まさに理を敷き直すがごとき神業です。
    月の監視者 : 正解だ。
    そうして創り出されたゾディアークによって、
    予測どおり、終末は退けられた。
ゾディアークを巡っての対立とは?
  • ゾディアークを、消滅させるのではなく抑え込もうとしたヴェーネスの狙い。
    サンクレッド : そのあとに、ゾディアークの扱いを巡って対立が起き、
    ハイデリンが生み出された……
    エメトセルクはそう語っていたが、相違はないか?
    月の監視者 : ああ……。
    しいて補足をするとすれば、対立したといっても、
    ハイデリンの願いはゾディアークの消滅ではなかったことだ。
    月の監視者 : 終末の根本的な原因を断てたわけではない以上、
    ゾディアークがいなくなれば、それは再開しうる……。
    月の監視者 : ゆえに彼女は、世界と自分を巻き込んでまで、
    ゾディアークを分割し、封じるという手を選んだのだ。
    月の監視者 : ああ、その真相についても、
    今の貴殿らであれば、理解が及ぶかもしれない。
    月の監視者 : ゾディアークもハイデリンも、人が創り出したものだ。
    真実と正しさだけでできた、絶対の神ではないのだよ。
    月の監視者 : その上で、両者を比べればハイデリンの方が弱い。
    ゾディアークは当時の人類の半数を贄として創られたもの……
    どう足掻いても規模が違う。
    月の監視者 : かつての戦いにおいては、
    あらゆる技を尽くしてハイデリンが勝利したが、
    それを抑え込み続けるとなると、いかにも分が悪い。
  • そのため、ハイデリンとしてのヴェーネスの活動は限定されたものとなっていた。そしてハイデリンが真実を伝えていなかった理由も語られる。
    月の監視者 : 彼女の力のほとんどは封印の維持に使われ、
    地上に対してできることといえば、
    星の内から危機を訴え、応じた者に加護を与える程度だった。
    月の監視者 : だからなんとしてでも「光の戦士」の協力を得たい一方で、
    彼女のことだ、旧き世界の事情は、
    できるだけ伝えたくなかったのだと思う。
    月の監視者 : 人が、過去を過去として、前に向かって進むこと……
    それがハイデリンに込められた願いなのだから。
    ヤ・シュトラ : 実際、ハイデリンのその導きがなかったら、
    アシエンに、もっと多くの世界統合を許していたでしょうね。
    ヤ・シュトラ : そして、今を生きる生命は、
    かつての人を蘇らせるための贄とされていたはず……。
ゾディアークいらなかったのでは?
  • 嘆きの海ゾディアークが討滅されると、アーテリスは禍々しい色に包まれ、天脈と思われる場所から「終焉を謳うもの」の侵食を受ける予兆が出る。月の監視者によると、今はまだ地上に被害は出ていないが、遠くないうちに出るだろうと予測する。つまりゾディアークは天脈バリアのようなものであり、それが失われたことでまず天脈から侵食され、その後地上に終末の影響が出始めたという流れになる。
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    月の監視者 : ……貴殿も視たか。
    青き星が、禍々しきものに侵されるのを。
    月の監視者 : そうか……。
    残念ながら、あれは幻惑の類ではない。
    月の監視者 : ゾディアークが喪われてしまったことで、
    彼が司っていた星の理が綻び、
    いにしえの終末が再来しようとしているのだ。
    月の監視者 : 今はまだ、貴殿の持つ「超える力」によって、
    予兆を視たにすぎないだろう。
    地上に実害は出ていないはずだ。
    月の監視者 : だが、恐らく遠くないうちに……
ゾディアークは分かたれたのか?
  • ハイデリン自身が分かつといっている。
    ヴェーネス : 私は、あななたちを分かつ。
    よすがの神ごと、二度と戻れぬ形に変えよう。
  • 月の監視者も分かたれたと言っている
    月の監視者 : 遥か昔、ハイデリンに分かたれた彼は、
    七度の世界統合によって力を取り戻してきた。
    しかし見てのとおり、まだ完全ではない。
  • それ以上の具体的な描写があまりなく、月が14個あったようだ(少なくとも第一世界の月はあった)程度しか分からず、嘆きの海で見たゾディアークは「月の中枢で眠る姿を投影したものにすぎない」というが、その実態がどうなっているのかは不明。また月の生贄となったものたち(ヒュトロダエウス含む)の魂がどうなっていたのか(分断されたのか、どこか1ヶ所にあったのか)も不明。
  • ただし第一世界で星海に還ったミンフィリアの魂は、ハイデリンにより第一世界の星海から原初世界の星海へと移されている。つまり星海も分かれている。
    ハイデリン : 第一世界ですべての力を託し終えたミンフィリアの魂も、
    掬いあげ、今はここ原初の海に……。
    優しいあの子には、故郷で穏やかに眠ってほしかったのです。
ヘルメスはなぜカイロスを起動したのか?
  • 古代人は「星を善くするため」と称してエルピスにおいて(創造生物の)生命を屠ってきた。それに心を痛めてきたヘルメスとしては、その行為とメーティオンたちが生み出した「終焉を謳うもの」により古代人が屠られるのと何が違うのかと問うている。
  • 古代人代表でもあるエメトセルクはそんなものは詭弁だ(あくまで星を善くするという高尚な目的のために行っている古代人=神の命と、創造生物の命とを対等に扱うべきではない)と切り捨てるが、感情が暴走しているヘルメスにとってはすべての生命は対等であるべきだという結論になり、それを裁定するために一度記憶を消去した上で自然の流れに任そうという主張である。※エルピスのことを他の古代人は「(創造)生物の実験場」と呼ぶが、この場面でヘルメスは「(人を含むあらゆる)生命の実験場」と呼び、より広く捉えていることがわかる。
    ヘルメス : ……自分たちは、星を善くするために、
    基準に見合わなかった生命を屠ってきた。
    ヘルメス : それは、終わることこそ救いだと信じて、
    私たちを屠るのと、どう違うのだろう。
    エメトセルク : そんなものは詭弁だ……!
    ヘルメス : ああ、そうだな。
    自分はきっと正しくない。
    だが、君たちも正しくはないよ。
    ヘルメス : だから、測らなければならないんだ。
    ヘルメス : ここはエルピス、生命の実験場……
    所長ヘルメスの名において、「人」の裁定を執り行おう。
    ヘルメス : 人がもし、命を見つめ直し、生きたいと渇望したなら……
    それに足るだけのものであるならば、
    いかに真理であると謳おうが、終わりは退けられるだろう。
    ヘルメス : そうでなければ、星ごと滅びるのみ……。
    ヘルメス : そして、裁定である以上は、公正を期さなければならない。
    ヘルメス : 起動せよ……カイロス!
  • 極端に言えば、現実世界の認識としてはヴェーネスの考え方もこれに近い(この世界にも絶望はあったがそうした感情が人に向いていなかっただけ)。しかしヘルメスがやがて来る終末をあるがままに受け入れようとしている(光の戦士がもたらした未来からの答えを見た上で賢しらに対策せず時の流れに身を任せる。もし人が本来的に残りうる存在ならば残る)のに対して、ヴェーネスはその終末に抗う対抗手段として人を分かち絶望に耐えうる存在となった上で対決しよう(つまり光の戦士がもたらした未来の情報を元に、具体的に対策した上で終末を乗り越えさせよう)というところに違いがある。
ヘルメスがカイロスに命じたこと
  • まず記憶の消去。
    ヘルメス : ヒュペルボレア造物院全域を対象に、
    記憶の消去と変更を行う……。
    ヘルメス : 起点は、プロピュライオンに、
    十四人委員会エメトセルクが到着した瞬間とする。
    以降、現在に至るまでの記憶を消去……。
  • 続いて記憶の上書き。1.研究成果カイロスを見せようとした。2.メーティオンの共有意識が暴走して消え去った。3.その際の衝撃でカイロスが暴走し記憶が消去された。
    ヘルメス : 同時に、以下の情報を、
    辛うじて思い出せる程度に焼き込んでくれ。
    ヘルメス : ……自分はここで、エメトセルクとヒュトロダエウスに、
    日ごろ研究に用いているカイロスを見せようとした。
    ヘルメス : しかし、折悪くメーティオンの共有意識が暴走。
    存在を維持できなくなった彼女は、
    宇宙にいる者も含め、すべてが弾けて消え去った。
    ヘルメス : その際の衝撃でカイロスが誤作動……
    自分たちも含め、館内にいた者の数日分の記憶を焼き消した。
    カイロス : 承知いたしました。
  • ヴェーネスと使い魔(光の戦士)についてはこの時点でも対象ではないので逃げおおせることが予定調和的になっている。事後、創造院職員はヴェーネスと使い魔も一緒に入ったと認識しているが、3人は認識していない。ヒュトロダエウスは(そばに居たアルゴスのことを)いつか彼女に聞いてみようと言っているが…
  • ※なお記憶の消去や記憶の復活についてはモンティシェーニュ学長が講義してくれるが、第七霊災のおりにも発動され多くの人々から記憶が失われたという事例があることで、現代にも受け継がれていることがわかる。さらにシャーレアンの哲学者議会議員たちも、議員になる際にシャーレアンが昔より秘匿している事実を知らされた上で、口外できぬように記憶を秘匿される。
今後予想されるヘルメスの行動
  • ヴェーネスが次のように語っている。
    ヴェーネス : ……ヘルメスは、きっともう、
    エンテレケイアを創ることはないのでしょうね。
    ヴェーネス : メーティオンを大事にしていたからこそ……
    それがすべて消滅したと認識しているのであれば、
    酷く悲しみ、悔いるはず……。
    ヴェーネス : 自分が世界に疑念を抱くことがなければ、
    彼女を創り、死なせてしまうこともなかったのだと……
    彼なら、己を責めるのでしょう。
    ヴェーネス : だからこそ、十四人委員会に入る。
    そしていつか、ファダニエルとして、
    終末と対峙するのかもしれませんね……。
  • まとめると次のようになる。
    • 1.ヘルメスは、メーティオンはおろかエンテレケイア自体も創造しない。世界に疑念を抱いていたことすら自己を責めてしまう
    • 2.十四人委員会に入り、ファダニエルとして終末と対峙する
  • つまり、よく見られる「古代人がエンテレケイアを創って終焉を謳うものと対峙すればいいじゃん」という意見は、「暁月のフィナーレ」で語られた物語としては(ヘルメスしかエンテレケイアを創造しなかったという前提において)成り立たないことになっている。だからこそ、ヴェーネスは世界と人を分かつことで終焉を謳うものに対抗しうる存在へと作り変えるしかなかった。
  • これについては最後にエメトセルクも認めている。
    エメトセルク : ヴェーネス、あの負けず嫌いめ。
    私をこの時代まで残しておいたのは、歴史を繋ぐためか、
    終末の真相を忘れていたことへの当てつけか……。
    エメトセルク : ……しかし、人をここに至らせたこと。
    この結末は、確かに私たちのやり方では掴み得なかったものだ。
    エメトセルク : ならば賛辞と、最後の旧き人への手向けとして、
    口上のひとつくらいは垂れてやろう……!
    エメトセルク : 終焉を謳うものよ、私たちはお前によって終わらない!
    エメトセルク : それが、あの星の過去に生き、今を生きる者からの答えだ……!
  • ヒュトロダエウス嘆きの海で次のようにエメトセルクに語りかけていた。
    懐かしい雰囲気の青年 : そう、信じて前に進むんだ。
    その魂は、それでこそ輝くというものさ。
    懐かしい雰囲気の青年 : キミが望んでくれた結末とは、違うのだろうけど……
    これはこれで、ワタシたちに似合っているんじゃないかな。
    懐かしい雰囲気の青年 : キミも少し、そう思ったんじゃない?
    ねえ、ハーデス……。
グ・ラハの語る古代人
グ・ラハ・ティア : ……彼らはさ、「古代人」って存在じゃなくて、
確かに「人」だったんだと思う。
グ・ラハ・ティア : 初めて転んで……痛みをどうしたらいいのか、
どうやったら起き上がれるのか知らなかったころの「人」……。
グ・ラハ・ティア : そしてオレたちは、そこから繋がってるんだ。
最初はハイデリンによって立ち上がらせられ、以来泣きながら、
憤りながら、怯えながら、歩き方を学んできた「人」なんだよ。

関連項目



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