クリスタル・ツールズ

Crystal Tools(クリスタル・ツールズ)

「ファイナルファンタジー:新生エオルゼア(FF14)」では、このクリスタル・ツールズとは別のグラフィックエンジンおよび開発環境が使用されている。

crystal tools.jpg

  • FF14で使用されているスクウェア・エニックスによる自社開発のゲーム開発基盤のこと(たまに勘違いがあるが、グラフィックエンジン単体を示すものではない)。かつては、「ホワイトエンジン(White Engine)」や「クリスタルエンジン(Crystal Engine)」として紹介されていた。
  • 「新型機におけるゲーム開発の大規模化、高コスト化をふまえ、全社のノウハウ、テクノロジーを統合化、共通化し、全社のリソースを効率的に活用するという思想」の元に誕生している。
  • FF14のほか、FF13(「ファイナルファンタジー XIII」でも同じエンジンが使われている。

    ※各コンテンツでカスタマイズするためまったく同じではないという。

対応プラットフォーム

  • PC(Windows)、PS3、Xbox 360、Wii。

    ※2008年2月時点では「DirectX 10世代」を対象としていたが、2009年9月時点ではFF14が「DirectX 9世代」を基本として開発されていることが明らかにされている。

開発の経緯

  • 大元をたどると、「ファイナルファンタジータクティクス」(1997年)開発時に、「プレビュー機能が欲しい」との要望を受けて開発された「即時プレビューツール」。※PC上で製作するモデリングデータは、実機であるPS2接続のモニタでは色味が異なるために素早く確認できる機能が求められた。
  • 「即時プレビューツール」は、その後「ベイグラントストーリー」(2001年)、「PlayOnline」(2001年)、「FF XII」(2006年)の開発で利用されることになる。
  • その後FF12開発中に「共通のデータフォーマット」を作る動きが出てきた。
  • 2005年には次世代機(PS3)の登場を控え「技術部」が設置され、様々なツール群が全社共通開発基盤として整備が進んだが(他部門との)兼任ベースであり遅々とした歩みであった。
  • 2005年5月、E3 2005において「FF VII テクニカルデモ」、および「次世代MMO(後のRapture)」を公開
  • ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレス向け発表会において「FF VII テクニカルデモ」を公開。「Cell」を使用して開発した最新技術デモンストレーション映像。
  • マイクロソフト コーポレーションのプレス向けブリーフィングで「我々が信じるビデオゲームの未来がどんなものか、ほんの少しだけお見せしたい。」として公開された映像。
  • 2006年5月、E3 2006において「ファイナルファンタジー XIII」を発表。なお、「ファイナルファンタジー XIII」は元々PS2向けに開発されていたものだが、「FF VII テクニカルデモ」の開発を契機にすべて破棄。“White Engine”をベースにPS3向けに一から次世代機向けに開発をスタートさせた。
  • 2006年9月、研究開発部が設立され専任のスタッフがアサインされることにより、初めて全社横断的な共通開発基盤の取り組みが可能になる。
  • 2007年1月、「Unreal Engine 3.0」のライセンス取得を発表。
  • 2007年3月、Game Developers Conference 2007において、「FF XIII」が「ホワイトエンジン」で開発中であることを公開。
  • 2007年9月、バージョン1.0が完成。
  • 2008年2月、Game Developers Conference 2008において、正式名称が「Crystal Tools(クリスタルツールス)」であること、XIII、Versus XIII(後のFF15)、次世代MMO「Rapture」(後のFF14)での正式採用が発表された。

バージョンヒストリー

  • 2007年9月 バージョン1.0
  • 2008年2月 バージョン1.1

関連部門

  • スクウェア・エニックス研究開発部
    • 研究開発部デザイングループ
    • 研究開発部共通技術開発グループ

参考



Amazonファミリー無料体験