万魔殿パンデモニウム(Pandæmonium)
- 新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」で実装される高難易度レイドシリーズ名称。
- 「æ」はAEの合字
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概要
地の底より深く、星なき夜より昏いところに、それはある。強すぎる生命力を、凶暴すぎる獣性を、旺盛すぎる食欲を、あまりに危険な性質を帯びた「魔」と呼ぶに相応しき存在を封じる場所――今こそ、すべての魔が潜むパンデモニウムに降れ!

- 「万魔殿パンデモニウム」は、8人レイドシリーズの名称。


実装予定
- パッチ6.01/6.05、6.2、6.4で実装されると思われる。
コンテンツ解放クエスト
項目 | 説明 |
クエスト名 | 「パンデモニウム」への警告 |
受注レベル | ファイター/ソーサラー レベル90 |
受注場所 | オールド・シャーレアン (X:9.6 Y:11.9) ネムジジ |
受注条件 | 「メインクエスト:暁月のフィナーレ」の最終クエストをコンプリートしている |
コンテンツ概要
項目 | 説明 |
レベル制限 | ファイター/ソーサラー レベル90 |
アイテムレベルによる制限 | 平均アイテムレベル565~ |
参加登録人数 | 1~8人パーティ限定 |
制限時間 | 90分 |
登場人物
ラヴィリンソス

- ※左から、ルイスノ、ネムジジ、クローディエン
- クローディエン(Professor Claudien)
- シャーレアンの研究者で星海研究の第一人者。
クローディエン : いやはや、なんとも胸がドキドキしますね……。 史上初となる星海深部への潜航を成功させてみせた貴方は、 私の憧れの存在なんですよ。 ネムジジ : 急に憧れを語り始めた、こちらの先生ですが。 これでも、シャーレアンの研究者で最も深くまで星海を観測した、 星海研究の第一人者でございます。
クローディエン : ……かつて私たちは、低地ドラヴァニアに築いた「逆さの塔」により、 星の意思、ハイデリンと邂逅し「終末」の存在を知りました。 クローディエン : その後は、ラヴィリンソスに研究の場を移し、 アイティオン星晶鏡を建設、今日まで星海の観測を続けてきました。 ……星海の深さに比べれば、波打ち際程度の範囲ですがね。 クローディエン : ……そして、あれは大整理が宣言された頃だったでしょうか。 観測中の私たちの前に、ひとつの不可思議な「結晶」が、 星海の底より浮かび上がってきたのです。 クローディエン : 結晶のエーテル密度は、通常のクリスタルの数倍。 しかも驚いたことに、人工的に成形された形状をしていました。 とても、自然に生成された物とは思えません。 クローディエン : しかし、私の分析で判明したのは、そこまで……。 星外への脱出計画を優先せねばならなくなったこともあり、 結晶の調査は、しばらく棚上げされておりました。 クローディエン : そして終末の脅威が払われた今こそ、改めて結晶の謎に挑みたい。 そう考えて……私は、貴方を探していたのです。
- シャーレアンの研究者で星海研究の第一人者。
- ネムジジ(Nemjiji)
- ララフェル族
- クローディエン先生の助手。女性。調査レポートの報告役。
ネムジジ : 突然失礼いたします、私の名はネムジジ。 アイティオン星晶鏡にて、星海の観測と研究を行っている、 「クローディエン」先生の助手を務めております。
- クローディエン先生の助手。女性。調査レポートの報告役。
- ルイスノ
- エレゼン族
- クローディエン先生の助手。ネムジジの後輩。
クローディエン : 助手のネムジジさんに、すべて記録してもらってるんです。 確認したいことがあれば、彼女にお尋ねを!
- クローディエン先生の助手。ネムジジの後輩。
パンデモニウム
- テミス(Themis)
- 白法衣をまとった十四人委員会絡みの組織の人間。
テミス : 私は……十四人委員会絡みの組織の人間でね。 今回の事態を受けて、調査に向かおうとしていたというわけさ。
テミス : ……パンデモニウムは、このエルピスの直下に存在する。 ラハブレア院が管理する施設だ。 テミス : その内部には、世界へ解き放つべきではないと判断された、 危険な創造生物が、研究のために収容されている。
- 白法衣をまとった十四人委員会絡みの組織の人間。
- ヘスペロス(Hesperos)
- パンデモニウムの獄卒長
エリクトニオス : パンデモニウム各層には、「獄卒長」と呼ばれる管理者がいる。 彼らが、施設を厳格に取り仕切っているからな。 こんな事態は、設立以来、初めてのことだ。
- 創造生物との融合により半神「ヘーミテオス」となる
ヘスペロス : 創造生物との融合により、 半神、すなわち「ヘーミテオス」へと昇華を果たしたのだ!
- パンデモニウムの獄卒長
- エリクトニオス(Erichthonios)
- パンデモニウムの獄卒
テミス : 「獄卒」は、パンデモニウム内で働く者たちのことさ。 ずいぶんと禍々しい呼び名だが……それには理由があってね。 ラハブレア院の職員 : 本来、世界にとって危険である創造生物は処分されるのが決まり。 しかしラハブレア院では、まだ研究価値がある創造生物に限り、 パンデモニウムに収容して、研究を行っております。 ラハブレア院の職員 : 当然、そうした創造生物を外部へ逃がすわけにはいきません……。 「獄卒」は研究員ではなく、創造生物を施設内に縛り付け、 厳重に監視を行う、番人なのです。
- ラハブレアの息子。
ヘスペロス : 「ラハブレア」様の息子でありながら、 ろくな魔法も使えぬ、能無しのお前がなあ!!
- 母はアテナ
テミス : ヒッポカムポスとの戦いに挑む前、君が口にしていた、 パンデモニウムの初代長官、アテナ……。 それが、君の母上だね? エリクトニオス : そのとおり、俺は尊敬する母アテナに呼ばれたから、 パンデモニウムで働くようになったんだ。 決して、ラハブレアのためではない。
- NPC・組織/エリクトニオスの項を参照のこと。
- パンデモニウムの獄卒
- アテナ(Athena)
- パンデモニウムの先代長官で初代長官。エリクトニオスの母。
エリクトニオス : パンデモニウムの先代長官、その名も「アテナ」。 もともとはラハブレア院の研究者だった人で…… 俺を獄卒へと登用してくれたのも、彼女さ。
パンデモニウムの初代長官、アテナ……。 それが、君の母上だね?
- パンデモニウムの先代長官で初代長官。エリクトニオスの母。
- ラハブレア(Lahabrea)
- パンデモニウムの現長官。エリクトニオスの父。
- アテナの死後に長官を引き継いだという。
テミス : その物言いからして、父であるラハブレアのことは、 尊敬の対象ではないということかな……。 しかし何故、ラハブレアに長官の地位が移されたんだい? エリクトニオス : ……母が、死んだからだ。 エリクトニオス : だと言うのにラハブレアは、 ただ黙って、長官の地位を引き継いだ。 そんなヤツのことを……俺は尊敬などできない……!
- 本名(真の名)は「ヘファイストス(Hephaistos)」
ラハブレア : ……「ヘファイストス」。 我が「本名」を語るあの男は……いわば私の半身といえる存在。 ラハブレア : 認めたくないことだがな……。 あの肉体の内側には、私と同等の知識に加えて、 欲望や嫉妬といった、いわば負の感情が詰め込まれているのだ。
- アグディスティス(Agdistis)
- 獄卒長
ラハブレア : 最後の獄卒長……その名を「アグディスティス」という。 パンデモニウム設立時から、ここで働いており、 獄卒長の中でも、もっとも強い魔力を有している。
アグディスティス : お久しゅうございます、ラハブレア様。 ラハブレア : 力を削がれたことで、精神呪縛を脱したか。 獄卒長アグディスティスよ。
アグディスティス : 私がお伝えしたのは、真実の一端のみ。 あとは、ラハブレア様自身の口から、 彼ら、そして……エリクトニオスへとお伝えください。 ラハブレア : ……ご苦労だった。 アグディスティス : 己を殺し、星を正しく導こうとする貴方の情熱すべて、 敬愛しておりました……。
- 獄卒長
- ヘファイストス(Hephaistos)
- ラハブレアから切り離された記憶と魂の一部だという。
ラハブレア : ヘファイストスとは、私から切り離された記憶と魂の一部…… つまるところは、肉体を持たないエーテルに過ぎない。 ならば、クリスタルに封じるのが最適だ。
ラハブレア : かくして私は、アテナの魂に汚染された自己の魂を分割し、 クリスタルの内に封印したのだ。 ラハブレア : まさか、それが後に肉体を得て、 ヘファイストスと名乗ることになろうとは思っていなかったがな。
テミス : ヘファイストスは、ラハブレアを騙る偽者ではなく、 ある意味においては、彼の一部でもあったわけだ……。
- ラハブレアから切り離された記憶と魂の一部だという。
エリア名称
辺獄編
- 第一弾:万魔殿パンデモニウム:辺獄編(Pandæmonium: Asphodelos)
- ノーマル編はパッチ6.01、零式は6.05実装。
アテナが目指したものと「ヘファイストス」の誕生
- アテナは元はラハブレア院の職員で、将来を嘱望される俊英だった。
ラハブレア : 彼女は、ラハブレア院でも将来を嘱望される俊英でな。 放っておくと、寝食すら忘れて研究に没頭するような、 根っからの研究者だった。
- しかしアテナはいつしか、「生命の神秘」を完全に理解したいと願うようになっていく。しかしそれは、生物は創れても魂を創り出せないという人の殻を破ることでもあった。
ラハブレア : そんな探究の日々の中で、アテナはいつしか…… 「生命の神秘」を完全に理解したいと願うようになっていたのだ。 ラハブレア : 人は、生物は創れても、魂は創り出せない。 そして、転身はできても、人の殻を破ることは不可能……。 その限界を超える存在となることを、彼女は夢想し始めた。 テミス : 自在に魂を創り出すような、人智を超えた存在を示す概念、 すなわち「神」に至ろうとしていたというのか……。
- ラハブレアはある時、「人と創造生物の融合」により人の限界を超えるという、禁断の術式を思いついてしまう。しかしアテナはその閃きを見逃さず、あらゆる方法を使って術式を聞き出そうとし、ラハブレアはそれを漏らしてしまう。
ラハブレア : 私は、ラハブレア院を治める立場として、 アテナとよく、人の限界を超える方法について語り合った。 魂の創造などは創造学的な命題のひとつであったからな……。 ラハブレア : しかし、思考実験を繰り返すうち……私は思いついてしまったのだ。 「人と創造生物の融合」により、人の限界を超えるという、 禁断の術式を……。 ラハブレア : アテナは私の閃きを見逃さなかった。 そして……私に食らいつき、術式を聞き出そうとしてきたのだ。 あらゆる方法を使って、な……。 エリクトニオス : まさか、俺という子が生まれたのも……。 ラハブレア : 私は愚かしくも、アテナの真意に気がつけなかった。 パンデモニウム建設の際、彼女が長官の座を望んだときもそうだ。
- アテナはパンデモニウム建設とその長官の座を望み、ラハブレアは疑いもなくそれを与えてしまう。
ラハブレア : 私は愚かしくも、アテナの真意に気がつけなかった。 パンデモニウム建設の際、彼女が長官の座を望んだときもそうだ。 ラハブレア : 研究者としても優秀だったアテナを、 長官の座に据えることに、なんの疑問も持たなかった。 そうして彼女は、自由に使える「実験場」を手に入れた。 エリクトニオス : アテナは、ここで「人と創造生物の融合」を試み始めた。 それを知ったお前が……彼女を殺したんだな?
- アテナの真意を知ったラハブレアは、アテナを止めるべくパンデモニウムに乗り込んでいき、しかしそこでアテナの想いを知りたいという誘惑に抗いきれず、アテナと魂の融合を行ってしまう。
ラハブレアの再現体 : アグディスティスと私を、いつまでも欺いておけると思ったか。 さあ、エリクトニオスを離せ。 ラハブレアの再現体 : 今なら、まだ間に合う。 だが、もしもエリクトニオスをその手にかけるようならば、 私の手で……。 アテナの再現体 : ほかでもない、貴方の手でというなら本望だわ。 でも……どうせなら私の真意を知ってからにしてちょうだい。 ラハブレアの再現体 : ……研究を止めるつもりはないということか。 アテナの再現体 : 私のこの気持ちを知ってもらえれば…… 止めようもない激情なのだと、きっと理解してくれるはずよ。 ラハブレアの再現体 : 個人の想いなど関係ない。 その行いが、星にとって是か非かが問題なのだ……。
アテナの再現体 : ……知りたいのでしょう? 院の優秀な研究者であり、自分と子を成したほどの相手が、 何を想って、このような大それたことを始めたのか。 アテナの再現体 : 教えてあげるから、手を……。 言葉では足りない、究極の相互理解を……。
ラハブレア : そのとおり。 魂の境界を超えて、ふたつの魂を混ぜ合わせる。 アテナは自身を理解させるため、すべてを私に差し出してみせた。 ラハブレア : そして、このときの私は、 アテナの想いを知りたいという誘惑に、抗えなかったのだ。 ラハブレア : はたして彼女は、私を愛していたのか……。
アテナの再現体 : 我の想い、願い、それは汝となりて――
ラハブレアの再現体 : ――汝を、我とする。
- ラハブレアはなんとか魂の融合を解くが、魂深くに刻まれたアテナの想いと研究成果を知ってしまったことによる”弱き想い”を自ら切り離してしまう。
アテナの再現体 : 残念……。 アテナの再現体 : でも、貴方は知ってしまった。 私の想いと共に、これまでの研究成果もすべて……。 アテナの再現体 : たとえ、何らかの手段で記憶をかき消したとしても…… 魂深くに刻まれた生命の神秘を垣間見たいという欲求は、 根を下ろし、貴方自身の渇望となるのよ。 ラハブレアの再現体 : ……ならば、魂ごと切り分ければ良いだけのこと。 昏き想いも、研究にまつわる知識も……! ラハブレアの再現体 : 此度の事態は、私の心の弱さが引き起こしたもの。 ならば私は弱き想いのすべてを切り離し、 今後はより一層己を律しよう。 ラハブレアの再現体 : ラハブレアたる者として……!
ラハブレア : かくして私は、アテナの魂に汚染された自己の魂を分割し、 クリスタルの内に封印したのだ。 ラハブレア : まさか、それが後に肉体を得て、 ヘファイストスと名乗ることになろうとは思っていなかったがな。
- 魂を切り離した影響。
テミス : なんという無茶を……。 記憶の改変ならまだしも、部分的にとはいえ魂を切り離すなど、 自己の存在を作り変えるに等しい所業だ。 ラハブレア : ……おかげで地上に戻ったとき、 十四人委員会の中でも旧知の者には、ずいぶんと怪しまれた。 特に、イゲオルムやエメトセルクにはな……。 テミス : 当たり前だ……命があっただけ、奇跡だとも。
- なぜ切り離した魂を処分せず封印したのか。
エリクトニオス : ……切り離した魂を処分せず、封印したのは、 いずれは有益な知識を、取り戻すつもりがあったからか? ラハブレア : たしかに、その可能性は頭をよぎったが…… 魂の分離など、私にとっても初めての試みだったのでな。 ラハブレア : 分離後に自己の魂に異変が生じた場合に備えて、 対処可能なようにしておきたかったのだ。 結果的には、それが誤りだったわけだがな……。
ギリシャ神話
現実世界のアグディスティス
- アグディスティス(古希: Αγδιστις, Agdistis)は、トルコ中央部のガラティア地方の都市ペッシヌース(現在はバリヒサール:Ballıhisarという村があるあたり)で崇拝された両性具有の女神。
- ギリシャの地理学者パウサニアスの著書によると、ゼウスが昼寝をしている時に彼の精液が大地に滴り落ち、そこから両性具有のアグディスティスが生まれたという。神々はその怪異を恐れてアグディスティスを縛り、その男根を切り落としてしまう。切り取られた男根から生えたアーモンドの木の実を河神サンガリオスの娘が取って懐に入れると不思議なことに娘は身ごもり、アッティスを生んだ。生まれた赤子は山羊によって世話をされたという。
- のちアグディスティスは美しい青年に成長したアッティスに恋するが、アッティスはアグディスティスの追求から逃れてペッシヌースの王の娘と結婚しようとした。アグディスティスがその結婚式に乗り込むと、その姿を見たアッティスと王は狂乱して自らの男性器を切り落とした後に死んでしまう。アグディスティスは自らの行為を泣きながら後悔し、ゼウスに願ってアッティスの身体が衰えも滅びもしないようにしてもらったのだという。
現実世界のヘファイストス
- ヘファイストス(古希: ΗΦΑΙΣΤΟΣ, Ἥφαιστος, Hēphaistos)は、ゼウスとゼウスの3番目の妻であるヘーラーの第1子とされる。ゼウスとヘーラーが仲違いした際に母ヘーラーの味方をしたことからゼウスにより天から投げ落とされレムノス島に落下する。このときに足が不自由になったとも、あるいは生まれた時から不自由であった(ヘーラーが奇怪な子を嫌って下界に投げ下ろした)ともされる。
- また一説にはヘーラーがゼウスの種によらず独りで産んだ子ともされ、ゼウスが男性ながら美貌と才気を兼ね備えたアテーナーを産んだ※のに対してヘファイストスは酷い子供であったため、面目を失ったヘーラーは対抗してティーターンの力を借り自分もひとりで子テューポーンを儲けたとも言う(異説あり)。※激しい頭痛をかかえたゼウスが、プロメーテウスに(あるいはヘファイストスに)斧ラブリュスで自らの頭部を割らせたところ、甲冑を纏った成人した姿のアテーナーが出てきた(産まれた)のだとされる。
- ヘファイストスは酷い醜男であったにも関わらず、ゼウスの命により美の女神であるアプロディーテー(アフロディテ)を娶るが、軍神アレース(アレス、ゼウスとヘーラーの子)らに間男されるという憂き目に会う。アプロディーテーに相手にされなかったヘファイストスは、仕事場に訪れたアテーナーに欲情し襲いかかった。
- この時に生まれた子がエリクトニオスであるという。※「エリクトニオス」の項を参照のこと
- 鍛冶の神であるヘファイストスは、「女性」である美女パンドーラー(エルピスの項を参照)や、盾アイギス(英語読みイージス)、ゼウスの雷霆、自分で歩くことのできる真鍮の三脚器、アポローンとアルテミスの矢、「アキレウスの盾」を含むアキレウスの武具一式、青銅の巨人タロース、ヘーラクレースがステュムパーリデスの鳥退治の際に使った青銅の鉦などを作ったとされる。