interview/2009.09.10 電撃Playstationインタビュー

  • ーードイツではお疲れ様でした。まさか実機でプレイできるとは思ってなかったのでかなり驚かされました。
  • 田中:河本たちがギリギリまでがんばってくれたおかげで、なんとか間に合いました。
  • ーーまず「FFXI」と「FFXIV」での、現時点での最大の違いはどのあたりでしょうか?
  • 河本:やはりギルドリーヴですね。目的があって、そこから人を集めるという。遊び方の新しい形を提案できるのが現時点での最大の違いです。あとは武器などを持ち替えることが、ジョブチェンジに近い状態になる「アーマリーシステム」もそうですね。どちらかというとこちらのシステムは「FFXI」にあった概念をさらに発展させた形で実現できると思います。
  • 田中:アバターはあえて似せたものを見せているだけで、実際にはバリエーションがかなり違うものを作ることができます。
  • ーー確かにアバターは類似していますが、もともとのコンセプトから「FFXI」とは切り離されて考えていたのでしょうか?
  • 田中:そうですね。アバターだけは「FFXI」のユーザーがスムーズに入りやすいようにということで、あえてああいった形のものをお見せしています。
  • ーーグラフィックは首装備や腰装備といったものまで反映されるのでしょうか?
  • 河本:「FFXI」ではグラフィックに反映されなかった部位も入ってくると思います。まだまだ調整中ですが。それこそ「FFXI」にはなかった部位といったものまで出てくるかもしれません。
  • 田中:指輪まで作ろうかと話もありました(笑)。
  • 河本:今現在もどこまで入れるかといった部分を話し合っているところです。
  • ーーいわゆるエリア切り替えがなしでシームレスに世界を移動できるとのことですが。
  • 河本:それは間違って翻訳されたところがありまして、世界がどこまでいってもフェードアウトがないというわけではありません。かなり広大なエリアになっておりまして、「FFXI」におけるリージョンぐらいの範囲まではシームレスに移動することができます。ただ、ある程度のところで区切りはつけておきます。また、さすがにシームレスだからといって、モンスターが永遠に追いかけてくることもありません。
  • ーー戦闘エリアと居住エリアの区別などはないのでしょうか?
  • 河本:そうですね。敵がいるかっていう違いがあるくらいですね。もちろん街はありますが、「エーテライト」を設置したように、外でも会話できる場所や人が集まれる場所を用意してあります。
  • ーー街のような場所でも武器は抜けますか?
  • 河本:抜くことができます。「FFXI」では街でオートアタックをできないから抜けないだけでした。しかし「FFXIV」では抜きたければ抜けるという形になります。
  • ーー天候の変化などが体調に影響するといったところもリアルに表現されていたりしますか?
  • 河本:リアルを追及して一時は喜んでいただけても、あとあと「あのエリアには行きたくないね」ってなったりしますし。なので、もちろん天候によって影響はあるのですが、もっとゲーム的に考える要素になっていくと思います。ただし「FFXI」のような属性天候といった作り方はしていません。
  • ーー戦闘中の画面では「右からの攻撃」という表示があったのですが、高低差の影響などもありますか?
  • 河本:今回位置取りを重視したバトルにできればなと考えています。ただ高低差については、できる場所が限られてくるのでそこまで積極的には考えていません。
  • 田中:敵と自分との位置の相対関係での位置取りは重要になってきます。高低差をつけてしまうと、それを悪用されかねないので。
  • ーー位置取りとなると通信のラグなどがあると思いますが。
  • 河本:「FFXI」の経験のおかげで大丈夫だと思います。これぐらいだったらいけるかなというところを見極めてやっていきたいと思います。
  • ーー「エーテライト」は重要な施設のようですが、移動手段として考えてもよろしいのでしょうか?
  • 河本:一番は集合場所としてですね。スタート地点であり集合場所、次に移動手段ですね。ワープするポイントになることによって人が集まれる場所になるという両方の雰囲気を兼ね備えたものになる予定です。
  • ーー街から街への移動といったものやバトルをしに行くための移動、また「ギルドリーヴ」を始めるための移動などの目的でも使えますか?
  • 河本:はい、使えます。
  • ーーそうなるとチョコボも移動手段として考えられますが、その住み分けはどのようになっているのでしょうか?
  • 河本:チョコボに関しては、僕らも検討しています。移動手段であっていいのか、と。シンボルであるがゆえに、みなさんが納得できる形で登場させたいとは思っています。
  • ーー今回武器が消耗しますが、アバターも歳をとりますか?
  • 河本:歳は考えてないですね(笑)。歳は取らないけど、髪型を変えられたりとかはするかもですね。
  • ーー髪型の変更は想定されているのですか?
  • 河本:髪型はありだと思っています。ただ、顔の変更はいまのところは考えてないですね。そこを変えてしまったら、何を持ってその人だと認識するのか?となるので。慎重に考えつつユーザーのみなさんの要望に応えていきたいと思っています。
  • ーーイベントシーンは英語音声でNPCが話すとのことですが、ある程度フルボイスになるのでしょうか?
  • 河本いえ、イベントシーンのなかでも重要なシーンや、絵を見ていただくことが重要なシーンなど線引きがしてありまして、そこ以上にはボイスをつけることにしています。具体的には字幕に集中するよりも絵を見ていただきたいところなどは英語であっても音声をつけたほうがいいという考え方です。
  • ーー音声は英語のみですか?
  • 河本:おそらくイメージされているよりも音声がついているシーンはそれほど多くはないです。何よりストーリーを展開していく以上、そこでシナリオを翻訳して収録してとなるとどうしても時間がかかってしまうんです。やっぱりバージョンアップを一定のペースでしていくのが大事だと思っています。それが命題としてある以上、そのなかでできることを考えた結果、フルボイスにはしませんでした。
  • ーー武器に耐久度があって修復しながら使っていくとのことでしたが、破損具合などはグラフィックに反映されますか?
  • 河本:検討中です。実際にいろいろやってみてから考えてもいいかなぁと思ってます。
  • ーー修繕というのは習慣になるとおもしろそうですね。
  • 河本:先ほどエーテライトのようなものを作ったのは集合場所だといいましたが、修繕をする鍛冶屋と冒険者が出会うためにもエーテライトはあるんです。修理するために街へ戻る。となると手間がかかりますけど、エーテライトに行けば治せる人がいるかもしれない。そういうユーザーのみなさんに出会う場所の選択肢を増やしてあげたいと思います。
  • ーーそういうコミュニケーションの手段として、「FFXI」にあったサーチコメントのようなものも導入するのでしょうか?
  • 河本:そうですね。「FFXI」で培ったものは継承していきますね。それ以外にも考えているものはあります。
  • ーーほかのゲームですと職人用の看板などもありますが、そういうものも導入するんでしょうか?
  • 河本:長く遊んでもらったうえで、どちらがいいかを考えて、導入していくと思います。
  • ーー修繕はプレイヤーの鍛冶屋がやるといったイメージがありますが、お店などもできますか?
  • 河本:もし人がいなければといった場合も考えて検討しています。鍛冶屋がいなくてずっと壊れたままというわけにもいきませんので(笑)。
  • ーー武器以外にも盾なども破損していきますか?
  • 河本:消耗はしていきます。盾も防具も。
  • 田中:壊れたものや消耗したものをユーザー間で取引するのは難しくなってきますからね。新品と壊れたものとで値段とかも変わってきますしね。
  • 河本:その職人さんの技量によって、修繕が成功しないことはあっても破損したりということはないようにします。
  • ーー装備に対して、同じ装備でも職人によって色などのカスタマイズは可能になるのでしょうか?
  • 河本:やっぱり職人の人が売れ筋の色をつけて売るとかを狙うことになると思います。能力は同じだけど色が違うアイテムというのはかなり増えると思います。すでに色のパターンもかなり膨大な量があったりします。
  • ーーエンブレムなどもつけられるのでしょうか?
  • 河本:いつかできればいいと思います。
  • ーーアーマリーシステムで、いわゆる職人になると攻撃などはできなくなりますか?たとえば裁縫道具で攻撃するとか。
  • 河本:裁縫道具で戦うかどうかは別として、最低限のバトルに関する能力はつけようと話しています。もちろん専門職に比べれば大した能力はないですが。
  • ーーそれぞれのクラスに特化しているけれど、ほかのことは何もできないというわけではないのですか?
  • 河本:そういうことはないですね。そのなかでどういうアビリティをつけるかが重要になってくると思います。
  • ーーアーマリーシステムの導入でモグハウスのような場所はなくなってしまうのですか?
  • 河本:「FFXI」のモグハウスの役割はジョブチェンジなどがありますが、そのために街に戻らなければならないので街に人が集まってしまいました。なので、その機能的な面は外にあるエーテライトで行えるようにしようと思います。
  • ーーエーテライトがモグハウスの代わりになるのですか?
  • 河本:それぐらいの感覚ですね。
  • ーーただの家のようなものはあるのでしょうか?
  • 河本:そういうものも、おいおい出てくると思います。
  • ーー冒険者が集まる酒場のようなものはありますか?
  • 河本:「ギルドリーヴ」を受け取るところとして、冒険者ギルドがあります。いわゆる酒場のような感じですね。そこでギルドリーヴを何枚も受け取って、エーテライトにいって、何日かかけてそれで遊んだり、ほかの人のギルドリーヴで遊んだり。そういった流れを想定しています。
  • ーーギルドリーヴはカードのようなもので表されていますが、これはアイテムとして所持するものなのですか?
  • 河本:ギルドリーヴには専用の枠があります。カードというよりはプレートに近いもので、通行手形みたいなものをイメージしてください。ここでこういう遊びが許可されているという感じですね。
  • ーー基本的にはほかの人が受けられるギルドリーヴは誰か1人持っていれば他人も一緒に遊べるのでしょうか?
  • 河本:誰かが持っていれば参加できます。自分が持っていなくても相乗りできるほうが人を集めやすいので。また、なかにはギルドリーヴを受け取るためには特定の条件をクリアしないとけないようなものもあったりします。
  • ーーギルドリーヴには必須というイメージがありますが、逆にギルドリーヴをやらずに冒険を楽しむことはできますか?
  • 河本:ギルドリーヴの定義はものすごく広いです。なので、「FFXI」における狩りと同等です。レベルを上げるためにモンスターを倒すというぐらいに日常に溶け込んだものになります。もちろん、自分の自由にクエストをこなしていきたいという要望もあると思いますので、やらなければいけないというわけではありません。そのなかでもものすごいレアなものがあったり。集団でやるようなものもあったりします。
  • ーー「FFXI」でいうところのNMを倒すギルドリーヴや、スキル上げをするギルドリーヴなどもありますか?
  • 河本:ありますね。それどころかギルドリーヴをやっているだけでスキルが上がるようにという前提で考えています。単なるレベル上げは切れ目がないですよね。それを時間で刻むことで。エーテライトに人がいるから交代しますね。といった感じで人をずっと拘束しないようにしてあります。
  • ーー1人用のギルドリーヴならだいたいクリアまでにどれくらいの時間がかかるのでしょう?
  • 河本:1本30分位ですね。1日1時間しかできない人でも、2本ぐらいできればいいかなと。
  • ーーギルドリーヴはいろんなところで受けられるのでしょうか?それとも決まった場所があるのでしょうか?
  • 河本:それは街の冒険者ギルドからだけになりますね。複数もっていって、枚数分遊んだら街に戻るイメージですね。先ほども言いましたように、自分が持っていなくても他人のギルドリーヴに相乗りができるので、ずっとエーテライトでログイン・ログアウトを繰り返すこともできます。ただ、ギルドリーヴ自体は発行枚数が一定時間ごとに制限されているので他人と交流することでうまく使って遊んでほしいですね。
  • ーーリアルで公式イベントのようなものは開催しますか?
  • 河本:今はまだそこまでの余裕はありませんが、やりたいですね。
  • ーーセキュリティトークン導入は必須ですか?
  • 田中:スクウェア・エニックスIDは必須ですが、セキュリティトークンは必須ではありません。
  • ーードイツのイベントではマウスとキーボードで操作していましたが、コントローラの操作感はどうなるのでしょうか?
  • 河本:「FFXI」とあまり変わらない感じですね。自分たちもPCにコントローラをつないでプレイしていますし。
  • ーーウインドウのサイズなどが変えられるようになっていますが、文字の大きさなども変えられますか?
  • 田中:まだ導入していませんが、将来的にはできるようになると思います。
  • ーーWindows版ではウィンドウモードは搭載されますか?
  • 河本:むしろフルスクリーンでのプレイよりも、ウィンドウモードでのプレイが基本となる予定ですね。
  • 田中:今回はそちらのほうを前提にしていますね。各種コミュニティツールはWebベースで展開する予定ですので、それらを開きながらのプレイになると思います。
  • ーーミコッテの人間の耳がある部分(髪の毛で隠れている部分)は、どうなっているのでしょうか?
  • 田中:上にある耳しかありませんね。ミスラもそうです。
  • 河本:でもメガネの縁は、上の耳にかかってませんよね。まあ、これ以上は触れないでください(苦笑)。
  • ーールガディンには尻尾はないのですか?
  • 河本:やっぱりこの世界での新しい生き物としてルガディンを作ったわけで。ただアバターとして大事にした結果、ああいう外見になりました。
  • ーーアクションもすごいなめらかに動きますよね。
  • 河本:ドイツでのイベントで何を推していくのかを検討した時、アクションが豊かになったってのが大きいと思いました。ミスラがミコッテになって表現力が圧倒的に変わりましたね。
  • ーー動画にあるエモーションのシーンは、イベントシーンのものですか?それとも通常のゲーム中のものですか?
  • 河本:全種族並んでいる動画は、いわゆるエモートです。
  • 田中:「FFXIV」は全部モーションキャプチャーで作ってるんですよ。「FFXI」ではモーションキャプチャーをいっさい使っていないので、テイストが異なるものになりましたね。
  • ーー表情もゲーム中で動かせるのでしょうか?
  • 河本:このアクションにはこの表情、といった具合にアクションにともなって表情がつきます。表情のみのエモートといったものも出てくるかと思います。
  • ーーエモートで、ルガディンに乗れませんか?(笑)
  • 田中:団長さん(電撃の旅団)昔からそれ言ってますね(笑)。
  • 河本:どういう形で実現するか難しいですね(笑)。
  • ーーキャラクター同士を組み合わせたモーションもできますか?
  • 河本:ハードルはいろいろと高いのですが、コミュニケーション手段の1つとして考えていけたらいいなと思います。
  • ーーオートアタックではなくなっているようですが、チャットがしにくいような気がするのですが…。
  • 河本:影響がないとは言いません。ちなみにみなさん、オートアタックがアクションになったと思われているようですが、ウェポンスキルなどがもっと増えた。と思っていただくのが近いと思います。より考えたバトルをしてもらう形となります。
  • ーーマクロを使って、オートアタック的に動かすようなこともできるようになるのでしょうか?
  • 河本:それは僕らも考えましたが、本当にマクロでやってしまっていいのだろうか、と。そのあたりをマクロでやってしまうことで余計にプレイしにくくならないかなど検討しています。
  • ーーこれから「FFXIV」で注目して頂きたいところなどをお聞かせください。
  • 河本:今回ギルドリーヴというものがこんな感じでやっていきますということと、種族がこれだけ表情豊かに動くというところをお見せできました。次はやはりアーマリーシステムがどのようなものかを実感できるようなものをお見せしていきたいですね。ほかにも隠しているものを少しずつお見せしていきたいと思っています。
  • 田中:今回、グラフィックに関しては50%もできていない状態なので、まだまだだいぶ変わると思います。なので、グラフィック面もかなり期待してください。
 
 

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