ユルス・ピル・ノルバヌス(Jullus pyr Norbanus)
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概要
- ミドルネームの「ピル」は、「ガレマール帝国の階級」で下級士官を表す。
帝都ガレマルドにて
ガレマルドでの自軍との衝突
- アシエン・ファダニエルらの陰謀により精神汚染を受け、皇都ガレマルドにおいて第I軍団と第III軍団は衝突し、第III軍団長ウェルギリアの奸計に陥ったことでクイントゥスは負傷したのだという。
- こうして彼ら第I軍団は、帝都ガレマルドにあるテルティウム駅へと身を潜めていた。
ユルス : この下が「テルティウム駅」。 以前は、名前のとおり駅として使われていたが、 今は俺たちの拠点になってる。
デキムス : ここテルティウム駅は、 帝都外周を巡る環状線の第三市外駅である。 現在は、我ら帝国軍第I軍団が暫定的本営として運用中だ。
キャンプへの侵入
- 帝都外縁マグナ・グラキエス雪原で第III軍団長ウェルギリアを退けたエオルゼア同盟軍は、いよいよ帝都ガレマルド入を果たす。
- グランドカンパニー・エオルゼアが拠点として築いたキャンプ・ブロークングラスに、物資を盗みに来ていて捕まったのがユルスだった。
シリナ : お話し中すみません! シリナ : 警備中に、私たちが運び込んだ物資を持ち出そうとしている、 帝国兵らしき方を見つけました。 ユルス : ユルス・ピル・ノルバヌス。 それ以上、侵略者にくれてやる情報はない。
テルティウム駅へ
- 上官と交渉したいと意気込んでいたアルフィノだったが、老獪で強靭な意志を持つクイントゥス軍団長には虚しかった。アルフィノとアリゼーは「首輪」を着けられてしまう。
アルフィノ : 不幸を誰かに押しつけるのではなく、 皆で乗り越えようとする世界を、模索していけないでしょうか? アルフィノ : ガレアンの人々と我々で、 そんな未来への一歩を踏み出せはしないでしょうか……!? クイントゥス : ……では逆に問おう、若き異国の民よ。 クイントゥス : 調和を望むのであれば、なぜ、 ガレマールによる世界統治を受け入れなかった? クイントゥス : 我らがお前たちの神を信じなかったからか。 クイントゥス : 我らとお前たちの形が違うからか。 クイントゥス : お前たちと異なる理想を、法を掲げ、 異なるものを愛するからか。 クイントゥス : そうだとも、不和は争いを生み、調和の先に自由はない。 誰もを幸福にできる道などないのだ。 クイントゥス : なれば我らガレアンは、最後まで自由と誇りのために争おう。 私の望みは、それだけだ……。
- ユルスと話し、援軍が到着すればテロフォロイを打倒しガレマルドを取り戻すことができるのだ。少しの辛抱なのだと語るユルスに対して、アルフィノはその少しの間に喪われる命もあるはずだといい、援助の手を差し伸べようとする。
- 上官クイントゥスに相談するユルスだったが、クイントゥスの意思は固くそれを受け入れることはなかった。
ユルス : クイントゥス様の判断は変わらなかった。 ひとりの命を救えたとて、異国に頼ってしまうのは、 ガレアン全体の未来を断つことに変わりない……と。 ユルス : 燃料が必要ならば、市街地から集めてくるようにとのことだ。 俺の指示のもとで、お前たちを青燐水集めに従事させるなら、 外に出ても構わないとおっしゃった。
- 彼の物資調達を手伝ううち、アルフィノたちはガレマール帝国の実情を知り、第I軍団の置かれた苦しい状況を知ることになる。
- 拠点に逃げ込んだ者たちのためにとユルスとアルフィノたちがかき集めて持ち帰った燃料も、クイントゥスは魔導兵器の燃料に回せと言われてしまう。さらに次の作戦が決まったと告げられる。
第I軍団の反攻作戦
- アルフィノとアリゼーを捕虜としておき、光の戦士一人を連れグランドカンパニー・エオルゼアのキャンプへと戻るユルス。途中、ユルス : ウルバニッシマ区の外れで足を止めたユルスは、家族を語りだす。
ユルス : ……ここで間違いない。 少しだけ、俺に時間をくれ。 ユルス : ……家だったんだ、うちの家族の。 ユルス : 帝都が崩壊したあの夜、 俺はクイントゥス様と同じ場所にいて助かった。 けど、うちにはあのラジオはなかったんだ。 ユルス : 朝になって、どうにかここに駆けつけた。 研究職の父も、母も、妹と弟もまだいて…… ユルス : だけど、もう、言葉は届かなくなってた。 話しかけたら襲われて……それで……俺は……。 ユルス : 本当だったらその朝に、みんなは帝都を出るはずだったんだ。 内戦が収まるまで、安全な場所に避難してもらう約束だった。
- そしてガレマール帝国の国旗について語る。
ユルス : ……ガレマールの旗には、 民族の団結を示す鎖が描かれてる。 ユルス : 血色の鎖は、犠牲になった同胞たち。 彼らも含めて、ガレマールって国なんだ。 ユルス : でも……じゃあ、この国がなくなったら、 死んだ同胞たちが生きてたって証は、どこに残る? ユルス : お前たちみたいに神に祈れたら、答えを得られてたのか? ユルス : ……悪い、話がそれた。
- そしてキャンプに着くと、ユルスは人質2名の命と引換えに飛空艇を要求するのだった。
ルキア : つまり、物資をすべて置いて、領外へと撤退すること…… それが貴公らの要求だな? ユルス : そうだ。 撤退のときには、飛空艇をひとつ置いていけ。 ユルス : お前たちが去ったことを確認したら、 アルフィノとアリゼーの首輪を外して、それに乗せる。
- しかし逆にルキアから告げられたのは、エオルゼア側の偵察隊によるアルフィノとアリゼー無事保護の報であった。
マキシマ : 偵察隊が、アルフィノ殿とアリゼー殿を保護しました。 首輪の解除にも無事成功したそうです。 ルキア : ……聞いたとおりだ。 貴公らと我々は、これでまた対等にテーブルにつける。 ルキア : その上で、改めて相談したいことがあるのだ。 我々のもとに届いた、ある情報について、 クイントゥス殿も交えて話がしたい。 ユルス : ……それは不可能だ。 交渉が失敗した場合についても、すでに指示は受けている。
ユルス : 我ら、ガレマール帝国軍第I軍団…… 祖国の頂を護る者…… ユルス : 皇帝陛下亡き今も、この地は尊き帝都なれば…… ユルス : 同胞戻り来るまで、身命尽きようとも、蛮族を排せよ!
- 第I軍団の誇りをかけて激しく抵抗するユルス達であったが、さらなるグランドカンパニー・エオルゼアからの報告が入ってしまう。
ルキア : アラミゴに、第X軍団を中核とする一団が来訪。 会談を希望してきたそうだ。 ルキア : 曰く、彼らは帝都解放を目指して共闘を呼びかけるも、 第IV、第V、第VIII、第XII軍団とは交渉決裂…… ルキア : 大半の軍団が独自路線を突き進み、交信すらままならぬ中で、 第X軍団自体が属州兵の大量離反を許し、 事実上、継戦能力を喪失……。 ルキア : 以て、グランドカンパニー・エオルゼアに、 ユルス : 嘘だ、騙されるものか……ッ! ルキア : いいや、事実なのだ、ユルス殿。 第X軍団長から、第I軍団長に宛てた伝言も預かっている。 ルキア : 『イルは立たず』と。
- この状況をクイントゥスに報告すると、第X軍団の判断に従いグランドカンパニー・エオルゼアへの保護申し入れを受諾することになる。
ユルス : ……聞こえてましたか、クイントゥス様。 ユルス : 俺たちは……どうすれば…………。 クイントゥス : 第X軍団の判断に従う。 ……そう伝えよ。
- しかしその後、第I軍団の軍団長クイントゥス・ヴァン・キンナは拳銃自殺していたのであった。
ユルス : ……キャンプを襲った者は、これで全員だ。 抵抗はしない。
ユルス : クイントゥス様が、どうかしたのか……? 第I軍団の軍団兵 : ……自害なされたんだ。 第I軍団の軍団兵 : 第X軍団の顛末を聞いて、保護を受け入れたあと…… 部下たちに下がるよう命じ、おひとりになったところで……。 ユルス : そ、んな……嘘だろ…………。 第I軍団の軍団兵 : あの方は、最期にこうおっしゃったそうだ。 第I軍団の軍団兵 : 生きたくば生きよ。 皆にも、そう伝えるがよい……って。 ユルス : クイントゥス様……あなたは……ッ!
第I軍団の軍団兵 : ユルスの奴は、どうするんだろう……。 家族もあんなことになって、 第I軍団の使命を心の支えみたいにしててさ。 第I軍団の軍団兵 : 俺だって、どうしたいとか、どうすべきとか、 まったく心が追いついてないさ。 けど……。
投降後
- 投降後も心を許していなかったユルスだが、元ガレマール帝国軍兵だという兵士に声をかけられ涙をこぼしてしまう。
派遣団の解放軍闘士 : 俺はアラミゴから来たが、つい最近まで「帝国兵」だった。 ガレアンの上官と、いつも同じメシを食ってた。 派遣団の不滅隊士 : アジムステップ風の、温まるスープらしいよ。 あたしも初めて食ったけど、案外うまいね。 派遣団の双蛇党員 : 少し、味が濃すぎる気もするがな……。 派遣団の不滅隊士 : あー、あんたのとこと比べると……ね? 派遣団の解放軍闘士 : ……生きててよかったな。
- その時、エオルゼア側で確保していたラジオが突然鳴り出し、ユルスを含めた兵士がテンパード化してしまう。
ラジオが拾った声 : 我こそ……ガレマール……皇帝…… ヴァリス……ガル……ス……。 ユルス : 皇帝、陛下……?
- その後、治療を受けている。
ルキア : ユルス殿も、そのひとりだ。 現在はまだ治療中で、面会することはできないが…… ルキア : あの動乱の中、アルフィノ殿とアリゼー殿が駆けつけて、 アニマの呪縛によって暴れる彼を押さえてみせたのだ。 彼も周りも、傷つけることなく。
バブイルの塔
- シャーレアン本国は、月への避難計画を着々とすすめていた。手始めに以前から友好関係にあったラザハンの民を、バブイルの塔の転移装置を代替措置として用いて月へと送る準備をフルシュノ自ら誘導していたが、彼ら一団がガレマルド近郊のマグナ・グラキエスに到着した時、ガレマール帝国でも終末が本格化し、テンパード化したガレマール兵が襲ってくる。
- これに対してユルスは、かけつけたアルフィノたち暁の血盟メンバーたちとともに救援活動を行っている。
- 一通り撃退し、飛空艇へと乗り込む彼らだったが、そこへ現れたのがゼノスであった。友達
光の戦士への再戦の熱意を語るゼノスにユルスは叫ぶ。ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス : もとより、そのためだけに得た生だ。 ほかの何に費やす道理もない。 ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス : ……しかし、お前はいまだ、別の獲物を見据えているのだろう。 ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス : その熱は俺に及ばず、さりとて、 怒りや絶望で強引に奪えるものでもないらしい……。 ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス : ゆえにただ、牙を研いでいる。 今は、それだけだ。
ユルス : お前……何を言ってるんだ……? ユルス : ガレマール帝国が壊れたんだぞ…… 俺たちの祖国が……お前たちが治めた国が! ユルス : 帝都はあの有様だ……大勢死んだ……。 ユルス : 俺たちみたいに、内戦に加担した軍人だけならまだいい。 そうじゃない民間人まで、どれだけ斃れたと思ってるんだよ! ユルス : 様子がおかしくなって……同族同士で殺し合って…… ユルス : どうにか意識を保ったまま生き延びた奴だって、 凍えて死んでいくしかなかった……! ユルス : 派遣団からは、お前たちが望んで仕掛けたことだったと聞いた。 本当なのか!? だとしたら、なぜ……! ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス : すべて事実だ。 今となっては、さして意味もなかったがな。 ユルス : ゼノス……お前……ッ!! アルフィノ : ユルス、ダメだ、落ち着いてくれ……! ゼノスなんかのためじゃない、君のために怒りを抑えるんだ!
ユルス : ……お前の存在は、ガレアンにとって猛毒だ。 怒りも悲しみも、全部吐き出して叩きつけてやりたくなる。 ユルス : だが、アルフィノの言うように、 それが悲劇の引き金になるなら…… 俺はもう、お前のせいで血を分けた仲間を失いたくはない。 ユルス : 行け……! そして二度と、同胞の前に姿を現すな……!
- その後、ガレマルドに赴きイルサバード派遣団に状況を共有するつもりだというフルシュノとそれに着いていくというアルフィノたちと共に、ガレマルドを目指した。
ユルス : ……俺なら大丈夫だ。 今はもう、気持ちも落ち着いてる。 ユルス : 治療してくれた奴やルキアから、あの夜…… テルティウム駅から避難してきた夜に何があったか、 教えてもらった。 ユルス : お前たちが、大事なときに戦力をわけてまで、 俺たちを助けようとしてくれたことも……。 ユルス : …………感謝してる。
- キャンプに着くと、ガレマルド市街地でも異形の獣の姿が確認されたとの報告を聞き、ユルスもまたかつての帝都防衛に尽力することを誓うのであった。
ルキア : 実は、ガレマルド市街地でも、異形の獣の姿が確認されている。 もともと廃墟同然の状態だったため、数は少ないが……。 ルキア : 今はマキシマ殿が派遣団の残留部隊を率いて、 討伐と避難誘導にあたってくれている。 ルキア : 貴公ら帝国軍にも、飛空艇の護衛を終え次第、 合流を頼めるだろうか……? ユルス : いいのか? 俺たちに武器を持たせ続けて……。 ルキア : 造反を危惧しているのなら、そもそも、 恩人たる「暁」を追わせたりはしなかったさ。 アルフィノ : 私たちからも、お願いするよ。 終末が広がりつつある今、君たちの力を貸してほしいんだ。 アルフィノ : 違う血を引き、違う想いを抱き、互いに禍根もあるだろうが…… 今度こそ、ともに未来を模索する盟友として。 ユルス : ……その要請、承った。 もとより、帝都を護るのは俺たちの役目だからな。
新たなる冒険編
- パッチ6.1~6.5xのメインクエスト「新たなる冒険編」では、ガレアン・コミュニティをとりまとめる動きや、ゼロと対話して「信頼」という言葉の意味するところを教えたりしていた。※音声付きカットシーンあり
ゼロ : 待て、ユルス。 ……聞きたいことがある。 ゼロ : お前も「信頼」を結べるんだな。 だからさっきの男は、強制されてもいないのに、 話し合いに応じることにしたんだろう? ユルス : だが、ゼロの求めてる繋がりってものを、 俺が説明できるかどうか……。 ユルス : 自分で言うのもなんだが、 とくべつ交友関係が広い方じゃない。 休みの日も、弟と妹につきあってばかりだった。 ユルス : さっきの説得だって、ただ日頃考えていたことを…… ユルス : ……いや。 伝えてみようと思ったこと自体が、 アルフィノやアリゼーに、感化されてたのかもしれない。 ユルス : 信頼は、多分、伝播するんだ。 信じてくれた人がいると、自分も誰かを信じてみようと思う。 ユルス : そうじゃなかったら、そもそも対話を選ばなかったはずだ。 俺が最初、イルサバード派遣団のキャンプから、 黙って物資を盗もうとしていたようにな……。
- そして、おのずと信じられる存在「友」という存在について語る。
ユルス : 過去がどうだったとしても、ゼロは今、生きてるだろ。 ユルス : 俺たち帝国民が、まさしく過渡期にあるように…… 生きていれば、望んでいなくたって変化がもたらされる。 お前にだって必ずな。 ユルス : できなかったことが、今もできないとは限らないんじゃないか? ユルス : 実際、この世界でお前と行動をともにしてる奴は、 お前のことを信頼しているように見える。
ユルス : 俺だって、お前を信頼の置ける奴だと思ってるよ。 ゼロ : …………まただ。 ゼロ : お前たちが、力尽きそうな私を助けにきてくれたときと同じ。 嬉しいのに泣きたいような…… 言葉にならない熱が、胸の内を巡っている。 ゼロ : これが信頼なら、私はどう応えればいい……? ユルス : じゃあ、ほら。 ユルス : 別に、いちいちこうしなくたって、 仲間にだって友にだってなれるけどな。 ゼロ : 友……ああ、そうか……。 ゼロ : おのずと信じることができる、 そんな相手を、友と呼ぶのか……!