ドーガとウネ(Doga and Unei)
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概要
オリジナル
- クローンの元となった人物は、第三星暦「アラグ帝国」の始皇帝ザンデの直系子孫であった、ドーガとウネ。
- 男性がドーガ、女性がウネ。
- オリジナルの2人は古代「アラグ帝国」時代末期の大魔道士ノアの弟子であり、皇族でありながら大魔道士であった。
- アラグ帝国末期に天才魔科学者アモンは、ザンデ復活のためにキメラ合成技術を応用しつつ新たなクローン技術を開発、政敵や反乱に与した罪人を実験体として利用して技術を蓄積した後、皇族や忠臣のクローン化を行うことで技術蓄積を図っていた。その中には、オリジナルのドーガとウネのクローン体も含まれていた。
- ※「闇の世界」で現れるドーガとウネのクローン体モンスターもこれである。
クローン体の育成
- 晩年の2人は、自らのクローン体のうち2体をひそかに人として育て、いつかその血をもってザンデが闇の世界と取り交わした血の契約を破ってくれるよう願ったという。
- やがてクリスタルタワーの地殻が崩壊、アモンにより時の流れを止められたシルクスの塔もろとも2体のクローン体も眠りについた。
第七霊災後の目覚め
クロニクルクエストにて
シルクスの塔
- 初登場は、「八剣士の前庭」を破った先にあった「シルクスの塔」への扉を開く場面で、「バルデシオン委員会の方」から来たという売り込みでノア調査団に紛れ込みラムブルースやグ・ラハ・ティアたちと同行して現れる。
シド : 誰かと思えば、お前たちか。 ……そっちの、見慣れないふたりは? グ・ラハ・ティア : お待ちかねの朗報だぜ、シド。 バルデシオン委員会が専門家をよこしてくれたんだ。 ウネに、ドーガだとよ。 ドーガ : 防衛機構に手こずっていると聞き、様子を見にきた。 これから、よろしく頼む。
- 扉を開くべく思案しているシドたちをよそに、2人はいとも簡単に扉を開けてしまう。
グ・ラハ・ティア : 手がかりになりそうなのが、扉の中央に描かれた意匠だ。 恐らくこれは、対となった男女…… しかも相当に身分が高い。 グ・ラハ・ティア : ……それ以上は、はっきりしねーがな。 意味があるのやら、ないのやら……。
シド : おい、言ったろ、開こうとしても無駄だ。 人の力ごときじゃ、その扉はびくともしない。 ウネ : ああ、聞いていたよ。 まさかこの、か弱い乙女の細腕で、 扉を開こうなんて思っちゃいないさ。 ドーガ : そう、僕らが開くのではない。 …………扉の方が、おのずと開くんだ。 グ・ラハ・ティア : なッ……嘘だろ……!? 扉が開いたッ……! シド : いったい、何をしたんだ……! 人が近づくだけで扉が開くなんて、考えられない。
- 2人を怪しむ一団の後ろから、ネロが登場する。そして、ドーガとウネの正体を見破ってしまう。
シド : いったい、何をしたんだ……! 人が近づくだけで扉が開くなんて、考えられない。 お前たち……本当に、ただの研究者か……? ???? : 『光束ねし 天突く塔は 金色の扉の先に黙さん……』 ???? : 『其は厳然たる 隔絶の壁 いと尊き始祖の血にのみ 至天の道が開かれん』 ……記録のとおりだな。 ネロ : よぉ、寄せ集めの調査団。 ずいぶんと珍しい「玩具」を手に入れたようだな? シド : お前は……ネロ……!? やはり、魔導城から逃げ延びていたか……! ネロ : おいおい、ガーロンドォ……。 かつての級友の生還を、 もう少し喜んでくれてもいいンだぜ?
ネロ : まあ、オレの話なンざ、どうだっていいだろう。 問題は、そいつらの正体だ……。 オレにはその心当たりがある。 ネロ : 知ってのとおり、クリスタルタワーは、 アラグ帝国に繁栄をもたらした最重要施設。 中枢に立ち入れたのは、皇族と一部の重鎮だけだったという。 ネロ : さらに、オレが探し当てた記録の一節によると、 扉を開くことができたのは「尊き始祖の血」のみ。 つまり鍵は……皇帝の血族だ。 グ・ラハ・ティア : まさか、こいつらがアラグ皇帝の子孫だってのか!? 馬鹿いえ、数千年前の話だぞ! ネロ : 子孫、か……。 そんな血の通ったもンじゃないだろ、なぁ? ネロ : あえていうなら、模造品……。 古代アラグ文明が誇った魔科学のたまものにして、 複製された「生きている鍵」さ。 ネロ : お前らの正体は、クリスタルタワーに保管されていた、 人造の生命体……「クローン」だ。 ドーガ : ……そこまで知られているなら、もはや否定のしようもないか。 ドーガ : すまない、隠し通すつもりはなかった。
2人の正体とアラグ帝国の歴史
- 2人は、その正体について語り始める。
ドーガ : 僕らは、バルデシオン委員会に派遣された研究者ではない。 推測のとおり、アラグ帝国時代に造られた人造生命体…… 「クローン」だ。 ラムブルース : 人造生命体……クローン……。 ……にわかには信じがたい話だな。 ラムブルース : そもそも、なぜクローンなどというものが存在している? 君たちの目的は何だ?
ドーガ : 順を追って話そう。 それに答えるには、アラグ帝国の真の歴史を紐解く必要がある。 ウネ : アラグ帝国が繁栄を極めていたのは、 私たちが生み出されるよりも、ずっと前……。 ウネ : その頃は、クリスタルタワーも開かれた施設でね。 そこで生み出される無限のエネルギーによって、 国は渇きを知らなかったのさ。 ドーガ : しかし、飽和した繁栄の中で、民は次第に退廃的になっていった。 ……その気運に拍車をかけたのが、皇族の衰退だ。 ドーガ : 民の活力が失われ、それを束ねる皇族の血も弱まれば、 当然のごとく国は傾く……。 隆盛を誇ったアラグ帝国も、その流れは止められなかった。
ウネ : ……そんなとき、帝国再建のために立ち上がったのが、 稀代の科学者「アモン」という男だったんだよ。 ウネ : 傾いた国には、傑出した指導者が必要…… そう考えたアモンは、魔科学で建国の祖を蘇らせようと試みた。 グ・ラハ・ティア : 建国の祖……? まさか、伝説の始皇帝「ザンデ」か……! ウネ : そう、そのための研究の一環で造られたのが、 ザンデ直系の子孫である「ウネ」と「ドーガ」のクローン…… つまり、私たちってわけさ。
シド : 大昔の歴史についてはわかった。 あの扉を開いたお前たちの言葉だ、疑うつもりもない。 シド : だが、それが今の状況と、どう関係ある? 俺たちが知りたいのは、古代の産物であるお前たちや クリスタルタワーが、この時代に現れた理由だ。 ドーガ : ……ザンデの野望は、過ぎた歴史の話ではない。 ドーガ : ザンデは今でも生きているんだ。 あの、シルクスの塔の中で……。
- ザンデの復活。
ドーガ : 「闇の力」を御すには、莫大なエネルギーが必要となる。 ザンデは、衛星「ダラガブ」を打ち上げ、 クリスタルタワーに太陽の力を集めようとした……。 ドーガ : だが、わずかな誤算が惨事を引き起こす。 エネルギーを受け止めきれず、地殻が崩壊したんだ。 ドーガ : 想像を絶する大地震が起きた……。 後世に「第四霊災」と呼ばれたその災害は、 アラグ帝国に終焉をもたらした。 ドーガ : しかし、崩壊の最中…… ザンデの腹心となっていた科学者アモンは、 地中に沈みゆくクリスタルタワーの時間を止めたんだ。 ドーガ : 中にいたザンデもろとも、クリスタルタワーは眠りについた。 再びの目覚めを……野望の実現を待つために……。 ウネ : 時は流れ、あんたたちの時代がくる。 対となるダラガブに呼応して目覚めたクリスタルタワーは、 第七霊災を経て、再び地上に露出した。 ウネ : ……それはすなわち、ザンデの目覚めでもある。
- ドーガとウネの目的
ウネ : 私たちは、ザンデを止めたい。 それが、オリジナルのウネとドーガから託された使命なんだ。 ウネ : 彼らは、ザンデの凶行を……世界を案じていた。 だから、クローンのひとつにすぎなかった私たちに、 戦うための心をくれた。 ドーガ : だが、この使命は、僕らだけでは成しえない。 クリスタルタワーとともに目覚めた僕らは、 ずっと待ち続けていたんだ。 ドーガ : 古代の民の迷宮を乗り越えて、 ザンデの闇を振り払う「光の戦士」がやってくるのを……!
封印
- 「シルクスの塔」において、冒険者たちは始皇帝を倒すことに成功し、一団はシルクスの塔の封印をしようとする。
グ・ラハ・ティア : 始皇帝ザンデを倒したんだな! すげーよ、あんたやっぱりタダモノじゃねー! ドーガ : ああ、本当に……。 アラグの技術が失われても、 人の強さは、失われていなかったようだ。 ドーガ : これで、ザンデが遺した禍根を断てる。 お前は、僕らが何千年も待ち続けた、悲願の英雄だ……!
ウネ : それじゃあ、やることをやってしまおうかね。 ……封印といっても、方法はいろいろあるんだ。 ウネ : クリスタルタワーを外界から封鎖するのか、 あるいは動力を落とすのか……そのあたりは任せるよ。 いずれにせよ、私たちの出番が先だ。
- まずドーガとウネが、古代にザンデが結んだ「血の契約」を終わらせることで、シルクスの塔の頂上部に生じている「世界の裂け目」、すなわちヴォイドとのつながりである「門」を断ち切ろうとする。
グ・ラハ・ティア : 何をするんだ……? その黒い歪みに、何かあるのか? ウネ : ……ザンデは、「闇の力」を求めたといっただろう? 「闇の力」というのはね、この世界に隣接している異界…… 「ヴォイド」から引き出されるんだ。 ウネ : 私たちの時代、そこは「闇の世界」と呼ばれていた。 ザンデが世界統一のために得ようとしたのは、 闇の世界の勢力……妖異の軍勢だったのさ。 ドーガ : 妖異は、餌であるエーテルが豊富な、この世界を狙っている。 そこでザンデは、彼らと血の契約を交わした。 ドーガ : こちらと異界をつなげる「門」を開くかわりに、 皇帝の血脈に従い、力と繁栄をもたらせ……とな。 ドーガ : その契約は、今でも続いている。 だが、クローンであれ皇族の血をひく僕らなら、 契約を破棄できるだろう。 ドーガ : この場所に生じている世界の裂け目から、 闇の世界に、僕らの血を刻むんだ。 そうすることで、ザンデの野望を終わらせられる。 ドーガ : さあ、ウネ……。 ウネ : わかってるよ、ドーガ。 やっと……私たちの役目を果たせるね……。
- しかし、その時に何者かの意思が現れ、闇の世界からクローン体を送り込みドーガとウネによる封印を阻止してくる。
???? : 古き契約……決して破らせはせんぞ……。
- そして混乱に乗じて、暗闇の雲は封印を阻止すべく、ドーガ、ウネ、さらには力を手に入れることを焦ったネロまでも飲み込んで門を閉じてしまう。
- シドたちは再びヴォイドゲートこじ開けるべく、大容量の動力を流し込み、これに成功する。
ビッグス : ありったけの動力を、クリスタルタワーにブチ込みます。 アグリウス級の戦艦でも、軽く5隻は飛ばせる力だ…… こいつで、「闇の世界」への入口をこじ開けましょう! シド : それじゃあ、いくぞ……。 装置を起動! クリスタルタワーに、動力を流し込め! ラムブルース : 素晴らしい! 無事に、ヴォイドゲートが開いたのだな! シド : ああ、これで「闇の世界」へと突入できる。
闇の世界にて
- 「暗闇の雲」を倒すことに成功した冒険者たち。しかし暗闇の雲は倒れてはいなかった。
暗闇の雲 : おのれ……ヒトの子め……! 恐れ多くも私を愚弄し、怒りに触れるか……! 此処は我が胎……我が闇の満ちたる世界……。 幾度その手で掃おうとも、私を消し去ることはできぬ……! その身、一切の闇に葬ってくれようぞ……!
ドーガ : 確かに、ここは「暗闇の雲」が支配する空間……。 彼女を完全に消滅させることは、不可能に等しいだろう。 だが、「暗闇の雲」は今、 姿を保つことができないほどに消耗しているはず。 この隙になら、ザンデとの契約を破棄することができる……! ウネ : そうだね……契約が破棄されれば、 この空間とクリスタルタワーの繋がりもなくなる。 あんたたちは、急いで脱出するんだよ。 グ・ラハ・ティア : あんたたちは……って…… ……まさか、ウネとドーガは残るって言うのか!? ダメだ! ぐたりには、無事に戻ってきてほしいんだよ! クリスタルタワーを制御して、世界を救えるのは、 あんたたちだけなんだ……!
- そうしている間にも、暗闇の雲の攻撃が行われるが、グ・ラハ・ティアはこれを避ける力を持っていた。
暗闇の雲 : 我が力が及ばぬと……!? 何故だ……まさかお前も、血の契約に庇護されておりのか! ウネ : グ・ラハ・ティア……。 やはり、その眼を宿しているのには、意味があったようだね。 あんたには、大いなる資格が受け継がれているんだ。 それは、クリスタルタワーの主たりえる資格…… 私たちと同じ、アラグ皇族の血さ。 ドーガ : 悠久の時は、すべてを押し流す。 失われたはずの皇血が、未だその身を巡るのは、 偶然ではありえないこと……。 きっと、誰かがその血に願いを込め、 大いなるアラグの術を使って、未来へと託したんだ……。 血はシルクスの塔が検知できないほどに薄れているようだが、 その紅い眼こそ、お前の内にいにしえの願いが…… 託された一粒の希望が、いまだ輝いている証だろう。 グ・ラハ・ティア : そんな……オレにはわからない……ッ! どうしたらいい? オレに、一体何ができる!?
- ドーガとウネは、ここでグ・ラハ・ティアに皇血を託す。
ウネ : あんたに、私たちの血をわけよう。 一時のあいだだが、薄れた血が補われる……。 あんたがクリスタルタワーを制御するんだ。 ドーガ : 僕らは、ザンデの野望に幕を引き、 未来へと希望を託すために、「オリジナル」から心をもらった。 この希望を、お前たちが継いで進む限り…… 僕らの体はなくなっても、心は失われない。
- そして、2人は闇の世界に残り、ザンデの交わした血の契約を破棄する。
ウネ : ザンデ……。 あなたの悪夢が、やっと終わるわ。