週刊レイヴン

週刊レイヴン(The Raven)

週刊レイヴン
Table of Contents

概要

巷の噂話や最新の流行を取り上げるグリダニアのゴシップ誌。
フットワークの軽い記者たちが足でかき集める鮮度の高い情報が持ち味。
ホットなニュースをいち早く提供するため、号外を出すことも多い。
皮肉たっぷりな文体が特徴だが、反対意見を沿えるなど記事は割と中立的。

黒衣森の木々の1本、そのまた無数に空いたウロの中の1穴から、鋭いクチバシで一片の真実をつつき出す「週刊レイヴン」主筆のグッドフェローです。

黒衣森の木々の1本、そのまた無数に空いたウロの中の1穴から、鋭いクチバシで一片の真実をつつき出す「週刊レイヴン」主筆のグッドフェローです。 本誌の勇敢なる特派員マーティンが命を賭してもたらした、緊急速報をお届けしよう。

記者

キピ・ジャッキヤ

  • 契約記者のキピ・ジャッキヤ(Kipih Jakkya)は、2011年8月末に一部ワールドに現れ取材活動を行っているところを目撃されている。
  • それによればキピ・ジャッキヤはカチューシャミコッテの外見をしたGMキャラクターであり、表示上は記者風の未実装装備に見えるが装備画面ではウェザード装備となっていた。

ムジ・ミュリラー(Mujih Mewrilah)

ムジ・ミュリラー

リナ・ミュリラー(Lina Mewrilah)

クロ・バジリ(Khloe Bajhiri)

  • 2014年1月に行われたFF11とのコラボイベント「黒い悪魔」で登場した記者。

    人呼んで「黒い悪魔」
    信じがたい情報が舞い込んできた。
    何でも、ここ黒衣森を含むエオルゼア各地で、巨大なララフェルの如き人影が目撃されているのだという。ララフェル族といえば、もっとも小柄な民として知られる存在。それが巨大化するとは、「空飛ぶチョコボ」くらいデキの悪い冗談だ。自称目撃者たちは、とうの昔に「降神祭」は終わったというのに、まだ酒宴の酒が抜けていないのか。
    だがしかし、一人二人の目撃談であれば酒場のヨタ話と無視できても、目撃者数が二桁三桁と増えるに従い、話は違ってくる。もし、この巨人ララフェルが実在するとしたら……そう思うと何やら不安になってしまうのは筆者だけだろうか。

    冒険者たちが集まる茶房「カーラインカフェ」でも、この巨人ララフェルの話題でもちきりだ。今では誰が呼んだか「黒い悪魔」なる仰々しい異名までついている始末。噂によれば、「黒い悪魔」はスプリガンを使い魔のように使役しているともいう。巨人ララフェルの正体を探るうえで、ひとつのヒントになりそうだ。
    本誌も、さっそく事の真相を探るべく、新人記者を取材に送り込んだので、続報を待ってほしい。

    オリバー・グッドフェロー

    クロ・バジリ

バックナンバー

  • 旧ロードストーンに掲載されていたもの。
    • 元々は旧FF14運営時に公式サイトロードストーンに掲載されていた記事です。
    • 旧FF14のサイトが一斉に削除されることになったため、その中でも資料的内容が多く含まれていたリムサ・ロミンサの「ハーバーヘラルド」、ウルダハの「ミスリルアイ」、グリダニアの「週刊レイヴン」のページについて、旧FF14を知らない層に向けて保存目的で引用したものです。
    • 当然ながら、著作権は株式会社スクウェア・エニックスに帰属します。

Vol.1:「調査隊全滅!?」~「トトラクの千獄」最後のリポート~

地下監獄で起きた悲劇
いま「トトラクの千獄」で、何かが起きている。
そう、かつて密猟者や森林放火魔といった重犯罪者を収監するために利用され、人の道に反するとして先々代の幻術皇によって閉鎖された、あの忌まわしき地下監獄だ。

つい先日のことだ。封鎖されていたはずのその監獄に、ガレマール帝国の傭兵らしき人物が出入りしている、との衝撃的な目撃情報が本誌編集部にもたらされた。事態を重くみた編集長は、すぐさま双蛇党に通報。結果、独占スクープこそ失われたものの、特例処置として4名からなる先遣偵察分隊の1名として本誌特派員マーティンも同行を許された。

「こちら偵察隊……これよ…千獄に侵入す……」
党から借り受けた強力な軍用リンクシェルを使用していたにも関わらず、統合司令部で待機する我々に届いたマーティンの声は最初から途切れがちだった。帝国の妨害雷波の所為であろうか?
やがて、一度は完全に途切れてしまった通信が一時的に回復した際、断続的に届いた隊員たちの声が、我々の耳にしたもののすべてになってしまった。

「なん……光るカベ……先…進めない……畜生……」
「妙な……機械……触るな……これ……帝国…の……」
「く、来るぞ……また、アイツだ……助け……うわぁぁぁ……」

その後、耳障りな破砕音を残して、通信が途絶えてしまったからだ。



格闘士としての心得もあったマーティンはおろか、精鋭ぞろいの双蛇党の分隊全員が消息を絶ったことは、尋常の事態ではない。 もはやトトラクの千獄で、帝国軍が何らかの工作を行なっていることは明白だ。 問題は、彼らがそこで何をしているかである。 双蛇党には、我が国の安全のため、早急なる対応と解明を望むところである。

オリバー・グッドフェロー

Vol.2:「戦力不足の切り札は?」~気になる双蛇党の戦力強化策を探る~

不足する戦力
三重の幻術皇カヌ・エ・センナ様が帰還され、グランドカンパニー「双蛇党」の設立をお命じになってからというもの、街では俄かに緊張感が漂いつつある。
なんでも、双蛇党の統合司令部にはグリダニアを代表する頭脳が集められ、幻術士たちと協力しつつ中長期的な国防計画を策定中とのことだ。部隊の編制、防衛施設の整備、武具の増産、兵糧の備蓄……これらを効率的に進めるには、双蛇党と各ギルドの連携が肝になるだろう。
もちろん我らが二大兵団、神勇隊と鬼哭隊にも、主力部隊としての活躍が期待されている。しかしながら、トトラクの千獄への帝国兵侵入事件を始め、活発化するガレマール帝国軍の動きに対して後手に回っている感があることも確か。現状の戦力だけでは、戦力不足であるのは、誰の目にも明らかだろう。

冒険者を取り込め!
不足する戦力をいかにして補うのか。この難問に対し、双蛇党が出した答えはどうやら「冒険者」ということになりそうだ。
現在、双蛇党には、四方を守る伝説の幻獣の名を冠した「白狼隊」「青狢隊」「朱獺隊」「玄猪隊」の四隊が存在しているが、さらに「黄蛇隊」なる部隊を新設する予定らしい。そして、この新設部隊が、グリダニア人ではない異邦の民、すなわち冒険者たちで構成されるという噂なのだ。
これまでも双蛇党では、冒険者を「候補生」として試験的に受け入れてきた。いくつかの作戦では、実際に候補生たちを実戦に投入し、一定の戦果をあげてもいるらしい。どうやら、こうした成功例を以って、正式な冒険者の受け入れを決定したようだ。
冒険者からの募兵というこの大方針に、筆者はここに賛成の意を表明しようと思う。
エオルゼアに迫る危機に備え、協調を呼びかけるカヌ・エ・センナ様の御心に共感するのであれば、もはや故郷がどこであるかなど些細な問題に過ぎないからだ。もしあなたが志高き冒険者であるなら、双蛇党の下でその力を発揮してほしい。今こそ同じエオルゼアの大地に生きる民として、互いに手を取り合うべき時なのだから。

オリバー・グッドフェロー

Vol.3:「その光は未来を照らす」~カヌ・エ・センナ様記念式典で演説~

カヌ・エ・センナ様ご来臨
演奏会や祭事の際に多くの人々が集まるミィ・ケット野外音楽堂だが、その日の賑わいぶりは別格であった。何といってもカヌ・エ・センナ様が、「双蛇党」の結党を正式発表する記念式典なのだから無理もない。この歴史的式典に参列しようと、グリダニア人だけでなく行商から冒険者まで、実に多くの人々が集まることとなった。
そうした中、カヌ・エ・センナ様は式典の冒頭にて、「汝の正義と勇気を信じて我らの森を、否、汝らの森を守るべし。さすれば、必ずやノフィカ様の霊験あり」との大精霊の言葉を代弁。精霊たちが、我らを森の一部であると認めてくれた旨を報告し、森を穢す侵略者、ガレマール帝国への断固たる抵抗の意思を表明した。


かつて我らの祖先は、精霊を恐れ地下の穴蔵に隠れ住んでいた。地下都市「ゲルモラ」時代のことである。そこから長い年月をかけて、幻術士たちが精霊との対話を成功させ、森に住まうことを許されたのだ。だが、そのような長い歴史の中でも、大精霊が「汝らの森」と表現したことは、一度たりともなかった。その言葉の意味は限りなく重い。
式典の締めくくりに、カヌ・エ・センナ様は音楽堂を精霊の御光で包み込んだ。強大な帝国の影が忍び寄る困難な時代だからこそ、その暖かくやわらかな光の下で、我らは新たな友人、すなわち冒険者たちと手を取り合い、国難に備えなければならないのだ。

オリバー・グッドフェロー

Vol.4:「モーグリ族「神降ろし」を断行か?」~伝説の善王を巡り飛び交う憶測と噂~

おとぎ話のモーグリ
モーグリ族と人々との交流の歴史は長く、地下都市「ゲルモラ」時代に遡る。 だが、当初は必ずしも両者にとって、良い関係とは言いがたかった。ゲルモラの民が、精霊の許可なく、森の恵みを糧とした生活を送っていたからである。当時のモーグリ族にとって、ゲルモラの民は「森を荒らし、精霊を怒らせるやっかい者」であったのだ。
だが、我らの祖先が精霊との対話を成功させ、森への居住を許されてから、モーグリ族と人々との関係は好転した。徐々に互いの距離を縮め、今では精霊と人々とを繋ぐ仲介者として、モーグリ族は我らの良き隣人となっている。


しかし、我々はモーグリ族のことを、どれほど理解しているといえるのだろう?
彼らは今でも森の中で暮らすことを好み、都市で過ごすことは稀だ。このような生活様式から、根本的な思想や倫理観に至るまで、彼らの文化は、我らと大きく異なっている。
モーグリ族に伝わる神話や伝承の類もまた独特だ。その筆頭が、かつて天界に暮らしていたというモーグリ族が下界へと降りてきた、という言い伝えだろう。
神話の時代、モーグリ族を束ねていた善王モグル・モグXII世は、神々の間で大戦争が起こった際に、天界から糸を垂らして、一族を下界に降ろし避難させたという。しかし、我らの間には、十二神の間で「神々の戦い」が勃発したなどという神話は残されていない。 そのため、神学者の多くが「善王」の逸話を、一種のおとぎ話と解釈していた。だが、最近になって、モーグリ族が神降ろしを行い「善王」を召喚したという噂が、まことしやかに囁かれ始めている。
存在しないはずの「おとぎ話の王」が、この世に現れる。果たして、そのような文字通り「おとぎ話」の如き出来事が、実際に起こりえるのか?
現在、グリダニアに滞在している蛮神討滅の提唱者、ルイゾワ氏の周辺も、腕利きの冒険者たちが集まり、なにやら慌ただしい気配である。ルイゾワ氏は、「善王」の召喚を事実と認識し、これを「蛮神」として討滅しようとしているのではないだろうか? 真偽の程は解らないが、仮に存在しないはずの「善王」の召喚が事実だとすれば、何かがエオルゼアの理を歪めているのかもしれない。巷にあふれる「第七霊災」の噂ともども、不安を掻き立てられてしまう今日この頃である。

オリバー・グッドフェロー

Vol.5:「小月「ダラガブ」の異変が示すものは?」~赤色化に続く、巨大化で混乱拡大~

解釈巡る論争は決着見えず
大月に寄り添うように、その周囲を巡る小月「ダラガブ」。
神話では、月神「メネフィナ」の忠実なる番犬とされるこの衛星の輝きが、赤みを帯び始めたのは数ヶ月前のこと。以来、徐々に輝きを増し続け、最近では大きく膨張しはじめている。今や天に浮かぶ赤き 「ダラガブ」を見て、不安を抱かない人などいないだろう。

赤色化が始まってからというもの、さまざまな人が、この不気味な現象の原因を探ろうと試みてきた。だが、ある者は「番犬ダラガブが女神に仇なす魔物に噛みつき、返り血を浴びたからだ」といい、別の者は 「第七霊災の予兆に違いない」と主張するといった具合で、その解釈は千差万別。イシュガルドの天文学者が、「邪竜復活の兆しである」とする学説を発表したこともあるが、この説を本気で信じているのはイシュガルド人くらいのものだろう。
商魂たくましいウルダハ人といえば、「ダラガブの異変」を商機に変えようと、詐欺まがいの商品の売り込みに躍起な様子。どんなに不吉な噂がたとうが、その噂を一枚でも多くのギルに変えることにしか関心がないウルダハ商人の勢には、あきれるべきか感心すべきか、迷うところである。
一方、警戒を要する事件の噂も聞こえ始めている。小月を「救世神ダラガブ」と称して崇め、生け贄を捧げる邪悪な儀式を繰り返す、「最後の郡民」なるカルト教団が登場。誘拐騒ぎも発生しているとのことなので、ぜひ注意してほしい。

10年前の異変
「未来を知りたくば、過去に問え」とは、古代アラグ帝国の遺跡発掘に生涯を費やした、聖コイナクの名言である。
この聖人の言葉に従い、筆者は神勇隊司令砦を訪ね、記録文書を調査させてもらった。神勇隊は過去150年にわたり、イクサル族の気球部隊を警戒してきた。それはつまり、神勇隊の監視記録は、天の観察記録にほかならないということだ。結果として、筆者は10年前に記されたひとつの記録にたどりつくことができた。
10年前のある晩、東部森林の監視哨で空を監視していた隊士が、「ダラガブ」が赤く輝いていることに気づき、隊付きの幻術士に報告をあげていたのである。ただし、このときの異変はごく短いものであり、夜明け前に「ダラガブ」は元の色に戻ったようだ。
過去、150年間において、たった一度だけであるが、「ダラガブ」の赤色化現象は起きていた。この事実が示すこととは? そして、昨今の赤色化が示すものとは? まだその「答え」を見つけるには至っていないが、巷で噂される「第七霊災の予兆」説が外れていることを願うばかりである。

オリバー・グッドフェロー

Vol.6:「嵐神ガルーダの影」~南部森林に飛来した魔物の正体とは?~

猛り狂う鳥たちの女王「ガルーダ
ハムレット「クォーリーミル」の付近において、「翼を持つ大型の魔物」が目撃されたとのことで、国防を担うグランドカンパニー「双蛇党」の周辺が騒がしい。どうやら双蛇党の上層部は、問題の魔物の正体が嵐神「ガルーダ」であるとの見方を強め、警戒しているようだ。
小月「ダラガブ」の異変を見るにつけ、第七霊災到来の噂を信じ自暴自棄にもなりたいところだが、眼前に立ちはだかる脅威から目を背ける訳にはいかない。ここはひとつ冷静に、ガルーダとはいかなる存在なのかを、再確認していこう。なお、本記事の執筆にあたっては、イクサル族の歴史に詳しい神勇隊隊長リュウィン氏の協力を仰いだことを記しておく。

今をさかのぼること、550年ほど前。当時、イクサル族は「ティノルカ(※)」を根拠地としていた。彼らは樹上に居を構え、その翼に風を受け、木々の間を飛び回って暮らしていたと伝えられている。「鳥人」を自認していたイクサル族は、既にこの頃からガルーダを「すべての鳥たちの女王」として崇め、信奉していたという。
だが、黄金期を迎えたイクサル族が人口を増し、居留地を広げ始めたことでひずみが生じる。生活圏の拡大が森の精霊の怒りを買い、結果として追放の憂き目にあったのだ。こうしてイクサル族は、大渓谷「ゼルファトル」へと集団移住することとなったのである。


だが、彼らの受難は、故郷の喪失に留まらなかった。
「ゼルファトル」の地で孵った幼体たちが、――原因は不明ながら――風切り羽を持たず生まれてくるようになったのである。やがて世代を重ねるうちに、イクサル族は飛翔能力を完全に喪失した。ただ、空に対する狂おしいまでの情念だけを残して……。
約150年前に、他の民族に先駆けて彼らが「気球」を開発し得たのも、こうした歴史に基づく空への強き想いがあればこそといえよう。

そして、10年ほど前の事……アマルジャ族コボルド族が、次々と神降ろしを断行したとき、イクサル族もまた嵐神「ガルーダ」を呼び降ろした。その動機について、リュウィン氏は「すべての鳥の女王」の加護を得ることで、飛翔能力を取り戻すためだと推測している。 しかしながら、現在までにイクサル族の願いが叶えられた形跡はない。そればかりか、猛々しき嵐神「ガルーダ」は血を欲し、何者にも御し得ぬ嵐となって吹き荒れ、各地で猛威を振るっている。
イクサル族は、彼らにとっても決して呼び降ろしてはならぬ存在を、エオルゼアへと招いてしまったのではないだろうか。

オリバー・グッドフェロー

黒衣森のこと。「ティノルカ」はイクサル語で「母なる森」を意味する。

Vol.7:「クルザスで異変アリ?」~隕石を巡る不可解な謎~

降り注ぐ無数の隕石
アルデナード小大陸の背骨と形容される「アバラシア山脈」、その中央にあたる「クルザス」地方から天災の報せが届けられた。無数の隕石が飛来し、次々と落着。山間部に大きな被害が出たというのだ。
隕石落着はこれまでもたびたび報告されており、魔物の生態に影響を与えるなど、少なからぬ被害が報告されてきた。だが、今回はその比ではない数多くの隕石が、短時間のうちに集中的に飛来してきたという。当地の混乱は相当なもののようで、取材に当たった本誌記者に対し、ある羊飼いの少年などは「大地から大岩が浮かび上がり、そのまま天へと昇っていくのを見た」などと被害とはまったく逆の支離滅裂な証言をしている。果たして、何があったというのか?


偵察部隊が壊滅か?
グランドカンパニー「双蛇党」の周辺も、クルザスへの隕石落着を受けて何やら慌ただしい。
情報筋によれば、三都市同盟軍がクルザスへと派遣していた偵察部隊が、消息不明になっているとのこと。隕石落着に巻き込まれた可能性もあるとして、安否確認のために情報収集を進めているようだ。
しかし、なぜ三都市同盟軍が「イシュガルド」領であるクルザス地方に偵察部隊を派遣したのだろうか? 本誌編集部では「ガレマール帝国」がらみでの出動ではないかと睨んでいるのだが、双蛇党関係者の口は堅く、詳細は不明のまま。ここのところ、モードゥナ地方やクルザス地方へと飛来する帝国飛空戦艦の数が増加傾向にあることが報告されており、不安は深まるばかりだ。
双蛇党には、一刻も早い事態の打開と、確実な情報公開を望みたいところである。

オリバー・グッドフェロー

Vol.8:「エオルゼア同盟軍、反転攻勢へ!」~軍師としてルイゾワ師も従軍か?~

「紅葉戦争」の奇跡を再び
約100年前に隣都市「アラミゴ」の侵略によって引き起こされた「紅葉戦争」。
この戦争において我がグリダニアは、イシュガルドウルダハリムサ・ロミンサの周辺諸都市から派遣された援軍と共に戦い、侵略者をはね除けることに成功した。
そして今、ガレマール帝国の脅威が眼前に迫るなか、再びエオルゼア諸都市が手を取り合い共に戦おうとしている。イシュガルドこそ参戦の意思を示していないものの、ウルダハリムサ・ロミンサエオルゼア同盟軍への参加を承諾。既に共同での軍事作戦を展開しており、着実に戦果を上げているようだ。
さらに、エオルゼア同盟軍は勢いそのままに、かつてない大規模な軍勢を集結させ、大攻勢をしかけようとしているらしい。果たして勝算はあるのだろうか?

ルイゾワ師の動向に注目
迫る帝国との決戦において、勝利の鍵を握るのは学術都市「シャーレアン」出身の賢人、ルイゾワ・ルヴェユール師かもしれない。というのも、同氏がエオルゼア同盟軍の軍師に就任したとの噂があるからだ。
ルイゾワ師は、これまでも双蛇党と密接に協力し、蛮神対策を進めてきたことで知られる人物。独自に「第七霊災」にまつわる預言の研究も進めており、その知識は当代随一との呼び声が高い。そんな人物が、エオルゼア同盟軍に加わったというのだ。
噂によると、今回の大攻勢もルイゾワ師の発案であるとのこと。さらには蛮神討伐をルイゾワ師と共に成し遂げてきた、腕利きの冒険者も参戦する予定らしい。賢人が練り上げた秘策がいかなるものか、我々は知ることができないが、兎にも角にも大攻勢の成功を精霊と母なるノフィカ様に祈りたい。
戦いの行方には、戦場に立つ将兵たちの命と、エオルゼアの明日がかかっているのだから。

オリバー・グッドフェロー

Vol.9:「広がる祈りの輪」~浮かび上がる神印に希望を託して~

エオルゼア戦乱期
思い起こせば、すべては15年前に始まった。
第六星暦1557年、北方の大国「ガレマール帝国」が隣都市「アラミゴ」に攻め入り、エオルゼアへの侵略を開始した。
その5年後、第六星暦1562年には飛空戦艦の大艦隊をもってモードゥナ地方へと進軍したが、銀泪湖の幻龍「ミドガルズオルム」に率いられたドラゴン族の猛反撃によって、帝国軍は撤退を余儀なくされた。さらに蛮族勢力が次々と「蛮神」を召喚したことで、さしもの帝国軍も進軍を停止し、戦局は膠着状態に陥ったのである。
だが、この均衡状態は脆くも崩れ去った。
第六星暦1572年、ガレマール帝国皇帝ガルヴァスは、ダーナス軍団長率いる第VII軍団を送り込み、侵略戦争を再開させたのである。


祈りよ届け、十二神に!
この危機に対し、我らがグリダニア幻術皇カヌ・エ・センナ様の導きの下、グランドカンパニー「双蛇党」を結成。冒険者の力を借りつつ、事態の打開に向けて動き出した。
交易都市「ウルダハ」や海洋都市「リムサ・ロミンサ」においても同様の動きが見られ、そして遂には互いに手を取り合い、エオルゼア同盟軍を発足させたのである。
現在、エオルゼア同盟軍は戦力を集結させ、カルテノー平原に布陣する帝国軍第VII軍団との決戦に備えている。戦いの準備は整いつつあるのだ。
それでは、我らは何ができるだろうか?
学術都市「シャーレアン」より来たりし賢人、ルイゾワ師は都市民や冒険者に対し、「十二神の印が現れた秘石に祈りを捧げよ」と説いている。
この期に及んで神頼みか? そう反論したくなる気持ちも確かにある。
だが、碩老樹瞑想窟に保管された過去数百年の史書をひもといても、未だかつて神の印が現れたことなど記録されていない。確かにこれは、エオルゼアに迫る未曾有の危機に対し、十二神が御力を示そうとしている証のようにも思える。
こうした考え方が広まったためか、多くの人々がエオルゼア各地に現れた「十二神秘石」を巡り、祈りを捧げる巡礼をはじめているという。
例えわずかと言えども希望があるのなら、読者諸君も共に祈ろうではないか。
同盟軍に勝利を! エオルゼアに救いあれ!

オリバー・グッドフェロー

タウンレポートバックナンバー

  • 「週刊レイヴン」の契約記者キピ・ジャッキヤのレポートという体裁で連載されていたシリーズ。
    • 元々は旧FF14運営時に公式サイトロードストーンに掲載されていた記事です。
    • 旧FF14のサイトが一斉に削除されることになったため、その中でも資料的内容が多く含まれていたリムサ・ロミンサの「ハーバーヘラルド」、ウルダハの「ミスリルアイ」、グリダニアの「週刊レイヴン」のページについて、旧FF14を知らない層に向けて保存目的で引用したものです。
    • 当然ながら、著作権は株式会社スクウェア・エニックスに帰属します。

噂のタウンリポート/前触れ(2011/04/27)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今日もグリダニアは雨……。黒衣森の天候不順は昨日今日に始まったことじゃないけど、それにしても最近の空模様は何か変!

気になるのは、空だけじゃない。最近、妙な噂をよく耳にするの。例えば、属性を失ったクリスタルが出回ってる、なんて話がそう。だいたいクリスタルが属性の媒質の結晶だってのは、グリダニアでは子供ですら知ってる常識なのに……。

それから、キャンプ周辺に出没する不審人物の噂もそう。そいつ、警告らしきことを口走ってるらしいんだけど、「恐るべき異変」って言葉以外は、よく聞き取れないみたい。まったく、不安ばかり煽る困った人たちって、どうして、みんな早口なのかしら?

って感じで、最近の巷の噂は変なのばかり。きっと、いろいろ尾ヒレがついてるだけなんだろうけど、ひょっとして何か大きな異変の前触れだとしたら……。

なんて、ちょっぴり私も不安になったから、リポートしてみました。

キピ・ジャッキヤ

噂のタウンリポート/話題のアレ(2011/06/17)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。 前回に引き続き、最近、街で噂の不思議な出来事をリポートするね。特に今回は、そういったことに聡い冒険者さんたちの証言を集めてみたから期待してて。

まずは属性を失ったクリスタルという「黄身がない卵」みたいな、奇妙なクリスタルの噂。驚いたことに、これは実在したの。魔物の腹をかっさばいたら、中から出てきたって人や、冒険者ギルドが発行するリーヴのお仕事の最中に、偶然手に入れたって人など、その入手方法はまちまちなんだけど、実在することは確かよ。だって、死んだように光を発しない不気味なクリスタルを、彼らから私も見せてもらったんだもの。彼らは、近頃エオルゼア各地で起こっている謎の異常気象に関係してるんじゃないかって心配していたわ。

それから、前回リポートした「不審者」の続報よ。
新たな情報として、その人物をキャンプ・ホライズンで目撃したR.Gさんから証言が得られたの。彼女が言うには、そいつに話を聞こうと近づいたら、いきなり何かの魔法をかけられたんだって。幸いR.Gさんに害はなくて、それどころか力がみなぎってきたらしいんだけど……そいつは、いったい何を考えているのかしら?

最近は、「不審者に気をつけろ」って触れ回っている、これまた怪しげな人物も出没してるみたいだし、まったく物騒だったらありゃしない。

あ、それから、この件について、大胆な解釈を披露してくれた冒険者T.Mさんの話もしておかなきゃ。
彼はその不審人物の語る言葉「第七の浄化」と、『神歴記第七節』に記されたメザヤの預言が関連しているんじゃないかって、考えているみたい。

さらに、冒険者V.Pさんは考察を進め、『五紀暦』の記述との符合についても指摘していたわ。エオルゼアの歴史は、発展の時代と衰亡の時代を交互に繰り返してきたっていうアレね。
でもそれって、私たちが生きている「第六星暦」の時代が終末を迎えるってこと??
……なんて考え込んでたら、冒険者のH.Yさんから、「預言の時とやら、来るなら来い! 俺たちはいつだって準備万端だぜ!」って話を聞けて、不安なんか吹き飛んじゃった。
まったく、悔しいけれど、冒険者さんたちの探求心や克己心には、タフさに自身がある私たち記者も舌を巻かされっぱなしよ。

ああ、それから、あのニュースやこの噂、他にも書きたいことはたくさんあるんだけど……今回はここまで。

それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

※以下の皆様の日記を、許諾を得て記事の参考とさせていただきました。
R.Gさん
T.Mさん
V.Pさん
H.Yさん

タウンリポート/異邦の詩人(2012/01/18)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、海の向こうはバイルブランド島から届いた噂をお届けするね。

グゥーブーって知ってるかしら?
大岩のような巨体に、ヒョロっと長い手と、ずんぐり短い足を持つ魔物のことよ。普段の動きは緩慢なんだけど、暴れ出したら止まらない、とっても気難しい生き物なの。隣国のウルダハなんかじゃ、パレードの見世物に出されたこともあったみたいだけど、その時には強力な魔法を使って身体を拘束しなくちゃいけなかったみたい。

そんなグゥーブーを自在に乗りこなすことができたとしたら?
夢のような話に聞こえるかもしれないけど、どうやら本当にグゥーブーを人が乗れるように手懐けちゃった人がいるみたい。
誰が呼んだか「異邦の詩人」。今はバイルブランド島に滞在しているらしいんだけど、本名は一切不明で、どこから来たのかも解らない……。噂によると、この微妙に怪しい詩人さんは、奇妙な角笛を使ってグゥーブーを自在に操るそうよ。なんでも、詩人さん特製の角笛からは、人には聞こえないような音が出て、グゥーブーの心を穏やかにするんだとか。でも、聞こえない音ってどういうことかしら?

この噂については、まだまだ解らないことだらけ。
誰か本当に「異邦の詩人」を見かけたって人はいないかしら? これから私も追加取材をしてみるつもりよ。

とても素敵な話題だったので、今回は速報でお届けしてみました。
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/街角の誘拐騒ぎ(2012/01/26)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、街で話題になっている、誘拐騒ぎについてリポートするね。

最近、誘拐事件が相次いでいるの。それも安全なはずの街の中で!
真っ先に疑ったのは、活発な動きを見せているガレマール帝国軍の関与だったんだけど……聞き込みをしてみると、みんな口をそろえて誘拐騒ぎは「最後の群民」の仕業だっていうの。

「最後の群民」なんて、初めて聞いた名前だったから、いろいろ調べてみたわ。
みんなの証言を総合すると、どうやら「最後の群民」は、独特の教理を持つカルト集団みたいね。小月ダラガブのことを、「救世神」と呼んで崇めているんだって。 ダラガブといえば、月神メネフィナ様の番犬として神話に登場する存在よ。それが神様だなんて、聞いたこともない話よね。そんなヘンテコな教理を信じているものだから、彼らのことを「邪教」って呼んでいる人もいるくらいよ。

でもね、「邪教」だって呼ばれる本当の理由は、別のところにあるの。それが最初に触れた誘拐騒ぎってわけ。
身寄りのない難民や孤児が、ある日、突然姿を消す。そんな出来事がたて続けに起こっているというの。それも赤いローブを着た「最後の群民」の信徒たちが、布教のために街を訪れるようになった頃からね。さらには、自分の娘を「最後の群民」にさらわれたって主張する人が現れたものだから、悪い噂は広がるばかり。今のところ、本当に誘拐犯が「最後の群民」なのか、真相は解らないわ。

ただでさえ「第七霊災」の噂で不安になっていたのに、今度は怪しいカルト集団と誘拐騒ぎ……。怖くて家から出られないって人の気持ちも解るよね。誰か頼もしい冒険者さんでも現れて、ズバっと解決してくれないものかしら?

とにかく、みんなも気をつけてね!
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/ガレマール帝国軍の動向(2012/08/10)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、ガレマール帝国軍の動向についてリポートするね。

辺境のキャンプから始まった帝国軍の襲撃も、どんどん都市に近づいてきていて、都市民の間で不安が広がってるわ。ミリシアや冒険者のみんなの協力もあって、今のところ撃退できているのが唯一の救いね。
この記事を書いている時点では、襲撃は収まったかのように思えるんだけど、あの帝国軍がこのまま引き下がるとは思えないわ。何かを企んでる気がしてならないの。

次は帝国軍の砦に関する噂……。
ほんの僅かな期間のうちに、帝国軍が大きな砦をモードゥナ西部に築いてしまったそうよ。帝国が持つ魔導技術の高さは有名だけれど、あっという間に砦を建ててしまうなんて思わなかったわ。
グランドカンパニー「双蛇党」も偵察部隊を送り込んでいるって話だけど、どうなるかしら……。

それから、飛空戦艦のこと。
近頃、モードゥナ地方とクルザス地方から、帝国軍の飛空戦艦を見たって情報が次々と届いているわ。何でも、たくさんの飛空戦艦が編隊を組んで低空を飛び回っているそうよ。
キャンプの襲撃が終わったと思ったら、今度は空での活動が活発化したってことね。何か大きな作戦の前触れじゃなければいいのだけど……。 そうそう、空といえばダラガブがまた大きくなっているよね。ダラガブの変化はガレマール帝国の仕業だって噂があるけど、何か関連性があるのかしら?

とにかくガレマール帝国軍の動きが、以前に増して活発化していることだけは確か。
みんなも何か不審な動きを目撃したら教えてね!
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/ダラガブ接近説(2012/08/16)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、巨大化しているダラガブについてリポートするね。

ダラガブ接近説って知ってる?
簡単に説明すると「ダラガブは巨大化しているんじゃなくて、私たちの大地に近づいているから大きく見える」っていう考え方なの。この説の提唱者のひとりでもあるイシュガルドの天文学者ドミシアンさんにお話しを聞くことができたんだけど……、さらにとんでもない話を聞くことができたわ。

ドミシアンさんによれば、ダラガブが近づいてきた影響で、各地で属性のバランスが乱れているんですって。属性を失ったクリスタルや、属性が過度に強くなったクリスタルが各地で見つかっているのが、その証拠だって言っていたわ。

じゃあ、属性のバランスが乱れるとどうなるの?
ドミシアンさんの考えでは、生息する魔物の生態に変化が生じたり、地脈の流れに影響が出たりするそうよ。えっと「地脈」っていうのは、大地を巡るエーテルの流れのことね。
遠くの場所にひとっ飛びする「エーテライト」も、この「地脈」を利用していると言われているわ。……と、いうことは「地脈」に影響が出れば「エーテライト」も使えなくなってしまうってこと?

今のところ、「エーテライト」が壊れたなんて話は聞いたことがないけれど……深く考えると怖くなっちゃうね。ドミシアンさんには悪いけれど、彼の説が間違っていることを祈りたくなってきたわ。

ダラガブが引き起こす影響については、今後も取材を続けるつもり。
新しい情報を仕入れたら、またお届けするね。
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/大口の魔物現る!(2012/08/24)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、各地のエーテライト付近で目撃されている未知の魔物についてリポートするね。
「大きな口を持っていた」って証言があるから、ひとまず「大口の魔物」って呼ぶことにするわ。

実際に目撃した冒険者さんが言うには、モードゥナ地方のブリトルバークを訪れたとき、エーテライトの上に問題の魔物が漂っていたそうよ。
驚きなのは、「大口の魔物」が次々と別の魔物を呼び寄せたっていう点ね。現場は大混乱だったみたいだけど、しばらくすると「大口の魔物」たちは、忽然と姿を消してしまったんだって。

ほかの目撃者からの情報も総合すると、現れた魔物はどれも「妖異綱」に属す魔物だったみたい。
グリダニアの博物学者マルセットさんによると、「妖異綱」の魔物は、エオルゼアに棲むどんな魔物や生物ともかけ離れた存在で、「別の世界(専門家はヴォイドって呼ぶらしいわ)」からやって来たと信じられているそうよ。

これって前回取材させてもらった天文学者、ドミシアンさんが言っていた「属性の乱れ」や「地脈」への影響と何か関係があるのかしら?
地脈が乱れてエーテライトが別の世界と通じたから、「大口の魔物」たちが現れたのだとしたら……考えただけでも恐ろしいわ。とにかくエーテライトを使う冒険者さんは、くれぐれも注意してね。

それから、各地の空で「光の膜」が観測されていることにも、触れておかなくっちゃ。
グリダニアでも目撃されているから、読者さんにも目撃者は多いんじゃないかな。すっごく綺麗なんだけど、どこか不気味でもあるよね……。
これも属性の乱れが原因なのかしら?

とにかく解らないことだらけで、混乱しちゃうけど、まだまだ取材を続けるつもり。
新しい情報を仕入れたら、またお届けするね。
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/アトモスの脅威(2012/09/06)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、「大口の魔物」に関する続報をお届けするね。

近頃、冒険者さんたちの間で、各地のエーテライトの周辺に現れている「大口の魔物」が「アトモス」と呼ばれはじめているみたい。
この「アトモス」というのは、ヒューラン族の古い伝承に登場する魔物の名前で、「分割できぬもの」って意味があるんだって。言い伝えによれば、異なる世界を結びつけてしまうそうよ。

じゃあ、なんで伝説の魔物「アトモス」の名で呼ばれるようになったのかって話だけど、それは、「大口の魔物」が異界の魔物である妖異たちを次々と招き寄せているからなの。
「大口の魔物」が、異界「ヴォイド」とエオルゼアとを結びつけてしまっている……そんな考え方から、「アトモス」って名前が広まったみたい。

それにしても、こんな一大事だっていうのに、各都市のグランドカンパニーが「アトモス」退治に積極的ではないのがもどかしいところよね。
噂だと極秘の作戦のために、部隊をどこかに集結させてるって話だけど……エーテライト網を脅かす存在を放置してまで、進める必要がある作戦って何なのかしら?
グランドカンパニーに頼れないとなれば、後は冒険者さんたち有志に託すしかないわ。
既に一部の冒険者さんは、「アトモス」やヴォイドから来た魔物たちに挑み、撃退の方法を模索しはじめているみたい……でも、くれぐれも無茶だけはしないでね!

この件については、エーテライトを利用するみんなの安全に関わることだから、これからも注目して取材を続けていくつもり。新しい情報を掴んだら、また報告するね!
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/ガレマール帝国軍の動向(2012/10/11)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、気になるガレマール帝国軍の動向について、最新情報をお届けするね。

各地で続く「アトモス」騒ぎに乗じて、それを好機といわんばかりにガレマール帝国軍の襲撃が再開されたわ。ただし、以前の襲撃とは様子が違うようなの。

その違いを説明する前に、ガレマール帝国の「軍団」について解説するよ。
帝国軍は、「軍団(レギオ)」という単位で軍勢を編成しているの。今、エオルゼアに攻めてきているのは、14あると噂されている軍団のひとつ、ネール・ヴァン・ダーナス軍団長が率いる第VII軍団よ。

さて、この「軍団」だけど、10の「歩兵大隊(コホルス)」で構成されているわ。そして1つの「歩兵大隊」は3つの「歩兵中隊(マニプルス)」、1つの「歩兵中隊」は2つの「歩兵小隊(ケントゥリア)」で作られることが解っているの。

問題は、この単位よ。以前の襲撃では、「歩兵中隊」規模の大勢の兵隊が、どっと押し寄せるように攻めてきていたの。だけど、最近現れている帝国軍の部隊は、それよりも少ない「歩兵小隊」規模らしいの。
数が少なければ弱いんじゃないかって? そんなことはないわ。
目撃した冒険者さんの証言によれば、最新の魔導アーマーで武装していて「少数精鋭」って感じだったらしいの。

双蛇党の人たちから聞いた話では、エオルゼア同盟軍が集結するのを妨げるために、あちこちに小さな部隊を派遣して撹乱しているんじゃないかって。
大会戦が近いなんて囁かれる状況で、帝国軍もあの手この手で妨害してきているようね。
こっちも一致団結して立ち向かわないと! 冒険者のみんなも、ぜひ協力してね!
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/広がる混乱(2012/10/18)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
今回は、世間を騒がせている獣人や魔物についての情報をお届けするね。

第七霊災が近いって噂されるようになって、みんなも不安な日々を過ごしているんじゃないかしら?
どうやらそれは獣人たちにとっても同じみたい。

最近、ザナラーンで、キキルン族ゴブリン族の集団が、道行く人々を襲う事件が発生しているそうよ。それも交易都市「ウルダハ」の目と鼻の先で!
こうした悪さをする獣人は以前もいたけど、それは警備が手薄な辺境の地でのこと。都市近くまで出てきて、堂々と悪さを働くなんて、今までになかったことなの。
ダラガブの巨大化を「この世の終わり」と考えて、自暴自棄になっているんじゃないかって話もあるし、「終末」に備えてなりふり構わず食料や金品を集めようとしているんだって説もあるようね。
その理由がどうあれ、ウルダハに行く機会がある人は注意してね。

そうそうザナラーンといえば、大量のサボテンダーが駆け回っているという噂もあるわ。
博物学者のマルセットさん曰く、昼夜を問わず不気味に輝くダラガブの光を浴びて、異常な興奮状態に陥っている可能性があるそうよ。

獣人に続いて、魔物にまで影響が出始めたとなると、ますます都市の外は危険よね。
都市の外を旅する機会があるみんなは、くれぐれも気を抜かないで!
それでは、また!

キピ・ジャッキヤ

タウンリポート/最後のリポート(2012/11/01)

早耳、地獄耳のキピ・ジャッキヤです。
まず最初に謝っておきたいことがあるの。それは、このリポートが最後になるということ。
取材を続けようにも、異変と戦争の影はますます広がるばかりで、身の安全を確保するのも難しくなってきたわ。旅立つ年齢になっていない幼い弟を守るためにも、一緒に辺境に逃げるつもりなの。

その決意を固める原因になったことを、さっそくレポートするね。
大口の魔物こと「アトモス」のことだけれど、最近では都市に近いエーテライトにまで、出現するようになったみたい。クルザス地方やモードゥナ地方で始まったこの異変も、いよいよ都市を脅かすようになったってことね。
さらに「アトモス」が異界「ヴォイド」から呼び寄せた魔物が、エーテライトの周囲以外でも目撃されるようになったんだって。
もうエオルゼアには、安全なところはないのかしら?

それから、ガレマール帝国軍の様子も伝えなくっちゃ。
モードゥナ地方とザナラーン地方の中間に位置する荒野、「カルテノー平原」に陣取っているらしいわ。これに対して、エオルゼア同盟軍が攻めかかるって噂も聞こえ始めているの。
この一戦にエオルゼアの未来がかかっている……グランドカンパニーに入隊した冒険者さんたちの多くが、この戦いに出陣するって話もあるし、彼らの勝利を心から祈っているわ。

祈るといえば、「十二神秘石」のことも書かなくっちゃ。
最近、エオルゼアの各地に出現した「十二神の印が浮かび上がった神秘的な石」のことよ。
シャーレアンから来た賢人たちが、さかんに「十二神秘石」に祈りを捧げるように呼びかけているのを知っているかしら? 祈りが十二神に届いたとき、破滅を免れるための奇跡が起きる……そんな噂も広がっているみたい。

また冒険者さんたちと街角で楽しく取材をして、レポートが書ける……そんな平和な日が来ることを願って、あたしも弟と祈ってみるつもり。
みなさん、ありがとう。そして、さようなら。
再会できる日を信じて、今日はペンを置くことにします。

キピ・ジャッキヤ

関連項目

公式サイト