機工城アレキサンダー(きこうじょうー / Alexander)
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概要
サリャク河の中央に沈むシャーレアンの遺跡が、突如として「機械仕掛けの巨人」となり動きだした。なんと、ゴブリン族の科学者集団「青の手」が、遺跡に神降ろしを行い、大型蛮神として召喚したのである。
このまま大型蛮神の完全起動を許せば、低地ドラヴァニアのエーテルは枯渇し、新興の都市「イディルシャイア」も壊滅するだろう。直ちに蛮神の内部に突入し、動力源を調査、これを止める手立てを探り出せ!
コンテンツ概要
- 1パーティ(8人)で挑戦するバトルコンテンツで、1つのテーマに沿って構成された「インスタンスバトルの集合体」となっている。
- 順次拡張される形式をとっており、1番目のコンテンツ群が「起動編」、2番目に追加実装されたコンテンツ群は「律動編」、3番目に追加実装されたコンテンツ群は「天動編」となっている。
パート 実装時期 構造 報酬 Alexander: Gordias
起動編2015年6月
バージョン3.0第1層~第4層 プロトゴルド防具(1層~4層)
ゴルディオン防具/武器(零式4層)Alexander: Midas
律動編2016年2月
パッチ3.2第1層~第4層 プロトミダース防具(1層~4層)
ミダース防具/武器(零式4層)Alexander: The Creator
天動編2016年9月
パッチ3.4第1層~第4層 プロトアレキ防具(1層~4層)
アレキサンダー防具/武器(零式4層)
テーマ
- ゴブリン族により召喚された蛮神アレキサンダーがテーマ
- 身体の中からこれを滅する
- アレキサンダーは3つのコアを持っており、それぞれのコアを攻略するストーリーとなっている。
アレキサンダーには、3つの大きな区画がある。 そのそれぞれが、独立した心核……「コア」を持っているの。
機工城アレキサンダー:起動編(Alexander:Gordias)
- パッチ3.05(蒼天のイシュガルドリリースより2週間後)に実装されたコンテンツ
概要
起動編全体構造
階層 | エリア名称 | 概要 |
第1層 | The Fist of the Father フィスト・オブ・ゴルディオス | オプレッサー&オプレッサー・ゼロ |
第2層 | The Cuff of the Father カフ・オブ・ゴルディオス | 機工兵団 |
第3層 | The Arm of the Father アーム・オブ・ゴルディオス | リビングリキッド |
第4層 | The Burden of the Father バーデン・オブ・ゴルディオス | マニピュレーター |
機工城アレキサンダー:律動編(Alexander:Midas)
- パッチ3.2に実装されたコンテンツ
概要
- 左腕部「ミダース」を攻略する。
- ミダースとはある寓話の主人公の名前
ミダースというのは、ある寓話の主人公の名前。 ミダースは神に願って、触れたものを黄金に変える指を手に入れた。 だけどその指は、ミダースが最も愛する者を、 生命なき黄金の像に変えてしまった……。
律動編全体構造
階層 | エリア名称 | 概要 |
第1層 | The Fist of the Son フィスト・オブ・ミダース | 奇才のラットフィンクス |
第2層 | The Cuff of the Son カフ・オブ・ミダース | ブラスター&ブロウラー&スウィンドラー&ボルテッカー |
第3層 | The Arm of the Son アーム・オブ・ミダース | 万能のクイックシンクス |
第4層 | The Burden of the Son バーデン・オブ・ミダース | オンスローター&ブルートジャスティス |
機工城アレキサンダー:天動編(Alexander:Creator)
- パッチ3.4に実装されたコンテンツ
- アレキサンダーの最終機能である「時の翼」により、青の手が時間をコントロールすることを阻止するために第3のコアへと突入する。
アレキサンダーの「最終機能」…… それは時空を自在に移動し……誤った歴史を修正するための…… …………「時の翼」!
概要
天動編全体構造
階層 | エリア名称 | 概要 |
第1層 | The Eyes of the Creator アイズ・オブ・アレキサンダー | リファビッシャー |
第2層 | The Breath of the Creator ブレス・オブ・アレキサンダー | 傭兵のレイムブリクス |
第3層 | The Heart of the Creator ハート・オブ・アレキサンダー | クルーズチェイサー |
第4層 | The Soul of the Creator ソウル・オブ・アレキサンダー | アレキサンダー・プライム |
ストーリー
階差機関
- アレキサンダー内部に搭載されている巨大な演算装置。
- 単純な事象であれば予知や予測が可能という。
ミーデの一族
- 100年前にエニグマ・コーデックスを記したのはアウラ・ゼラの天才技師であるという。
100年前 「エニグマ・コーデックス」記したの さすらいの民 アウラ・ゼラの天才技師! ミーデと同じ 青い髪の一族……!
- アウラ族の一団の話はトレジャーハンターの証言にも登場する。
古参のトレジャーハンターたち 証言した。 当時 サリャク河の廃墟を調べる アウラ族の一団いた。 だけど地震で 全滅した……。
エニグマ・コーデックス
- エニグマ・コーデックスとは、理想郷を記したものであり、蛮神に組み込まれることで理想郷へと導く操舵装置となるものであるという。
……アレキサンダーは、理想郷を求める心が呼んだ蛮神よ。 その信仰を生んだ「エニグマ・コーデックス」は、 蛮神に組み込まれることで、理想郷へ民を導く「操舵装置」となる。 完全な状態の「エニグマ・コーデックス」と、 そこに記された思想に共鳴し、「読む」ことができる者…… このふたつがそろえば、意のままにアレキサンダーを操れるわ。
- エニグマ・コーデックスを記したもの
「エニグマ・コーデックス」を記したのは、私の遠い祖先。 私たちの一族は長年、そこに描かれた理想郷を追い求めてきた。 ……「青の手」とは違うやり方で、ひっそりとね。 あのころ私には、好きな人がいた……。 一族の先頭に立って計画を進めていたのが、その人。 私は……ただ彼の役に立ちたくて、夢中で手伝ってた。
神降ろし
- ミーデは幼い頃にトラヴァンシェーに出会い、「神降ろし」の方法を教わっている。
……すべてのはじまりは、私が幼いころに出会った男よ。 よそ者の奇妙な男が、「神降ろし」の方法を教えてくれたの。 散逸した「エニグマ・コーデックス」を集め、 依代(よりしろ)となる遺跡で、儀式を行え…… そうすれば、君の願いはかなう……って。 そして、触媒になるという、不思議な角笛を渡された。 男の名は…………「トラヴァンシェー」。
- この「角笛」とは「シールロックの宝」とも呼ばれる秘宝で、星に滅びを導くとしてかつてヤ・シュトラが追い続けていたものでもあった。
- 3年前の神降ろし
「神降ろし」の危険さに、疑問を持つこともなかったわ。 そして3年前のあの日…………私たちは蛮神の召喚に失敗した。 一瞬だけ顕現した蛮神は、仲間たちの命を奪い、 私の大切な人は、その「コア」に呑み込まれてしまった……。 何とか蛮神を止めようと、封印を発動させた瞬間…… 「エニグマ・コーデックス」は砕け散り、蛮神は姿を消した……。 すべてが終わったあとに残されたのは、壊れた夢のかけら……。 理想郷の夢が記された、もの言わぬ断片。
- この事故の後、エニグマ・コーデックスのかけらを手に入れたのがラウンドクロスであり、そのかけらを探していたのがミーデであった。
- しかしミーデはこの3年前の事故以来、コーデックスを読む力を失ってしまったという。
かつては私も、コーデックスを「読む」ことができたけれど…… このかけらはもう、私には反応しない。
記録屋バックリクス(Backrix)
- 「機工城アレキサンダー」の記録係。
記録屋バックリクス : オレの名は バックリクス! スローフィクスに頼まれて 「青の手」の拠点 監視してるゴブ! 記録屋バックリクス : ゴブリン族 道具や機械いじり 好きなヤツ多い! でもオレ様が得意なのは データ集めて 記録すること。 だからスローフィクス オレに監視まかせた!
ここはどんなところだ?
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… ここはオレたち イディルシャイアの ゴブリン族の野営地! キケンな科学者集団「青の手」の拠点 見張る場所ゴブ! 記録屋バックリクス : 機械仕掛けのアノ巨人 もとはシャーレアン人の廃墟だった。 でも「青の手」の連中 自分たちの拠点を 動く巨人に改造した! 記録屋バックリクス : さいわい あのデカブツ 動きかけて すぐに止まったゴブ。 でもアンナ巨人 好き勝手に動かされたら イディルシャイア 踏みつぶされておしまいゴブ~!
データレコード I-1
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード I-1」 だな! これは我々ゴブリン族から見た 今回の事件の記録ゴブ! データレコード : 以前から険悪だった科学者集団「青の手」の拠点が、 突然、「機械仕掛けの巨人」と化し、オレたちは、 (冒険者)らと手を組むことになった。 データレコード : 「青の手」を率いるのは、万能のクイックシンクス。 歴代の総統中、最も好戦的で、失われた科学技術の発掘・応用…… 「寡占と軍事利用」に熱心な暴君だ。 データレコード : ヤ・シュトラの調査によると、機械の巨人が出現してから、 大地のエーテルが、急速に枯渇しているという。 すぐに「青の手」の暴走を止めないと、大変なことになる! データレコード : 巨人の母体となったのは、3年前にサリャク河から浮上した廃墟。 「青の手」が利用する魔法障壁も、そのとき発生した。 オレたちはこの廃墟を、地殻変動で浮上したものと考えていたが…… データレコード : シドいわく、原因は未遂に終わった「蛮神召喚」だという。 思えば、スローフィクスの娘ラウンドロクスは、3年前から、 ずっと言っていた……機械の巨人を一瞬だけ見た、と。 データレコード : ……そのラウンドロクスだが、自分の主張が証明されて上機嫌だ。 趣味のがらくた集めで、ヒトの女と意気投合したせいもある。 オレも機械は好きだが、「かわいい」って感覚は理解できないな。
データレコード I-2
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード I-2」 だな! 新たに判明した事実を 記録しておいたゴブ! データレコード : すべての元凶は「エニグマ・コーデックス」という書だ。 100年ほど前、とある天才技師が記したというその書物は、 画期的な技術的アイディアが満載の、価値ある本らしい! データレコード : 問題は、そこに記された「移動都市」構想…… 「青の手」が「アレキサンダー計劃」と呼ぶ、壮大な計画だ。 それはひとりの科学者が夢想した、「機械仕掛けの理想郷」。 データレコード : 機械仕掛けの「移動都市」内に、自足可能な閉鎖環境を構築し、 優れた科学者のみを住まわせる。 彼らは各地をめぐり、叡智を深めつつ、理想の世界を築く……。 データレコード : ……そこまではいい。 問題は「青の手」が、この「アレキサンダー計劃」を、 実現するために創設された科学結社だということだ。 データレコード : 「青の手」がこの構想に惹かれる理由は、わからないでもない。 機械に親しみ、放浪生活を送るオレたちゴブリン族にとっては、 なかなかに心惹かれる内容だからだ。 データレコード : だが、大地のエーテルを喰らいつくす、 燃費の悪い機械の巨人となると……そもそもが欠陥品だ。 さいわい心強い精鋭が乗り込み、動力源を破壊することになった! データレコード : 最深部での戦いは危ないというので、 ラウンドロクスは今回、留守番役のようだ。 少し寂しそうだし、久々にがらくた拾いにつきあってやるか。
データレコード I-3
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード I-3」 だな! 騒動の結末 オマエに聞かせてやる! データレコード : 「アレキサンダー計劃」なる構想の全貌が記されているという、 「エニグマ・コーデックス」の断章が見つかった。 その外観は写本の形をしていない、「石のかけら」だった。 データレコード : 灯台下暗し……それはラウンドロクスのがらくたの中にあった! サリャク河から例の廃墟が浮かび上がった3年前、 彼女が拾って持ち帰った、不思議な「光る石」だ。 データレコード : ラウンドロクスはよく、あの輝石を眺めていた。 彼女が触れると、設計図か魔紋のような立体映像が浮かぶのだ。 オレ自身も何度か触らせてもらったが、なぜか反応はなかった。 データレコード : ミーデによると、コーデックスは「科学思想の書」らしい。 心ある科学者を選別し、移動都市に住まわせる構想も、 高度な科学技術の拡散を防ぎ、悪用を防ぐのが目的だという。 データレコード : 「善き科学者が、善きことをなすために」…… そんな高邁な理想も、「青の手」のような、 「科学教」の信者が実行したら、ただの独善に堕ちるのだろう。 データレコード : あの石は、コーデックスの「断章」にすぎない。 ミーデは、それを専門に探す「エニグマハンター」らしい。 断章には「失われた技術」が記され、高値で取引されるという。 データレコード : コーデックスを聖典とする「青の手」も、当然すべてを集めたい。 ただ……彼らがラウンドロクスの石を「最後のパーツ」と呼び、 血眼になって探していた理由は、本当にそれだけなのだろうか?
データレコード II-1
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード II-1」 だな! 最新記録 聞かせてやる! データレコード : 「青の手」がついに、アレキサンダーの再起動に成功した! 停止した「コア」復元のため、大量のクリスタルを集めたのだろう。 データレコード : 連中は少し前から、莫大な物資と弾薬を運び込んでいる。 多くは未知の部材……おそらく、導入中の新兵器に使うものだ。 機先を制するべく、(冒険者)らが突入をかけた。 データレコード : ところがその矢先、ミーデが「青の手」と接触し、 「エニグマ・コーデックス」の最後のかけらを渡してしまった! 「青の手」総統みずから野営地に現れ、そのことを告げていった。 データレコード : 敵いわく、ミーデは最初から「青の手」とグルだという。 ……おそらく、これは事実だ。 ミーデは、3年前に蛮神召喚に失敗した一団の残党とみられる。 データレコード : 実は、100年前に「エニグマ・コーデックス」を記したのは、 アウラ族の技師であり、その理想は子孫に引き継がれたようなのだ。 ヤ・シュトラに借りたシャーレアンの稀覯本で、やっと裏が取れた。 データレコード : 「移動式の理想都市」……その発想は、長い放浪を続けてきた、 我々ゴブリン族ならではのもの、と思い込んでいたが…… 同じく故郷を持たぬ民である、アウラ・ゼラが起源だったわけだ。 データレコード : コーデックスは匿名で著されたため、その名は不詳だが、 著者は若き日にシャーレアンに留学し、才能を開花させたとされる。 ミーデはその遺志を継いだという、青い髪の一族の出身なのだろう。
データレコード II-2
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード II-2」 だな! これまでのデータ 教えてやる! データレコード : 「青の手」によって、ラウンドロクスがさらわれてしまった! このままでは「エニグマ・コーデックス」の最後のパーツとして、 アレキサンダーに組み込まれてしまう。 データレコード : コーデックスは、蛮神の「操舵装置」として機能するという。 ラウンドロクスはその制御ができる、稀有な資質を持っていたのだ。 思えばあいつは、機械の巨人を受け入れ、憧れすら示していた……。 データレコード : 3年前に例の石を拾ったのが、あいつだったというのも皮肉な話だ。 それは、ミーデらが召喚に失敗したとき砕けたコーデックスの断片。 ミーデと「青の手」が回収できなかった、最後のかけらだった。 データレコード : さて、アレキサンダーには右腕部「ゴルディオン」、 左腕部「ミダース」、胴体部「アレキサンダー」の3区画があるが、 ラウンドロクスがいるのは胴体部らしく、現時点では進入困難だ。 データレコード : そこでまず左腕部「ミダース」の「コア」を停止することになった。 動かない蛮神を、操舵することはできない。 間接的に、ラウンドロクスの安全を確保しようというわけだ。 データレコード : ……問題は、ミーデの話をどこまで信用していいかだ。 ミーデはアレキサンダーを「彼」と呼び、3年前、好きなヒトの魂が、 蛮神の「コア」に取り込まれたという妄想に取り憑かれている。 データレコード : そして「彼」の魂と再び出会うために、蛮神の再召喚まで試みた。 オレには、とても正気の思考とは思えない……! ラウンドロクスを助けたいという気持ちに、嘘はないようだが……。
データレコード II-3
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード II-3」 だな! ココまでの一部始終 記録してあるゴブ! データレコード : 驚愕の事実が判明した。 蛮神アレキサンダーが「時間」に干渉しているという! いくつかの事実が、それを裏書きしている。 データレコード : 敵は「コア」停止によるエーテル流出という「過去」を、 「なかったこと」にしてしまった。 エーテル測定器では、時間の流れが逆転したように見えたらしい。 データレコード : 前兆はあった。 「コア」の停止に向かったはずのミーデたちが、すぐに戻ってきた。 魔法障壁の内外で、「異なる時間」が流れていたのだ。 データレコード : ヤ・シュトラによると、「魔法障壁」内部の異常は、 もっと前から始まっていた。 もともと、障壁内の時空間は蛮神の干渉で乱れていたのだろう。 データレコード : ……おまけに、敵が未来を「予知」している疑いもある。 クイックシンクスは、先にミーデが渡した断章をニセモノと見抜き、 オトリ作戦にも惑わされず、まっすぐ「本物」の断章を狙ってきた。 データレコード : そのとき、ミーデの乗った昇降機が緊急停止する偶発事故が起きた。 ヤツは、その「真下」で待ちかまえていたという。 最後の断章が落ちてくるのを、前もって知っていたかのように。 データレコード : 蛮神が、少ないエネルギーで時間に干渉できるとすると、 「コア」の復元に、多量のクリスタルを浪費することはない。 武力で蛮神を停止する作戦は、その前提ごと覆されてしまった。 データレコード : アレキサンダーは、表面上は沈黙したように見えるが、 内部では、ふたつの「コア」が稼動状態にある。 データレコード : 胴体部にある第3の「コア」が再生したら、一巻の終わりだ! 「青の手」が、意のままに過去や未来を「変更」し、 時間を「操作」することが可能になるかもしれない……! データレコード : アレキサンダーの機能の全貌はまだ見えない。 現在のところ「時間」への干渉は、魔法障壁内にかぎられているが、 蛮神はまだ、その力の片鱗しか見せていないかもしれないのだ。 データレコード : そして「青の手」は、蛮神の制御に必要な「最後のパーツ」…… 最後の断章とラウンドロクスの身柄を、すでに手にしている。 これが悪夢でなくて、何だというのか……。
データレコード III-1
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード III-1」 だな! ココロして読め! データレコード : とんでもない情報が入ってきた……アレキサンダーは、 歴史への介入を目的とした、いわば巨大な時空移動装置だという! さらにクイックシンクスは、未来からきた存在だというのだ! データレコード : 敵の言葉によると、最終的に「青の手」の勝利は決定しており、 オレたちは、確定した歴史をなぞっているだけだという! ……事実、クイックシンクスは偶発事故を予言してもいる。 データレコード : 時空移動を可能にする最終機能の名は、「時の翼」……。 「青の手」がその機能を駆使し、歴史の管理者となる日が到来する。 敵はそれを「定められし未来」と呼んでいるらしい! データレコード : 未来は、蛮神の完全起動を阻止できるかどうかにかかっている。 そこでシドは魔法障壁を一時的に解除し、突入する作戦に出た。 ラウンドロクスを救出し、蛮神の制御を奪うためだ。 データレコード : 障壁は現在、外部からの侵入を阻む役割を果たしているが、 実は、蛮神そのものを抑え込むための「封印」でもある……。 3年前、ミーデが、召喚にもちいた秘宝から生じさせたものだ。 データレコード : 蛮神の核をなすその秘宝は、以前ヤ・シュトラが追っていた角笛…… 環境エーテルを操作する力を秘めた、恐るべき古代の遺産だという。 かの角笛を葬ることこそ、我々の最終目標といえるだろう。 データレコード : 最後に、妙な事件について付記しておく……。 クイックシンクスが連れ歩いている「シャノア」のことだ。 3年前、召喚未遂の現場でも、よく似たクァールが目撃されている。 データレコード : 最近また、よく似た幼獣が現れて、伏兵の居場所を教えてくれた。 どうやら、シャノアとは別の個体らしいので、 「シュレディンガー」と命名したが……コイツはいったい、何者だ?
データレコード III-2
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード III-2」 だな! コノ手に戻ったデータ 読ませてやる! データレコード : 「エニグマ・コーデックス」が置かれた中央管制室…… そこへとつながる昇降機が、新たに設置されたことがわかり、 オレたちは、総出で突入戦を開始した。 データレコード : 管制室に突入した矢先、ラウンドロクスが蛮神の機能を発動…… オレたちはアレキサンダーごと、過去の世界へと飛ばされた。 着いた先は3年前……ミーデたちの召喚未遂の現場だった! データレコード : ところがそのとき、何者かの邪魔が入り、蛮神が暴走。 ミーデの仲間は死に、恋人は蛮神の「コア」に吸い込まれた……。 彼女が見た光景を、オレたちはいま、蛮神の側から目撃している! データレコード : かつてラウンドロクスが見たのは、アウラ族の蛮神ではなかった。 「青の手」が召喚した、3年後のアレキサンダーだったのだ! クイックシンクスはすべて知った上で、道化を演じていたのか……? データレコード : …………と、ここまで書いたところで、記録は中断している。 シュレディンガーもろとも、過去の世界に落としてしまったのだ。 追記するのは、そのあと判明した事実である。 データレコード : シュレディンガーと、この記録は、クイックシンクスに拾われ、 ヤツは、3年後までの「未来」を知る者となった……。 そして、自身を「未来の遣い」と称し、記録どおりにふるまった。 データレコード : ヤツの手で、シュレディンガーは「シャノア」と名づけられた。 一方、ミーデは恋人が「コア」に取り込まれたという幻想を抱き、 クイックシンクスと接触、「青の手」に蛮神を召喚させた……。 データレコード : クイックシンクスは支配欲に駆られた、ただのペテン師か? 手にした記録を「未来からの啓示」と信じた妄信の預言者なのか? ただの記録屋であるオレに、真実はわからないが……。
データレコード III-3
記録屋バックリクス : シュコォ……シュコォ…… オマエが読みたい記録 「データレコード III-3」 だな! オレ様じきじきに おしえてやる! データレコード : クイックシンクスは、自身が蛮神を制御できることを隠していた! ヤツの自滅でコーデックスは失われ、「コア」が暴走を開始。 制御を離れた古代の秘宝が、破滅への暴走を始めた……。 データレコード : 止めたのは、ミーデの恋人ダヤンだった。 「コア」に取り込まれ、エネルギーにされたはずの恋人の魂が、 蛮神そのものに宿り、ミーデの呼びかけに応じたのだ。 データレコード : アレキサンダーは、「階差機関」という演算装置を搭載している。 シドによると、この機械ならば、ヒトの魂が形を保てるだけの、 かりそめの空間……「演算空間」を生成しうるという。 データレコード : その空間内であれば、ダヤンの人格が形を留めているかもしれない。 さらに、より高次の段階では、アレキサンダー自体の意識が覚醒し、 超越的な「機械の神」というべき存在が誕生している可能性もある。 データレコード : 「コア」へ飛び込んだミーデは、そこでダヤンと再会し、 蛮神を「閉じた時空」へと封じた……シドはそう推測する。 そこはあらゆる事象から切断された、ふたりだけの永遠の牢獄だ。 データレコード : 「ただ、彼とふたりで、世界の果てまで行きたかった」…… かつて、ミーデはそう語った。 ある意味で、「機械の神」が彼女の願いをかなえたともいえる。 データレコード : ……そしてここに、ひとつの伝説がある。 ミーデの属する「ホトゴ族」の祖先は、金属の巨人から現れた、 ふたりの子どもで、名前は「ミーデ」と「ダヤン」だという。 データレコード : 破滅の種子を封じるという役割を終えた、ふたりの魂を、 「機械の神」が遠い過去へと送り届けた、とでもいうのだろうか? だが…………仮にそうだとすると、ひとつの疑問が生じる。 データレコード : そもそも、「エニグマ・コーデックス」の著者の構想は、 一族に伝わる「金属の巨人」の伝説からきた、とされているのだ! では、アレキサンダーという存在は、誰の頭から生まれたんだ……?