夜の民
- 第一世界に存在する信仰。
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概要
- 「光の氾濫」ののち、人々の間に広まった信仰。
ヤ・シュトラ : 彼らは闇を崇めているけれど、特別な神は持たない。 いくつかの規範に従って、祈りながら静かに暮らしているの。 ヤ・シュトラ : それらの規範は、氾濫後の世界を生きていくための知恵であり、 心の拠り所だとも言えるわ。
- 現在はラケティカ大森林のスリザーバウに集まっている。
「夜の民」の誕生
- 「夜の民」がどうして生まれたか?
エルサベル : ……ねぇ、お嬢ちゃん。 「夜の民」がどうして生まれたか、知ってるかい? ミンフィリア : えっと……確か……「光の氾濫」からほどなくして、 故郷を失い、行き場を失った人たちの中で、 その源流が生まれたと……。 ミンフィリア : 最初は集会のときにだけ集まっていた人々が、 何年かして、本格的に共同生活をすることを決意して、 ラケティカ大森林に踏み入った……そう本で読んだ気がします。
- 人々の想い
エルサベル : ははっ、あんた勉強熱心なんだねぇ。 確かに、歴史として見たら、それで正解だよ。 エルサベル : ただね、実際は、そこに人の想いがあった。 その想いこそが、流れを、歴史を作ったんだ。 エルサベル : 最初に「夜の民」となった人々の心には、 ずっとずっと、焼きついていたのさ。 目の前で無残に消えた、愛する人や故郷のことがね。 エルサベル : 氾濫以前はいろいろな信仰があったけれど、そのどれもが、 光に呑まれたり、罪喰いとなって死んだ者の魂が、 どうなるかなんて示せなかった。 エルサベル : だから、人々は、今の時代なりの信仰を…… 命の答えを、探そうとしたのさ。 エルサベル : 命は終いに、闇へと辿りつく……。 エルサベル : ならば、この世を去った者は皆、天の暗き海へ運ばれよう。 今は光に覆われ、見ること叶わずとも、 彼らの魂はそこで、闇の中をたゆたい続けている。 エルサベル : だから、地上のあたしたちは祈るのさ。 運ばれた魂たちが、穏やかであらんことを……。 彼らを抱く闇が、別れを嘆く生者の上に、いつか戻らんことを。
流儀・習慣
- 客人にまで信仰を求めたりはしない
ルナル : 「夜の民」は、客人にまで信仰を求めたりはしない。 ただ、オイラたちが大事にしていることを知って、 いくつかの流儀に則ってくれると、とても嬉しい。
- 闇の属性を帯びた水で、光を祓う習慣がある。
ルナル : 「夜の民」は、旅から帰ったり、光の強い場所に行ったあとに、 こうやって暗所に置いた甕の水を体にふりかけて、 光を祓うんだ。
ルナル : 一応、オイラたち導師が、祈りを込めた水だ。 それによって、ほんの……ごくごくわずかだけれど、 闇の性質を帯びているっていわれてる。
- 旅人が使う合言葉
ルナル : 「夜の民」同士は、特別な礼や所作によって、 自分が同胞であると示すんだけど…… 旅人には、それに代わる合言葉があるんだ。 ルナル : 「アジントタ」……ロンカ語で「よき夜を」という意味だよ。 これを使えば、「夜の民」に認められた客人だと、 示すことができる。
命名石
- 「夜の民」が生まれて名付けられたときに与えられ、生涯をともにする、特別な石。
深刻そうな夜の民 : その先には、命名石…… 「夜の民」が生まれ、名付けられたときに与えられ、 生涯をともにする、特別な石がついてたはずなんだ。 深刻そうな夜の民 : だから、このあと予定されている彼女の葬儀の前に、 どうにかその石だけでも、見つけてやりたかったんだが……。
- 各自で色が違っていたりする。
ルナル : トッディアの命名石は、濃い緑の翡翠だ。
- トッディアが罪喰いにやられたときに、この「命名石」が見つからなかったが、探し出す。
ルナル : ……こ、これは! 間違いない、トッディアの命名石だ……! ルナル : ああ……本当にありがとう……! おかげで、ちゃんとした形で葬儀を上げることができる。 ルナル : この命名石は、加護の祈りを込めたお守りなんだけど、 同時に、「夜の民」の墓標のようなものでもあるんだ。 ルナル : 罪喰いに食われたら、体はまず残らない……。 だから、それぞれに違う石を持って育ち、 死せるときに、遺体の代わりとして弔うのさ。
葬儀
- 罪喰いにやられたトッディアの葬儀に参列することになる。
ルナル : それじゃあ、はじめよう。 ルナル : ……我らの友、トッディア。 光に傷むことなき真名は、ミニーヌ。 彼女に祈りを……。 ルナル : 汝が命を、天の暗き海に還そう。 ルナル : 苦難は地にある我らとともに。 汝の行く先に、悲しみと恐れはない。 ルナル : 暗き海は満たされる。 穏やかな静けさと、温かな慈しみで。 汝を想う、我らの祈りで……。
ルナル : どうか、かの者の命を、天の暗き海にお運びください。 夜の遣い「闇の戦士」よ……。