ラハブレア(Lahabrea)
- 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
- パッチ6.0まで進めていない方、及びクロニクルクエスト「万魔殿パンデモニウム」未クリアの方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。
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概要
- 古代人のひとり。真の名はヘファイストス。
- 十四人委員会の当代ラハブレアで議長。
- その後、世界の分断を逃れたオリジナルのひとり、アシエン・ラハブレアとして活動する。
- 「万魔殿パンデモニウム」にも登場するラハブレアの生涯はややわかりづらい。以下、時系列でラハブレアの動向を追う。
古代
古代人としてのラハブレア
- 十四人委員会の議長である。
人民弁論館の古代人 : 議長となるラハブレアや、調停者エリディブスをはじめ、 アログリフ、ミトロン、エメトセルクなど14の「座」があって、 それぞれに、選ばれし賢人が就任するんだ。
- 幻想生物の創造を研究する「ラハブレア院」の長。※どうもラハブレア院などの長の呼び名が出てこない。アニドラスや造物院は「所長」、ヒュトロダエウスは創造物管理局局長。
ラハブレア様は幻想生物の創造に長けた、 ご高名な研究者でいらっしゃいますからね。
ラハブレア院の職員 : ……「あの」と言うあたり、こちらの御方は、 ずいぶんと、ラハブレア様のことをご存知のようですな。 あなた方……もしや、ラハブレア様になにか縁でも? ラハブレア院の職員 : ……使い魔と思しき貴方も、ラハブレア様と対面しているとは。 他者と積極的に交流するような御方ではありませんので、 かなり、稀有な体験をなさっていますね。 ラハブレア院の職員 : ともかく、ラハブレア様は十四人委員会に名を連ねる御方……。
アカデミアの研究者 : 僕も当代のラハブレアのような、創造者になりたいものだ。 既存の創造魔法をことごとく理解したがゆえに生み出される、 斬新かつ美しい幻想生物たるや、筆舌に尽くしがたいね!
- 妻はアテナ、アテナとの間に息子・エリクトニオスがいる。
アテナ : 私はパンデモニウムの長官、「アテナ」。 ラハブレアの妻でありエリクトニオスの母……。 そして、冥界に大監獄を生み出した存在。
- 真の名は「ヘファイストス」である。
ラハブレア : 改めて語るまでもないが…… ラハブレアという名は、職責を司る「座」の名前。 私の本来の名前ではない。 ラハブレア : ……「ヘファイストス」。 我が「本名」を語るあの男は……いわば私の半身といえる存在。 ラハブレア : 認めたくないことだがな……。 あの肉体の内側には、私と同等の知識に加えて、 欲望や嫉妬といった、いわば負の感情が詰め込まれているのだ。
パンデモニウムでのラハブレア
- 「万魔殿パンデモニウム」の辺獄編、煉獄編、天獄編のラストで登場したのは、ラハブレアの生の姿となる。
- ラハブレア院の職員アテナの要望により、パンデモニウムをエルピスの近くに設立する。しかしある時、アテナの野望の暴走を知り、その真実を確かめるためにパンデモニウムを訪れる。
ラハブレア : 私は、ラハブレア院を治める立場として、 アテナとよく、人の限界を超える方法について語り合った。 魂の創造などは創造学的な命題のひとつであったからな……。
ラハブレア : 私は愚かしくも、アテナの真意に気がつけなかった。 パンデモニウム建設の際、彼女が長官の座を望んだときもそうだ。 ラハブレア : 研究者としても優秀だったアテナを、 長官の座に据えることに、なんの疑問も持たなかった。 そうして彼女は、自由に使える「実験場」を手に入れた。
クローディエン : 失敗作たる創造生物の研究施設とは、表向きの理由……。 パンデモニウムは、古代人の規範を外れていたアテナを、 収監するための「監獄」だったのです。 クローディエン : そうまでして、アテナに研究を続ける余地を与えたのは…… ラハブレアさんが抱いていた愛ゆえだったのでしょうか?
- 遂にはエリクトニオスをも実験材料としようとするアテナに、ラハブレアはアテナの本当の野望を知ってしまうが、彼女の真意を確かめたいという欲に抗いきれずアテナと魂の融合をしてしまう。
ラハブレアの再現体 : アグディスティスと私を、いつまでも欺いておけると思ったか。 さあ、エリクトニオスを離せ。 ラハブレアの再現体 : 今なら、まだ間に合う。 だが、もしもエリクトニオスをその手にかけるようならば、 私の手で……。 アテナの再現体 : ほかでもない、貴方の手でというなら本望だわ。 でも……どうせなら私の真意を知ってからにしてちょうだい。 ラハブレアの再現体 : ……研究を止めるつもりはないということか。 アテナの再現体 : 私のこの気持ちを知ってもらえれば…… 止めようもない激情なのだと、きっと理解してくれるはずよ。 ラハブレアの再現体 : 個人の想いなど関係ない。 その行いが、星にとって是か非かが問題なのだ……。
アテナの再現体 : ……知りたいのでしょう? 院の優秀な研究者であり、自分と子を成したほどの相手が、 何を想って、このような大それたことを始めたのか。 アテナの再現体 : 教えてあげるから、手を……。 言葉では足りない、究極の相互理解を……。 アテナの再現体 : 我の想い、願い、それは汝となりて――
ラハブレアの再現体 : ――汝を、我とする。
- ラハブレアは自ら魂半分を封じ込め「ヘファイストス」として分離することでそれを乗り切る。そしてアテナを手にかけてしまう。
ラハブレアの再現体 : 此度の事態は、私の心の弱さが引き起こしたもの。 ならば私は弱き想いのすべてを切り離し、 今後はより一層己を律しよう。 ラハブレアの再現体 : ラハブレアたる者として……!
テミス : ヘファイストスは、ラハブレアを騙る偽者ではなく、 ある意味においては、彼の一部でもあったわけだ……。 テミス : 私の知る彼は、何よりも使命を優先する人物だ。 その性質も、あるいは「負の感情」を切り離したことによって、 さらに強められていたのかもしれないな。
- ※アテナの思いを知った時や分離した際までは、ラハブレア議長は壮年期なのか長髪かつ裾の広がった髪の毛でやや滾った雰囲気を持っているように描かれるが、その後のラハブレアは短髪気味の老境の精神に至ったような顔で現れる。それが爺さん呼ばわりされることに繋がったのかも知れない。実際ラハブレア自身が、魂を分断した後、エメトセルクやイゲオルムには怪しまれたと語っている。
テミス : なんという無茶を……。 記憶の改変ならまだしも、部分的にとはいえ魂を切り離すなど、 自己の存在を作り変えるに等しい所業だ。 ラハブレア : ……おかげで地上に戻ったとき、 十四人委員会の中でも旧知の者には、ずいぶんと怪しまれた。 特に、イゲオルムやエメトセルクにはな……。 テミス : 当たり前だ……命があっただけ、奇跡だとも。
- 「ラハブレアを名乗る男」(中央手前)の前に現れた真のラハブレア(右奥の短髪姿)。
もうひとりのラハブレア : 何を遊んでいる……「エリディブス」。 もうひとりのラハブレア : 忌々しい奴め。 お前に、その姿を……その仮面を身につける資格はない。 エリクトニオス : なっ……! その顔、ラハブレアの……? ラハブレアを名乗っていた男 : ……私とて、すぐにでも外したいと思っていたさ。 ラハブレアを名乗っていた男 : ラハブレア……! お前のように、その座に相応しき者でいることを優先し、 己の手で、妻を手にかけたような男の仮面はな! ラハブレア : ラハブレアの座を嫌悪しながら、私の有する力を行使するとは。 その矛盾、何者でもない劣等感の裏返しか?
- 「ラハブレアを名乗る男」(ヘファイストス)は、最初”赤仮面を付けた老境のラハブレアの姿”で登場する。しかし本物のラハブレアが登場すると「ヘファイストス」誕生時の滾った顔で長髪白仮面の(つまりは魂分断前)のラハブレアの姿へと戻る。
- ややこしいが、「万魔殿パンデモニウム」においてこの滾った顔で登場するのは、基本的には真のラハブレア登場以後の「ヘファイストス」(魂を半分ちぎり捨てて封印したクリスタルから再現した人格)であり、後は過去視シーンにおけるアテナを手に掛ける頃までのラハブレア自身となる。
エリクトニオス : お前は……何故このタイミングで現れた? かつてのお前と同じ顔をした、あの「ラハブレア」は、 いったい何者なんだ……!? ラハブレア : ……ふむ、最低限の説明はしておくべきか。 ラハブレア : 私自身、ある程度、パンデモニウムの状況は把握していた。 アゼムとエリディブスが、嗅ぎ回っていたことも含めてな。 ならば私が出向くこともないと放置していたのだが……。 ラハブレア : お前は、いっこうに報告をよこさないうえ…… 獄卒長名義で「異常なし」などという虚偽の報告まで届く始末。 ラハブレア : ヘファイストスが、 何故そのような愚かしい報告を発したのかはわからない。 だが、さすがにこれ以上静観はできぬと判断したのだよ。 テミス : ヘファイストス……かつてのあなたと、同じ顔を持つ男。 そうまで言うからには、奴の存在も認識していたのかい?
ヘルメスとメーティオン
- 「暁月のフィナーレ」で描かれたヘルメスの作り出したメーティオンと、その探索活動に際してはラハブレアは表立った活動は描かれていない。エメトセルクからの報告を受け、エルピス所長であったヘルメスを当代ファダニエルとして迎え入れたことがわかっている。
一度目の終末
- アーテリスは一度目の終末に見舞われる。
- それに対してラハブレアを中心とする十四人委員会は、「ゾディアーク」を生み出し、対抗しようとする。
- これを何度か繰り返そうとするが、世界を分断してでも未来の可能性を信じるヴェーネス派によりハイデリン召喚が行われ、ゾディアークもろとも世界は分断されてしまう。
- 息子のエリクトニオスは、ラハブレアたち十四人委員会の方針に反対し、自分自身とラハブレアの記憶をクリスタルに封じてそれを星の海に流す。
エリクトニオス : 未来の世界に、この記憶を残す。 エリクトニオス : エルピスにもまた、「終末」が訪れた。 創造魔法が暴発し、おぞましい獣が次々と生み出されている。 エリクトニオス : そんな絶望の只中にあっても、ラハブレアたち十四人委員会には、 この事態を収拾する秘策があるらしい。 エリクトニオス : そして、エリディブス……いや、テミスは、 そのために殉じるつもりのようだ。
エリクトニオス : だからこそ、俺は十四人委員会の方針には従わない。 この魂を、星の意思の召喚に捧げることなく、 成すべき使命のために残るつもりだ。
世界の分断以降
- 分断から逃れたオリジナル3人のひとりとして、アシエン・ラハブレアとなる。
- ※エリクトニオスは分断に巻き込まれ、それが「暁月のフィナーレ」の世にクローディエンとして転生していた。また記憶のクリスタルもエリクトニオスの魂を持つクローディエンに吸い寄せられるように流れ着き、パンデモニウム探索が開始する。※エリディブスこと青年期テミスの外見からしてわかるように、「万魔殿パンデモニウム」のストーリー(ラハブレアの魂の分断含む)はあくまで分断以前の話。
新生エオルゼア
- 新生エオルゼアでのラハブレアについては「アシエン・ラハブレア」の項を参照のこと。
- 星の理を守るために構築したゾディアーク、そのゾディアークを封印したハイデリンを討ち滅ぼすため、世界の再統合を行う。原初世界でその再統合(アーダー)を邪魔するのが光の使徒である光の戦士であった。
- アシエン・ラハブレアは、第六星暦から第七星暦において、もっともさかんに活動し、再統合を阻止しようとする光の戦士の活動を妨害する。
- 一時期サンクレッドの憑依して光の戦士の妨害を行っていたが、それについてサンクレッドが述べている。
サンクレッド : だがアシエンの魂が人の肉体に憑依する場合、 依り代となった人物の意識は、完全に失われるはずなんだ。 ラハブレアに憑依された俺が、実際そうだったんでな。
- カストルム・メリディアヌムの魔導城プラエトリウムに入り込んだ光の戦士に対して、黒聖石サビクに封じられたアルテマ魔法を発動させるが間一髪ハイデリンの保護により光の戦士は生きのびてしまう。
アルテマウェポンのコア「黒聖石サビク」。 そのコアの中には……。 ある「魔法」が秘められていてな。 ガイウス : ……魔法だと? アシエン・ラハブレア : その名は「究極魔法アルテマ」ッ! 蛮神たちを吸収したのも、 この本来の力を取り戻させるために過ぎぬッ! これこそが、アルテマウェポンの真の力ッ!
アシエン・ラハブレア : 私の考えは元より変わらぬ。 真なる神の復活、これだけだ。 ガイウス : ラハブレア、貴様ッ!! アシエン・ラハブレア : 唸れ、アルテマウェポン! 我が真なる神の一端を見せてみろ!! アシエン・ラハブレア : 渦なす生命の色、七つの扉開き、力の塔の天に至らん! ……アルテマッ!
- アルテマウェポンに騎乗したガイウスまで倒れてしまい、アシエン・ラハブレアは直接光の戦士と対峙する。しかしそれも乗り越え光の戦士に倒されたアシエン・ラハブレアは、次元の狭間に逃れることで生き延びる。これにより、不死の存在アシエンの危険性、「超える力」が暁の血盟メンバーに知られることとなり、急速にその対策となる「白聖石」の研究が促されることになった。
これが……光の力……!? 光の意思は……人と人とを……繋ぐというのか……!? ウガァァァァァァァァァァァ!!
ミンフィリア : 悔しがってって……まさか! アシエン・ラハブレアはあの人が倒したのよ!? ???? : 深淵の司祭を退けた君たちだ。 少しは我々のことを理解していると思ったが……。 ???? : 我々は不死なる存在。 人への憑依……闇のクリスタルを破壊したところで、 その存在が滅するものではない。
蒼天のイシュガルド
- 新生エオルゼアから蒼天のイシュガルドでは、主にこのアシエン・ラハブレアが前面に立ちはだかっていた。
- 遂に魔大陸へとたどり着いた光の戦士たち。アジス・ラーの魔科学研究所で光の戦士の前に現れる。
- アシエン・ラハブレアは、光の加護が弱まっていた光の戦士を倒す絶好の機会と捉え、アシエン・イゲオルムとひとつとなって「アシエン・プライム」へと姿を変え、光の戦士を倒そうとする。
アシエン・ラハブレア : よもや これほどの力を── アシエン・イゲオルム : 認めん 断じて認めはせんぞ ラハブレア! いまこそひとつに! アシエン・ラハブレア : 仕方あるまい 「超える力」の真なる使い方を見せてやろう 魂の境界さえ 超えるほどの力をな! アシエン・イゲオルム : 我は 汝となりて── アシエン・ラハブレア : ──汝は 我となる アシエン・プライム : 贄となるがいい!ゾディアーク様の新生のために!
- しかしエーテルジャマー(白聖石参照)などの準備をしていた光の戦士の前に倒れ、アシエン・イゲオルムは消滅する。
- そしてアシエン・ラハブレア自身も、千年の願いを力に発現した騎神トールダンの前に、逃れるまもなく聖剣アスカロンに魂ごと吸収されてしまうのであった。
騎神トールダン : 「千年戦争」により蓄積された民の祈りと、 「眼」がもたらす莫大なエーテルとが創り出す、 消え去ることのない永遠の神……。 アシエン・ラハブレア : 永遠の神……だと……!? 騎神トールダン : 人を侮りすぎよな、アシエン・ラハブレア……。
- この聖剣アスカロンは、初代蒼の竜騎士である征竜将ハルドラスが、ニーズヘッグと戦うことで獲得した「竜の眼」に飲まれてしまい、朽ちぬ体となっていたものをコアにした剣であった。
- ニーズヘッグの眼は、エスティニアンによって回収され雲海の底へと投げ込まれるが、それは闇の戦士により回収され、やがてイルベルドへと渡りアラミゴ再興のための「神龍」召喚に利用されることになる。
紅蓮のリベレーター
- その後「神龍」はゼノス率いるガレマール帝国軍により捕獲されており、アラミゴ王宮の空中庭園にあった。
- 各戦線で光の戦士とエオルゼア共同軍の進撃が繰り返され、ついにアラミゴ王宮での戦いに追い込まれたゼノスは、「神龍」と融合することで光の戦士との最後の対決へと挑む。
- 「紅蓮のリベレーター」のエンディング、「神龍」を討滅しアラミゴが勝利に湧くなか、エスティニアンはすべてが終わった空中庭園を訪れる。そこに残されたニーズヘッグの両眼を貫くと、ニーズヘッグに別れを告げている。
- ※この時にアシエン・ラハブレアの魂もまた完全に失われたことが漆黒後のインタビューで語られた。この後のストーリーに出てくるラハブレアは、古代人としてのラハブレアである。
Toward the end of Shadowbringers, players defeat Hades without imprisoning him in the White Auracite. But Lahabrea was defeated in a similar way, and eventually returned. Is Hades is done for good? NI(Natsuko Ishikawa): With Lahabrea, he wasn’t literally put into the White Auracite. But he was absorbed into the dragon’s eye, and Estinien pierced it. Although he wasn’t imprisoned in the White Auracite, you can technically say he’s in the same situation.
Shoebills and shortening stories in Final Fantasy XIV: Shadowbringers | PCGamesN
- ※この時にアシエン・ラハブレアの魂もまた完全に失われたことが漆黒後のインタビューで語られた。この後のストーリーに出てくるラハブレアは、古代人としてのラハブレアである。
- その煽りを食らってエメトセルクが起こされたといって愚痴を言っている。※パッチ4.4
???? : まったく……。 ため息をつきたいのはこちらの方だ。 ???? : せっかく役目を演じきって、寝ようってときだったんだぞ。 それを、ラハブレアの爺さんが死んだからって、 呼び出されて……。
- ※エメトセルクのいう「役目」とは、ソル・ゾス・ガルヴァスの事を言っている。第六星暦末に「死亡」したため、孫であるヴァリス帝に移譲して休むところだった。
- 漆黒秘話でも描かれている。
エメトセルク、と呼ぶ声が響いて、微睡みから引き上げられる。
(略)
ともかく、声の主――エリディブスは、傍らに立つと粛々と告げた。
「ラハブレアが散った」
――さすがに身を起こし、エリディブスと向き合う。
彼は微動だにしない。互いを包んだ長い沈黙が、覆らない事実なのだと物語っていた。
アシエンにとって「死んだ」は終わりを意味する言葉ではない。
しかし、そうか、「散った」ということは――
「わかっていたはずだ、私たちは。いずれこの日が来ることを」
エリディブスが言うのを聞きながら、目を瞑って、詰めていた息を吐きだす。
彼の言葉は正しい。ラハブレアは長きにわたり、誰よりも積極的に活動してきた。ともすれば“過ぎる”ほどに。世界を渡り身体を変え、突き進むほどに彼は破綻していった。最近では、闇に依った霊災を起こしたばかりだというのに、なおそれを助長させようとするような行いさえみせていた。
(略)
「……エメトセルク?」
「ああ、いや……ラハブレアの爺さんは創ったものと似ていたな、と。
そう考えていただけだ」
漆黒のヴィランズ
- 印象としてはここで古代に訪れた感覚だが、漆黒で訪れたのはあくまでアシエン・エメトセルクが再現した幻影都市アーモロートに過ぎない。そこでは一度目の終末前の状態が保持されており、(アシエンではない)十四人委員会などと出会うこともない。アーモロートで出会うヒュトロダエウスも、あくまでエメトセルクが再現した幻影(ただの影)でしかない。
- 時代的には漆黒のヴィランズで訪れるのは、すべて現在の第一世界である。当然アシエン・ラハブレアは消滅している(完全に死んでいる)。
- ヒントトークでラハブレア評をするエメトセルク。
エメトセルク : 対して、器にほとんど調整をほどこさなかったのが、 お前たちが殺したラハブレアだ。 エメトセルク : いやぁ……あれだけ姿かたちを変えると、 普通、自己ってものが崩れてくるものなんだがな…… よくやったもんだよ、あの爺さん。
エメトセルク : ラハブレアの爺さんなんかは、 ころころ体を変えて働き続けてたが、 あれじゃ擦り切れるってものだ。
- エメトセルクが消えた後(暁月で呼び出されるまでの間)、残されたエリディブスが呟いている。
アシエン・エリディブス : エメトセルク…… 本当に消えたのか……君は……。 アシエン・エリディブス : ……ラハブレアも亡き今、 私はついに、最後のオリジナルだ。
暁月のフィナーレ
- 漆黒のヴィランズ、暁月のフィナーレでは当のラハブレアは登場せず、間接的に人の会話で当代ラハブレアとして語られるにとどまった。
- そしてクロニクルクエスト「万魔殿パンデモニウム」で、ラハブレアの過去が描かれることになった。
万魔殿パンデモニウム
- 8人レイド「万魔殿パンデモニウム」でラハブレアの過去、古代人としてのラハブレアが描かれることになる。※エルピスを通じて1万2千年前の世界へと訪れるので、当然(まだアシエンになっていない)ラハブレアは生きている。
- エリクトニオスは分断に巻き込まれ、それが「暁月のフィナーレ」の世にクローディエンとして転生していた。またエリクトニオスの流した記憶のクリスタルも、エリクトニオスの魂を持つクローディエンに吸い寄せられるように流れ着き、パンデモニウム探索が開始する。
- 辺獄編および煉獄編、天獄編ラストのエルピス経由のパンデモニウム内で出会うラハブレアは、古代人ラハブレア。
- 天獄編の現代ラヴィリンソス(アイティオン星晶鏡)で出会うラハブレア及びエリクトニオスは、エリクトニオスの記憶のクリスタルを元にした再現体。エリクトニオスが記憶のクリスタルを流したのは一度目の終末前なので、ラハブレア(及びエリクトニオス)は、その後のアシエン・ラハブレアの行動を直接は知らず、他人から間接的に補っている。
- 似た波形のクリスタルを探していたクローディエンは、魔大陸でそれを発見し探しに行く過程でアテナを復活させてしまう。クローディエンが持っていた記憶のクリスタルは、魔大陸で倒れた時に落としたのか、天獄編の最初でフルシュノを介して光の戦士に渡っており、再現体のラハブレアとエリクトニオスが現れる。
ラハブレア : この空間……この身体……。 いくつか推測できることはあるが、 まずは、真実を知っているお前の話を聞かせてもらおう。
エリクトニオス : 聞かせてくれ。 ここはどこで……いったい、何が起きているのか。 エリクトニオス : ……なるほどな。 お前が、記憶のクリスタルについて語っていたのは、 たしかに覚えがあるよ。 エリクトニオス : それが、まさか俺たちの遺した物だったとは……。 エリクトニオス : ……加えて、お前が「未来」から来ていたなんてな。
- 謎解きをした後、ラハブレアの再現体は自ら消滅する。
ラハブレア : さあ、これで伝えるべきことはすべて伝えた。 私も……エリクトニオスに続くとしよう。 ラハブレア : 忌まわしき記憶は、ただ消えゆくのみ。 これが、ラハブレアの最期。 ラハブレア : ……さらばだ。