異邦の劇作家(Wandering Dramaturge)
概要
- ガレマール帝国の体制に疑問をいだいていたこともあり、劇団マジェスティックが亡命同然に逃げ出すことを知り、劇場艇プリマビスタに身を寄せることにした。
- 趣味は料理とワイン。
父
- 2018年に発売された世界設定本2巻では年齢が「52歳」となっており、松野氏と同年齢である。
- ここで登場する「懇意にしてもらって」いるジェノミス・レクセンテール自身が坂口氏(FFの父、坂口博信氏)をモデルとしているのではないかとされており、坂口氏と松野氏は現在も親密な関係であるという。
- このでいう「詩人というより興行主というか」は、プロデューサーという立場を想起させ、「彼の場合は彼自身が冒険者に試練を与え、それに打ち勝った冒険者の魂をエッセンスとして取り入れる」などFF14での吉田Pの立ち位置を述べているとしか思えないセリフである。
- 松野氏はその後、自らのプライベートプレイにおけるセカンドキャラとして「Wandering Dramaturge」というキャラでもプレイしている。
- ※スクショは、当該キャラで坂口氏と「リターントゥイヴァリース」をプレイしている際のもの。松野泰己氏のYoutubeチャンネルより。左がゲーム内のNPC異邦の劇作家、右が松野氏のプライベートキャラ。
イヴァリースストーリー
異邦の劇作家 : 若くして劇団を立ち上げたジェノミスはその才能を認められ、
あっという間に演劇界のホープとして人気となった。
戯曲のいくつかは文壇で認められ賞をもらったほどさ。
異邦の劇作家 : 数々の戯曲を発表し、自らが演出を手がける舞台は大人気。
チケットをもっとも取りにくい劇団と言われたこともある。
事実、1年先までソールドアウトなんてことはザラだった。
異邦の劇作家 : 前皇帝ソル・ゾス・ガルヴァスもその天賦の才能を認めて、
この劇場艇を建造し、プレゼントしたのはビックリさ。
現皇帝はそれも面白くないようだがな。
異邦の劇作家 : ジェノミスは完璧主義者でな、理想の戯曲に仕上げるまで、
幾度も書き直すなんてことはいつものことだ。
遅筆すぎて舞台稽古が遅れることもよくあるんだ。
異邦の劇作家 : 理想のために皇帝にも逆らうほどの気骨の持ち主……なんて、
皆は評しているようだが、ジェノミスはただの作家馬鹿さ。
妥協する自分を許せないだけなんだよ。
異邦の劇作家 : ジェノミスが魔導院時代に仲間と共に結成した劇団だ。
以来、興行した舞台は大成功し、
押しも押されもせぬ人気の劇団へと成長を遂げたんだ。
異邦の劇作家 : シリアスな古典劇や笑い満載のコメディ、
歌と踊りが刺激的なミュージカルと、その演目は多彩だ。
異邦の劇作家 : 「ゾディアックブレイブストーリー」を興行していた頃は、
100人を超える役者や裏方がこの劇場艇で暮らしていたんだがな。
今じゃこの有様さ。
ゾディアックブレイブの伝説について
異邦の劇作家 : ガレアン族の間では子どもでも知っているおとぎ話のような伝説さ。
世界なのか国なのかわからないが、
かつてイヴァリースと呼ばれた処がどこかにあった。
異邦の劇作家 : 恐ろしい悪魔や魔物、災いが起こると、
12人の光の勇者が現れイヴァリースに平和をもたらすという。
その12人の光の勇者を人々はゾディアックブレイブと呼んだ。
異邦の劇作家 : ゾディアックブレイブはその時代ごとに登場するんだが、
占星術師メレンカンプ、聖人アジョラ、暗殺者アシュレイ、
私が知る限り8組はいるが、一番人気は平民王ディリータだ。
異邦の劇作家 : アトカーシャ王朝の時代、世継ぎを失ったことにより、
黒獅子公と白獅子公の二手に分かれて後継者戦争が勃発した。
そのとき、彗星のごとく現れたのがディリータという名の若者だ。
異邦の劇作家 : 戦渦によってイヴァリースが焦土と化す中、
ディリータは11人の仲間と共に平和を取り戻すために奔走する。
新生ゾディアックブレイブと呼ばれた彼らは見事、実現するんだ。
異邦の劇作家 : この英雄譚の歴史性について学者たちが長年にわたり調査、
議論を続けているが、未だに確固たる物的証拠がない。
そのため「史実」としては扱われていないのが現状だ。
異邦の劇作家 : イヴァリースがどこにあったのかも不明だし、
物語にバリエーションが多すぎて、
どれが本当でどれが虚構なのか判断することは不可能だ。
異邦の劇作家 : もっとも新しい時代のディリータ王の英雄譚ですら諸説ある。
オヴェリア王女と結婚し国を引き継ぐというのが定番だが、
即位の前にディリータは暗殺されたという物語もあるぐらいだ。
異邦の劇作家 : まぁ、吟遊詩人が口訣で伝える過程で、
民衆が喜ぶようにとどんどん脚色されていった結果、
こうなってしまったんだろうね。
異邦の劇作家 : いずれにしても真相は藪の中。
神のみぞ知るってね。
ミュージカル「ゾディアックブレイブストーリー」について
異邦の劇作家 : ゾディアックブレイブの伝説をモチーフとした戯曲は、
たくさんあるんだが、ミュージカル仕立ての今作は、
最高傑作と高い評判を獲ることができた。
異邦の劇作家 : 何気にジェノミスはこの伝説を戯曲化することが初めてでね、
以前からいつか戯曲化したいとは聞いていたんだが、
まさかミュージカル仕立てにするとは思ってなかったよ。
異邦の劇作家 : 作詞は当然だが作曲もジェノミスが手がけていてね、
まさに天才とは彼のような男をいうのだろう。
異邦の劇作家 : 全編5幕からなる戯曲で、前半3幕は教会の命令で、
暗躍するディリータが、オヴェリアとの出会いにより改心し、
彼女を真の女王にしようと誓うところまで描かれた。
異邦の劇作家 : 後半2幕は獅子戦争が終結へと向かう中、
その戦功を武器に、遂にオヴェリアとの婚姻を手に入れる。
だが、その恋は悲劇で終わるというラストだな。
異邦の劇作家 : 周りに嘘をつくことで己が目的を隠すディリータが、
その真意を神に打ち明ける一方、オヴェリアはその嘘に翻弄され、
決別を神に誓うというアンサンブルが実に最高だったねぇ。
異邦の劇作家 : 東州オサード小大陸ヤンサの南西には広大な砂漠地帯がある。
現在、ダルマスカ砂漠と呼ばれるその地域一帯を、
支配していたのがダルマスカ王国だ。
異邦の劇作家 : 30年前にガレマール帝国によって断絶されたバナルガン王朝は、
約千年もの間、独立を保っていたというが、
その王都ラバナスタは遙か昔から存在した都だといわれている。
異邦の劇作家 : 「砂漠の蒼い宝石」と謳われたラバナスタも、
帝国との戦争によって破壊され、今はただの廃墟だそうだ。
なんとも嘆かわしい話だな。
異邦の劇作家 : 最近もドマ、アラミゴの反乱に乗じて蜂起しようという動きが、
ダルマスカ近辺でも見受けられたようだが、
帝国軍はその情報を事前に把握、悉く粛正したとか。
異邦の劇作家 : 実は子どもの頃、行商を営んでいた父に連れられて一度だけ、
ラバナスタを訪れたことがあるんだ。
その美しさは今でも脳裏に焼き付いているよ。
異邦の劇作家について
異邦の劇作家 : 私かい? 私は「マジェスティック」の一員ではないんだがね、
同業者のひとりとしてジェノミスに懇意にしてもらっている者だ。
彼よりも遥かに遅筆なのが玉に瑕でね。
異邦の劇作家 : 現体制にはいささか考えるところがあってね。
帝国を離れるというので便乗させてもらったというわけさ。
この機会に諸国を見て歩くのも良いだろうと思ってね。
異邦の劇作家 : いつかこの放浪を記録し出版でもするつもりさ。
もっとも最近は執筆業より料理を作る方が多いかな。
ただの居候というのも性に合わないのでね。
異邦の詩人について
異邦の劇作家 : クガネで出会った吟遊詩人のことかな?
なんとも変わった雰囲気の人物だったな。
詩人というより興行主というか……。
異邦の劇作家 : 吟遊詩人は口伝で伝えられた物語を唄にして披露してくれるんだが、
彼の場合は彼自身が冒険者に試練を与え、
それに打ち勝った冒険者の魂をエッセンスとして取り入れる……。
異邦の劇作家 : そう、まるで世界の創造主的たる独特のオーラを放つ人物だ。
いや、特に根拠はないんだよ、私がそんな風に感じるだけで。
「創造」に関わる者として学ぶべき点が多々あるねぇ。
異邦の劇作家 : ガレマール帝国がダルマスカ王国に進攻し、
属州としたのは30年前だ。
ドマ占領の5年前、アラミゴ制圧の10年前だね。
異邦の劇作家 : 侵攻作戦を指揮したのは、「漆黒の稲妻」と異名を取った、
ノア・ヴァン・ガブラス軍団長が率いる第IV軍団だ。
ダルマスカ王国と約半年にわたり激闘を繰り広げたらしい。
異邦の劇作家 : 王都ラバナスタを守る最後の砦・ナルビナ城塞では、
ダルマスカ軍に約7万人もの戦死者を出したといわれる、
それは悲惨な攻城戦だったようだ。
異邦の劇作家 : ナルビナ城塞でダルマスカ王の子息であるラスラ王子と、
その双子の妹であるアーシェ王女が戦死したことで、
ダルマスカ王は降伏を受け入れたとされている。
異邦の劇作家 : 降伏後、しばらくしてダルマスカ王は病死。
ダルマスカ王の死亡は自殺とも暗殺とも言われてるが、
千年の歴史を誇るバナルガン王朝が断絶したのは間違いない。
異邦の劇作家 : アラミゴやドマもそうだが、属州では度々反乱が発生する。
ダルマスカ属州でも同様で、これまでの20年間、
幾度となく反乱が発生してきた。
異邦の劇作家 : 反乱が発生する度に熾烈な粛清が行われるが、
中でも数年前に起きた「バルハイムの反乱」では、
帝国軍も含めて多くの戦死者を出したことで有名だ。
異邦の劇作家 : 第XIV軍団が援護することになり、苛烈な反逆者狩りをして、
その名を轟かせたのが「ダルマスカの魔女」こと、
リウィア・サス・ユニウスというわけだ。
異邦の劇作家 : きみがアラミゴとドマを解放したことで、ダルマスカでも、
再び反乱が発生したが、これも失敗に終わっている。
ラバナスタが戦禍に呑まれたのはその目で確認したはずだ。
異邦の劇作家 : ただ、今でも反乱軍を指揮する者たちは大勢いるようで、
地下に潜り、その好機を虎視眈々と狙っているらしいね。
異邦の劇作家 : ちなみに、その反乱軍を率いているのは王女アーシェを名乗る、
十代後半の少女だという。
アーシェ本人はナルビナ城塞で戦死したのは確かなので偽者かな?
ベーコンエピについて
異邦の劇作家 : いや、そこまでベーコンエピが好き……というわけじゃないんだ。
ただ、ベーコンを自作してみたら思いのほか美味くてね。
で、色々なベーコン料理を作り、行き着いたのがベーコンエピと。
異邦の劇作家 : いやいや、本当に、そこまで好きというわけじゃないんだ。
もちろん嫌いなわけでもないが、お約束のネタって感じかな……。
きみだって本当はお使いが好きなわけじゃないだろ……?
異邦の劇作家 : ダルマスカ固有の種族だね。
白い肌を持つヴィナ・ヴィエラと、
黒い肌のラヴァ・ヴィエラに大別することができる。
異邦の劇作家 : ヴィエラとはダルマスカ語で「森の民」を意味しており、
ヴィナ・ヴィエラはスカテイ山脈南側の山腹周辺の森林に、
ラヴァ・ヴィエラはゴルモア大密林で暮らしているようだ。
異邦の劇作家 : 無論、今は……いや、帝国占領前の王国時代と言うべきか、
多くのヴィエラは森を離れて都市部で暮らすようになったが、
それでも未だに一族の伝統と規律を守り抜く者たちもいる。
異邦の劇作家 : ヴィエラは氏族ごとに集落を営んでいる。
「外界との接触を絶つ」「森の護人として生きる」という教えを、
極めて厳格に守って生活しているそうだ。
異邦の劇作家 : 興味深いのはこの氏族というのが、母系の血縁集団という点だ。
どちらの森もそうなんだが、集落はほぼ女性しかいない。
むしろ男性ヴィエラを見かけることはないと言ってもいい。
異邦の劇作家 : これにはもちろん理由がある。
男性ヴィエラは成人になると集落の外へ出て、
独りで生きていくのが習わしだ。
異邦の劇作家 : 集落へ戻るのは3~5年に一度の生殖行為のためと、
新たに誕生した男児を引き取るためである。
この男児の引き取りについてはあとで説明しよう。
異邦の劇作家 : 集落を出た男性ヴィエラは森に害をなす魔物、あるいは人間を、
徹底的に排除するためだけに生きているといえる。
いわば森の守護者というわけだ。
異邦の劇作家 : もちろん集落の女性も狩人としての戦闘能力は高い。
だが、その腕は集落を護るためと生活のために使われるが、
男性は森を護り、影から集落を護るという点で大きく異なる。
異邦の劇作家 : 故に、男性ヴィエラの人生は死ぬまでサバイバルだ。
食事の調達はもとより、武器や防具、薬品まで独りで作る。
その能力なしでは「種の保存」の意味なしとして捨てられる。
異邦の劇作家 : この伝統はヴィエラが都市部で暮らすようになっても変わらない。
私もかつてラバナスタへ赴いたことがあるが、
男性ヴィエラの姿を見つけることはできなかったねぇ。
異邦の劇作家 : ヴィエラは長命だ、少なくとも我々ヒューランの3倍は生きる。
ヒューランが50~80歳程度だとすると、
ヴィエラは200~250歳という長さだ……うらやましいねぇ。
異邦の劇作家 : で、面白いのがその性別、つまり男女の区別は、
思春期を迎える13~15歳程度になって初めて判明する。
第二次成長期に初めて性別がはっきりするというわけだ。
異邦の劇作家 : 性別がはっきりするとそれは成体、すなわち「大人」だ。
彼らは長命なので、180~200歳ぐらいまではその姿だ。
総じてヴィエラは若く見られがちというわけだ……うらやましい。
異邦の劇作家 : なお、この性別の割合だが、圧倒的に女性が多い。
話によると7~8割は女性だそうだ。
男性を見かけない理由はここにもあるといえるかもね。
異邦の劇作家 : さて、男女の性別が判明し、それが男児だった場合、
集落外で暮らしている男性が訪れ、その男児を引き取るんだよ。
そして、そのまま集落から連れ去ってしまうらしい。
異邦の劇作家 : その男性は氏族の一員ではあるが、親子関係があるとは限らない。
仮にあったとしても親子という関係性は皆無で、
あくまでもマスターと弟子という「主従の関係」である。
異邦の劇作家 : マスターは男児に単独で生き抜くサバイバル術を教示すると共に、
護人としての役割と規律を習得させる……その教えを身につけ、
一人前と認められた時、新たなマスターの誕生というわけだ。
異邦の劇作家 : もちろんその過程で死ぬことも多く、
ヴィエラ男性の生存数は極めて少ないと考えられている。
なんとも過酷な人生だねぇ……。
異邦の劇作家 : 先ほども説明したが、
男性ヴィエラの役割は、密林の安全を脅かす外敵の排除が第一、
そして氏族の集落を影から護るのが第二の役割だ。
異邦の劇作家 : 一方、女性ヴィエラは密林の生態系を壊さぬよう狩猟を行うが、
不要な害敵の排除は当然として、森の正常な育成のために、
植樹や草刈、枝打ち、間伐といった作業も担っているようだ。
異邦の劇作家 : この独特な生態によって、森で暮らす限り、
かつてのダルマスカ王はその法の支配から除外されるとして、
王家に刃向かわない限り、自治権を与えていたそうだ。
異邦の劇作家 : 余談だが、一度だけ女性ヴィエラに聞いたことがある、
そういった伝統が不自然ではないのかと。
男女が共に暮らす方が自然なのではないかと。
異邦の劇作家 : 彼女はこう答えた……
「共に支え合う尊さはどの種も同じだろう、
だが、それが男女でなければならないわけではない」
異邦の劇作家 : 「言い方を変えるなら、我々ヴィエラは、
種の保存という観点において常に一緒に居る、
離れていてもその魂は常に一緒なのだ」……と。
異邦の劇作家 : フランさんから聞いたんだが、
別途、願い出ていた旧ダルマスカ王国の難民受け入れの件、
エオルゼア同盟と東方連合より承諾の返答があったらしい。
異邦の劇作家 : ダルマスカにはレジスタンスに参加する者だけでなく、
子供や老いた者、怪我人など戦闘に不向きな者が大勢いるからね。
軍事支援は無理でもせめて難民だけでも保護してもらえないかと、
異邦の劇作家 : 両陣営に対してフランさんが打診しており、
幸い両陣営はこれを快諾したというわけだ。
異邦の劇作家 : 全難民の移動は困難を極めることだろう。
だが、わずかでも戦渦を逃れられる者がいるのであれば、
いずれダルマスカ王国の復興も成るというものだ。
異邦の劇作家 : 一刻も早くダルマスカ属州が第IV軍団の支配を逃れ、
彼らのもとへ戻ることを切に願うよ。
……おっと、うかつに「切なる願い」と口にしちゃイカンな。
異邦の劇作家 : グンヒルドの剣の複刻をしたんだって?
いやぁ、さすが解放者くんだねぇ、お見事お見事!
これでボズヤ・レジスタンスも一枚岩になりそうだ!
異邦の劇作家 : グンヒルドの剣といえばボズヤに語り継がれる伝説の秘宝。
詳しく私にも聞かせて欲しいねぇ。
今後の戯曲執筆の参考にさせてもらうよ。
異邦の劇作家 : おっと……そういえば、女王グンヒルドのみに帯剣が許された、
女王の証とでもいうべき聖なる剣もあるそうだねぇ。
名前はたしか……「セイブ・ザ・クイーン」だったかな。
異邦の劇作家 : それしか知らないからね、ボズヤの皆さんから伝承を集めてみるよ。
情報が揃ったら、もちろんキミにもフィードバックするさ。
期待して待っていてくれたまえ!
異邦の劇作家 : 代々の女王グンヒルドのみが帯剣を許された聖剣のことだ。
その聖剣には神の御力が封じられていると信じられており、
女王の証として古代ボズヤで祀られていたそうだ。
異邦の劇作家 : ここからはにわかに信じがたい話なんだが、聞いてくれるかな。
ボズヤで暮らす者たちにはあまりに有名なおとぎ話なんだけどね。
……うん、どこかで似たような話があったような?
異邦の劇作家 : 第三星暦の終わり、この地が第四霊災に襲われた時のことだ。
アラグ帝国を滅ぼしたその未曽有の大地震……
その「滅び」は古代ボスヤも飲み込もうとしていた。
異邦の劇作家 : すでに森林は火災で焼け、天地を赤く染めていた。
多くの古代ボズヤ人は亡くなっており、
わずかに生き延びた者たちがボズヤ城に逃げ込んでいた。
異邦の劇作家 : 女王グンヒルドは皆に告げた……今こそ聖剣の御力を使う時と。
その言葉を聞いた民は泣き伏し、女王にすがった。
それは女王が自らの命を供物として捧げることを意味している。
異邦の劇作家 : 女王は自らの心臓に聖剣を突き刺し絶命する。
だが、すぐに聖剣の御力が発動し、
守護神セイブ・ザ・クイーンとして復活したという。
異邦の劇作家 : 守護神セイブ・ザ・クイーンは最初で最後の魔力を解き放つ。
それはボズヤ城を、いやそのわずか一部だったかもしれない、
とにかく城に逃げ込んだボズヤの民を強力な障壁で護った。
異邦の劇作家 : 人々が意識を取り戻すとそこは荒れ果てた祖国……
かつての面影がすっかりなくなった不毛の大地だった。
だが、第四霊災は終わっており、すでに静寂を取り戻していた。
異邦の劇作家 : わずかだが、大地には緑が戻りつつあり、
そこには彼らと同じように生き延びた鳥や動物、虫たちがいた。
清らかな雨は川を作り、そこには肥えた魚を育んでいた。
異邦の劇作家 : 目の前には今にも崩れそうな、だが、人々をしっかり護った、
かつてのボズヤ城がそびえ立っていたという。
人々は悟った……女王が最後の役目を果たしたことを……。
異邦の劇作家 : こうしてボズヤは第四星暦を迎えた。
女王グンヒルドも聖剣セイブ・ザ・クイーンも失われたが、
その血を受け継いだボズヤ人は生き残ったのだ。
異邦の劇作家 : いやぁ、浪漫だねぇ~。
いいねぇ、刺激を受けるよ~。
これだけで一本芝居を書けそうだよ~。
ベイグラント?
- リドルアナ後のサブクエスト(ベーコンエピクエ)において、ベイグラントストーリーを思わせる地名が登場する。
シャマニ・ローマニ : 見てください。
ワインは一滴も残っていませんが、
幸いなことにコルク栓がされたままとなっています。
シャマニ・ローマニ : 飲み干した後にわざわざコルク栓を戻したのか、
それとも、少し残ったワインを保管するために栓をしたものの、
蒸発してしまったのか……ただそのおかげで……。
シャマニ・ローマニ : おお……おお……この香り……
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
シャマニ・ローマニ : 間違いない、これはダルマスカワイン名産地として名高い、
レアモンデの高級赤ワイン「ウァーレンス」!!
かつて一度だけ味わったことがあります!
シャマニ・ローマニ : この香りを嗅いでみてください。
わずかなカカオとシナモン、そして……ローズマリー、
なんと芳醇な……万華鏡のような艶やかさを感じる……。
シャマニ・ローマニ : これはダルマスカワイン名産地として名高い、
レアモンデの高級赤ワイン「ウァレーンス」!!
盲目の私でもこのワインのラベルが見えます!!
ゲゲルジュ : どれどれ……
わずかな…………と……………そして……
なんと芳醇な……贅沢な……すご~い香りがするぞ!
ゲゲルジュ : 間違いない!
これこそ30年前に失われたとされる幻のダルマスカワイン!!
- ※「レアモンデ」とは、ベイグラントストーリーに登場する地名で、魔導師メレンカンプが建てたとされる架空の都市の名前。赤ワイン「ウァーレンス(Valens)」も同作に登場する。