ヒュトロダエウス(Hythlodaeus)
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概要
- 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
- パッチ5.0まで進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。
- 「十四人委員会」に会うために「カピトル議事堂」へ向かおうとした光の戦士は、そこに入るための許可証を発行してもらうために「人民管理局」を訪れる。順番待ちをする光の戦士の横に突然ヒュトロダエウスが現れ、とても重要な話を始める。
???? : ……隣、いいかな。 ???? : キミは、外の時間を生きている子だね。 さては、エメトセルクを追ってきたのかな? ???? : おっと、警戒は不要だよ。 ワタシはただの影、ここに在って無いものだ。
- 自ら「ヒュトロダエウス」と名乗り、アシエン・エメトセルクの知り合いであるような話をする。
ヒュトロダエウス : 名を、ヒュトロダエウスという……そう認識している。 ここが、ある時間を写し取っただけの幻影都市だともね。 ヒュトロダエウス : ほかの影たちは、それに気づいていないみたいだけれど…… 大方、エメトセルクがワタシを再現するときに、 雑念でも混じったのではないかな。 ヒュトロダエウス : 「ヒュトロダエウスだったら、真実を見抜くだろう」とかね。 ワタシたちは、これでも良い友人同士だったから……。 ヒュトロダエウス : とはいえ、結局のところはほかと同じ、 思い出のアーモロートを彩るだけの、にぎやかしにすぎないよ。 ふいに湧いた泡のように、不確かで脆いものさ。
- 幻影都市「アーモロート」の状態と、「その後」について語りだす。
ヒュトロダエウス : ……ここまで来ているキミなら、知っているかな。 ワタシたちは、「今日」のあと、大きな災厄に見舞われるんだ。 ヒュトロダエウス : 最初、局地的にはじまったその災厄は、 やがて星全体におよび、正真正銘の終末と化した。 ヒュトロダエウス : 十四人委員会……まあそのときには十三人になってたんだけど、 ともかく彼らは、「星の意志」を創ることで綻びた理を直し、 災厄を鎮めようとしたんだ。 ヒュトロダエウス : けれど、それほどの創造には、とても大きな力がいる……。 ヒュトロダエウス : だから、生き残った人類のうち、 約半数が自分の命を力として差し出した。 ヒュトロダエウス : そうして生み出されたゾディアークによって、 望みどおり、災厄は退けられたよ。
ヒュトロダエウス : ……でも、この星からはすでに多くの種が失われ、 大地は死に、水は濁り、風さえも淀んでいた。 ヒュトロダエウス : そこで、さらにまた半数がゾディアークに命を捧げ…… 星を清め、木々や小さな命たちを芽吹かせたのさ。 ヒュトロダエウス : そうして、再び命が巡りだしたとき…… 人類は、いかにしてこの星を護り続けるかを再考した。 ヒュトロダエウス : 十四人委員会の出した結論は、こうだ。 世界を育み、それが再び十分に満ち足りたときに、 いくらかの生命をゾディアークに捧げる……。 ヒュトロダエウス : それによって、 ゾディアークの中に力として取り込まれた同胞たちを、 地上に復活させ……皆でまた、世界を管理する。
- こうした動きに反対する人が現れたのだとする。
ヒュトロダエウス : ……だが、それを良しとしない人々がいた。 彼らは、ゾディアークに命を捧げるのをやめ、 新しい世界を、生まれ来る命たちに任せるべきだと言うんだ。 ヒュトロダエウス : そして自分たちの命から、対のもの、ハイデリンを創り出した。 人類ははじめて2つに分かれて戦い……結果は知っているかな? ヒュトロダエウス : ……そっか。
- そして、今もなおその時の使命感に突き動かされているエメトセルクたちを気遣う。
ヒュトロダエウス : エメトセルクたちは、 まだゾディアークの名のもとに動いているようだね。 ヒュトロダエウス : 当初の計画よりも、だいぶ回り道になっているけれど…… きっとまだ、諦めていないんだ。 あれに何かしらの命を捧げ、同胞を取り戻すことを。 ヒュトロダエウス : というか……根が真面目な彼のことだ、 厭だ厭だと言いながら、背負ったものを、 誰にも託せなくなっているんだろう。 ヒュトロダエウス : ……残酷な役回りだよ、本当にね。
- 最後に、光の戦士の「魂」について語った後、消えてしまう。
ヒュトロダエウス : ……ああそうだ、最後にもうひとつだけ。 キミのそばには……多分もうひとり、いるだろう? ヒュトロダエウス : いや、姿形は見えていないんだけれどね。 うっすらと……本当に薄くだけど、もうひとつの魂が視える。 これを捉えられるのは、ワタシくらいのものかもしれない。 ヒュトロダエウス : それで……キミだけは、 その子に干渉できたりするんじゃないかい? ヒュトロダエウス : フフ……それは偶然じゃないよ。 キミとその子の魂は、同じ色をしている。 ワタシたちの時代において、ひとつだったのさ。 ヒュトロダエウス : そんな不思議な色の魂は…… うん、いくつに分かたれていても、間違えようがない。 ヒュトロダエウス : まったく、実に「あの人」らしい運命だ。 エメトセルクも、(彼・彼女)には思い入れがあるだろうから、 キミがそうだと、気づいているかもしれないね。 ヒュトロダエウス : では、良い結末を。 懐かしく、新しいキミ…………
- ※ヒュトロダエウスがアゼムを指して話す三人称代名詞は、プレイヤーキャラクターの性別により異なる。
- 光の戦士の「魂」については、「アシエン・エメトセルク#「あの人」とは?」を参照のこと
創造物管理局局長
- かつて、在りし日のアーモロートにおいては、創造物管理局局長であったという。
言葉とともに仮面の奥からうっすら睨むが、創造物管理局局長ことヒュトロダエウスは、 気にする様子もなく朗らかな笑みを浮かべ続けていた。 (漆黒秘話)
- エメトセルクがいうには、ヒュトロダエウスが「十四人委員会」入りを断ったためエメトセルクにお鉢が回ってきたのだという。
「やあやあ、十四人委員会への就任おめでとうハーデス。 ああ、もうエメトセルクって呼んだ方がいいかな?」 「……おめでとうもなにも、必要性があったから収まっただけだ。 というか、お前が委員会入りを断ったからこうなったんだぞ、ヒュトロダエウス」 「いやぁ、それこそ適材適所というものだよ。 視えるものをちゃんと活用できるキミと違って、ワタシは視て愉しむだけだからね」 (漆黒秘話)
- 「漆黒秘話」参照
光の戦士=ヒュトロダエウス?
- プレイヤーの間では、「光の戦士=ヒュトロダエウス」ではないか?という指摘がなされていたが、2019年8月23日に行われたgamescom2019で行われたQ&Aセッションにおいて、明確に否定された。
吉田:1個だけ補足しておきたくて、意外と光の戦士=ヒュトロダエウスだったんじゃないかという予想をネットで見るんですけど、そうではない。それはないです。それだけは伝えておきます。
「あの人」
- 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
- パッチ5.3まで進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。
- パッチ5.0メインクエスト、アーモロートで出会うヒュトロダエウスが語る「あの人」。
ヒュトロダエウス : ……ああそうだ、最後にもうひとつだけ。 キミのそばには……多分もうひとり、いるだろう? ヒュトロダエウス : いや、姿形は見えていないんだけれどね。 うっすらと……本当に薄くだけど、もうひとつの魂が視える。 これを捉えられるのは、ワタシくらいのものかもしれない。 ヒュトロダエウス : それで……キミだけは、 その子に干渉できたりするんじゃないかい? ヒュトロダエウス : フフ……それは偶然じゃないよ。 キミとその子の魂は、同じ色をしている。 ワタシたちの時代において、ひとつだったのさ。 ヒュトロダエウス : そんな不思議な色の魂は…… うん、いくつに分かたれていても、間違えようがない。 ヒュトロダエウス : まったく、実に「あの人」らしい運命だ。 エメトセルクも、(彼・彼女)には思い入れがあるだろうから、 キミがそうだと、気づいているかもしれないね。
- パッチ5.3メインクエスト「黄道航行」で再び登場するヒュトロダエウス。
ヒュトロダエウス : ……前にも話したかもしれないけれど、 ゾディアーク召喚直前に、十四人委員会を抜けた人がいたんだ。 ヒュトロダエウス : その人の……第十四の座は、以来ずっと空席のまま。 離反した者のことを思い出す必要はないから、 記憶のクリスタルも存在していなかった。 ヒュトロダエウス : ……はずなんだけど。 「誰かさん」が、ここにこうして、 ひっそり封じ込めていたのさ。 ヒュトロダエウス : 忘れられた、その座の名前と…… たったひとつ、されどひとつで就いていた人物を物語れる、 あの人自身が生み出した術を。 ヒュトロダエウス : そもそも第十四の座というのは、変わった役目を持っていてね。 世界の今を知り、解決すべき問題があれば、 拾い集めるのが仕事だったんだ。 ヒュトロダエウス : ゆえに(彼・彼女)は旅をして、実に多くの人と出会った……。 ヒュトロダエウス : そんな中で、いざ問題を見つけたときに、 委員会に持ち帰って……くれてもよかったんだけどねぇ。 ヒュトロダエウス : フフ……解決できる仲間を喚び寄せて、 自分たちで突撃しちゃうんだ、これが……。 ヒュトロダエウス : そこに込められているのは、 そんな「しかるべき星を喚び寄せる」術。 ヒュトロダエウス : キミが大きな困難を前にして強く願ったならば、 きっと応えてくれるだろう。 ヒュトロダエウス : ……じゃあ、確かに「返した」からね。 ヒュトロダエウス : ああ、お礼はいらないよ。 荷物になるって苦情も、受け付けられないしね。 ヒュトロダエウス : だって……これがワタシの意思なのか、 ワタシを再現した「誰かさん」が仕組んでおいた遺志なのか、 さっぱりわからないんだから!
- ウリエンジェはその名について次のように語っている。
ウリエンジェ : あなたのお話によれば、 十四人委員会の第十四の座は「アゼム」という名だとか……。 その響きに覚えがあり、少々、考えを巡らせておりました。 ウリエンジェ : エオルゼアにおける日神「アーゼマ」や、 アウラ・ゼラの神話に登場する太陽神「アジム」…… 各地で信仰される陽の象徴は、似た響きの名を有しています。 ウリエンジェ : それらはもしや、第十四の座の名を源流としているのでは……? これもまた確かめようのない憶測なれど、 遥かなる過去に、想いを馳せずにはいられません。
- 「アゼム」
暁月のフィナーレ
- 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
- パッチ6.0まで進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。
嘆きの海にて
- 月にゾディアークを封印している「剣」が破壊されたことで、”贄となった者の魂の思念が”浮かび上がっており、その中にヒュトロダエウスの魂の思念もいる。※本人も話しているが、アーモロートで出会った幻影とは別のオリジナルの魂。
懐かしい雰囲気の幻影 : ……ああ、やっぱりアゼムの色だ。 懐かしい雰囲気の幻影 : その魂を持つ、けれどもアゼムではないキミがここにいる。 いることを認められている。 懐かしい雰囲気の幻影 : うん、そっか……エメトセルクは託せたんだね。 懐かしい雰囲気の幻影 : おや、どうしたんだい? ワタシ、驚かれるようなことをしたかな。 ヒュトロダエウス : いかにも、ヒュトロダエウスだけど…… どうしてキミが知ってるの? ヒュトロダエウス : エメトセルクがワタシの幻影を創った…… それも、アーモロートごと……。 ヒュトロダエウス : フフ……エメトセルクがねぇ……フフフ……。 ヒュトロダエウス : でも本当に、ずいぶん時が経ったんだね。 彼が、失くすことを、そんな風に悼むようになるなんて。 ヒュトロダエウス : 残念ながら、ワタシはキミが出会った幻影とは別物だよ。 別物というか……本物(オリジナル)というか……。 ヒュトロダエウス : ゾディアークを成す、贄となった魂のひとつなのさ。 ヒュトロダエウス : 「ワタシたち」は、 ハイデリンに封印されるまでのことは、 しっかり把握できているんだ。 ヒュトロダエウス : だから、自分たちを復活させる計画があったのは知ってるし、 ハイデリンによってそれが阻止され、 世界とゾディアークが分かたれたことも理解してる。 ヒュトロダエウス : そのあとのことは、夢うつつだったんだけど…… うん、おかげではっきりした。 ヒュトロダエウス : キミたちが、ゾディアークやあの星を、 どこに導いていくのかはわからない。 ヒュトロダエウス : ……でも、ワタシは信じるよ。 エメトセルクと出会って、そしてここにいるキミを。 ヒュトロダエウス : だからキミも……キミを信じて、進むといい。
ヒュトロダエウス : では、良い結末を。 懐かしく、新しいキミ…………
- ここでヒュトロダエウスの語る内容によれば次のような順序となる。
- 暁月におけるエルピスでのできごと ※ただしカイロスによりエメトセルクとヒュトロダエウスの記憶は失われている
- 最初の終末 ※1万2千年前
- ゾディアークに命を捧げる ※生き残りの半分
- 淀んでいたので再度命を捧げる ※さらに半分。つまり残った古代人は生き残りの1/4
- 世界を育み命が満ち足りた時に再びゾディアークに捧げることで同胞たちを復活させる計画を建てる
- ハイデリンによるその計画の阻止と世界分断 ※ゾディアークに捧げられたヒュトロダエウスの魂はここまでは認識している
- (分断後いつごろかに)エメトセルクが第一世界に幻影都市アーモロート再現 ※ゾディアークに捧げられたヒュトロダエウスの魂はこのことを知らない
- 漆黒における第一世界でのできごと
- 暁月における嘆きの海でのできごと
- 暁月におけるタウマゼインでのできごと
- 暁月におけるウルティマ・トゥーレでのできごと
ゾディアーク復活
- アシエン・ファダニエルがゾディアークを無理やり復活させると、ゾディアークに捧げられた古代人たちの魂も死を迎える。
私は 世界を救うもの──
星を巡らせ 理を紡ぎ治すもの──
命を対価に より多くの命をもたらすもの──
私は──ファダニエル : 世界を救う? いいえ、あなたたちは今から世界の敵になる。 何もかもを終わらせるために!
終わりは嫌だ──
私たちは帰る 在るべき場所へ──
再び星の意志となるのだ──
それこそが最善の選択
星をより良くするために──ファダニエル : いいえ! いいえ! いいえ! 何もかも否ですよッ!! ファダニエル : あなたたちは、もう死んでいるんです。 亡霊らしく、お眠りなさい!
お願い どうか 私たちに──
星を──壊させないでくれ──懐かしい雰囲気の青年 : そう、信じて前に進むんだ。 その魂は、それでこそ輝くというものさ。 懐かしい雰囲気の青年 : キミが望んでくれた結末とは、違うのだろうけど…… これはこれで、ワタシたちに似合っているんじゃないかな。 懐かしい雰囲気の青年 : キミも少し、そう思ったんじゃない? ねえ、ハーデス……。
- ここでヒュトロダエウスの魂は死を迎える。※この後に続くエルピスでの話は1万2千年前のこと
- タウマゼインでグ・ラハ・ティアがヒュトロダエウスを含む古代人の魂の行方について語っている。
グ・ラハ・ティア : 死した者の魂は星海に還る…… けど、無となった彼らは来ていないんだ……ってさ。 グ・ラハ・ティア : 一方で、ファダニエルや、 彼が乗っ取ったゾディアークを構成していた古代人たちの魂は、 星海に流れ着いていてもおかしくないはず……。 グ・ラハ・ティア : その善し悪しを論じたいわけじゃなくてさ、 本当にただなんとなく……ああそうなんだって…… 事実を反芻してたんだよ。
エルピスにて
- 「エルピスの花」のヒントを求めてエルピスを訪れた光の戦士は、その入口プロピュライオンでヒュトロダエウスやエメトセルクと出会う。
懐かしい雰囲気の青年 : ねえキミ……それ、視えてるでしょ? 聞き覚えのある声の青年 : ……視えてない。 私には何も、視えてない。 懐かしい雰囲気の青年 : えー、そんなわけないでしょ。 懐かしい雰囲気の青年 : ほら! 薄くてちょっとわかりにくいけど、 魂の色がアゼムとすごくよく似てる。 懐かしい雰囲気の青年 : もしかして、彼女が創ったものかな? 使い魔だとしたら、魂持ちなんて珍しいね。 聞き覚えのある声の青年 : ……知るか。 あいつ関連なら厄介だ。 似て異なるものなら、さらに厄介だ。 聞き覚えのある声の青年 : 結論、関わらないにかぎる。
- ヒュトロダエウスは光の戦士のことを、魂持ちでアゼムの魂の色に似ているが使い魔であると思っている。一方エメトセルクはアゼム関連なら関わるとめんどくさくなるため無視している。しかしヒュトロダエウスの頼みを受け、存在を補強し会話がしやすいように大きさまで調整してくれる。
ヒュトロダエウス : ということで……はじめまして! ヒュトロダエウス : 隣にいるのがエメトセルク。 正真正銘、十四人委員会の一員だよ。 ワタシはヒュトロダエウス、創造物管理局の局長さ。 ヒュトロダエウス : キミの名前は? 言葉、わかるかな……? ヒュトロダエウス : それで、キミはどこからきたの? あれだけ不安定だったんだ、 ここで創造されたものではなさそうだけど……。
ヒュトロダエウス : 失礼したね。 ワタシたちは魂の色が視えるんだけど、 キミのそれが、友人の色によく似ていてさ。
- ヒュトロダエウスは、エルピスを訪れたいというエメトセルクに付き合ってエルピスを訪れたのだという。エメトセルクの目的は、現在のファダニエルの推挙を受け、「抜き打ち」でヘルメスが次代ファダニエルにふさわしいかどうかを見極めること。
ヒュトロダエウス : ワタシたちは、ここの所長であるヘルメスと話をしにきた。 加えて、彼の働きぶりを知るためエルピスを見学したいんだ。 ヒュトロダエウス : ……厳密には、それはエメトセルクの目的で、 ワタシはただの案内役なんだけど。 仕事上、ここには何度か来たことがあるからね。
- 勝手がわからない光の戦士に対して細々と世話を焼き、アゼムの使い魔ということにしてしまう。
- なおヘルメスとは顔見知りだが、普段の仕事では直接のやりとりはなく久しぶりに会うのだという。
ヘルメス : ヒュトロダエウスか。 会うのは、久しぶりだ……。 ヒュトロダエウス : そうだねぇ、職場同士は、しょっちゅう連絡しあってるけど。 今日はキミに会いたいって人たちを連れてきたんだ。
- このようにヒュトロダエウスはエメトセルクの案内を兼ねて付添いでエルピスに来ただけのため、主にエメトセルクが会話を進めヒュトロダエウスは説明や間を取り持つ動きをしている。
- 十四人委員会への推挙の返答を保留しリュカオンの扱いやに悩むヘルメスに対して、エメトセルクは職員にヒアリングをするなどヘルメスの人物を見 極めたいと言い出し、ヒュトロダエウスもそれに付き合って施設内を案内し、第二区画「ゼピュロスの喝采」へと到着し、そこでヴェーネスと出会う。
見覚えのある女性 : あら? あなたたち……! ヒュトロダエウス : ヴェーネス様! まさかこんなところで会えるなんて! エメトセルク : ……この前、過去に十四人委員会に属した者は、 ほとんどが退任とともに星に還っていると言っただろう。 エメトセルク : 彼女はその「ほとんど」に含まれない、稀有な例だ。 かつて座に在り、それを譲ったあともこうして活動している。 エメトセルク : ヴェーネス……前代のアゼムを務めた人物だよ。 ヴェーネス : お久しぶりですね。 会えて嬉しいわ、ヒュトロダエウス。 ヴェーネス : 当代のエメトセルクも。 でもあなた、また眉間の皺が深くなったのではありませんか?
- 終末へ打つ手のヒントを探しに来た光の戦士の話を聞くが、エメトセルク同様に信じがたいことだと受け止めている。また未来の生き残りとなったエメトセルクが幻影都市を再現したのだと聞いたエメトセルクが怒って席を立つとそれを追いかけて出ていってしまう。
エメトセルク : ……荒唐無稽だ、とても信じられたものじゃない。 ヒュトロダエウス : そうだね……。 正直、想像すらつかない部分も多いよ。
エメトセルク : ……世迷言はもう十分だ。 私は仕事に戻る、二度と邪魔をするな。 ヒュトロダエウス : エメトセルク! ちょっと待ってよ……!
- この後光の戦士は、ヴェーネスとエルピスを巡りながらヘルメスが進めていたデュナミスやエンテレケイアの研究についての秘密に迫り、ついにガレネーからヘルメスが複数のメーティオンらしきものを空に飛ばしていたとの証言を得る。さらにその島で過去視をした2人がヘルメスに直接聞く必要を感じた頃、エメトセルクとヒュトロダエウスもまたヘルメスに話を聞く必要性を感じ居場所を探していた。
- ヒュトロダエウスのエーテル透視により、ヘルメスが「エウロスの冷笑」にいることを突き止めた4人はそこに向かい、ヘルメスに未来で起こる終末について語り、そしてデュナミスやエンテレケイアの研究について話を聞くことになる。
- 終末について話を聞いたヘルメスは、2回の終末(古代に起きた終末及び未来に迫りつつある終末)の違いについて指摘し、その違いが古代人と未来人(光の戦士たち)のもつエーテル量に依存するのではないかと推論した。そこから二度の終末の真の原因がデュナミスにあり、それがヘルメスが飛ばしたメーティオンの姉妹たちの共有意識によりもたらされる可能性を語りだした。
- すると突然メーティオンが共有意識の受信モードに入ってしまい、そこで語られたのはメーティオンの姉妹たちがあちこちの星系で出会った文明の滅亡する姿であった。
- メーティオンの調査の危険性について気づいたヴェーネスとエメトセルクがメーティオンに関する研究をすぐに停止した上で回収することを要求し、ヘルメスも一度は同意しかけるが、しかしどんな解答を持ち帰っても頭ごなしに否定することはしないと約束したことを思い出すと、それを拒否してヒュペルボレア造物院へと飛んでいってしまった。
- 造物院の職員たちが避難する中、4人で突入してヘルメスを押し止めることになるとヒュトロダエウスもバトルに参加している。
ヒュトロダエウス : まあワタシ、どのみち視ること以外は役に立たないんだけど! エメトセルク : ならその眼を役立てろ。 弱点を射抜くのなら、お前、そこそこ得意じゃないか。 ヒュトロダエウス : ええー……? キミの基準で「得意」とか言われても困るんだけど……。 ヴェーネス : これでも、元アゼムですので。 護り手、攻め手、癒し手のいずれであろうと……抜かりなく。 ヒュトロダエウス : さすがヴェーネス様、頼もしい!
- バトルで負けたがなおもメーティオンの意思を大切に捉え守ろうとするのに対して、十四人委員会のメンバーとしてもそれを阻止しようとするエメトセルク。またヴェーネスもメーティオンを捕らえるべく動くのに対して、ヒュトロダエウスは状況説明を主に行っているが、最後に光の戦士に次のような助言を行う。
ヒュトロダエウス : いいかい、キミは絶対に今日のことを忘れちゃダメだ。 ここで知ったことは、未来を救うための鍵でもあるんだから。 ヒュトロダエウス : 極論、ここでメーティオンやワタシたちがどうなろうが、 それはあくまでこちらの歴史……ワタシたちの戦いだ。 ヒュトロダエウス : そして、キミにはキミの戦いが待っている……。 ほかの誰も、代わりはできないんだ。 ヒュトロダエウス : だからとにかく脱出が優先! わかったらワタシにお任せあれだ。 ヒュトロダエウス : いいかい、造物院の内部を形成する複数の空間、 その繋ぎ目がこの先にあるんだ。 ヒュトロダエウス : ワタシが矢で繋ぎ目を壊して、外への出口をこじ開ける。 そこへ飛び込むんだ。
- 誰も逃すまいとするヘルメスだったが、ヒュトロダエウスの機転と阿吽の呼吸でそれに合わせたエメトセルクとヴェーネスの動きにより、間一髪光の戦士とヴェーネスの2人だけがヒュペルボレア造物院から逃げおおせるのであった。
- その後様子をうかがいに物陰から窺うと、カイロスにより記憶を上書きされた3人が出てきた。
造物院の職員 : お三方とも、ご無事で何よりです。 エメトセルク : これが無事なものか! エルピスについたあたりからの記憶が、 綺麗さっぱり吹き飛んでいるんだぞ……。 ヘルメス : すまない……本当に……。 ヘルメス : 彼らに日々の仕事を見せる一環として、 カイロスを見せようとしていたんだ……。 ヘルメス : だが、メーティオンが……暴走して……消滅を……。 造物院の職員 : ああ……。 その影響で院内が警戒態勢になったのですね。 造物院の職員 : そして、様子を見にいらっしゃった皆様ごと、 カイロスの誤作動に巻き込まれた…… といったところでしょうか。 エメトセルク : どうやらそうらしい。 そんな直近の記憶でさえ、ほとんど思い出せないがな。
- ヴェーネスと光の戦士の姿が見えないことを指摘する造物院の職員に対し、エメトセルクはその記憶すら失っていたが、ヒュトロダエウスはヴェーネスの使い魔(アルゴス)がいることに気づき、次のように話している。
ヒュトロダエウス : だけど、ほら見て、そこに彼女の使い魔がいるよ。 助けを求めている様子でもないし、ひとまずは無事みたいだ。 ヒュトロダエウス : でも今、ヴェーネス様「たち」って言わなかったかい? ほかにも誰か、ワタシたちと一緒に院内へ? ヒュトロダエウス : へぇ……それもヴェーネス様のかな。 いつか機会があったら聞いてみるよ。
- さらにエーテル放射により記憶を消してしまうカイロスについて、想い出すことの可能性について語っている。
ヒュトロダエウス : カイロスって、エーテル放射で記憶を操作してるんだよね。 ヒュトロダエウス : 強い放射によって焼かれた記憶も、 星に還り、魂が洗われるときには思い出す…… なんて学説を唱えている人もいるじゃない? ヒュトロダエウス : だったらワタシたちも、いつか還ったときに思い出すのかな? この、失われた時間のことをさ。
ウルティマ・トゥーレにて
- ヴェーネスことハイデリンのかけた術式により、魂を呼び出されたエメトセルクとヒュトロダエウス。最後の創造魔法により「エルピスの花」を一面に咲かせると消えていった。
???? : まったく……。 「覚えていろ」と言った方が忘れていただと? とんだ道化を演じさせてくれたな、ヘルメスめ……! ヒュトロダエウス : 本当、喚んでもらえてよかったよ!
ヒュトロダエウス : さて、せっかくお招きいただいたんだ。 ワタシたちで、ひとつ、創造魔法を披露しよう。 ヒュトロダエウス : この場に満ちる、キミの仲間たちの想い…… それらを縒り合わせ、新たな道を紡ぎ出すのさ。 エメトセルク : とるべき形はお前が決めろ。 辿り着くことなどないと宣った、奴に示すにふさわしい形を!
ヒュトロダエウス : 其は叡智……黎明の星を綾なす技…… ヒュトロダエウス : 我らの御手は創世を為す……!
エメトセルク : その希望(エルピス)の花が在るかぎり、 元となった想いもまた「ここに在る」と証明される。 もはや、絶望だけの宙域には戻れまい。 エメトセルク : お前の仲間たちの魂が、 いつまでも戦っている必要はなくなったと言ったんだ。 エメトセルク : ……喚び戻してやれ、お前とともに進む者たちを。
ヒュトロダエウス : ……ああ、流れができた。 これで彼らは先に進めそうだね。 ヒュトロダエウス : それじゃあ、またいつか会えることを願ってるよ。 お互い、違う形になってたとしてもさ。 ヒュトロダエウス : そのときは、何度でも、一緒に楽しくやろう。 エメトセルク : 勝手に巻き込むな……私は厭だ。
現実世界のヒュトロダエウス
- トマス・モアの著した「ユートピア」に登場する架空の人物。
- 「ユートピア」は、旅行者ヒュトロダエウス(ヒスロディ: Hythlody)からユートピア島についての話を聞くという構成が取られている。
- 1515年5月、使節としてフランドルを訪れたトマス・モアは、その滞在中に、友人のピーター・ヒレスから「ラファエル・ヒュトロダエウス(Raphael Hythlodaeus)」という世界中を旅してきた人物を紹介され、その話の内容に触発され「ユートピア」を書き始めたという。※ピーター・ヒレス(Peter Giles, ペーター・ギレスとも)は実在の人物で、アントウェルペン(アントワープ)の法学者。
- なお「ヒュトロダエウス」という名は、「ナンセンスの分配者(ほら話の達人)」を意味する。