聖剣セイブ・ザ・クイーン

聖剣セイブ・ザ・クイーン(Save the Queen: Blade of Gunnhildr)







  • 「聖剣セイブ・ザ・クイーン」は「南方ボズヤ戦線」内で発生する連続クエスト群の最終クエスト名称ですが、この項では当該クエストのみならず「聖剣セイブ・ザ・クイーン」全体のストーリーをまとめています。
    • ※パッチ5.45のセイブ・ザ・クイーン関連クエストの前提条件となっているクエスト「聖剣セイブ・ザ・クイーン」は、「南方ボズヤ戦線」の攻城戦をクリアしてその後残りを進めていればクリア条件を満たしています。
  • 未クリアの方はネタバレに厳重注意下さい。
  • 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
  • パッチ5.1メインクエスト及びクロニクルクエスト「リターントゥイヴァリース」、サブストーリークエスト「セイブ・ザ・クイーン」を進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。









  • 全貌は明らかになっていないため、分かる範囲でのまとめです
  • また公式に整理されているものはなく、カットシーン及びクエストテキストから再構成したものであるため、誤った内容が含まれている可能性もあります。






Table of Contents

概要

  • 「聖剣セイブ・ザ・クイーン」は、イルサバード大陸ボズヤ地方に伝わる伝説。
  • かつて第三星暦時代にボズヤ王国を統治した女王グンヒルドは、第四霊災の訪れと共に「聖剣セイブ・ザ・クイーン」の力を纏うことで守護神となりボズヤを守ったという。
    ミーシィヤ : 第三星暦時代、シタデル・ボズヤを統治した女王です。
    この小国は女王を戴くことで一族の結束を促し、
    古代アラグ帝国から独立を維持し続けてきたとされています。
    女王グンヒルド

第四霊災

  • 「聖剣セイブ・ザ・クイーン」は、代々の女王グンヒルドのみが帯剣を許された聖剣で、神の御力が封じられていると信じられている。
    異邦の劇作家 : 代々の女王グンヒルドのみが帯剣を許された聖剣のことだ。
    その聖剣には神の御力が封じられていると信じられており、
    女王の証として古代ボズヤで祀られていたそうだ。
  • アラグ帝国の引き起こした第四霊災がイルサバード大陸にも訪れると、女王グンヒルドは「聖剣セイブ・ザ・クイーン」を使用して「守護神セイブ・ザ・クイーン」となり、ボズヤの民を守ったのだという。
    異邦の劇作家 : 第三星暦の終わり、この地が第四霊災に襲われた時のことだ。
    アラグ帝国を滅ぼしたその未曽有の大地震……
    その「滅び」は古代ボスヤも飲み込もうとしていた。
    異邦の劇作家 : 女王グンヒルドは皆に告げた……今こそ聖剣の御力を使う時と。
    その言葉を聞いた民は泣き伏し、女王にすがった。
    それは女王が自らの命を供物として捧げることを意味している。
    異邦の劇作家 : 女王は自らの心臓に聖剣を突き刺し絶命する。
    だが、すぐに聖剣の御力が発動し、
    守護神セイブ・ザ・クイーンとして復活したという。
    守護神セイブ・ザ・クイーン
    異邦の劇作家 : 守護神セイブ・ザ・クイーンは最初で最後の魔力を解き放つ。
    それはボズヤ城を、いやそのわずか一部だったかもしれない、
    とにかく城に逃げ込んだボズヤの民を強力な障壁で護った。
    異邦の劇作家 : 人々が意識を取り戻すとそこは荒れ果てた祖国……
    かつての面影がすっかりなくなった不毛の大地だった。
    だが、第四霊災は終わっており、すでに静寂を取り戻していた。
    異邦の劇作家 : わずかだが、大地には緑が戻りつつあり、
    そこには彼らと同じように生き延びた鳥や動物、虫たちがいた。
    清らかな雨は川を作り、そこには肥えた魚を育んでいた。
    異邦の劇作家 : 目の前には今にも崩れそうな、だが、人々をしっかり護った、
    かつてのボズヤ城がそびえ立っていたという。
    人々は悟った……女王が最後の役目を果たしたことを……。

闘神「セイブ・ザ・クイーン」

  • 最後の女王にして、闘神「セイブ・ザ・クイーン」となってボズヤを守った人物には隠された真実があるという。
    ミーシィヤ : いいだろう、おまえに話してやろう。
    ……古代ボズヤを統治した女王グンヒルドの悲劇を、
    信じる者に裏切られた最後の女王の物語を……。
  • 政務にも関わっていた「グンヒルドの剣」達は、古代ボズヤが第四霊災に襲われた際に、聖剣セイブ・ザ・クイーンの力を解放することでボズヤを護ろうとする。それは、女王グンヒルドの身体を「依代」として聖剣の力を用いて神を降ろそうというものであった。
    ミーシィヤ : 政務も司っていたグンヒルドの剣たちは第四霊災を前に、
    聖剣セイブ・ザ・クイーンの力を解放することで、
    民を……王国を護ろうと計画した。
    ミーシィヤ : 女王グンヒルドの身体を「依代」として、
    聖剣の力を用いて神を降ろそうとしたのさ。
    ミコト : 神を降ろそうと………蛮神……!?
  • しかし女王は、一度闘神になれば再び人間に戻ることが出来ないことに恐れ慄き、この役目から逃げ出してしまう。この時、「グンヒルドの剣」達が選択したのは、巫女の中の「持たざる者」を女王として「使い捨て」にすることであった。
    ミーシィヤ : グンヒルドの剣たちは考えた。
    どうせ失う命ならば「選ばれた者」である必要はない、
    「使い捨て」でいいじゃないかとね……。
    ミーシィヤ : 巫女として修行を積んでいた者の中にいた「持たざる者」を選び、
    急遽、女王グンヒルドに祭り上げたんだ。
  • 闘神となった若き女王は、見事ボズヤの地を第四霊災の災厄から護ったのだと伝わる。

ノア・ヴァン・ガブラスの野望

ガブラス家の野心

  • ノアの実父、バッシュ・ヴァン・ガブラス(Basch van Gabranth)は、小国ランディス共和国(the Republic of Landis)の騎士であり、非ガレアン族でありながらソル帝の信頼も厚く軍団長にまで登りつめた男であった。
    バッシュ親子
  • ダルマスカ侵攻時に病に倒れた父に代わって指揮を取っていたのが息子のノアで、ダルマスカ陥落に成功するも、ソル帝を継いだヴァリス帝には冷遇され、ここ数年は反乱鎮圧などで各地を転戦させられていた。それはガブラス親子の秘めた思惑をヴァリス帝が感じ取っていたためともされている。
    マルシャーク : 「漆黒の稲妻」と怖れられるガレマール帝国第IV軍団の長です。
    前軍団長にしてノアの実父、バッシュ・ヴァン・ガブラスは、
    初代ソル帝と共に各地を転戦した猛将として知られています。
    マルシャーク : その出自は帝国に滅ぼされた小国ランディス共和国の騎士です。
    帝国軍編入後、めきめきと頭角を現し、
    ついには軍団長の座を手に入れた武人だったと聞きます。
    マルシャーク : 一方、ヴァリス帝からは疎まれていたようでして、
    この数年間は反乱の鎮圧などのために各地を転戦しておりました。
    中央に近づかせたくないという帝の思惑だったのでしょうか。
    マルシャーク : たしかにガブラス親子は帝国に忠義を尽くしながらも、
    どこか別の目的を持った上でそうしているような雰囲気が……
    いえ、確証があるわけではないですがそんな気がしたもので。
  • こうした中、ノアは、オサード小大陸の地に新たな「王国楽土」を築くという野望を胸に秘めつつあった。ノアは古代アラグ帝国やイヴァリース王国など、現在の知識では再現できない化学や魔道を手に入れようとしており、光の戦士が戦った後のリドルアナ灯台にも訪れ機工都市ゴーグの痕跡回収の指揮に当たっている。(リターントゥイヴァリース)
    タルタロス機構の調査を指揮するノア・ヴァン・ガブラス
    ノア・ヴァン・ガブラス : どうだ……?
    帝国軍機工兵器研究者 : ハッ!
    回収後、更なる調査をしないとハッキリしたことは言えませんが、
    根幹の設計は我らガレマール帝国のそれと同じかと推測されます!
    ノア・ヴァン・ガブラス : 制御の効かん「聖石」とやらでは意味がないが、
    この機械ならばそれも容易いか……。

帝国の混乱とボズヤレジスタンス

  • 第七星暦に入ってオサード小大陸東方属州での独立の動きが相次ぎ帝国軍は鎮圧に失敗してしまう。さらに帝国内部でもヴァリス帝が死亡するなど混乱が起こると、ノアは宿願であった帝国からの独立という道を選択する。
    ノア・ヴァン・ガブラス : ……哀しいかな、
    我が忠誠を誓ったガレマール帝国は終焉を迎えようとしている。
    ならば、我は彼の地に新たな「王国楽土」を築くとしよう。
    ノア・ヴァン・ガブラス : そのために我は、彼の地を平定するためには何でも利用する……
    たとえ、それが我ら帝国が忌み嫌う「蛮神」であったとしてもだ。
  • 一方で東方諸国での影響を受け、ボズヤ管区においてもボズヤレジスタンスの動きが活発化すると、第IV軍団は早期に反乱の芽を潰すべく、カストルム・ラクスリトレへの先遣隊派遣を決める。
  • 先遣隊長となったノアの副官であるメネニウス・レム・ラナトゥスは、ノアの幼い頃からの友人であり、その野望に共感している人物であった。メネニウスは、ダルマスカやボズヤなど南方属州での聖遺物探索隊をも指揮しており、兵の消耗を避け、その上でレジスタンスを混乱に陥れる作戦を立案する。その一つが、「聖剣セイブ・ザ・クイーン」の伝説であった。
    メネニウス・レム・ラナトゥス : 閣下……ガンゴッシュに潜入させている密偵より、
    レジスタンスめが「グンヒルドの剣」の複刻に成功した……
    との報告にございます。
    ノア・ヴァン・ガブラス : そうか……ならば、その先の聖遺物……
    「聖剣セイブ・ザ・クイーン」を手に入れるのもすぐだな。
    ノア・ヴァン・ガブラス : では、ボズヤ管区については貴公に任せよう。
    分遣隊長として彼の地へ行き、計画どおりに事を進めよ。
    奴らの蜂起を待ち、その上で………

「聖剣セイブ・ザ・クイーン」の復活

  • 時は少し戻り、メネニウスの命を受けてボズヤレジスタンスへと潜入していたミーシィヤは、ボズヤレジスタンスのリーダーであるバイシャーエンに対して、解放の狼煙を上げてボズヤレジスタンスに勢いをつけるため「グンヒルドの剣」の復活を進言する。※この場合、親衛隊ではなく、親衛隊が用いた剣(武器)をことを指している。
    ミーシィヤ : 第IV軍団の兵力増強の前に、
    私たちは解放戦争の狼煙を上げねばなりません。
    そのためには女王の親衛隊が用いたグンヒルドの剣が必要……。
    ミーシィヤ : では、グンヒルドの剣はどこに眠っているのか?
    残念ながら、現存するグンヒルドの剣はございません。
    第四霊災ですべてが失われたためです。
  • しかし「グンヒルドの剣」は第四霊災ですべて失われてしまっており、その復活には困難を極めた。「失われた聖遺物」に関する資料収集と、ゲロルトの協力により外形上の復活作業は進んだが、肝心の剣に刻まれていた銘文については不明なままであった。
  • その後、「失われた聖遺物」のレプリカが蒸発事変前のシタデル・ボズヤに存在したことを突き止める。しかし戒厳令が敷かれていた当時のシタデル・ボズヤは出入りが厳しく管理されており、住民はその後に起きた「シタデル・ボズヤ蒸発事変」により皆亡くなってしまっていた。
    グンヒルドの剣 レプリカ
  • そこに現れたのがミコトで、ボズヤの紡ぎ手が用いたという「覗覚石(しかくせき)」を用いることで、「シタデル・ボズヤ蒸発事変」時にこのボズヤの地にいたシド・ガーロンドの記憶探索を行うことで銘文を復活させようとする。
    マルシャーク : にわかには信じていただけないでしょうが、
    我々は聖遺物の探索中に、この紡ぎ手の存在を知り、
    「記憶探索の秘術」は実在したと確証を得ております……。
    ミコト : 「覗覚石」を用いることで対象の心の中に……
    いえ、記憶の中に入り、探索することができる……
    必要な情報を取り出すことができるってことなんです!
    バイシャーエン : シド……?
    もしや、それなる者はシド・ガーロンドでは?
    「メテオ計劃」の総責任者ミド・ナン・ガーロンドの子息の……。
    マルシャーク : もしやとは思いましたが、そのアイアンワークス社は、
    ガレマール帝国の技術者シド・ガーロンドの組織では……?
    バイシャーエン : 生きていたのですね……。
    マルシャーク : バイシャーエン様、ならば、シド殿をここにお呼びすれば……
    おそらく、シド殿は消失直前まで街においでだったはず!
    ならば、我々が求めている「レプリカの目撃者」の可能性が!!
    バイシャーエン : なんという……これが私に課せられた宿命か……
    いや、これが業というものか……!
    マルシャーク : バイシャーエン様、大義のためでございます!!
    バイシャーエン : わかっている……わかっていますとも……。
  • シドの記憶探索を行うミコトたち。そこで見たのはシタデル・ボズヤ蒸発事変の真実であった。
  • 実の父であるミド・ガーロンドに実験の危険性を訴える若きシドであったが、遂にはバハムートによりテンパード化されていたミドに撃たれてしまう。
    シド : ああ……そうだ、そうだった……
    俺を撃ったのは……容赦なく弾を放ったのは親父だ……
    そうか……俺は親父に撃たれたのか……!
    ミコト : シドさん、見てください!
    ミドさんの眼を!
    シド : これは……テンパード…………?
    ミコト : それどころかシタデル・ボズヤの蒸発事変は…………
    シド : 実験の失敗ではなく……バハムートが故意に街を……?
    シド : なんてことだ…………
  • シドの協力の下、記憶探索によりレプリカの再現(レジスタンスウェポン)に成功するボズヤレジスタンスたちであった。(セイブ・ザ・クイーン 第1章)

荒鷲の巣作戦

  • レジスタンス・ウェポンの復活に目処をつけたボズヤレジスタンスは、女王の親衛隊「グンヒルドの剣」の新生させることで他のレジスタンス・グループにも共闘を呼びかけ、「カストルム・ラクスリトレ」を奪還するための「荒鷲の巣作戦」を開始する。(南方ボズヤ戦線)
    マルシャーク : 解放者殿、(貴男・貴女)様のおかげで、
    レジスタンス・ウェポンも続々と完成し、
    女王の親衛隊「グンヒルドの剣」を新生させることができました。
    マルシャーク : 他レジスタンス・グループにその事を速やかに伝えたところ、
    彼らも共闘するための道を模索していたようで、
    新たなボズヤを建国するため行動を共にすると誓ってくれました。
    バイシャーエン : ……ご紹介しましょう、「新生グンヒルドの剣」を!
    バイシャーエン : その爆炎こそ天下無双の魔術なり……飛将のゼヴェン!
    愛なき修羅道に華を散らさん……花嵐のイソルデ!
    極めし己が騎士道に迷いなし……羅刹のスタニック!
    バイシャーエン : 命儚し華燭の如くされど永久の灯火にならん……熱拳のアギー!
    一撃必殺の技にすべてを託す嵐殺の武人……豪剣のヴェリボル!
    慚愧に堪えぬ現世にて懺悔せぬことこれ恥なり……鋭刃のブラズ!
    バイシャーエン : 他にもおりますが、すでに戦地へ向かっております。
    彼らもここに居る者同様に、選りすぐりの猛者でございます。
    必ずや「新生グンヒルドの剣」の大任を果たしてくれましょうぞ!
    バイシャーエン : あとは、第IV軍団の増援が到着する前に、
    この地域の拠点であるカストルム・ラクスリトレを攻略し、
    この南方ボズヤを我らの手に取り戻したいところ……。
    バイシャーエン : 解放者殿……あれがカストルム・ラクスリトレでございます……。
    バイシャーエン : 我らはこの大規模な反撃作戦を「荒鷲の巣作戦」と名付けました。
    目指すカストルム・ラクスリトレはもともと、
    帝国の侵攻に備えて築かれたアラムートという名の古い城砦です。
    バイシャーエン : 「アラムート」とは古代ボズヤ語で「荒鷲」を意味しており、
    その名のとおり、古代ボズヤ時代は荒鷲が群棲する岩山でした。
    荒鷲は我らボズヤ民にとって勝利を授けてくれる聖なる鳥。
    バイシャーエン : さすれば、鋭い爪と天翔る羽を持つ荒鷲のごとく進撃すべし……
    そうした想いをこめて「荒鷲の巣作戦」と呼ぶことにしました。
  • 一方でミーシィヤは、密かにレジスタンスから離れてメネニウスと連絡をとっていた。
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    メネニウス・サス・ラナトゥス : これが……女王グンヒルドの剣……
    「聖剣セイブ・ザ・クイーン」か……。
    メネニウス・サス・ラナトゥス : 傷もなければ錆もない……
    まるで昨日今日、造られたかのようだ……
    これが……聖遺物……なのか……。
    メネニウス・サス・ラナトゥス : ……間違いないな?
    ミーシィヤ : この銘文こそ女王グンヒルドのみが帯剣を許された証……。
    はい、これこそが第四霊災で失われし聖遺物……
    「聖剣セイブ・ザ・クイーン」でございます!

闘神「セイブ・ザ・クイーン」の真実

若き女王の運命

  • かつて闘神となって第四霊災の厄災からボズヤを護った若き女王は、「グンヒルドの剣」たちの意図に反し、第四霊災から民を護った後、再び人間として皆の前に現れたという。
    ミーシィヤ : 闘神となった最後の女王グンヒルドは第四霊災から民を護った後、
    再び人間として皆の前に現れたという。
    ……自我を失わずにすんだということらしい。
    ミコト : 聞いたことがあります……イシュガルドのイゼルさんと同じ……。
    最後の女王グンヒルドも「超える力」の持ち主だったならば、
    自我を失わずに蛮神を憑依させることができる……。
  • 蛮神の力をも自由に制御できてしまう若き女王を恐れた為政者たちは、「グンヒルドの剣」を使って、遂に女王を暗殺してしまう。
    ミーシィヤ : 驚いたのは生き残ったグンヒルドの剣たちだ。
    闘神の力が恐ろしいことはわかっている……
    何せ第四霊災から民を護るほどの力だからな……。
    ミーシィヤ : その力を恐れた為政者たちはグンヒルドの剣を使い、
    民を護ったという事実を嬉しく感じていた最後の女王を……
    天使の微笑みを浮かべる彼女を暗殺したのだ……。
  • ミーシィヤは、この「使い捨て」として身代わりに選ばれた巫女の一族の末裔であるという。
    ミーシィヤ : 闘神の力を制御できる「持たざる者」の娘を心底恐れたのだ。
    それまでの自分たちの仕打ちが酷かったことを理解していたのさ、
    だから、女王が復讐すると奴らは恐れた……。
    ミーシィヤ : グンヒルドの剣たちは密かに女王の亡骸と聖剣を地中深く埋めた。
    そして、奴らは「自我を失い暴走した闘神を討った」と喧伝した。
    ご丁寧に女王の望みだったと忠義の士を装ってな……。
    ミコト : その話をミーシィヤさんは……どこで……??
    ミーシィヤ : ……我が一族のみに伝えられた話……と言えばわかろう。
  • ミコトの持つ「未来視」の能力を欲したミーシィヤは、ミコトを攫った上で帝国軍の持つ「強化技術」で自らにその能力を付そうとする。
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最後の女王グンヒルドの記憶

  • 荒鷲の巣作戦は成功し、光の戦士とボズヤレジスタンスは「カストルム・ラクスリトレ」を攻略する。
  • そこに待っていたのは、ミーシィヤと拘束されたミコトであった。ミーシィヤは解放者たる光の戦士に対して、聖剣セイブ・ザ・クイーンの「記憶」にダイブすることを要求する。女王グンヒルドの記憶が聖剣に取り込まれていたことは、後にミコトから説明がある。
    ミーシィヤ : 解放者よ、これを受け取れ。
    ミーシィヤ : 今から聖剣セイブ・ザ・クイーンの「記憶」にダイブしてもらう。
    ……ミコトを無事に解放してほしければ、
    大人しく私の要求に従うがイイ。
    ミコト : 最後の女王グンヒルドは自らの命を犠牲にし「神降ろし」をした、
    ……思うにイゼルさんという女性が蛮神シヴァを降ろしたように、
    闘神セイブ・ザ・クイーンもそうした憑依型蛮神と考えられます。
    ミコト : ……冒険者さんもご覧になったように、
    自在に闘神を降ろせる女王グンヒルドに恐れをなした者たちが、
    親衛隊であるグンヒルドの剣に女王を暗殺させた……。
    ミコト : そのことにより、最後の女王グンヒルドの記憶……
    つまりエーテルの一部が聖剣に取り込まれてしまった。
    結果として聖剣自体が闘神化することになったと推察されます。
  • 指示されるままダイブするミコトと解放者。
  • 第四霊災後、人間に戻った女王と、その女王を暗殺する「グンヒルドの剣」たちの場面が蘇る。
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  • 闘神に成る間もなく、瞬殺された女王グンヒルド。
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  • 自らの「記憶」の中で、為政者たちの思いを知り殺害を納得する女王。
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    ミコト : これは……最後の女王グンヒルドの記憶……?
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    女王グンヒルド : 何故、わらわがこのような卑劣な手段で、
    命を落とさねばならなかったのか……
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    女王グンヒルド : 忌まわしき闘神の力を封印するためには、
    こうせざるを得なかったのだろうな……
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    女王グンヒルド : わらわはボズヤの民を救うたことを誇りに思う……
  • そこに「強化」によりミコトの能力を受け継いでいたミーシィヤも現れ、ミーシィヤが若き女王の魂に囁きかけると、若き女王は闘神化してしまう。
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    ミーシィヤ : 納得するな、すべてを怨め……
    貴様を虫けらのように殺し、亡骸を泥濘に沈めた奴らを……
    塵埃の如きボズヤの民など滅ぼすのだ、貴様にはその権利がある!
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  • 再び現代に戻ったミーシィヤたち。そして闘神「セイブ・ザ・クイーン」の魅了によりテンパード化されてしまう「新生グンヒルドの剣」たち。
  • ボズヤレジスタンスたちは間一髪のところを銃士ブワジに助けられ退却を余儀なくされるのであった。(セイブ・ザ・クイーン 第2章)
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グンヒルド・ディルーブラム

戦線の膠着

  • 顕現してしまった闘神セイブ・ザ・クイーンの前に、ボズヤ・レジスタンスは南方ボズヤ戦線の各所で壊滅的被害を被っていた。いっぽう帝国軍第IV軍団もまた、帝国内部の混乱に乗じて独立を決意したガブラスの戦略により補給線を絶たれるという苦境に陥っていた。さらにボズヤの危機的状況を救わんがために、ドマのヒエン及び東方連合のレジスタンスが各地で反乱の狼煙を上げたためボズヤの反乱に手をこまねいている状況だった。
  • そのような状況下に於いて、南方ボズヤ戦線に闘神が現れたという一報にミコトは飛び出してしまう。そこでミコトに突然未来視が発動し、ミーシィヤの真の目的を察するのであった。それによると、現在顕現している闘神は古代アラグ帝国が「聖石」を元に創り出したトリガーウェポン「聖剣セイブ・ザ・クイーン」に取り込まれた最後の女王(ネヴィンビィ)の記憶エーテルの残滓が具現化した異形の魔物であるのだという。つまり現在の闘神は真の闘神ではなく、言い換えれば聖剣本来の真の力を発揮していないということであり、ミーシィヤの真の目的とはネヴィンビィの血を引く自分自身の身体を依代として闘神セイブ・ザ・クイーンを喚び降ろし自ら闘神になることにあるのだという。

グンヒルド・ディルーブラム

  • と同時にミコトは、ミーシィヤの野望を達成するために必要になる膨大なエーテルを有するクリスタルがないため、ミーシィヤは現在それを探しているということを語る。ミーシィヤが女王グンヒルドの幻影を呼び出すために使っていたのは「覗覚石」であったが、すでにそこに蓄えられたエーテルが枯渇したのだ。そしてミコトが未来視した内容により、南方ボズヤ戦線東端の遺跡群にミーシィヤが向かうことを察知したボズヤ・レジスタンスは、東端遺跡に兵を配備してミーシィヤの登場を待つのであった。
  • 未来視通りに登場するミーシィヤであったが、ミコトの未来視のさらに先を読んでおり、ボズヤ・レジスタンスは逆に帝国兵の待ち伏せを受けてしまう。なんとか撃退する冒険者たちであったが、その隙に帝国軍は遺跡の解錠に成功しミーシィヤはグンヒルド・ディルーブラムへと姿を消すのであった。
  • 冒険者たちが、テンパード化し異形の存在と化していた「新生グンヒルドの剣」たちを撃破してグンヒルド・ディルーブラムの最奥「巫女たちの広間」にたどり着くと、その中央には「女王の光輪」と呼ばれたボズヤ・クリスタルがあった。
    グンヒルド・ディルーブラム 巫女たちの広間
  • 「女王の光輪」のエーテルを使い「聖剣セイブ・ザ・クイーン」の真の力を解き放つミーシィヤ。
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  • 冒険者たちが討伐に成功するもミーシィヤは諦めず、一族の恨みを晴らさんとボズヤへの怒りの鉄槌をくだそうとするが、それを留めたのは最後の女王ネヴィンビィの幻影であった。(「グンヒルド・ディルーブラム」)
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  • 聖剣セイブ・ザ・クイーンを奪還し前線基地へと帰還する冒険者とボズヤ・レジスタンスであったが、その上空に帝国軍の増援部隊を乗せた機動飛空戦艦が不気味な姿を表すのであった。(セイブ・ザ・クイーン 第3章)
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戦果記録帳(Field Record)

文章量が多いこと、及び攻略中の意図しないネタバレを避けるため、この項に記載します。

【折りたたみます(01~10)】(クリックで展開します)

01.バイシャーエン・ウルガッシュ

54歳。ロスガル族。旧ボズヤ王都ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスのリーダー。

ガレマール帝国からボズヤ管区を解放し独立国家の樹立を目指している。

医学生を経て帝国軍に徴用される。軍医として従軍。様々な勲功を上げ、帝国の名誉市民として市民権を得た。結婚し子をもうけるが、反乱鎮圧のための遠征中にシタデル・ボズヤ蒸発事変が発生、妻子を失う。
事変後、帝国を見限り仲間と共に軍を脱走。地下での潜伏活動中にレジスタンスに参加した。

従軍していた際は、自分の人生について、これはこれで悪くないという印象を持っていたが、事変後、それは真逆となった。帝国に対する恨みと憎しみは誰よりも強い。
だが、知性派でもあるバイシャーエンはそうした負の感情を極力押さえ込もうとしている。感情だけでは負の連鎖が収まらないことを歴史から学んでいたためだ。

グンヒルドの剣(レジスタンス・ウェポン)を復刻し、女王の親衛隊を新生したバイシャーエンはついに第IV軍団をボズヤから追い出すために反撃の火蓋を切った……。

02.マルシャーク・アペッラ

42歳。ロスガル族。ボズヤ管区内シタデル・ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。

バイシャーエンの片腕として活躍。
徴用兵として帝国軍に従軍中にシタデル・ボズヤ蒸発事変が発生。親兄弟を失う。事変後、軍を離れレジスタンスに参加した。
バイシャーエンを師と仰ぐ一方、レジスタンスでは資金や物資の調達、人材の育成などに従事している。特に外部の協力者とのやりとり、例えばドマ国のヒエン東アルデナード商会などとの渉外役としてその才を発揮。温厚な性格もあり、窓口として信頼されているようだ。

帝国に対して恨みはあるものの、属州民として育ったこともあり、まずは国家と人を切り分けて接することをモットーとしている。ある意味、お人好しとも言えるが、その柔和な口調が他者の警戒心を解きほぐすようだ。
戦士としての評価も高い。そもれそのはず、ロスティック直伝のガンブレイカーでもある。温厚で頼れる盾役、それがマルシャークだ。

03.ゼヴェン・スヴァナシュ

47歳。ロスガル族。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

その出自は不明。ボズヤ人と思われるがゼヴェンの過去を知る者はひとりもいない。本人も好んで過去を語ることがないが、わずかに知り得た情報によると、曰く、魔術を極めるために各地を放浪していたらしい。南はサベネア、東はひんがしの国、北はガレマール帝国の帝都ガレマルドまで足を伸ばしたことがあるようだ。
魔術を志したきっかけはエオルゼアの地を訪れた時のことだ。不治の病に冒された母を助けようと父と二人でグリダニアを目指して旅していた。だが、残念ながら治癒法を見つけることは出来ず、母は旅の途中で亡くなった。その病はガレマール帝国によるボズヤ侵攻が原因であり、母を失った哀しみは幼心に帝国に対する憎悪と復讐心を芽生えさせるには十分だった。
旅の途中、様々な魔術を目にしたゼヴェンはその知識をボズヤに持ち帰ろうと考えた。独学で身につけたその魔術をボズヤ解放に役立てようというのだ。
各地で学んだ魔術はゼヴェン独自の魔術体系としてひとつの学問になり得ていたが、ゼヴェンはそれを他者に教示しようとはしなかった。なぜなら、それは破壊を主とした魔術であり、利用者の目的次第ではただの「災い」となるからである。
気がつけばゼヴェンは唯一無二の魔術師として、兵士から畏怖の念を抱かれ、軍神として崇められる存在となっていた。
ゼヴェンは戦場での死を恐れていなかった。むしろ死を望んでいた。それはかつてダルマスカの大迷宮を訪れた際、遭遇した異国の怪しげな魔道士にされた予言である。異国の言葉を聞き取ることは出来なかったが、その意味を理解することはできた。いつかボズヤで解放の狼煙が上がるときこそ、ゼヴェンの死が訪れる時であると。今、この南方ボズヤ戦線がその死地ではないのか。だとしたら、自分はその死を恐れずに、ただ、ただ一振りの剣として、新生グンヒルドの剣として戦い死ねばよい。ゼヴェンは死を恐れてはないのだ。
そんなゼヴェンに対する予言が成就しようとしてた……。

04.イソルデ・コヴィー

26歳。ヒューラン族。ダルマスカ管区レアモンデ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

れっきとしたボズヤ人。両親はダルマスカへ逃れたボズヤ難民であり、ダルマスカが帝国の属州となった後、帝国が始めたボズヤ難民の帰国政策を拒否してレアモンデに移り住んだ。イソルデは帝国属州民として生まれ帝国式の教育も受けたが、彼女の興味はもっぱらボズヤに伝わる舞踏と歌であった。ボズヤの音楽の大きな特徴は速いテンポと激しい旋律の上下動である。歌詞も庶民の生活や自然をモチーフとしており、その大半が恋愛に関する楽曲であった。弦楽器と打楽器からなる演奏と共に踊り手が歌いながら激しいステップを踏む。イソルデは幼い頃からその踊り手に憧れ、いつしか次世代の踊り手として期待が集まるようになっていた。このボズヤ舞踏のもうひとつ大きい特徴が武器である弓を楽器として用いることである。弓の弦をもうひとつ別の弓で弾いて音色を作ったり、また弓の弦を指で弾いて打楽器のようにリズムを奏でることに使用する。これは狩猟をしながらボズヤの各地を転々とした祖先に対する敬いであり、踊り手は皆、弓矢の使い手でもあったのだ。
ボズヤに戻りレジスタンスに参加したイソルデはまたたくまに弓術士として活躍するようになった。

だが、彼女の心には庶民の生活と自然に対する深い理解と愛情が色濃く残っている。それはボズヤ人のみならず帝国人に対しても、同じである。「早く平和に、でもそれはボズヤも帝国も」それがイソルデの口癖であった。

05.スタニック・アルボフ

36歳。ロスガル族。ボズヤ管区シタデル・ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

スタニックは幼い頃から「英雄」に憧れていた。
属州民として暮らす多くのボズヤ人の生活はとても貧しく、スタニックの両親が営む雑貨屋もその日の食事代を賄うので精一杯。学校へ通わせるお金すらなかったが、貧困にあえぐボズヤ人にはけっして珍しい光景ではなかった。スタニックは少しでも金銭を得ようと子守から靴磨きまでなんでもやったが、スリや盗みなどの犯罪に手を染めることはなかった。両親からたとえ貧しくとも人の道に外れることをしてはならないと教育されていたからである。
15歳になったスタニックは帝国軍の徴兵検査を受け、兵となった。「英雄」になりたかったからではない。自分ひとりが「減る」ことで両親の負担を少しでも楽にしてやりたかったからだ。
わずかな給金からさらにほんのわずか、スタニックは両親に仕送りをしたこともあった。毎回ではなかったが、スタニックにとってそれが「自分的英雄行為」だと感じられたからだ。スタニックにとって両親からの手紙が唯一の安らぎであり、生きている証となった。

シタデル・ボズヤ蒸発事件が起きた時、スタニックはボズヤから遠く離れた地で任務にあたっていた。事変から5日後、両親からの手紙が彼の手元に届いたが、その日付は事変の前日であった……。

06.ブラズ・アゼティナ

25歳。ロスガル族。ドマ国ドマ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

拳術から剣術、柔術、槍術などあらゆる武術を網羅する武芸の高級百貨店こと「翠(みどり)の一門」直系のサムライ。
「翠の一門」はこれまで門徒に対してレジスタンスへの参加を認めてはいなかった。これは武術の精進は己の魂を磨くためであり、けっして争いの道具にしてはならないという教えがあるためだ。だが、ボズヤで反乱が起きる都度、帝国に対する不満と憎悪を抑えられない門徒がそれに参加。一門はそうした門徒を破門とし、帝国と直接事を構えることを避けてきた。
ブラズの父親は「翠の一門」宗家の末子だったが、やはり禁を破り反乱に参加。反乱は失敗に終わり、ボズヤを離れドマ国へ逃れた。ドマで母と出会い、ブラズが誕生した。ブラズは侍剣術の名門に弟子入りし、父親譲りの才能を開花。若くして免許皆伝の腕前となる。ヒエンの帰還後、ドマに対する恩を返そうとドマ解放戦争に参加し活躍した。ドマ奪還後、役目が終わったとばかりに出家するが、東方連合とボズヤ蜂起の噂を聞き、故郷へ戻ることを決意する。
丁度その頃、「翠の一門」の当主が交代し、ボズヤ再興のために力を尽くすと方針転換があった。「翠の一門」に戻ることを許されたブラズに対して当主は侍剣術の師範になるよう要請するが、ブラズはそれを断りレジスタンスに参加。すでに鬼籍に入った亡き父の遺志を継ぎボズヤの独立と再興を目指すと固く心に誓ったのである……。

07.ヴェリボル・アゼティナ

24歳。ロスガル族。ボズヤ管区ゼティナ庄出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

拳術から剣術、柔術、槍術などあらゆる武術を網羅する武芸の高級百貨店こと「翠(みどり)の一門」直系の騎士。ブラズの又従兄弟にあたる。

「翠の一門」は二百年以上の歴史を誇る武芸の名門である。ガレマール帝国の侵攻時、小国ボズヤを守るために多くの門徒が戦いに挑み、その命を散らしたという。その武芸の才を惜しんだ当時の第IV軍団バッシュ・ヴァン・ガブラス軍団長は、帝国への忠誠を誓うのであれば「翠の一門」を庇護すると約束した。当主は自らの首を差し出すことで一門皆殺し、その「血」を途絶えることを避けた。
当主代理となったヴェリボルの祖母はガブラスとの約束を頑なに守った。占領後もたびたび反乱が発生し、一部の門徒が参加したが、都度、それらを破門として一門に害が及ばぬよう尽力したのである。その祖母も鬼籍に入り、新たな当主となったヴェリボルの父に残した最期の言葉は「我はガブラスとの約束を生涯守った。それは我が伴侶の願いであり、我やぬしを守るための深い愛であったと思う。だが、ぬしは正直に生きろ。時代は変わる……」

一門に復帰した又従兄弟のブラズとはおおいに気が合った。初めて会った時を今でも覚えている。同じ志を持った同門の士、いや魂を分けてこの世に生まれた真の兄弟であるとヴェリボルは感じた。短い期間ではあったが互いに切磋琢磨することができ新たな技を生み出すことにも成功したという。ボズヤ蜂起を受け、一門はレジスタンスに正式に参加。自らの役目を果たすため、今日もヴェリボルは大剣を振るう……。

08.アギー・グローヴァー

17歳。ヒューラン族。ボズヤ管区マルタルヴェ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。「新生グンヒルドの剣」のひとり。

拳術から剣術、柔術、槍術などあらゆる武術を網羅する武芸の高級百貨店こと「翠(みどり)の一門」の拳術士。

アギーは両親を知らないし、本当の名前もわからない。「アギー」と名付けたのは、寒い冬の日、凍死寸前のところを助けてくれた帝国福祉局の職員だった。
ボズヤの湾岸都市マルタルヴェは人口20万人の古都であり、仕事を求めて地方から出稼ぎにくる労働者が多い雑多な街である。そうした街にはホームレスや孤児も多かった。戦争や病気、何かしらの事件により当局に逮捕されたボズヤ人を親に持つ子供……親を失った孤児の多くは下水が流れる地下施設で身を寄り添うように暮らしていた。アギーもそうした「マンホール・ベイビー」の一人であった。
保護された5歳までの記憶はない。親と過ごしたであろう生活を思い出すこともできない。そもそもアギーは言葉を話すことすらできなかったという。
福祉局はそんなアギーを武芸の名門「翠の一門」に預けた。アギーはまたたくまに読み書きを覚え、兄弟子たちを相手にめきめきと実力を身につけていった。保護された当時、その瞳は死人のように暗く、生気をほとんど感じられない、まさに生きる屍だったアギー。今では明るく人なつこい性格で一門のムードメーカーとなった。
特に、ブラズとヴェリボルの二人と意気投合したアギーは、ふたりに負けぬよう拳術に励んだ。才能があったのか、それとも努力が実ったのか、16歳にして免許皆伝となった。
レジスタンスに参加後もなにかと沈みがち、荒れがちとなる場の雰囲気をアギーは明るく変えた。彼女は皆のアイドルとなった。そんなアギーが「新生グンヒルドの剣」に選ばれたことをブラズやヴェリボルは喜んだが、バイシャーエンの政治的配慮をアギーは感じていた。だが、それを表に出すような娘ではない。今も、傷を負った負傷兵のため彼女は元気づけようと明るく振る舞っている。
好物はゼフィール。マシュマロに似た甘い菓子である。アギーが唯一、マンホール・ベイビーとして覚えてる記憶がそのゼフィールの味であった……。

09.ロフィー・ピル・ポティトゥス

19歳。ミコッテ族。ダルマスカ管区バルナイン出身。
ガレマール帝国第IV軍団「術士大隊」所属の選抜兵。

ロフィーは脱走兵である。敵前逃亡は重大な軍規違反であり、帝国軍においてはよほどの理由がない限り「死刑」となる。彼女の場合、実験動物である「モノセロス」を奪い逃亡した。「モノセロス」は術士大隊にとって貴重な実験動物であり、それを隠匿しただけでも問題だが、さらに敵前逃亡したとなれば、見つけ次第、即殺処分されてもおかしくない……いや、そうされるべき大重罪だ。ロフィーもそれを重々承知の上、大隊を離れた……それは何故か?
「魔術」の実戦配備に、帝国軍は消極的であった。その術式はエオルゼアなど他国から持ち込まれたものであったとしても、ガレアン族はもとより「魔術慣れ」していない帝国市民・属州民に合わせた調整は必須である。そのため基礎研究から改良まで、まずは動物や魔獣、妖異を実験対象として試験が重ねられた。
ロフィーは才能ある新人召喚術士であった。魔術を行使するに十分なエーテルを保持し、術式を誰よりも正確にこなすテクニックは同期の者たちよりも数段階もレベルが上だった。魔術学校を飛び級で卒業したロフィーは第IV軍団に入隊。厳しい訓練を経た後、アルビレオ配下の「術士大隊」に配属された。彼女の任務は新たな魔術の調整と改良であった。ロフィーはボズヤで厳しい現実を知った。その魔術の実験体として多くの野生動物や魔獣、妖異が極めて酷い扱いを受けていたことを知ったのである。
ロフィーは「モノセロス」という一頭の魔獣を、彼女が研究している魔術の実験対象にするよう指示される。「モノセロス」はアンデッドを消し去る「浄化の光」を使う珍しい魔獣である。生息数も少ない貴重な魔獣にもかかわらず、むしろ貴重だからこそ捕らえられ実験対象となった。幾度も厳しい試験を耐えた「モノセロス」だったが、遂に実験による殺処分の許可が出た。ロフィーは自らが創造した魔術が罪深いものであることをあらためて認識した。深い後悔と失望の中、ロフィーは決意する。この魔獣を逃がそう、そして私は帝国を捨てよう……と。

10.エルネイス・ピル・ロングス

24歳。ヒューラン族。ランディス州モンファルコーネ出身。
ガレマール帝国第IV軍団「魔獣大隊」所属の伝令長。

獣王ライアンに憧れ「魔獣大隊」に志願した若者。自分が立案した作戦を状況に応じてコロコロと変更するライアンの采配は、どれも奇抜なものであり、士官学校では絶対に学ぶことはない。それ故、中央の将たちはライアンを所詮辺境の者程度と軽んじている。実際、将らしからぬ粗暴な物言いやその姿、人間よりも魔獣を可愛がるその姿勢はまさに「蛮族の将」である。
エルネイスも入隊直後はそうした感想を抱いたものだ。だが、4年前のダルマスカ管区の反乱鎮圧でその感想は真逆のものとなった。たしかに口は悪いが、部下ひとりひとりの名を覚え、その弱点を的確に指摘する。戦場では誰よりも真っ先に敵と対峙し、危険に身を置くことを厭わない。「死ぬ奴は弱いだけ」と口癖のように語るライアンのいうとおり、戦場で死ぬのは腕の立たない臆病者ばかり。彼が人間よりも魔獣を可愛がるのは、兵を死なせぬために魔獣を盾とする……その用兵法があるが故、魔獣の方が死ぬ確率が高い、それ故、死に近い位置にいる魔獣を彼は愛しい恋人のように可愛がるのだ。そう気付いた時、エルネイスはライアンを師と仰ぎ、「魔獣大隊」の所属となった。

以下、モンファルコーネのタウン誌「キュリオス」に掲載されたエルネイスの記事より抜粋。

(記者)あなたは第IV軍団の仲間から「忠犬」と呼ばれているそうですね。揶揄とは思いませんか?
(エルネイス)……連中は羨ましいのさ、このオレのことがね。
(記者)どうしてそう思うのですか?
(エルネイス)たいていの連中は面従腹背だ。大人しく上官の命令に従っているフリをして、内心、どこかで逆らっている。
(記者)軍人なら上官の命令は絶対ですが、彼らも人間ですからね。
(エルネイス)だが、オレは違う。心の底からライアン様を崇拝しているからな。魂の底から彼に寄り添う準備ができているんだ。言わせておけばいい……オレにとっては勲章だ、そう呼ばれることが何よりの幸せ……実に誇りに思う!

(記者)ライアン殿、このようにロングス伝令長は語っていましたが、あなたはどう思いますか?
(ライアン)いやぁ、マジ思い出せなかったのよ、でも今の話で思い出したわ。あの犬っころみたいなガキね。ああいう元気のイイ奴ぁ好きなンだがなぁ……早死にしちゃうんだよなぁ、ああいう奴ってサ。
(記者)…………。

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11.ダボグ・アン・イニヴァシュ

推定34歳。ロスガル族。ボズヤ管区シタデル・ボズヤ出身。
ガレマール帝国第Ⅳ軍団「機械化歩兵大隊」所属の特殊兵。

高火力陸戦魔導兵器「ヴィジル」及び新型飛行魔導兵アーマー「ガブリエル」の操縦者。これら魔導兵器を操縦するために「最適化」された強化兵がダボグである。
帝国で開発された数多くの魔導兵器がダルマスカ管区バルナインに保管されている。これら魔導兵器は魔導技師長シシニアス指揮の下、更に改造を施され高性能兵器として実戦配備されている。中でも「ヴィジル」や「ガブリエル」は操縦者の物理的操作だけでなはなく精神操作によって、より素早く、より繊細に機動することが可能だ。だが、その操作には強化兵=ハイパーチューンドが必要だ。精神感応力を高め、機械と精神をシンクロさせるために強化された特殊な操縦者が必要なのである。
シシニアス曰く、これはまだ実用に向けた試験段階であり、理論的には完成しているが、生身の人間を用いる以上、どんな危険や予想外の問題が発生するか不明である。それ故、来たるべきダルマスカレジスタンスとの全面的衝突に備え、ボズヤで試験しておきたい……という計劃であった。こうした性能実験の被験者として選ばれたのがダボグであった。

ダボグは志願兵ではない。それどころか本来は、第Ⅳ軍団と戦うレジスタンスの一員である。
15年前、シタデル・ボズヤ蒸発事変で両親や兄弟を失ったダボグはすぐにレジスタンスに参加した。親兄弟の仇を討つために戦ってきたダボグだったが、2年前の作戦で失敗し、帝国兵に捕らえられてしまう。捕虜となったダボグはは二度目の脱走を企てた際、城壁から落下、頚椎を複雑骨折してしまう。誰の目から見ても回復は見込めず、もって一週間という死の宣告がなされたダボグ。
第Ⅳ軍団では試験的人体実験を禁止していた。あくまでも実用性と安全性が実証できた場合のみ許可するというルールである。だが、この時、死にゆくダボグの命を助けるという名目で試験的な人体実験が秘密裏に進められたのである。シシニアスらは第Ⅳ軍団における捕虜の扱いに関する「最低限の人道的配慮を行う」というガブラスが定めた掟を悪用したのだ。
こうして、強化兵として改造されたダボグは新型魔導兵器の操縦者として戦場に舞い戻った。シシニアスらは「最低限の人道的配慮」をさらに重ねた。かつての同胞を殺すという辛い想いをして欲しくないという理由で彼の記憶を消したのである……。

12.ユンブ・ピル・ポティトゥス

24歳。ミコッテ族。ダルマスカ管区ラヴェンナ出身。
ガレマール帝国第Ⅳ軍団「術士大隊」所属の選抜兵。

治癒術士であるユンブはその能力を活かして配下の兵と共に戦場で戦う若者だ。
ガレマール低国内でヴァリス帝が暗殺され、後継者不在により内乱が始まったことをすでに多くの一般兵たちは知っていた。本国の指揮系統が崩壊し、かつての強固な大帝国が崩壊していく……まさかそんなことになるとは露程にも考えたことがなかった。だが、ユンブは違う。誰よりもガブラス軍団長の思想に傾倒していた彼女は、今がまさに好機ではないかと捉えた。帝国の支配下を逃れ、新たな「王国楽土」を作るのであれば今がまさにチャンス。それは旧ランディス共和国の再興でもなければ、ダルマスカやボズヤの復活ではない。新たな国家の樹立である。
帝国崩壊により未来が見えなくなった兵も多い。属州民はより不安であろう。ユンブは、本国に家族を残してきた者たちに対して帝国を抜け出し、この地に集うよう薦めた。不安からレジスタンスに寄り添おうとする者たちには、連中を我々は必ず駆逐するとその決意を語った。
ユンブがこう考えるようになったのは自らの出自である。「ポティトゥス」は帝国支配下の属州で暮らす「市民権を得たミコッテ」には割とよくある名である。彼女は親を失った孤児であった。ストリートチルドレンとして育ったユンブは自らの境遇を嘆く他の子供と違い、いつか市民権を得て、属州民として暮らすことを夢見ていた。そのためには学問が必要だと考え、学校にこっそり侵入し授業を盗み見るのが彼女の日課となっていた。ある日、福祉局に保護されたユンブは他の子と違い読み書きできたことから予備軍養成所の中等教育機関へと送られる。ここでガブラスの思想に触れたユンブは彼の信者となる。ガブラスを敬畏し、ガブラスのために戦うことがこの国の民を豊かにすると盲信したのであった。
治癒術士となったユンブは、今日も戦場で仲間を助けるためその腕を振るう……。

13.クラリシー・クォ・プリスクス

33歳。エレゼン族。
ガレマール帝国第IV軍団「魔獣大隊」所属の百人隊長。

高慢な物言いなどから外連味が強くキャラの濃いクラリシーだが、それは彼女の表層的な外的側面、いわゆるペルソナである。
クラリシーが第IV軍団の一員となって約10年、獣王ライアンが認める魔獣使い・ビーストテイマーのひとりが彼女である。魔獣を意のままに操る彼女を皆は「魔女」とも呼んだ。噂によると、彼女はこの世のものとは思えぬ不思議な発音で人外の言葉を操り、その言葉で魔獣を使役しているのだという。いやいや、それは彼女のアンチが流した悪意ある噂だと別の者は語る。クラリシーは「魔女」どころか「聖女」。傷ついた兵士や魔獣のために身体を張って戦うその姿は伝説の軍神にして女神であるグラーディアその人だというのだ。事実、彼女が戦場で挙げた武功は数知れない。
どちらの噂も本当かもしれない。仲間のために誰よりもその身をさらし戦う姿はまさに「聖女」、一方、魔獣を操り容赦なく敵を狩るそれは「魔女」そのものに違いない。いずれにしても、彼女の瞳を視た者はその妖艶な眼差しに魅了されるか、恐れを抱き震え上がるかどちらかなのだ……。

彼女の過去を知る者は極めて少ない。
クラリシーは国境をまたいで旅する流浪の民であるエシュワ族出身である。帝国支配下では定住政策が進められていたが、エシュワ族はそれを拒否。軍団長ガブラスは折衷案として一定期間兵役に就く者を差し出せば今までの生活を続けて良いと提案。エシュワ族はその条件を呑み若い男性数名を差し出した。クラリシーの夫もそのひとりだ。獣王ライアン配下の魔獣大隊の一員として彼女の夫も参加したが初陣であえなくその命を落としてしまう。結婚からわずか数ヶ月後のことであった。ガブラスに代わりライアンが彼女の元を弔問し、死なせたことを謝罪した。未亡人となったクラリシーは夫の代わりに兵役に就くことで一族からこれ以上の男手を奪わぬよう嘆願し、ライアンはそれを承諾した。以来、彼女は「魔女」と「聖女」の仮面を被りつつ、亡き夫の鎮魂と一族の平和のため戦いを続けている……。

14.サルトヴォアール・クォ・ソラノス

61歳。エレゼン族。旧ランディス共和国マントヴァ出身。
ガレマール帝国第Ⅳ軍団「術士大隊」所属の上級百人隊長。

ボズヤ侵攻を果たした第Ⅳ軍団は初代ソル帝の命に従い、次なる目標である旧ダルマスカ王国へ侵攻するために準備を進めていた。当時の軍団長バッシュ・ヴァン・ガブラスにとってダルマスカの魔術士隊が脅威であった。毒をもって毒を制する……ではないが、ガブラスは似たような魔術士隊を第Ⅳ軍団内に構築することで対抗しようと計画した。まず目を付けたのが、旧ランディス共和国で唯一、魔術を武器とする魔術騎士団を有していた都市マントヴァである。帝国はその支配を受け入れた国家の騎士団を解体し帝国軍に組み直すという手法を採っていたが、それは旧ランディス共和国も同じであった。だが、魔術を脅威として認識していた帝国は魔術騎士団を弾圧。所属していた魔術師たちは死を恐れて各地へ逃れた。ガブラスはそうしたマントヴァの魔術士たちを探したのである。

サルトヴォアールもそのひとりであった。マントヴァ近くの小さな農村でその正体を隠して小さな学問所を営んでいたが、第Ⅳ軍団に見つかってしまう。サルトヴォアールはオファーを拒否したが、帝国と似て非なるガブラスの思想を知り興味を抱くようになる。長期間かけてしつこく、だが丁寧に第Ⅳ軍団はサルトヴォアールを口説いた。ある日、学問所に見知らぬ武人がいた、帯剣もせず、護衛もいない初老の武人……だが、サルトヴォアールはその魔術をもってしても倒すことはできないとすぐに悟った。その武人こそバッシュ・ヴァン・ガブラスであった。ガブラス本人と直接言葉を交わす機会を得たサルトヴォアールはその価値観や思想に深く感銘し、忠誠を誓った。

あれから三十余年、妖術士アルビレオの参加により第Ⅳ軍団の魔術はより高みへと引き上げられたが、その基礎はマントヴァの魔術士たちである。サルトヴォアールはそれを誇りとしつつ柔軟にアルビレオから魔術を学んだ。そして、ノア・ヴァン・ガブラス現軍団長と共に亡きバッシュの遺志を実現しようとしている……。

15.シシニアス・マル・ヴェリュータス

42歳。ガレアン族。ガレマール帝国ガレマルド出身。
ガレマール帝国第IV軍団「機械化歩兵大隊」所属の技術士官。

ガレマール帝国・超越技術研究所にて魔導技師長アウルス・マル・アシナに師事し、研究員として活動していた。アラミゴ陥落と共に超越技術研究所は解体され、その研究データは帝都ガレマルドへと送られた。シシニアスにも帝都への帰還命令が下るが、もともと古代アラグ帝国が残した遺物や失われた技術を研究対象としていたことから第IV軍団へ転属を願い出た。第IV軍団が以前から「聖遺物」と呼ばれる古代文明の秘宝を収集しているとの噂を耳にしており、さらに帰還命令と同時に第IV軍団からの誘いがあったためである。軍団長ガブラスと聖遺物探索の責任者であるメネニウスはシシニアスの才を認め、またシシニアスもガブラスの思想に感銘を受け忠誠を誓う。シシニアスは第IV軍団の魔導技師長に就任した。

現在はダルマスカ南のバルナード海に浮かぶリドルアナ大灯台から回収した古代兵器や機構の復活を目的に研究を続けている。すでに「労働」シリーズについてはそのメカニズムの調査を終え、新たな魔導兵器として実戦投入できるところまで準備を進めた。シシニアスはそれら新兵器の実戦投入にあたり、そのデータを集めるために南方ボズヤ戦線に赴いた。研究室に篭もるただの学者ではなく、そのデータを自らの目と耳、手で集めるのは師匠譲りといったところか……。

16.サドル・レム・アルビレオ

37歳。エレゼン族。エオルゼアウルダハ出身。
ガレマール帝国第IV軍団千人隊長。

メネニウス配下のボズヤ管区分遣隊に所属。「術士大隊」を指揮する魔術士である。古代の失われた魔術に傾倒しており、己が魔道の発展と完成のために捕らえた捕虜を実験台として死なせることもしばしば。敵の命に価値がないと考える冷徹な性格。そのため敵だけでなく味方からも「妖術士」と呼ばれる。

ウルダハでは呪術師ギルドに所属したが、その心に秘めた冷酷さにいち早く気づいた当時のギルドマスターのムムエポがアルビレオを危険分子と判断しギルドから追放した。ウルダハを追われたアルビレオはより強力な破壊魔法や召喚魔法を求めて各地を放浪。帝国が支配するダルマスカ管区にたどり着いた際、第IV軍団が幅広く才能を募っていたことから術士部隊の発足を条件に入隊した。第IV軍団に参加後、ガブラスは約束どおり術士部隊をアルビレオに任せ、この15年で多数の魔術士を育成、ついにはエオルゼア諸国と対等に戦える部隊を作ることに成功した。
メネニウスが指揮する聖遺物探索に興味を惹かれたアルビレオはボズヤ・レジスタンスとの戦いに志願した。その際、古代イヴァリースの聖遺物である「聖石」のひとつをこのボズヤに持ち込んでいた……。

17.ライアン・レム・ヘルソス

68歳。ヒューラン族。旧ランディス共和国アンベルク出身。
ガレマール帝国第Ⅳ軍団千人隊長。

ガブラス親子二代に仕える勇猛果敢な将。亡きバッシュ・ヴァン・ガブラスと同じランディス共和国出身の戦士。半西紀前のボズヤ侵攻時、十代でありながら百人隊長として任務にあたっていたという。現軍団長ノア・ヴァン・ガブラスを幼少の頃から知っているせいか、未だに「ノア坊」と呼ぶ。

メアニウス配下のボズヤ管区分遺隊に所属。「魔獣大隊」を指揮する。「獣王」の呼び名のとおり、獣使いとして手塩にかけ育てた魔獣と共にレジスタンスと対峙する。
すでに68歳と高齢だが、未だ一騎当千の戦闘能力を誇り、長年の戦場生活で培った用兵術を駆使して襲ってくる。ただし、自ら立案した作戦を無視して単独で出撃することもしばしば。勝つことよりもより強い相手との戦いを好むため、一騎打ちになることも多いようだ。軍略を台無しにする行動を採るせいか上官であるメネニウスから叱責を受けることも。戦闘や戦争が大好きなバリバリの武闘派である。故にメネニウスが好むような謀略・調略の類いが大嫌い。「勇士なら拳で語れ」が口癖。

18.メネニウス・サス・ラナトゥス

55歳。エレゼン族。ガレマール帝国ガレマルド出身。
ガレマール帝国第IV軍団分遣隊長。

情報武官として密偵を束ね様々な情報を収集し、軍略などを軍団長ガブラスに助言する立場にいる。また、ダルマスカやボズヤなど南方属州での聖遺物探索隊をも指揮しており、古代アラグ帝国やイヴァリース王国など、現在の知識では再現できない科学や魔道を手に入れようとしている。
今回、ボズヤ・レジスタンスの大規模な反撃を受け、ボズヤ管区の分遣隊長としてカストル・ラクスリトレに赴任した。三個大隊を率いており、具体的には獣王ライアン率いる「魔獣大隊」、妖術士アルビレオ率いる「術士大隊」、直轄の魔道兵器で武装する帝国の一般的な「機械化歩兵大隊」である。

ガレマール共和国時代、有力貴族としてその名を知られたラナトゥス家ではあったが、祖父にあたるタイラスが当時独裁官だったソル・ゾス・ガルヴァスの皇帝即位を反対したため追われることになる。タイラスは流浪の末に病死するが、その息子ルーシアスが辺境で戦っていた第IV軍団に拾われる。その後、頭角を現したルーシアスはその実力を買われ、バッシュ・ヴァン・ガルバスの副官のひとりとして活躍をした。
ラナトゥス家の再興を願うルーシアスはバッシュの勧めでエレゼン族の没落貴族の娘と婚姻を結ぶ。彼女にはすでに息子がひとりいたが、子のいないルーシアスはそれを養子とした。その息子がメネニウスであった。
現軍団長のノア・ヴァン・ガブラスとは幼い時代からの友人であり、ガブラス親子に対する忠誠心は人一倍強い。そのせいか、汚れ仕事を一手に引き受けており、情報武官としての活躍はまさにメネニウスが望む仕事であった。そのやり口は冷徹かつ非情であり、軍団内でも「目的のために手段を選ばぬ男」と評された。だが、その実、すべてはガブラス親子のためになればという考えであり、心の奥底に秘めた想いは熱いものである……。

ガレマール帝国が内乱に突入したことでガブラスは宿願であった帝国からの独立という道を選択。それは帝国からの兵站の補充がなくなることを意味しており、レジスタンスとの戦いが長引けば第IV軍団は不利になる状況であった。だが、メネニウスはガブラスのため、新たな「王国楽土」を築くために、兵の消耗を避け、その上でレジスタンスを混乱に陥れる作戦を立案した。そのひとつが「聖剣セイブ・ザ・クイーン」の伝説であった……。
  • FINAL FANTASY XIV, The Lodestone

    セイブ・ザ・クイーンの「戦果記録帳」に記載されている、NPC"メネニウス・サス・ラナトゥス"の年齢表記が正しくない。
    ※45歳と記載されていましたが、正しくは55歳になります。
    ※2021年5月25日(火)18:00更新

19.ミーシィヤ・ヴォートヤシュ

29歳。ルガディン族。ボズヤ管区シタデル・ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスに潜入した第IV軍団の工作員。
 
シタデル・ボズヤのスラム街で生まれ育つ。帝国の政策により福祉局を通じて学校へ通うことを許され、学問に励む。成績が優秀だったことから特待生として奨学金の給付を受け、帝都の最高学府に進学。民俗学や史前学などを学ぶ。そのためボズヤの歴史や民族に造詣が深い。

闘神セイブ・ザ・クイーンの復活のためにレジスタンスに「グンヒルドの剣」を復刻させるよう助言したのはミーシィヤである。彼女がレジスタンスを敵に回し第IV軍団に従う理由はふたつ。ひとつはボズヤに残る根深い貧困問題だ。

帝国支配前の小国ボズヤ時代、民の約7割が平均所得の2分の1に満たず、いわゆるスラムで暮らす者は3分の1にも及ぶ。この原因は支配者階級である貴族や大商人たちが富を寡占していることは明白であった。帝国支配後、そうした状態はやや緩和されたが、依然として家を持たないホームレスや親を失ったストリートチルドレンは特にシタデル・ボズヤのような大都市で見受けられた。
ミーシィヤもそうした貧困層に生まれ、スラムで育ったボズヤ人である。幼少期は食事にありつけない日も多く、彼女はゴミ山から少しでも使えそうなものを拾いそれを売るのが日課であった。こうした衣食や教育機会が与えられない極度の貧困状態である児童を問題視した帝国は福祉局を設置し、児童の救済を進めた。だが、その恩恵に与ることのできた児童は半数にも満たなかった。
ミーシィヤの場合、幸いにも学校に通うことができ、優秀な成績を収めたことから特待生として帝都の大学府へ進学することもできた。
だが、ボズヤでは「富める者」がそうした貧困層をまるで社会に害為す者であるかのように扱うのが日常茶飯事であった。面と向かって罵られることは幾度もあったし、物理的なハラスメントを受けたこともある。いつしか彼女は「富める者」を憎むようになっていた。
また、ミーシィヤは最後の女王グンヒルドの血脈であり、その末裔であった。そして女王の悲惨な最期を知っていた。
故に、彼女は「持たざる者」であることと、女王が暗殺されたこと、この二点においてボズヤ社会に対する不信感が根底にあり、「自分はこの社会の一員ではない」という意識が強かったのである。

もうひとつが第IV軍団のイデオロギーである。ガブラス親子は参加する兵に対して求めるのは能力と忠誠心だけだと公言していた。出自を問わず、文化や宗教を問わず、性別を問わず、能力が高く、第IV軍団に対して忠誠を誓うのであれば誰であっても等しく扱う……それがガブラス親子の方針である。これがミーシィヤには魅力的に感じられた。

そんな心に傷を持つミーシィヤをいったい誰が止められようか……。

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20.グンヒルド

古代ボズヤを統べた女王。

氏族同士の終わりなき争いが続く古代ボズヤ、その争いに終止符を打つべく女王を共立することで統一国家が誕生した。女王の名は「グンヒルド」。それは称号であり、女王を継ぐ者に与えられた。
女王は有力氏族の血脈から選出されるわけではない。神事を司る巫士(シャーマン)たちの中からもっとも有能な者が選ばれるという仕組みで、種族は問われない。だが、実際にはロスガル族から選ばれることが多い。これはボズヤ人を構成する人種分布においてロスガル族が多数を占めるためである。

第三星暦末期、アラグ帝国が引き起こした第四霊災が古代ボズヤを襲った。為政者である有力氏族の長や神官たちは聖剣セイブ・ザ・クイーンの力を解放することで難局を乗り切ろうとした。だが、当時、女王グンヒルドはアラグ帝国との争いで傷を負い床に伏せていた。そんな彼女は命を失うことを恐れた。そこで神官やグンヒルドの剣たちは下級巫士であったヴォートヤシュ氏族の若者を女王へと推挙した。
それは聖剣の力の解放と共に死ぬ運命にある女王である。「使い捨ての女王」ならば家柄は低く、平民から巫士となった者で十分と判断したのだ。だが、そんなことを露程も知らぬ彼女は聖剣の力を解放し闘神となった。
第四霊災から民を護った女王であったが、神官たちに誤算が生じた。闘神となったあとも女王は人間の姿に戻り、その闘神の力を自在に制御したのである。為政者たちはその力を大いに恐れた。恐れた彼らはグンヒルドの剣を使って女王の暗殺を企てる。使い捨ての「駒」に過ぎないヴォートヤシュ氏族の女王など生かしておけぬ……というわけである。
彼女はだまし討ちに遭い、あえなくその若い命を散らした。だが、その魂(エーテル)の一部が聖剣に取り込まれたことに首謀者たちが気付くことはなかった……。

21.リリヤ・シアサリス

19歳。ヴィエラ族。ダルマスカ管区ラバナスタ出身。
ガーロンド・アイアンワークス社の新入社員。

ラバナスタで帝国式教育を受け、特に機工学を得意としその才能を開花させる。飛び級で帝都の魔導院へ進学する予定だったが、その直前にドマ・アラミゴ解放に呼応したダルマスカ・レジスタンスの反攻作戦が始まり、ラバナスタは戦争状態に陥る。リリヤは戦禍を逃れるためにラバナスタを脱出し、ドマへと逃れた。ドマでの避難生活の中、飛空艇の修理やオリジナルの青燐機関を開発し生活の糧とした。ドマ町人地を訪れたガーロンド・アイアンワークス社のジェシーがリリヤの噂を聞き、同社にスカウト。ドマ・アラミゴ解放劇における同社の活動を知っていたリリヤは二つ返事でそのオファーを受け、晴れて正社員となった。

明るく前向きな性格のリリヤだが、その胸中は複雑である。
彼女はガレマール帝国の占領下にあるラバナスタで生まれた生粋のダルマスカ人である。当時のラバナスタは、度重なるレジスタンスの反乱とそれに対する帝国軍の粛清により、常に戦争状態であった。戦災孤児のひとりとして福祉局に保護されたリリヤはその庇護の下、帝国式の教育を受けた。そこには帝国への忠誠を促す思想教育もあったが、周囲のダルマスカ人の反発は根強く、生徒たちの大半は面従腹背を当然の姿勢としていた。だが、リリヤはそこにわずかな違和感を抱いていた。もちろん、帝国の支配を良しとは思わないが、解放を願うダルマスカの政治体制は王政である。平民の立場は、どちらの体制下でも違いがない。
さらに、リリヤは駐留する第Ⅳ軍団に興味を抱いていた。彼らは強制的な兵役を課すことをせず、あくまでも募兵することで市民を取り込もうとしていた。リリヤは軍団長ガブラスが直接、市民に語りかけているのを聞いたことがある。「個人がその才能を生かし、己が責任で自らの人生を切り開くことが人の為すべき道である……」と説くガブラスの言葉にリリヤは正直、惹かれた。ガレマール帝国ダルマスカ王国というふたつの国家よりも、そのガブラスの言葉に惹かれたのである。とはいえ、力で属州民を押さえつけようとする帝国の方針を好きになることはなく、やはり、祖国を侵略された者としての反感が消えることはなかった。

反帝国側に身を置きながら、今ひとつ、レジスタンスに参加するまでのめり込めない……そんな中途半端な自分を嫌っていたリリヤ。

だが、ガーロンド・アイアンワークス社に籍を置くことで、次第に彼女の中に「自立」という目標が固まっていく。「独立」という意味ではない。文字通り、自らの足で立ち、他社への従属や支配から離れて精神的に独り立ちする。俯瞰で物事を捉えることは重要だが、その一方、地に足ついた行動も肝要である。シドジェシーらの活動を目の当たりにしたリリヤは、今の自分にできることを精一杯頑張る……それが使命だと感じた。それこそ、ガブラスが語った「個人がその才能を生かし、己が責任で自らの人生を切り開く」ことであり、帝国だろうがダルマスカだろうが、今の自分が目指すことに思えたのだ。

「いやぁ、自分、かなり頭でっかちになっていたッス。恥ずかしいッス。」
「リリヤ、何ぶつくさ言っているの? いいから手を動かしなさい。私もシド会長もあなたの才能は認めているんだから、その期待にちゃんと応えなきゃ駄目よ。」
「わかってるッス! 姐御からの教えはすべてメモってるッス! バッチリッス!」
「その姐御って呼ぶの、やめなさいよね!」

22.ブワジ・エンゼ・パンチャ

48歳。バンガ族ダルマスカ管区バルナイン出身。
ダルマスカ・レジスタンス「レンテの涙」の一員。

ダルマスカ王国時代、銃士隊の新米銃士として帝国軍との戦争に従軍。敗北後は、所属していた銃士隊の生き残りと共に空賊を生業としていた。現在は、ダルマスカ・レジスタンスと東方連合の連絡要員として活動している。

銃士は本来、銃と剣技を両立させた攻撃が魅力的だが、ブワジはむしろ機工士というべきポジション。レイピアなどの細身の剣を用いた独特の剣技が苦手だという。ただし、銃の腕前はピカイチで、中距離であっても短銃で的を正確に命中させる腕前だ。また、メカニズムに強く、帝国が作り出した青燐機関の内部構造にも詳しい。そのため、飛空艇イウサールのメンテナンスは主にブワジの任務となっている。

冒険者との関わりは、古代イヴァリースの秘宝の「聖石」をめぐる一件以来だ。「聖石」を奪った空賊団ではあったが、リーダーのバッガモナンがその聖石がもつ邪悪な意思により、鬼龍へと変化してしまう。それはガレマール帝国に対するバッガモナンがもつ積年の怨みを聖石に取り込まれた結果だ。鬼龍と化したバッガモナンは正常な意識を失っており、討伐するしか術がない。最終的に冒険者の働きによっり、バッガモナンの魂は聖石から開放されエーテル界へと旅立っていった。ブワジにとってバッガモナンは銃士隊時代からの付き合いであり、実の兄のように慕っていた存在。そのバッガモナンの意志を継ぐべく、ブワジは空賊を廃業し、レジスタンスへと身を投じたのであった。

ブワジが笑いが好きである。敗戦により旧ダルマスカ王国の銃士隊も帝国軍の配下に置かれたが、ブワジはそれを拒否し除隊する。各地を転々と流浪した後、銃士隊の生き残りと再開を果たし空賊団を結成した。
だが、ブワジには忘れられない思い出がある。旧ランディス共和国の工業都市アブデラを訪れた時のことだ。そこでエシュワ族の古い芝居を観劇した。エシュワ族は国を持たない流浪の民で、各地を訪れては唄や舞、芝居を披露し生計を立てていた。同時に、彼らは国境を越えた異国の噂や情報をその土地にもたらすという役割も背負っていた。ブワジが観たのは、市井の人々の色恋を中心とした、笑いあり、涙あり、感動ありといった、たわいもない芝居だ。だが、物心ついた時から戦乱を経験していたブワジにとって、そこで観たものはあまりにも衝撃だった。アブデラは帝国の支配を受けていたが、町には平穏が戻っており、民衆は普通の暮らしをしていた。「平和とはこういうことなのか」とブワジは実感した。発作的に旅の芸一団に加えてもらおうと交渉したが、丁重に断られてしまう。
空賊となったブワジは、バッガモナンや仲間との会話で、好んでボケ役を演じるようになった。笑いをとることはなかなか難しかったが、それでも皆に笑顔が少しずつ増えていったことをブワジは誇りに思っている。

だが、リーダーのバッガモナンが非業の最期を遂げたことで、ブワジは再度、戦いの中に身を置くことを決意した。と同時に、彼は「笑い」を封印した。祖国を帝国から解放するまでは、ただの戦士であり続けよう……そう決意したのである。

23.ロスティック・リュバシュ

56歳。ロスガル族。旧ボズヤ王都ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスの一員。

ガレマール帝国からボズヤ管区を解放し独立国家の樹立を目指している。

彼の父は、小国ボズヤに仕える正規のガンブレイカーであった。長じた彼が、同じ道を歩んだ背景には、この偉大な父親の存在があったことは間違いない事実であろう。では、ロスティックに父の記憶があるかと聞かれれば、それは否だ。
当時、イルサバード大陸南部に残されていた取りこぼしの小国を平らげようと、ガレマール帝国の軍勢が破竹の勢いで進撃していた。ゆえにロスティックの父は幼いひとり息子を師でもあった老ガンブレイカーに預け、国境線へと向かっていった。そして、そのまま帰らぬ人となってしまったのである。
人々は父を国を護った英雄であると讃えたが、護られたはずの国はガレマール帝国の版図に組み込まれ、消えてしまった。ならばせめて、本当に故郷を守れる男となろう。静かに決意したロスティック少年は、育ての親からガンブレイカーの技を学び、長じて帝国軍の一員となったのである。今度こそ、故郷を護る盾となるために。
だが、彼もまた父と同じく護ることができなかった。彼が同胞のためにと従軍している間に、シタデル・ボズヤ蒸発事変が発生。故郷は、文字通り消えてしまったのである。

事変後、帝国を見限った彼は軍から脱走。一時は復讐鬼として、帝国軍相手に無謀な襲撃を繰り返していたが、いかに優れたガンブレイカーと言えど、ひとりでできることには限界がある。ある日、帝国軍の待ち伏せ攻撃を受けたロスティックは、どうにか逃げ切ったものの深手を負い、森の中で倒れ、死を待つばかりという状況に陥った。
そんな時、彼を救ったのがバイシャーエンであった。偶然にも同じ部隊を攻撃しようとしてたボズヤ・レジスタンスが、敗走するロスティックを目撃、救出に動いたのである。以後、レジスタンスと行動を共にするようになった彼は、知性派のバイシャーエンに諭され、やみくもに復讐のためにガンブレードを振るうのではなく、「護るための技」を志ある者に伝授するようになっていく。
かくして途絶えかけていたガンブレイカーの伝統が受け継がれ始めた。ボズヤ・レジスタンスの中核メンバーであるマルシャークや、奇妙な経緯で出会った「暁の血盟」のサンクレッドもまた、彼の教え子に含まれる。ロスティックは、己の技と教えをボズヤ再興という夢につなげようと、新たな未来へと突き進んでいるのだ。

24.ミコト・ジンバ

24歳。アウラ族。北方諸島シャーレアン出身。
シャーレアンの賢人。

シャーレアン魔法大学にてエーテル学を学び、その分野での研究成果により賢人位を取得した秀才。普段は同大学の非常勤講師を務めている。亡き賢人ムーンブリダは大学時代の先輩にあたり、同じ研究室で勉学に勤しんでいた。また、友人であるガーロンド・アイアンワークス社のシェシーを通じて、クガネの劇団マジェスティックシドの要請に応じたのは記憶にも新しい。古代イヴァリースの遺物「聖石」の謎を短期間で解き明かしたことからも彼女の優秀さを窺い知ることができる。今回は、古代ボズヤの遺物「覗覚石」の謎を解き明かすために、ドマのヒエンらを経由してガンゴッシュに招かれた。

性格は穏やかでやや天然なところがある。また、自分の専門分野について解説する際、専門用語を並べてまくし立てるという悪癖がある。一方、危機的状況においては一歩退いた立場から意見を述べるなど、冷静な一面を垣間見ることができる。

「超える力」の一種である「未来視」を持つ。
ミンフィリアや冒険者が持つ「過去視」は、その対象が経験した過去を追体験することである。一方、「未来視」とは、これから起きる未来を追体験することを意味する。予知夢や占いなどによる予言と同じように思えるが、「未来視」は「確定された未来」であるため、予言のように選択肢を変更することで回避することはできない。必ず起きる、けっして避けようのない未来、確実に起きる今よりも先の時間軸に存在する出来事を追体験するのが、「未来視」なのである。
他の「超える力」同様に、意図的に発動させることはできない。発動しても断片的なビジョンだけであり、有能な能力とミコトは考えていない。

ミコトには一卵性双生児の姉・カグラがいる。一卵性のため年齢はもちろん見た目も同じだ。だが、性格は真逆。知識に対して貪欲であるという点以外、共通点がない。皮肉屋で、討論会などでは相手を徹底的にやり込めたりもする。成績も良く、ミコトより賢人位を早くに取得していたが、シャーレアンの国政を司る哲学者議会を批判。対立は深まり、嫌気の差したカグラはシャーレアンを見限り、出奔。以来、行方不明となった。
ミコトとカグラは、けっして仲の良い姉妹ではなかった。物心ついた頃、すでに姉妹の会話はなく、まるで他人のようだったとミコトは述懐する。特に二人が飛び級でシャーレアン魔法大学に進学するようになると、寮生活が始まり、そのため、互いの顔すら見ることもなくなった。カグラがシャーレアンから消えたことを知ったのは後になってからである。議会に対して批判的であり、そのため賢人位を失ったことすべてを、出奔してから知ったのであった。そもそもミコトは他者に対する興味が薄く、人よりも書物と接する時間が圧倒的に多いまさに学舎肌の人間であった。人間関係の煩わしさを味わうぐらいなら関係を築きたくないと考えていたこともある。だとしても、実の姉がそうした事態に陥っていたことを露とも知らない……それほどまでに姉妹の関係は薄かったのだ。

こうしたミコトを誰よりも心配したのが研究室の先輩であるムーンブリダだ。カグラのことに対してミコトには責任はない。そもそもシャーレアンを出奔する羽目になったのはカグラ自身の言動に起因するからだ。だが、消えた姉のことを心配し、オロオロとするミコトを見たムーンブリダは人間としての危うさを危惧したのである。以来、ムーンブリダはミコトとの会話を大切にした。それはエーテル学の話題であったり、何気ないアクセサリーの好みだったり様々であった。時には親友のように、時には実の姉のように接するように、互いの悩みや夢を語り合った。ミコトは次第に他者に興味を持つようになり、シャーレアン大学だけで過ごしてはならないと思うようになった。ムーンブリダはフィールドワークを強く薦めたが、ミコトにはまだシャーレアンを出る勇気がなかった。二人の付き合いは大学を卒業した後も続き、会う都度、時間を忘れて会話を楽しんだという……。
そんな矢先、ムーンブリダが亡くなったという知らせをミコトは聞く。にわかには信じることができず、各方面に死の真相を問合せ続けた。後日、ウリエンジェからの手紙で顛末を知ったミコトは生まれて初めて号泣した。何も知らずにただ乞われるがまま「エーテル・エクストラクター」製作の手伝いをしたことを悔やんだ。理由を知るべきだった、ムーンブリダが何のためにそれを研究し製作したのかを。そうしていたらムーンブリダは……。

以来、ミコトは率先してフィールドワークに出るようになった。また、暁の血盟や他機関などからの依頼や要請を積極的に受けるようになった。己の才能と知識を他者のために役立てることが自分の使命であると考えるようになったためだ。
  • FINAL FANTASY XIV, The Lodestone

    セイブ・ザ・クイーンの「戦果記録帳」に記載されている、NPC"ミコト・ジンバ"の年齢表記が正しくない。
    ※29歳と記載されていましたが、正しくは24歳になります。
    ※2021年5月25日(火)18:00更新

25.ミーシィヤ・ヴォートヤシュ

29歳。ルガディン族。ボズヤ管区シタデル・ボズヤ出身。
ボズヤ・レジスタンスに潜入した第Ⅳ軍団の工作員。

問)組織に申告せし氏名及び略歴等、真偽を確かめる事能わず。相違あれば、速やかに申告すべし。

答)蒸発事変により証左を示せぬ事、甚だ遺憾なれど、断じて偽りはなし。

問)組織を裏切り、敵陣営に走りたるは何故か。理由を述べよ。

答)裏切りに非ず。我、任務を果たさんと潜入せり。

問)敵陣営を密偵せんとするか。

答)然り。

問)汝の任務を述べよ。

答)レジスタンス・ウェポンの復刻及びグンヒルドの剣の再編成也。聖剣サイブ・ザ・クイーンを第Ⅳ軍団にて確保し、しかる後、闘神を召喚し使役せんと欲す。

問)精緻な計劃なれど、失敗せり。なんと心得るや。

答)全ては解放者の力を侮し事に起因せんと得心するもの也。紡ぎ手、すなわち記憶探索なくして本計劃の実行甚だ難し。されど、解放者の力までも必要にならんとは、露にも思わず。あるいは、賢人ミコトはかすかなる不安を覚え、解放者を召致したらん。

問)作戦は失敗せり。第Ⅳ軍団の次の手は如何なるものや?

答)一切合切を知らず。知りたるとて、其の方らには話さざる也。

問)我ら、かねてより話したるが、汝の恐れるが如き国家を作るつもりなし。貧困、差別を廃し、皆が等しく権利を有する社会を作らんと欲す。されどなお、汝は我らを否定するか。

答)其の方らがさように舵を取らんといえども、社会の変革は成り難し。法を整備し、思想を説かんともぞ。

問)何ゆえそう考えるや?

答)我を見るべし。帝国は新たなる法と秩序をボズヤに打ち立てん。そも半西紀前なり。されど、皆、我のようになりしか?差別は失せたるか?

問)前提が否なり。帝国の法と秩序は受け入れ難し。其が正しくとも、帝国が侵略せし事実が変わらぬ限り、我々は其を拒まん。

答)我を見るべし。同じ事也。其の方らが勝利し、新たなる法と秩序にて民を導かんとしても、其を拒む者必ずや現れん。

問)認め難し。

答)我を見るべし。人は実に愚かなり。死するまで性根は変わらず。其の方らの目指す社会を実現せんとするならば、かように新たなる法と秩序を拒まんとする者たちを殺すより他なし。我を殺さんとするように。

問)処遇は未決也。解放後の軍事法廷にてその罪を問わん。

答)ならば、この問答は無駄也。

問)我、汝を救いたし。

答)茶番也。我を殺したくば殺すべし。

問)我、汝を救いたし。命を奪いたくは非ず也。

答)汝は善き人間也。汝及びウルガッシュ殿と会えしこと、其はこのボズヤに未だ清流が存在するということ也。是非、枯らさぬよう心がけたし。

…本記録は、被疑者であるミーシィヤ・ヴォートヤシュの拘束後三日目に、アペッラ情報技官による同被疑者に対しての尋問である。残念ながら解放軍にあるまじき不適切な発言が含まれているため、ウルカッシュ盟主の特命により閲覧を禁ずるものとする。

26.グンヒルド

「グンヒルド」とは古代ボズヤを統べた女王の称号である。
彼女はその称号を最後に受け継いだ巫女……すなわち、最後の女王グンヒルドである。

本名はネヴィンビィ・ヴォートヤシュ、ミーシィヤと氏族を同じにする。ヴォートヤシュ家は代々「紡ぎ手」を排出してきた一族。ネヴィンビィはその才を見込まれ、7歳で僧門に入った。星読みや風読み、数秘術などの占術はもとより、口寄せや祈祷、神楽などを学び、遂に女王グンヒルドに仕える十二巫女の座を勝ち取った。

時は第三星暦末期、アラグ帝国が引き起こした第四霊災が古代ボズヤを襲う。頻発する大地震により大地は歪み、砕け、炎を吹き上げた。為政者たちは聖剣セイブ・ザ・クイーンのちからを発動することで闘神を召喚し、自分たちの命を救うことを考える。闘神を降ろすには自らの命を犠牲にする必要があるが、女王はそれを拒否。為政者達は「使い捨ての女王」としてネヴィンビィを急遽、女王に祭り上げると聖剣を与えた。ネヴィンビィとは古代ボズヤ語で「清廉」を意味する言葉。ネヴィンビィは為政者達の策略とは知らずに自らの命を聖剣に捧げ、闘神を召喚した。こうして古代ボズヤは救われた。
為政者達にとっての誤算は、ネヴィンビィが人間の姿で再び姿を現したことだった。ヴォートヤシュ家は代々「紡ぎ手」を排出してきた一族……つまり「超える力」を持った者が生まれる可能性が高い一族だったのである。ネヴィンビィも同様であった。「紡ぎ手」としての修行をしたことはなかったが、時々、他者の過去をのぞき見ることができた。彼女はそれを「過去視」と認識していなかったが、自らの氏族の役割を知っていたため、特段、不思議な能力とは考えていなかった。だが、その「超える力」が彼女を闘神のテンパードにせず、自分の自由意志で闘神を制御できる力となったのだ。
為政者たちはネヴィンビィを心底、恐れた。恐れた彼らはグンヒルドの剣を使って女王の暗殺を企て、それを実行した。彼女はだまし討ちに遭い、あえなくその若い命を散らした。「闘神の力を自在に操れるなど、神をも恐れぬ悪魔の所業。ネヴィンビィは討たれて当然なのだ」と皆は考えた。床に広がる自分の血液を眺めながら、彼女は思った。「忌まわしき闘神の力を封印するためには、こうせざるを得なかったのだろう。わらわはボズヤの民を救うたことを誇りに思う。これで良い」
その刹那、聖剣が輝きを放つ。ネヴィンビィの魂(エーテル)の一部を取り込んだのだ。死に際のネヴィンビィは一瞬だけ望んだ。もう少し生きたいと。その切なる願いを聖剣は取り込んだのだった。

蘇った最後の女王グンヒルドが最初に見たものは、自分を取り囲むグンヒルドの剣たちであった。「また、わらわは殺されるのか?」その時、以前は感じなかった憎しみ、怨み、哀しみという感情が一気に吹き出す。「何故だ、何故、わらわが命を散らさねばならぬ?」ネヴィンビィは自らの力を解き放つ。「我に跪け、我を崇めよ、我は女王グンヒルドなり……」

だが、その自分を見ているもうひとりの自分がいた。言葉にならない、そんなことは駄目だ、いけない……一所懸命に止めようとしている自分だ。女王である前に、ボズヤの民としてボズヤを愛してる自分がいる。たとえ卑劣なる者どもがいたとして、それでも命を奪ってはならぬ。憎しみは連鎖する、そして、その連鎖は止まらない。「怨みを捨てよ」ともうひとりの自分が叫んでいた……。

27.トリニティ・シーカー

闘神セイブ・ザ・クイーンの忠実なるテンパード。
テンパード化した「新生グンヒルドの剣」の鋭刃のブラズ、豪剣のヴェリボル、熱拳のアギーの三人はすでに「異形なる者」へと身体が変化していた。さらに三人は融合し、トリニティ・シーカーとして冒険者の前に立ち塞がった……。

ボズヤの港湾都市マルタルヴェから北へ1時間ほど歩くと、緩やかな斜面で構成された丘陵地帯へたどり着く。ひときわ高い丘の上には数百年は経過したと思われる古い城壁がそびえ立つ。石灰岩を組み合わせて造られた城壁は分厚く、両手を広げた大人ふたりが横に並んだほどの幅がありそうだ。だが、城壁の大半は崩れており、建設当時の姿を留めている箇所は全体の4分の1程度だろうか。そんな城壁を抜けると、丘と丘の間に小さな集落が見えてくる。壊れた城壁に囲まれたその集落が、武芸の高級百貨店こと「翠(みどり)の一門」の総本山である。もともとこの集落は小国ボズヤ時代の神祠があった地で、多くの巫士たちが修行していたという。中央に見える複数の尖塔を伴った建造物がかつての神祠である。巫士たちはこの地で修行に励む一方、心身の鍛錬のため武芸も学んだ。これが「翠の一門」のルーツである。
ガレマール帝国の侵攻時、小国ボズヤを守るために多くの門徒が戦いに挑み、その命を散らした。その武芸の才を惜しんだ当時の第Ⅳ軍団バッシュ・ヴァン・ガブラス軍団長は、帝国への忠誠を誓うのであれば「翠の一門」を庇護すると約束。当主は恭順の姿勢を示し、自らの首を差し出すことで「翠の一門」は存続することになった。

「翠の一門」の極意のひとつが「三位一体」。その教えはシンプルだ。より強敵と対峙する場合、ひとりで挑むのではなく、三者が心を合わせ一緒に挑むようにという内容である。
又従兄弟道士で年齢も近いブラズとヴェリボルは共に戦う「三人目」を同門内で探していた。だが、一門でも一位、二位を争うほどの凄腕のふたりにかなう者がいるはずもない。そんな中、敗北しても何度でも起き上がり、果敢に挑戦し続ける少女がいた。それがアギーである。明るく人なつこいアギーは一門のムードメーカー。ブラズとヴェリボルも孤児として一門に預けられた頃からアギーのことを知っている。ふたりはアギーを実の妹のように可愛がっていた。それ故、ふたりは彼女を決して「三人目」として認めようとはしなかった。無論、それは彼女を戦場に出し、死なせたくないからだ。いずれボズヤ解放のため、反帝国を掲げて蜂起する日が来る。その時は一門を挙げてレジスタンスに参加するだろう。だが、アギーのような前途ある若者を、血を血であがなうかのような戦乱に巻き込むわけにはいかない……ふたりはそう考えたのだ。
アギーは一歩も退かなかった。それどころか、免許皆伝後もめきめきと実力を上げ、遂にはふたりと手合わせして三回に一回は勝利するまでに成長した。もう誰もアギーを止めることはできなかった。ふたりはアギーを「三人目」として認めることにした。それは共に命を散らすために受け入れるのではない、アギーの命を守るためである。二人は盾となることを誓い、彼女を受け入れたであった。

三位一体の攻撃を仕掛けてくるトリニティ・シーカー。異形なる者へと姿を変えた三人を救う道はもはやない……。

28.クイーンズ・ガード

闘神セイブ・ザ・クイーンの忠実なるテンパード。
クイーンズ・ソルジャー、ナイト、ガンナー、ウォリアーの4体もまた、テンパード化した「新生グンヒルドの剣」のなれの果てである。残念ながら「異形なる者」へと身体が変化してしまったようだ……。

クイーンズ・ソルジャーは「葉隠のムラデン」で知られたロスガル族のレジスタンスだ。
ムラデンはドマ国で生まれ育ったボズヤ難民の第二世。忍術を学び、ドマ城奪還時もドマ・レジスタンスの一員として活躍した。ドマ解放後、ボズヤへ渡り、バイシャーエン率いるグループに参加。ドマ式忍術の教官として兵の育成にあたる一方、第Ⅳ軍団への諜報活動を任務としてきた。カストルム・ラクスリトレ攻略時は別働隊として北部ボズヤへと赴いていたため難を逃れることができたが、その後、南方ボズヤ戦線でテンパードになってしまった。
親兄弟はなく天涯孤独の身。「戦いで命を落としたとしても悲しむ者がいない。それはそれで気楽でいい」と、口癖のように話していたムラデン。テンパードと化したその胸中は如何に……?

クイーンズ・ナイトは勇躍のアディスと異名を取るロスガル族のレジスタンス。
アディスはボズヤの辺境デルベント出身で、多くの属州民同様に帝国式教育を受けて帝国兵となる。シタデル・ボズヤ蒸発事変を契機にレジスタンスに合流。百人隊長でありながら自らが先頭を切って敵陣に突進する猛者で、しかも名乗り上げた後、一騎打ちを好むという悪癖がある。だが、部下からの信頼は厚く、自らの命を削り敵を撃破するその姿に憧れる若者は多い。南方ボズヤ戦線では味方を逃すために殿となって敵と対峙するが、闘神のエーテルを受けてテンパードになってしまった。
アディスの犠牲によって命を落とさずにすんだレジスタンス兵は、帰還時に、血の涙を流しむせび泣いた。アディスを失うぐらいなら自分たちが身代わりになるべきだったのだと。彼らの慟哭はガンゴッシュ中に響いたという……。

クイーンズ・ウォリアーは光速のトゥゲイムと異名を持つルガディン族のレジスタンス。
女性でありながら身の丈以上の巨大な戦斧を自在に操るその姿はまさに軍神そのもの。生粋のボズヤ人であるトゥゲイムは、小国ボズヤ時代、支配者階級の一画を為した名門貴族出のエリートである。帝国支配下においてボズヤ人としては異例の自由市民としての地位と権利を有してたが、祖国奪還のために全てを捨ててレジスタンスに参加。ミーシィヤが忌み嫌う貴族の一人であったが、彼女は平民を蔑むような言動をとることを一切しなかった。口数が少なく感情を表に出すことがないため誤解されることも多かったが、平等な社会の実現を目指すバイシャーエンの思想を一番支持していたのも彼女である。「異形なる者」と化したトゥゲイムは重力を自在に操る能力を身につけ冒険者の前に立つ……。

クイーンズ・ガンナーは「碧い死神」と帝国兵から恐れられたロスガル族のレジスンタンス・ラティミールだ。
ラティミールは猟師としてボズヤの辺境で暮らしていたが、シタデル・ボズヤ蒸発事変で罪のないボズヤ人が死んだことを帝国による虐殺と捉え、レジスタンスに参加した。銃の扱いに慣れていたラティミールは次第に狙撃手としての才能に目覚める。ゴーラ河のレジスタンス拠点を帝国軍が襲撃した時のことだ。突然の夜襲によりレジスタンス側は大混乱となり、壊滅状態となる。生き残った者たちは拠点からの脱出を試みるが周囲を完全に包囲され、蟻の抜け出る隙間もない。その時、包囲している帝国兵が狙撃によって次々と命を落としていく。月明かりのない漆黒の夜、どこからともなく跳んでくる銃弾によって次々と仲間が倒れていくのである。今度は帝国兵が慌てる番であった。狙撃手の正体は、哨戒任務についていたラティミールであった。単身で戻り、包囲網を崩すために攻撃を開始したのである。夜が明けた時、彼の狙撃によって36名もの帝国兵が額を撃ち抜かれて死亡していた。襲撃部隊は退却を余儀なくされ、拠点に残っていたレジスタンス兵たちは九死に一生を得ることになった。
生きる伝説となったラティミール。「碧い死神」は「異形なる者」となって女王を守る……。

29.トリニティ・アヴァウド

闘神セイブ・ザ・クイーンの忠実なるテンパード。
テンパード化した「新生グンヒルドの剣」の羅刹のスタニック、飛翔のゼヴェン、花嵐のイソルデの三人はすでに「異形なる者」へと身体が変化していた。さらに三人は融合し、トリニティ・アヴァウドとして冒険者の行く手を阻む……。

カストルム・ラクスリトレ攻略より数ヶ月前……。
ラクスリトレは「湖畔」という意味である。その名の元になったのが近くのイガーカロ湖、ボズヤ最大の塩湖である。古代ボズヤ語で「鏡の湖」を意味しており、その名のとおり、晴れた日は波が消え、まるで鏡面のように空を反射する。このイガーカロ湖の西端に築かれたレジスタンスの拠点・ヴォロディ前哨地が帝国軍の襲撃を受けたとの知らせが入った。バイシャーエンは前哨地の偽装を見破られた以上、前哨地からの全部隊撤退を決め、さらに撤退支援のためゼヴェンらに派遣を命じた。三人はそれぞれの部隊を引き連れ、ヴォロディ前哨地へ向かった。生き残った駐留部隊と合流した三人であったが、撤退途中、アルビレオ率いる帝国軍の待ち伏せを受けてしまう。傷病兵を連れて行軍の遅くなった彼らを狙うというアルビレオの策略であった。だが、三人は懸命に戦った。周囲を帝国軍に囲まれながらも、岩陰や木々を、時には仲間の遺体を土嚢代わりに積み上げ、防御壁として巧みに利用し帝国軍の猛攻を耐えしのごうとした。だが、多勢に無勢。このままでは全滅してしまうと感じたゼヴェンとスタニックは、傷病兵をイソルデに任せ、その脱出を援護するため、陽動作戦を敢行した。思いがけぬ抵抗を受けた帝国軍の足並みは乱れ、イソルデらは脱出に成功。だが、ゼヴェンとスタニックはわずかな生き残りと共に完全に包囲されていしまう。ふたりは、月を見上げながらわずかな休息を得ていた。攻撃は止んだが、おそらく増援部隊の到着を待っているのだろう。夜明けと共に攻撃が再開され、我々は命を落とすことになる……。空が白み始める頃、予想通り帝国軍の進軍の合図が聞こえた。これで終いだ……二人が覚悟を決めた頃、耳慣れた音曲の調べが辺りに響く。イソルデが奏でるボズヤの民謡だ。彼女もまた増援部隊を率いて戻ってきたのだった。

カストルム・ラクスリトレ攻略を明日に控えた晩、スタニックがイソルデにあの曲を弾いてくれと要望した。イソルデは微笑むと使い慣れた愛用の弓を楽器代わりにして奏で始めた。ゼヴェンは酒を飲みながら目を瞑り、あの時の戦いを思い出す。そして、戦いが終わったら、また三人で酒を酌み交わしながら、この曲を聴こうと……。

30.セイブ・ザ・クイーン

古代アラグ帝国が作り出したトリガーウェポン。闘神を研究し尽くしたアラグ帝国は、より簡易な方法で闘神を顕現させ、さらに使役するという術を生み出した。闘神を喚び下ろすためのトリガーの役目を担っているのがこの武器である。その一本が聖剣セイブ・ザ・クイーンと命名されたトリガーウェポンであった。
このトリガーウェポンが何故、古代ボズヤの聖剣として持ち込まれたのか一切が不明だ。だが、古代ボズヤにアラグ帝国と対等に戦えるだけの軍事力がなかったことを考えると、奪ったとは到底考えられない。盗み出したとも考えにくいし、まして古代アラグ帝国が贈呈したとも思えない。おそらく古代アラグ人の何者かが、帝国のやり方に愛想を尽かし、聖剣を手土産に亡命したと考えるのが良さそうだ。
いずれにしても、その詳細は不明だが、古代ボズヤを統治する女王グンヒルドのみに帯剣が許された聖剣は古代アラグ帝国が作り出したトリガーウェポンであったのだ。

そのメカニズムは興味深い。
古代イヴァリースにおいて聖遺物として崇められた「聖石」、それは太古の昔、宇宙より飛来した聖天使アルテマが自らの魔力によって生み出した特殊なクリスタルである。「聖石」は人間の欲望に反応する。その欲望のみを吸収し、具現化する力を与える……それが「聖石」である。その能力に目をつけた古代アラグ帝国の研究者が「聖石」を発展改良して作ったのがトリガーウェポンであった。使用者の欲望、まさに「切なる願い」をトリガーとして闘神を顕現させることに成功したアラグ帝国は更に闘神を制御する術を考えた。幾度もの失敗を経て、「超える力」の持ち主であれば、自らの身体を依代にして、闘神を喚び降ろすことができる……という結論を導き出すことに成功する。恐るべし古代アラグ帝国である。

時は流れ、ミーシィヤは聖剣伝説とそれにまつわる最後の女王グンヒルドの悲劇から、闘神を自らの身体に喚び降ろすことを決意。だが、ただ喚び降ろしただけでは意味がない。自分が闘神となった際、自らの意志でその力をコントロールする必要がある。そのためには「超える力」が必要であった。ガレマール帝国の諜報網から情報を得たミーシィヤは、シャーレアンの賢人のミコトに注目する。「未来視」と呼ばれる「超える力」を持つミコトを誘拐し、ミーシィヤ自身に移すのだ。幸い、超越技術研究所においてアウルス・マル・アシナが開発した「超越者」への強化技術が第Ⅳ軍団にも流れており、それを利用してミーシィヤは「超越者」となったのである。

当初は、聖剣に封じられた最後の女王グンヒルド、すなわちネヴィンヴィ・ヴォートヤシュのエーテル残滓、彼女の記憶エーテルの一部を利用して幻影を作り出していた。レジスタンスをテンパードにするにはそれでも十分だったが、最終目標である闘神そのものを喚び降ろすにはやはり大量のエーテルが必要であった。そのエーテルがグンヒルド・ディルーブラムと呼ばれる古代ボズヤの王宮にあることを突き止めたミーシィヤ。王宮の奥に眠る巨大クリスタル「女王の光輪」を使い、ついに聖剣の真の力を引き出すことに成功する。

こうして闘神セイブ・ザ・クイーンとなったミーシィヤは、長年の怨みと、ガブラスの思想を実現せんがために、冒険者に戦いを挑む……。


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