エルピス

エルピス(Elpis)






  • 以降に物語の核心部分に触れる記述を含みます。
  • パッチ6.0まで進めていない方、ネタバレを好まない方はこれ以降読み進めることをお勧めしません。










Table of Contents

ヘルメス メーティオン

ヴェーネス 月の監視者

地名・国名/エルピス

概要

2つの「エルピス」

  • エルピスは始め、「花」の名前として登場する。そしてゲーム中盤にはとある場所の名前として認識されるようになる。
  1. 【場所の名称】
    • 古代人の生きていた時代(1万2千年前)に、存在した施設(エリア)の名称。→ 地名・国名/エルピスの項を参照
    • FF14「暁月のフィナーレ」で拡張される新エリア名称のひとつ。
      エリディブス : エルピスは、創造魔法で生み出された生物の実験場だった。
      そこで生態を調べ、認可された種だけが、
      世界に解き放たれたんだ。
      パラモノス : ここエルピスは、
      新たに創られた創造生物を世界に解き放っても良いものか、
      判断を下すための施設であることは、知っておるかな?
      パラモノス : 裏を返せば、ここで観察対象となっている創造生物のイデアは、
      通例、創造物管理局では引き出すことができぬ。
      まだ認可されていないからの。
      パラモノス : ゆえに、観察中の生物を研究する際には、
      エルピスに存在する個体を搬出するのじゃよ。
      パラモノス : 獰猛な生物は世界に与える影響が強いため、
      認可のための評価は必然、厳しいものになる。
      いまのうちに研究用の個体を確保しておきたいのだろうなぁ。
  2. 【花の名称】
    • かつてエルピスのいち職員が創り出した花で、エルピスエリアに自生していたことから付けられた名称。この項で記述する。
      メーティオン : それ、エルピス、エルピスの花!
      メーティオン : わたしと、一緒の、エンテレケイア!
      ヘルメス : その花は、この施設で創られたんだ。
      それで、エルピスの名を冠している……。
      ヘルメス : 昔ここに、美しい花を創ることを愛している職員がいた。
      彼女が試行錯誤するうちに、偶然生み出したのだという。

地名エルピス

  • FF14「暁月のフィナーレ」で拡張される新エリア名称のひとつ。
  • 「エルピスの花」に導かれた光の戦士第一世界のエリディブスを頼り、彼の力でもって古代エルピスへと向かう。
    エリディブス : ……すまない、記憶が混濁したようだ。
    だが、おかげでひとつ、思いついた手がある。
    エリディブス : 君が過去の……
    ヘルメスが所長をしていた時代のエルピスに行く、という手だ。
    エリディブス : 水晶公の記憶を垣間見た私には、
    この、時空を超える塔の制御法がわかる。
    それを応用した彼の召喚術も、以前使って見せたとおりだ。
    エリディブス : 加えてあのとき君たちは、私を、私の集めた力ごと封じた。
    おかげで動力は豊富に蓄えられている……。
    エリディブス : 以て、君を過去に飛ばすことが可能かもしれない。
    行くべき時代、行くべき場所も明確なのだから。
    エリディブス : エルピスは、創造魔法で生み出された生物の実験場だった。
    そこで生態を調べ、認可された種だけが、
    世界に解き放たれたんだ。
    エリディブス : そして、もうひとつ……。
    先の話に出たオリジナルのファダニエルが、
    十四人委員会に入る前、そこの所長を務めていた。

「エルピスの花」

ラヴィリンソス

  • シャーレアン哲学者議会が隠す謎を探る中、ラヴィリンソスのとある場所でこの花を見つける。シャーレアンの植物学者ですらよく分かっておらず、「人の心を映す花」と呼んでいる。
    エルピスの花
    実験農場の植物学者 : おや、その花が気になるかね?
    実験農場の植物学者 : とても綺麗な花だろう。
    私たちは、「人の心を映す花」と呼んでいるんだ。
    実験農場の植物学者 : はは、胡散臭いと思ってるだろう。
    だが本当なのさ。
    実験農場の植物学者 : 今は灰色か……。
    ここで働くみんなの、急な命令に対する不安や焦り……
    そういったものが表れている色なのかもしれないね。
    実験農場の植物学者 : そんな風に、周囲の人がいい気分なら明るい色に輝くし、
    苛立ったり落ち込んだりしていると、暗い色を帯びるんだよ。
    実験農場の植物学者 : その原理は、シャーレアンの叡智をもってしても、
    いまだ解明されていないんだ。
    実験農場の植物学者 : ほかにも未解明な部分は多い。
    とても長寿な花である反面、繁殖力が低くてね。
    外では滅多にお目にかかれないんだ。
    実験農場の植物学者 : 分布図を作ろうにも目撃情報が足りないし、
    類似した植物もないことから、原産地は不明……。
    実験農場の植物学者 : かろうじてこの花の存在を知っている人々も、
    それぞれに名前や伝承を与えているものだから、
    正しい名前があるのかどうかすら、わからないんだ。
  • その後妙な行動を取り始めるクルルから一輪手渡され、さらにその後「彼女」に変わってしまう。
    エルピスの花
    クルル : これを、あなたに……。
    魔法をかけたから、当分枯れないわ。
    クルル : 「彼女」から、そうしてほしいと頼まれたの。
    あなたの旅には必要なものなんですって。
    クルル : それじゃあ、しばらく「彼女」に代わるわね。
    ミンフィリアさんほどは、うまくできる自信がないけど……。
    クルル : ……ありがとう。
    ハイデリン : 驚かせてごめんなさい。
    大丈夫、この子の身体はすぐに返します。
    ハイデリン : 第一世界を「光の氾濫」から救えなかったように、
    私だけで物質界に干渉するのは難しい……。
    ハイデリン : 先のような幻体では、言葉を交わせはしても、
    花に魔法をかけることすら叶わないのです。
    ハイデリン : けれど、命の還る場所……星海のことならば。
    思うがままとはいきませんが、多少は手が届きます。
    ハイデリン : 第一世界ですべての力を託し終えたミンフィリアの魂も、
    掬いあげ、今はここ原初の海に……。
    優しいあの子には、故郷で穏やかに眠ってほしかったのです。
    ハイデリン : そして、もうひとり……。
    その者に行き着くかどうかは、これからのあなた次第。
    ハイデリン : 花を携え、歩みなさい。
    願う場所へ……望むままに……信じて。
    ハイデリン : それは道標であり、あなたを、人を試すもの。
    ハイデリン : 暗闇のうちに、歓びを探すのです。
    絶望に目を凝らし、哀しみを掻き分け、
    前へと歩み続けた者だけが、その真なる輝きを得る……。
    ハイデリン : どうか、みんなと、結末を照らして。
    クルル : 時間切れ……みたい……。
    彼女の気配が遠くなっちゃった……。
    クルル : 心配かけて、ごめんなさい。
    実は、ラヴィリンソスに下りてきたあたりから、
    誰かの意思が働きかけてくるのを感じていたの。
    クルル : とても弱々しくて、私の「超える力」でも、
    すぐには拾えなかったんだけど……。
    クルル : やっと捉えたら、ハイデリンだっていうんですもの!
    事情を聞ければと思って、一時的に協力したの。
    クルル : すべてを解き明かすには至らなかったけど、
    花を……彼女が道標と呼んだものを手に入れることができた。
    クルル : うん、一歩前進としましょう!

サベネア島

  • ゾットの塔を開放した後にエルピスの花を眺めていると、ラザハン式の錬金術士ニッダーナが「アーカーシャ」に呼応してるのではないかという示唆をしてくる。ここで暁の血盟は初めてエーテル以外の力の概念を知ることになる。
    クルル : 綺麗……!
    最初に見たときの色と、全然違うわ……!
    ニッダーナ : それは……?
    ニッダーナ : 人の心を映す花……。
    珍しいね、「アーカーシャ」に呼応してるのかな。
    クルル : どういうことかしら?
    ニッダーナ : ああ、えっと……
    アーカーシャは、ラザハン式の錬金術に存在する概念で、
    目には見えない力のひとつよ。
    ニッダーナ : 想いが動かす力、なんて言われてるんだ。
    アルフィノ : エーテルとは違うのかい?
    ニッダーナ : そうだね、外国の人には混同されやすいんだけど、
    アタシたちは区別してる。
    ニッダーナ : エーテルは、地に満ちる力。
    あらゆる生物や物体、そこに触れる大気の中にさえあって、
    状態を変えながら巡っていくもの。
    ニッダーナ : 対してアーカーシャは、
    アタシたちの手が届かない領分にある力……
    天より下りし力なの。
    ニッダーナ : その在り方を、アタシたちの行いで変えることはできない。
    増やすことも、消すことも、何ひとつとしてね。
    ニッダーナ : けれど唯一、想いによってのみ、
    アーカーシャを動かすことができるんだ。
    ニッダーナ : 歴戦の猛者であるキミなら、
    窮地に陥ったときや、高揚が極まったときに、
    限界を超えたことがあるんじゃない?
    ニッダーナ : あれこそ、強い意志によって、
    キミの底力にアーカーシャが乗っかった状態ってこと!
    ヤ・シュトラ : とても興味深いわ……!
    エーテルを唯一の力の根源とする私たちの学問にはない考えよ!
    ニッダーナ : そう言ってもらえると、なんだか嬉しいな。
    ニッダーナ : だけど、アーカーシャはアタシたちにとっても、
    古典の概念にすぎないというか……
    実用性がないから、研究らしい研究もされてないの。
    ニッダーナ : その花についても、「そうかな」って思ったくらいで、
    詳しい説明はできそうにないや。
    ごめんね……。
  • さらにラザハンを去ろうとしているところに現れ、負の感情によってアーカーシャが動かされ、人を獣に変えたりエーテルもなしに活動させてる可能性について指摘する。
    ニッダーナ : ううん、そうじゃなくて、
    ちょっと思いついたことがあって確かめにきたの。
    ニッダーナ : 人が獣に転じるとき、エーテルが消失する……
    なら、あの獣はなんで活動できているのかって、考えてたんだ。
    ニッダーナ : 単純に考えれば、エーテルに代わる活力があるはず。
    そのときふとね、最近キミたちと、
    エーテルとは異なる力の話をしたなって思い出したんだ。
    ヤ・シュトラ : 確か……アーカーシャ、だったかしら。
    目には見えない、天より下りし力……
    ヤ・シュトラ : 想いが動かす力……!
    ニッダーナ : そう、負の感情によってアーカーシャが動かされ、
    人を獣に変えたり、エーテルもなしに活動させてる……
    そんな可能性もあるんじゃないかって。
    ニッダーナ : ねえ、まだあの花を持ってる?
    ニッダーナ : ……その花が、
    周囲の人の想いによって動いたアーカーシャを捉え、
    それによって輝きを変えていたのだとしたら。
    ニッダーナ : 存在が耐えきれないほどの強烈な力が、
    ここに渦巻いていたんじゃないかな。
    不安や恐怖、絶望を呼び水としてね。
    ニッダーナ : 気をつけて……。
    終末は、アタシたちの触れられる理の外にある現象かもしれない。
    ニッダーナ : って、脅かすみたいでよくなかったね。
    アーカーシャについては、アタシも引き続き調べてみるよ。
    ニッダーナ : 前も言ったとおり、具体的な研究はされてこなかったから、
    成果は期待できないかもしれないけど……。
    ヤ・シュトラ : こうして可能性に気づけただけでも十分な進歩よ。
    あなたも錬金術師たちも、身の安全を最優先にね。

嘆きの海(月)

  • 月の監視者」が花に気づき、花の名前は「エルピス」だと教えてくれる。さらにヴェーネスの協力者の魂であったという「月の監視者」は、彼女の真意が隠されているのかもしれないと言う。
    月の監視者 : これは懐かしい。
    ……どうしてその花を?
    月の監視者 : なるほど、ヴェーネスらしい話だ。
    月の監視者 : だとすれば、その花を標として進んだ先には、
    私たちですら知らない彼女の真意が、
    隠されているかもしれないな。
    月の監視者 : 覚えておくといい。
    その花は、我々の時代には「エルピス」と呼ばれていた。
    月の監視者 : ゾディアークのいなくなった大穴を眺めていたら、
    貴殿らが次々に渡ってきたものだから、
    つられて出てきてしまったんだ。
    月の監視者 : おかげで、懐かしいものが見られた。
    ……といっても、これは私の記憶ではなく、
    私のオリジナルが持っていた知識だが。
    月の監視者 : エルピス……その名を携え、行くといい。
    この先、アーテリスが暗い影に覆われたとしても、
    貴殿らが、希望の光を見つけ出せることを願っている。
  • ただしシャーレアン出身のヤ・シュトラは「エルピス」という何心当たりはないという。
    ヤ・シュトラ : 確かに、月の監視者はそう言っていたわね。
    エルピス……私には心当たりがない言葉だわ……。
    アルフィノ : 残念ながら私もだ。
    「我々の時代には」と言っていたということは、
    古代人たちの言葉だということになるのかな。
    ヤ・シュトラ : そうでしょうね。
    ただ、アニドラスの記録を閲覧していたときにも、
    聞いた覚えはないわ。
    アリゼー : じゃあ、この線で追うのも無理ってこと?
    古代人の生きた時代のことなんて、聞ける人もいないし……。
  • ここでいったんハイデリンから示された道標は途絶えたかに思えたが、グ・ラハ・ティア古代人たるエリディブスならなにか知っているかもしれないと語りだす。
    グ・ラハ・ティア : いや……ひとりだけ、いるかもしれない。
    グ・ラハ・ティア : ……エリディブスだ。
    グ・ラハ・ティア : オレは白聖石に代えて、
    第一世界のクリスタルタワーに彼を封じ込めた。
    グ・ラハ・ティア : あの塔に込められたエーテルは、
    機能の維持なんかに使われ、少しずつ星海に還ってる。
    ……だから、彼の魂ももう、そこにはいないかもしれない。
    グ・ラハ・ティア : でも、もしまだ留まっているとしたら……
    話せる可能性もあるんじゃないか?
    グ・ラハ・ティア : オレは……オレたちはもう、それを確かめには行けない。
    でも、あんたなら、再び第一世界に渡ることができる。

第一世界

  • 第一世界クリスタルタワーに登り、エリディブスに花のことを尋ねると、果たして彼は答え(ただし場所の名前として)を知っていた。
    エリディブス : ……エルピス?
    ふむ、確かにそれは私たちの時代にあったものだ。
    エリディブス : もっとも、私が知るのは花の名前ではなく、
    「ある場所」の名前としてだが。
    エリディブス : エルピスは、創造魔法で生み出された生物の実験場だった。
    そこで生態を調べ、認可された種だけが、
    世界に解き放たれたんだ。
    エリディブス : そして、もうひとつ……。
    先の話に出たオリジナルのファダニエルが、
    十四人委員会に入る前、そこの所長を務めていた。
    エリディブス : そのころの……座に就く前の彼の名は「ヘルメス」という。
    エリディブス : とはいえ、それらの事実と終末の関係性はわからない。
  • こうして花の名前からスタートした旅は、ここで遥か古代の場所の名前へとリンクすることになる。
  • エリディブスは記憶が混濁しながらも、かつて(1万2千年前)のエルピスに行ってみないかと提案する。
    エリディブス : いや……君はエルピスにいた……。
    私はそれを……見た覚えがある……。
    エリディブス : おかしい、そんなはずはない……。
    この記憶の断片は、なんだ……?
    エリディブス : これは……どうして……こんなにも…………。
    エリディブス : ……すまない、記憶が混濁したようだ。
    だが、おかげでひとつ、思いついた手がある。
    エリディブス : 君が過去の……
    ヘルメスが所長をしていた時代のエルピスに行く、という手だ。
  • しかしそれは同時にエリディブスの魂を使い切ってしまうことでもあった。

エルピス

  • そして遂に、光の戦士は「エルピスの花」へとたどり着く。
    メーティオン : それ、エルピス、エルピスの花!
    メーティオン : わたしと、一緒の、エンテレケイア!
    ヘルメス : その花は、この施設で創られたんだ。
    それで、エルピスの名を冠している……。
    ヘルメス : 昔ここに、美しい花を創ることを愛している職員がいた。
    彼女が試行錯誤するうちに、偶然生み出したのだという。
    ヘルメス : おもしろいのは、なんといっても、
    周囲の心を映して纏う色を変えるところだ。
    ヘルメス : ……とはいえ、ここでも地上でも、
    陰りなき純白を纏っていることが大半だが。
  • エーテルとはまた別の「想いが動かす力」。
    ヒュトロダエウス : へぇ、人の心を映す……
    それってどういう仕組みなんだい?
    ヘルメス : 世界には、エーテルとはまた異なる、
    「想いが動かす力」というものがある。
    ヘルメス : 自分たちがエーテルを自在に繰るように、
    この花は、その力を受けたり、作用させることができる。
    ヘルメス : ……とはいえ、花自身には明確な意思がない。
    だから、周囲の感情によって動いた力を受け、
    それを色や輝きといった現象に変換しているんだ。
    ヘルメス : 自分たちはその力を「デュナミス」と呼んでいる。
  • ここでニッダーナの言葉を思い出し、その力は「アーカーシャ」ではないかと尋ねるが、しかしヘルメスは「アーカーシャ」ではなく「デュナミス」だという。
    ヘルメス : アーカーシャ……。
    その呼び名には心当たりがないが、
    話を聞くに、同じものを指しているように思う。
  • 想いを自在に現象へと換えられる存在「エンテレケイア」

    ※厳密にはデュナミス自体は昔から提唱されていた概念であり、ヘルメスが発見したわけではない。「エルピスの花」によるデュナミスの実証を受けてヘルメスが生み出したのは、世界で最初の意思を持つエンテレケイア「メーティオン」である。

    ヘルメス : そして、エルピスの花のように、
    デュナミスを繰ることができる存在……
    ヘルメス : 想いを自在に現象へと換えられる存在を、
    「エンテレケイア」と呼ぶ。
    メーティオン : わたしも、わたしも!
    エンテレケイア!
    ヘルメス : ああ……。
    その子は世界で最初の、意思を持つエンテレケイアなんだ。
    エメトセルク : 待て待て!
    エーテルとは異なる力、デュナミスだと?
    エメトセルク : そんなもの、私ですら初めて聞くが?
    ヘルメス : 無理からぬことだ……。
    まず、デュナミスは人に見えないし、感じ取れもしない。
    ヘルメス : 理論上は長らく「あるに違いない」とされていたが、
    エルピスの花が偶然創造されるまでは、
    存在を実証することさえできていなかった……。
  • こうして光の戦士は、遂にラヴィリンソスで「エルピスの花」に託したハイデリンの思い、終末を招く根源である「デュナミス」を知ることになる。
  • さらにエルピスの花の色が変わるのはヘルメス一人ではないことを知り、ヘルメスは大きく心を動かされる。
    エルピスの花
    ヘルメス : 自分の前には……死にゆく生物たちの瞳には……
    哀しみも、絶望も、理不尽への怒りも確かにあるのに……。
    ヘルメス : この世界は、素知らぬ顔で幸せそうに笑い続けるんだ。
    エルピスの花はいつだって、
    無垢な白と、明るい歓びの色に輝いている……。
    ヘルメス : そのことへの違和感が……何か、暗いものが……
    日に日に胸の内で膨れ上がっているんだ……。
    ヘルメス : 周りにおかしいと叫んでやりたくなる一方で、
    おかしいのは、こんなことを思う自分じゃないかと……
    怖ろしくなってくる……。
    ヘルメス : だが、この世界で哀しみを知るのは……
    エルピスの花をこんな色に染めるのは、自分だけじゃなかった。
    ヘルメス : 花の傍らで何を思ったのかは聞かない。
    もしかしたら、メーティオンにせがまれて、
    仕方なくやってくれたことかもしれない。
    ヘルメス : それでも……ありがとう……。
    ヘルメス : こうして確かに哀しみがあり、怒りがあり、苦しみがある。
    その事実を知っていてくれることが……こんなにも優しい。

現実世界でのエルピス

  • 現実世界においては、Elpisは古代ギリシア語で「希望」を意味し、ギリシア神話では希望の女神とされる。
  • 「パンドラの箱」の逸話で知られる。
  • プロメーテウスが天界から火を盗んで人類に与えた事に怒ったゼウスは、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るようにヘーパイストスに命じたという。ヘーパイストスは泥から彼女の形をつくり、神々は彼女にあらゆる贈り物を与えた。アテーナーからは機織や女のすべき仕事の能力を、アプロディーテーからは男を苦悩させる魅力を、ヘルメースからは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えられた。そして、神々は最後に彼女に決して開けてはいけないと言い含めてピトス(甕)を持たせ、プロメーテウスの弟であるエピメーテウスの元へ送り込んだ。※もともとは”甕(かめ)”であったがルネサンス時代に「箱(pyxis)」を訳語としてあてたことから、”パンドラの箱”として広まったのだという。
  • 美しいパンドーラーを見たエピメーテウスは、プロメーテウスの忠告にも耳を貸さず彼女と結婚し、そしてある日パンドーラーは好奇心に負けて甕を開いてしまう。すると、そこから様々な災い(エリスやニュクスの子供たち、疫病、悲嘆、欠乏、犯罪などなど)が飛び出した。しかし、「ἐλπίς」(エルピス)のみは縁の下に残って出て行かず、パンドーラーはその甕を閉めてしまった。
  • この最後に残ったエルピスについては、どう解釈するかが分かれており、古典ギリシャ語のエルピスは、「予兆」とも「期待」とも「希望」とも訳され得る。英語圏ではエルピスは「Hope」(希望)と呼ばれている。「エルピス」を「希望」とする説では、数多くの災厄が出てきたが、最後に希望が出て来たので人間は絶望しないで生きる事が出来るとされている。


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