スタッフ/市田真也

市田真也氏

  • 株式会社スクウェア・エニックス
    • 旧FF14時代(少なくともメディアなどに露出した2009年ごろ?)からFF14に関わっており、2022年現在も継続してチームにいる息の長い開発メンバーのひとり。
    • パッチ3.3よりトレーラービデオの製作を(髙井浩氏の後を受けて)担当している。
  • 2017年には「リードアーティスト」
    • 2022年の14時間生放送時点も「リードアーティスト」
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過去の担当タイトル

  • Final Fantasy VIII、Final Fantasy IX、Final Fantasy X、Final Fantasy X-2、KINGDOM HEARTS、FRONT MISSION 4、FRONT MISSION ONLINE、FRONT MISSION 5のモーションを担当。※すでに両動画ともに公式で削除済
    • フロントミッションではモーションのリードをやっていたという。

FF14での担当

旧FF14

  • FF14モーションデザイナー
    • 旧FF14チームのモーション班の層の厚さは尋常ではなく、市田氏はライブ系(クラフターなど)のサブリーダーとして入ったという。
      • ※(例えば)市田氏と仲のいい健夫氏はFF12のモーションのリードをやっていたし、フロントミッションのディレクターがリードをやっていたり、FF11のモーションのリードもいたりした。そのため声をかけられた時に、「市田君はリードの席がないけど良い?」と確認されたが、それら錚々たるメンバーと一緒に仕事がしたいがために引き受けたという。
    • 最初にやっていたのがプレイヤーキャラクターの「エモート」や、ギルドNPCのモーション(鍋かき回したり)製作など。
    • (旧FF14開発中の)初登場時は開発部「リードアニメーター」だった

新生FF14

  • 新生で作り直すとなって、今度はプレイヤーキャラクターのバトルモーションやプレイヤーキャラクターの基礎動作などを担当した。
  • 2016年には「リードデザイナー」として「バトル周りのグラフィックス全般を見ている」と紹介されている。

パッチトレーラービデオ

  • 「第8回14時間生放送」のサブチャンネルにおいて、トレーラービデオの製作をパッチ3.3「最後の咆哮」(パッチリリースは2016/6/7だが、トレーラー公開は5/27)以降は髙井浩氏より引き継いで担当していると明らかにされた。

市田氏担当以降のトレーラー紹介

  • 以下は同コーナーで「DLL」としてコメント付きで紹介されたパッチトレーラー。なかなかおもしろかったので文字起こしをしてみた。※あくまで簡易なまとめであり正確な内容は公式録画を参照のこと。

パッチ3.3「最後の咆哮」トレーラービデオ(2016年5月)

  • 担当替わりとなって初めてのパッチ3.3トレーラーでは、いきなり作風が変わったりテイストが変わるとダメだということで、髙井さんの作風を継続することを意識したという。髙井氏に見せた時も「これだ!」と言ってくれたという。当時尺的には10分程度あり、1つ1つのコンテンツを順番に紹介していくというスタイルで、パッチ4.0?まではそのスタイルだったという。※トークでは4.2までと言っているが、その後4.1のトレーラーで映画のようなトレーラーに変化したと語っている。
  • トレーラーに登場するパーティメンバーは、基本的に市田氏配下のモーション班のスタッフや、エフェクト班も駆り出してスタッフ総出で操作しており、トレーラー作成には4週間ぐらいかけて行っているという。そのうち最後の1週間はサウンド班やローカライズ班の担当部分となっている。撮影に2週間、編集にも2週間程度を、合計3週間程度の期間中に同時並行して行う。字コンテを市田氏が書き、実際の編集は市田氏とC&Sのスタッフとでマンツーマンで行っているという。


パッチ4.1「英雄の帰還」トレーラービデオ(2017年9月)

  • パッチ4.1「英雄の帰還」では、映画の予告トレーラーのような(コンテンツごとではなく全体を刻んで)編集された映像になり、尺も3分程度に変化した。吉田氏よりのオーダーだったという。またMちゃんからも長いと最後まで見てくれないという指摘があったという。
  • なお市田氏にとっては、スクエニに入って二十何年働いているが、その中での一番のやらかしをしてしまった仕事として記憶されているという。当初吉田氏からは、松野泰己氏シナリオ担当の24人アライアンスレイドリターン・トゥ・イヴァリース」が始まることもあり、映画のような編集をしてくれというオーダーを受けたが、市田氏にしてみると好評を頂いているトレーラーの10分尺を変更するとは受け止めておらず、締め切り3日前に完成しました!と10分尺のものを見せに行ったのだという。

    アライアンスレイドは新生の「クリスタルタワー」シリーズ、蒼天の「シャドウ・オブ・マハ」シリーズと来ての第三弾で、外部の脚本家(しかもゲーム業界で非常に知名度の高い松野氏起用)を入れるという、その後のヨルハにも続く、当時のFF14としての看板ともなる新機軸の大きなひとつだった。

  • すると吉田氏はえっ?となり、なんでオーダーと違うのかと問いかけてきたという。そこで初めてオーダーと自分の想定していたものが違うことに気づいた市田氏は(サウンド及びローカライズ着手まで)残り2日しかない状態だったが「作り直します」と言ったという。するとすぐ髙井氏が来て、「なんでお前無理なものをできるって言っちゃったの?責任を取る者は、できないものはちゃんと”出来ません”と言わなきゃいけない」と諭されたという。しかし市田氏にしてみれば(ここで10分尺バージョンをそのまま流せば)信頼を失いかねない状況であり、どうしてもやらなきゃいけない状況なので作り直したのだという、実際には髙井氏も心配して横で「ここはこうした方がいいんじゃないか」と指導してくれたのだという。そうしてなんとか出来上がったのが公式に流れたバージョンだったのだという。

    ※パッチ番号自体は4.1だが、パッチX.0のトレーラービデオは旧ヴィジュアルワークス部(現イメージ・スタジオ部)発注であり、開発部では直接製作しない。そうした中で、4.1トレーラーは今後こう変わるんだという大事な初っ端のトレーラービデオという位置づけになる。そのため、じゃあ次の4.2トレーラーから変えますかと言うわけにはいかないという事情があった。


パッチ4.2「暁光の刻」トレーラービデオ(2018年1月)

  • そうした中で反省を活かし、映画の予告版を市田氏なりに(本編と予告を見比べるなど)勉強して製作されたトレーラー。参考になったのは「ゲーム・オブ・スローンズ」やマーベル系ヒーロー物の映画だったという。また邦画ではアクションは少ないものの、セリフとセリフの噛み合わせ方で繋いでいく手法が勉強になったのだという。
  • ※ちなみに、ひとつ前のパッチ4.1から林氏がエモートも担当することになり、これより後はエモートが報酬アイテムとして登場することが急に増えたのだという。これ以前は市田氏が前の仕事であったフロントミッションオンライン担当時に蓄積したリストやノウハウを元にモーション班で提案して製作していたとする。


パッチ4.3「月下の華」トレーラービデオ(2018年5月)

パッチ5.1「白き制約黒き密約」トレーラービデオ(2019年11月)

  • 冒頭の鳩は他のリソースから持ってきて、わざわざカメラの前を横切るように自分で飛ばしているもの。このカット自体がレイド攻略時にはない。
  • ヨルハで登場する変形飛行体のマウント化要望が出ているが、難しいという。あれを入れるとなると他のマウント5体分くらいのコストがかかってしまうのだという。
  • 5.1からパッチアートに実機の映像を重ねていくという演出手法を取り入れた。※ここでは2B(ヨルハ二号B型)とヒカセンの2人立ち。
  • (当然そういうものを考慮せず)先にアートが仕上がってくるが、それに合わせに行く必要がある。ポーズなどがインゲームキャラでは不可能な場合があるが、それは都度、市田氏が自ら(モーションキャプチャースーツを着て)キャプチャーなども行って作っているのだという。通常インゲームのキャラでは歩きながら武器をかつぐなどは出来ない。あのシーンは丸々長尺のアニメーションのモーションデータを作って制作したもの。※なのであのひろし(ヒカセン)は市田氏自身のモーション。
  • そうした市田氏自身が作成するモーションは結構多く、最近だとピザを食べるエモート(笑顔込み、全種族男女分)がそうだという。あとは乾杯なども。


パッチ5.3「クリスタルの残光」トレーラービデオ(2020年8月)

  • 漆黒ストーリーの締めくくり。
    • ※FF14のメインストーリーは、通常X.3で終わって、X.4から次のストーリー(の仕込み)が始まっている。その後拡張(X.0)で全編が大きく描かれ、X.1~後日譚が描かれるという流れ。
  • セリフを聞いてもらいたくて静かな立ち上がりにした。石川さんのシナリオ本を見せてもらった時に、絶対にこのセリフは使おうと決めていたという。セリフあっての構成となっている。なおトレーラービデオでのウリエンジェの登場率が高めなのは「使い勝手が良い」ためであり、基本的に謎めいたことを言うので、トレーラーにピッタリなのだという。思わせぶりでネタバレにならないため、ついつい使っちゃうという。

パッチ6.2「禁断の記憶」トレーラービデオ(2022年8月)

  • 無人島の青い空と対極的なヴォイドの空が映る展開。
  • 英雄だった光の戦士が、いち冒険者に戻って世界を巡るという展開に合わせた内容になっている。

現在のトレーラービデオ制作状況

  • 髙井氏より引き継いだ時点では市田氏がほとんどを担当していたが、現在はスタッフが色々分担してくれており、素材を撮ってくれたり、編集をしてくれたり、パッチアートのエフェクト周り(パッチアート画像に対して、切り出して分解して動かしてと、エフェクト班がエフェクトを付けている)をやってくれたりという風に分担できている。
    • ※エフェクト班の本来の仕事を調整締めまでに終わらせた後のお仕事。髙井氏はこれを全部ひとりでやっていたという。スキル的に出来るからという問題ではなく(そもそも高井氏が担当していた)量がおかしい。(まだ完全には動いてないものを強引に動かして)素材を全部撮ってエフェクト付けてサウンドに依頼してというのは、「普通」の人には一人では無理なボリューム(髙井氏だから一人で全部できてた)。それを普通の人が分担して出来るようにやっているのが現状。みんなが超人じゃないので。
  • 今や市田氏はリードアーティストとなっており(要するに管理職)、自身の本来業務としては(現場から離れた)ディレクション業務的なものにシフトしてしまっている。それは最優先でやるべき仕事。しかしその中でこのトレーラービデオ製作業務は、最後にただひとつ残った現場業務。毎回苦しんではいるが楽しいお仕事。なのでこれは取られたくはないし、なので三代目はまだ作らないとする。最近、映画「トップガン マーヴェリック」を見てまだまだトレーラー製作業務頑張るぞと決心したという。

パッチトレーラビデオを見る

関連項目

スクウェア・エニックス

スタッフ:【Sage Sundi】 【マイケル・クリストファー・コージ・フォックス】 【マット】 【ミニオン同盟】 【佐藤弥詠子】 【前廣和豊】 【千葉知樹】 【吉田明彦】 【吉田直樹】 【和田洋一】 【室内俊夫】 【岩尾賢一】 【政尾翼】 【新納一哉】 【松井聡彦】 【松田楠緒】 【松野泰己】 【橋本善久】 【河本信昭】 【片山理恵子】 【生江亜由美】 【田中弘道】 【皆川裕史】 【石川夏子】 【祖堅正慶】 【織田万里】 【鈴木健夫】 【馬場敬一】 【髙井浩】 【髙柳早紀】 【髙橋和哉



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